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中国市場の伸びは万里の長城が如く！ “Smartphone中国市場の可能性”【GREE Platform Summer Conference 2011】

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●プラットフォーム共通化と日中コンテンツの市場共有でウインウインの未来へ

　2011年8月5日に開催された“GREE Platform Summer Conference 2011”。同カンファレンス内にて、複数の講演会が行われた。本記事では、その中から“Smartphone中国市場の可能性”と題したパネルディスカッションの模様をお届けする。

　中国市場に関する講演ということで、パネルディスカッションに先立ち、中国最大のユーザーを有するオンラインコミュニティサービス企業“Tencent”のデイビッド・グオ氏（ゼネラル・マネージャー）がステージに登壇。さきの記者会見で発表された“GREE Platform”と仕様を共通化したオープンプラットフォーム“Tencent Wireless Open Platform for Community”をフィーチャーフォンとスマートフォン向けに展開することを受けて、｢GREEは日本最大級のコミュニティーです。そして、Tencentは中国最大のインターネット企業であります。我々はグリー様と協力して、グローバル化やカルチャライズ化、課金、言語、技術、サポートを構築すると｣（デイビッド）と挨拶。続けて｢ユーザー確保、サーバーゼロコスト、最善なカルチャライズ｣をTencentがデベロッパーに提供するものとして挙げた。

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　そのほか、｢現在、モバイル利用人口は3億人だが、2年後には5億人が見込まれる｣、｢スマートフォンの普及も今後9000万台になっていく｣など、デイビッド氏は中国におけるモバイル、スマートフォン市場が今後も成長を続けていくだろうと説明した。

●日本のメーカーは中国で儲けることができるのか？

　デイビッド氏が降壇すると、いよいよパネルディスカッション“Smartphone中国市場の可能性”へ。田中章雄氏（インフィニティ・ベンチャーズLLP　共同代表パートナー）をモデレーターに、庄司顕仁氏（タイトー　ON!AIR事業本部長）、小林伸太郎氏（コーエーテクモゲームス　ネットワーム事業部長）、アレックス・クゥ氏（Perfect World　VP of Strategy）、スタンフォード氏（Moca　CEO）、イバン・リー氏（Tencent　プロダクトディレクター）をパネリストに迎えて行われた。

　｢このセッションは……要は日本の企業が中国市場でも儲けることができるのか？　というものです。実際、中国は人口を始め、数字を見るとすごい。モバイル人口3億人で、2年後には5億人が見込まれるなど、多くの消費者を抱える大きな市場の国。少子化の日本から見ればうらやましいです。さらには、Tencentがインターネット企業として世界3位の地位にあるなど、モバイルビジネスにとっても注目されています。しかし、必ずしも皆がビジネスで儲けられるわけじゃありません｣と田中氏。

　では、中国市場で勝つための課題は？　日本や海外のメーカーが参入して成功できるのか？　｢じつは過去に中国市場に参入したメーカーさんがいます｣と、田中氏は庄司氏（タイトー）、小林氏（コーエーテクモゲームス）に話題を振る。まず｢我々は、2003年に中国でケータイアプリのダウンロードコンテンツの配信を開始しましたが、いろいろな問題があってうまくいきませんでした｣と、庄司氏が当時を振り返れば、小林氏も｢弊社は開発スタジオを作っており、モバイル、オンラインの事業で中国に参入しました。オンラインについては中国企業とパートナーシップを結んでおりますが、モバイルについてはタイトーさん同様、いろいろな問題があり撤退しています｣とのこと。

　両氏が口を揃える“問題”とは何か？　それは違法ダウンロードや海賊版だ。この問題について、｢かつて『パズルボブル』という弊社の代表作をダウンロードゲームとして展開しようとしたら、『パズルボブル』の海賊版や似たタイトルがすでに中国にたくさんあると断られたことがありました｣（庄司）、｢『三国志』シリーズを中国でも展開しているんですが、昔はチャイナジョイに行くと会場で“どこかで見たゲームだな”と『三国志』のようなゲームや、武将のグラフィックがソックリなゲームなどが展示されていて、似たゲームが出てくるスピードが速くて驚いた記憶があります｣（小林）と、それぞれエピソードを語っていた。

　この件について、アレックス氏（Perfect World）は、｢中国のモバイル市場について、海賊版の問題は海外のゲームデベロッパーだけでなく、私たちも被害者でした。1998年ごろはほとんどのダウンロードゲームの海賊版が出回っていました。海賊版を水の中に例えると、その水の中でやってきた我々にはオンラインゲームの知識というエラを得ることができた。そのノウハウを活かしつつ、どうやって儲けを生み出すかがわかってきたんです｣と、中国の国内企業も海賊版に苦しめられていたエピソードを披露した。


▲田中章雄氏。	▲庄司顕仁氏。	▲小林伸太郎氏。

　つぎに｢中国で儲かっている人の意見も聞きましょう｣と田中氏は、スタンフォード氏（Moca）に、いまの中国のモバイル市場は、デベロッパーにとってどのようなものかと質問。これについてスタンフォード氏は、｢Tencentとは、ワイヤレス分野で7年仕事をしてきました。そして、私たちが中国市場でどのようにしてワイヤレスの分野で成功したのか？　じつは、もともと単体のゲームでやってきましたが、それが海賊版などの影響でビジネスとして成り立たなくなり、ケータイのMMOゲームを始めました。ただ、中国は3G回線のスピードが遅かった。中国はローエンドのモバイルだと、そのスピードは非常に遅い。しかも、そのローエンドのモデルが、非常に多く普及しているんです。プラットフォームからすると通信機器は重要です。ですから、我々はより多くの端末に良いものを提供して、無線で快適にアクセスできるようにすることで、ビジネスを成功させています｣と語った。

　最後のテーマは、日本企業がスマートフォンで儲けるにはどうしたらいいのか、というもの。そのことについてイバン氏（Tencent）はつぎのようなメッセージを送った。

｢Tencentの大多数のユーザーは、おもにモバイルQQとSNSサービスを利用しています。そして中国のゲーム産業は、2008年以降、インターネットゲームが落ち込んでいる代わりにモバイルは成長率が高く、今後はさらに急激に伸びていくと考えています。その成長の要因はSNSにあります。もちろん中国のユーザーは、つねにゲームも求めているので、ソーシャルゲームに注目が集まっている。いま中国のスマートフォン市場は大きくなっており、プラットフォームやデベロッパーもスマートフォンに対応する準備をしています。中国のスマートフォン市場が発展すれば、すばらしい未来が待っている。そのために、日本のデベロッパーが中国で成功してもらうことは重要ですし、それがうまくできるようにグリー、Tencentが協力していければと思う｣（イバン）