『謎惑館～音の間に間に～』プレイインプレッション

2011年8月4日に発売されたニンテンドー3DS用ソフト『謎惑館～音の間に間に～』。音が主役という“謎”多き本作のインプレッションをお届けしよう。

●ゲームの型にハマらないゲーム。立体音響と直感操作が楽しい！

　2011年8月4日に発売されたニンテンドー3DS用ソフト『謎惑館～音の間に間に～』。音が主役という“謎”多き本作のインプレッションをお届けしよう。

　この作品の音声と効果音は、立体音響技術“オトフォニクス”を用いて制作されている。イヤフォンやヘッドフォンを使って聴くと、前後左右のあらゆる方向から音が聞こえてきて、本当にその音を聴いているかのような臨場感が味わえるのだ。
　さらに、ニンテンドー3DSならではの操作で遊ぶのも本作のポイント。マイクに向かって話しかける、息を吹きかける、ジャイロセンサーやタッチペンで操作を行う、ニンテンドー3DS本体をカメラに見立てて写真を取る、といった操作でゲームは進んでいく。RPGやシミュレーションゲームとはまったく違う操作で遊ぶので、新鮮な気分でプレイしていけるユーザーが多いのではないだろうか。

　と、以上で本作の説明は終わり。｢え？　これだけ？｣と思う方が多いだろうが、本当にこれだけなのだ。つまり、分厚い説明書を読む必要もなければ、プレイまえに覚えておくべきルール、ゲームの攻略に必要な知識などは、いっさいない。ゲームを始めると、謎惑館の案内人が出てきて、部屋へと自動的に案内される。そこで何をすべきか(どうやって遊ぶか)は、部屋の住人が教えてくれるので、迷うことなくプレイしていけるのである。そして、一風変わった館の住人たちとのやり取りを体験することとなる……。本作は、そんなゲームらしさのないゲームだったりするので、ぜひ、みんなも気軽に手にとって、遊んでみてほしい。

●音のエンターテインメント

　謎惑館で聴ける音は、部屋によってさまざまだ。祭りの場の音、囲炉裏で食べ物を焼く音、ドライヤーで髪を乾かす音などを立体音響で聴くことができる。しかし、日常で普通に聴けるような音ばかり(そうとも限らないが)では、すぐ飽きてしまうというもの。そこで、ちょっとした趣向をこらした音が聴ける部屋も用意されている。
　女の子の膝まくらで耳かきをしてもらうときの音、かわいい女の子と会話しているときの音、メイドカフェで食事をしているときの音など、なかなか体験できないか、普段はとくに意識して聴いていないときの音が聴ける場合もある。さらに、ペガサスの鳴き声などの架空の音声、スズメバチが耳の中に入ってきたときの騒音など、リアルでは聴けない(あるいは聴きたくもない)音が聴ける部屋まであるのだ。
　本作は、まさに音のカーニバルとも言えるほどに、いろいろな立体音響が収録されている。どうですか？　ちょっと聴いてみたくなってきたのではありませんか(笑)？

●プレイするときの注意点

　立体音響を堪能するには、イヤフォンやヘッドフォンが必要不可欠。ニンテンドー3DSのスピーカーで聴いても、立体的な音声を体感することはできる。しかし、それではかなり不十分だ。それに、奇妙な住人たちとのやり取りは、ほかの人に聴かれると、ちょっと都合の悪い場合も(笑)。女の子がマッサージを受けているときの気持ちよさそうな吐息など、ひとりでこっそり聴きたい、聴いてみたい音がたくさんあるので、イヤフォンは必ず用意しておいたほうがいい。
　また、ゲームを進展させる手段のほとんどがボイス入力のため、静かなところで遊ぶことをオススメする。周囲の雑音が多いと、入力が認識されなかったり、勝手に認識されてしまったりして、せっかくのゲームが台無しになってしまう。それに、ゲーム機に向かってブツブツ話しかけている姿を見られるのも、恥ずかしいだろう(笑)。
　ま、本作はひとりで遊べってことです。

■筆者紹介　ぽんきち

某編集者の影武者的ライター。水着の女の子をマッサージするお部屋で、タッチペンでブラのヒモを動かし、ニヤニヤしているところをファミ通編集者の河合リヱ氏に見つかり(実話)、赤面する30歳。

謎惑館～音の間に間に～

メーカー	カプコン
対応機種	ニンテンドー3DS
発売日	2011年8月4日発売
価格	4800円［税込］
ジャンル	アドベンチャー / 立体音響アドベンチャー
備考	ディレクター:中井実