ショートアニメも制作中、『アサシン クリード』シリーズの世界観の広がりに迫るセッションが開催【Comic‐Con International 2011】

ゲーム
ユービーアイソフトの看板タイトル『アサシン クリード』の世界観の広がりに迫るセッションの模様をお届けする。

●緻密な時代考証がすぐれた世界観を構築する

 キャラクターを中心とするコンテンツのイベントComic‐Con International 2011(以下コミコン 2011)が2011年7月21日〜24日の4日間、アメリカ・サンディエゴにて開催。ここでは、3日目の2011年7月23日に行われた“Assassin’s Creed: The Creation of a Universe”の模様をリポートする。

 いまやユービーアイソフトの看板タイトルに成長した感のある『アサシン クリード』。ゲームをベースに、ショートムービーやコミックなど、『アサシン クリード』のコンテンツは大きな広がりを見せている。つい先ごろもアニメのショートフィルム『Assassin’s Creed Embers』が制作中であることが明らかにされたばかり。そんな『アサシン クリード』の世界観の形成の核心に迫るのが、このセッションだ。登壇者は、スクリプトライターのダービー・マクデビット氏、アニメ版のプロデューサーのルイス・ピエール・ファランド氏、プレゼンテーションディレクターのブレント・アッシュ氏、コミックブックのライター/アーティストのキャメロン・スチュワート氏の4名だ。

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▲スクリプトライターのダービー・マクデビット氏。

▲アニメ版のプロデューサーのルイス・ピエール・ファランド氏。

▲プレゼンテーションディレクターのブレント・アッシュ氏。

▲コミックブックのライター/アーティストのキャメロン・スチュワート氏。

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▲新作コミックの『Assassin’s Creed The Chain』。日本でもぜひ読みたいところだが……。

 最初のテーマとなったのが、『アサシン クリード』ブランドにおける役割。これに関してダービー・マクデビット氏は、自分はストーリーを作り上げていくことだと説明した上で、「一般的におおよその構成と舞台は決まっていて、チームといっしょにリサーチを行い、舞台設定についてさまざまな情報を得ます。ここからキャラクターや歴史上のイベントを盛り込んでいく感じですね。入れることがたくさんあって、ある程度は切り捨てないといけないことが悲しいです」と説明。一方、ルイス・ピエール・ファランド氏は、「ただいま21分間のアニメのショートフィルム『Assassin’s Creed Embers』を制作中です。アルタイルやエツィオについてゲームでは語られない部分を見せられるので楽しんでほしいですね」とコメントした。ブレント・アッシュ氏は、『アサシン クリード ブラザーフッド』以降ユーザーインターフェースを担当しているとのこと。さらには、すべてのブランドデザインやロゴ、Tシャツなどにも関わっているらしい。コミック担当のキャメロン・スチュワート氏は、前作『Assassin’s Creed The Fall』は特別エピローグが入ったコレクション版が欧米で2011年11月に発売になると前置きしたうえで、新作の『Assassin’s Creed The Chain』についても言及。「『The Chain』はゲームのストーリーに沿った中身の濃いものが提供できると期待しています。私のスタジオがユービーアイのモントリオールスタジオのすぐ近くなので、よく行き来しています。クリエイティブな部分では自由にやらせてもらっていますが、きちんと話し合いをしながら進めていますよ」とのこと。

 『アサシン クリード』といえば綿密な時代考証が特徴だが、それに関しては「とても多くのさまざまな資料を読みつつ、スタッフ間で話し合いをします。最新作の『アサシン クリード リベレーション』ではトルコ語が出てくるのですが、方言の指導や細かい文化公証を担当する人もいます。それぞれ知識を持った人たちの協力のもとに、世界観を練りあげていくんですよ」(マクデビット氏)と、妥協を許さないこだわりをもって制作していることを明らかにした。

 会場では『Assassin’s Creed Embers』のトレーラーが流され会場から拍手喝采を浴びたが、話題はやはり『Embers』のことに。ビジュアル面ではまさにアニメタッチになっているが、これについては「ゲームのシネマティックなテイストとは違うものにしたかったんです。ただ、『アサシン クリード』は確固としたビジュアルの個性を持っているので、アニメ調になっても誰でも認識できると思いますよ。今回は違ったテイストをお届けしたかったんです。舞台設定などはすべてゲームから持ってきています。ストーリーはフィレンツェで展開されるのですが、ゲームを遊んだことのある人ならいろいろなことに気づくハズです」とファランド氏。海外では『アサシンクリード リベレーション』の“Animus Edition”に同梱されるらしい『Assassin’s Creed Embers』。ぜひ日本でも見てみたいところだが……。なおこの“Animus Edition”には、『アサシン クリード』の百科事典も同梱されるらしい。まさにファン必携のコレクターズアイテムとなりそうだ。

 長めに取られた質疑応答は、熱心なファンとクリエイターとの交流といった趣きに。やはり気になるのは『アサシン クリード リベレーション』のことだが、「アルタイルとエツィオにとって最後のゲームになるのか?」との質問に関しては、「エツィオが三部作で構成されることは最初からプランしていたことです」(マクデビット氏)、「ここまで続いてきたシリーズをノスタルジックにまとめ、ひとつに終結させることは正しい選択です」(ファランド氏)とそれぞれ回答していた。

 記者にとって印象的だったのは、『アサシン クリード』に対する来場者の熱狂ぶり(しかも女性のファンがけっこう多い!)。今後のシリーズの世界観のさらなる広がりが楽しみになるセッションだった。

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▲最後はセッションに来ていたコスプレイヤーさんがステージ前に集合。和気あいあいとした雰囲気に。それにしても、女性ファンの多いこと! 欧米でも歴女というものがあるのか……と感じてみたりもするが、すぐれた世界観と魅力的なキャラがいれば人気が出るのも当然かも。

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