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ソニエリ製全部入りスマートフォン”Xperia acro SO-02C”を発売まえにチェック

Android

　Android搭載ドコモ端末の先駆けとして発売された“Xperia SO-01B”。今回紹介する“Xperia acro SO-02C”はAndroid OS 2.3を搭載した純粋なXperiaの後継機という位置づけになる。その最大の特徴は、初代Xperiaのユーザーから要望の多かった赤外線通信やワンセグ、おサイフケータイといったそれまでの携帯電話では当たり前とされていた機能を、ソニー・エリクソンのAndroid端末としては初めて搭載したという点。これまで、この3機能のうちのどれかが無かったために、フューチャーフォンからの移行をためらっていたソニエリ端末好きの方も多かったと思うが、acroの登場によって、いよいよAndroid端末という選択肢が現実化してきたわけだ。

●初代Xperiaの純粋な後継機!?　acroのハードウェア面を見てみる

　さて、まずは外見から見ていこう。全体的な印象は“初代Xperiaから一回り大きくなったな”という印象だ。もともと海外で開発されていたAcroは初代Xperiaより若干薄くなっているのだが、今回発売された国内版では赤外線通信やワンセグ、おサイフケータイといった機能を搭載するために薄さが若干犠牲になる格好となった。だからといって使い辛いわけではなく、Xperiaと変わらず手にフィットする印象がある。


▲こうして見比べてみると、Galaxy Sや初代Xperiaより一回り大きい。Android端末としては少しでも画面が大きいほうが見やすいので、これはいい部分だ。	▲各スイッチの位置だが、電源スイッチが左上、音量調節ボタンが側面、ハードウェアボタンが、画面下部左から戻る、ホーム、メニューボタンという具合になっており、全体的に見ると左手で持つことを前提に設計されているなという印象を受ける。端末が大きいため、自分の手にフィットするかは確認したいところだ。


▲カメラ、LEDフラッシュ、赤外線の送受光部分、おサイフケータイチップなどがこの位置にすべて集まっている。LEDフラッシュは周辺の光量によって、自動的に点灯するがこれが意外に使い勝手がイイ。

　次にハードウェア面だが、acroはクアルコム社製のCPU"Snapdragon MSM8255"を搭載しており、ここはこの夏に発売されるAndroid端末としては標準的。同時期発売のGALAXY S II SC-02Cに比べると見劣りする感があるが、これはGALAXY S IIのほうが一世代分ハードとしては先行しているというだけの話。実際使ってみると、処理能力的には充分だ。むしろ気になるのはメモリ容量が少ない点で、搭載メモリ1GBに対し、プリインストールアプリで740MBを消費しており、これでは20個ほどアプリを入れたらすぐにいっぱいになってしまう。

　Android2.2からはSDカードにアプリをインストールして使うということもできるが、容量の大きいアプリに限ってこれができないことが多い。実際に使っていく上では、アプリを入れたり消したりして、使えるアプリを自分で吟味していく必要があるだろう。一世代前のGALAXY Sでさえ、16GBのROMを搭載してアプリ入れホーダイで使えるのに、1GBしかメモリが無いというのはちょっと寂しいところだ。

　メインディスプレイには“クリアブラックパネル”を採用し、日光の反射を極力少なくしている。ソニーの液晶TV“BRAVIA”でも採用されている技術で、日中でも画面を見やすくしている。外出時に使うことの多いAndroid端末としては嬉しい部分と言えるだろう。

　次にソフトウェア面に関してだが、acro独自のアプリとしてXperiaシリーズではおなじみの『TimeScape』や、流れている音楽をacroに聞かせると何の音楽かを自動的に調べてくれる『TrackID』といったアプリが搭載されている。また、acroから追加されたアプリとして“DOCOMO×Evernoteプレミアムキャンペーン”として1年Evernoteのプレミアムサービスを無料で利用できる『Evernote』のショートカットや、今夏発売のNTTドコモ製Android端末から搭載される“iチャネル”、“BeeTV”などのショートカットがホーム画面には配置されている。

　ハードウェアと連動する面があるが、注目したいのは810万画素のカメラ機能。カメラには新開発された裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R for mobile”を採用しており、暗い中でも綺麗に撮影が可能なのだ。ケータイで写真を取りたい場所は室内など光量が足りないことも多いが、acroならきれいな写真が撮れるだろう。

▲mixiやTwitter、Facebookのデータや電話、メールなどの履歴を時系列別に参照できる『Timescape』。サイトの壁を気にすること無く、知り合いの情報や自分がいつ電話やメールを出したかを時系列で参照できるのはなかなか便利だ。

▲ウィジェットとして登録されている『TrackID』は、テレビやお店でBGMとして流れている楽曲をacroに聞かせると、自動的にどのアーティストの曲だか判定してくれるソフト。判別された曲は、YouTubeなどでPVを自動で探せるほか、ソニーの音楽配信サイト“mora”にデータが有ればその場で曲を購入することも可能だ。

●実際の使い勝手はどうか？

　今回のレビューに使用してみて、Xperia acroは必要なアプリさえ揃えれば、標準的なAndroid端末としては十二分な能力を持っていると感じた。朝から晩まであくまで常識的な範囲内でメールやWeb閲覧などを使っても、バッテリーは充分に持った。もちろんフューチャーフォンのように充電なしでも、2日は何とか持つよという訳にはいかなかったが、夜寝る際に充電しておけば、翌日の夜帰宅するまでバッテリーは十分に持つだろう。

　むしろ気になったのは、タスク管理系やWi-Fiやバイブ設定などをワンタッチで行うアプリが標準で搭載されていない点だ。もちろんどちらのアプリも普通にAndroidマーケットから好みのものをダウンロードすればいいわけだが、ソニエリ製Android端末ならば、独自のデザインで作られたランチャーと設定切り替えアプリは入れておいて欲しかったところだ。

▲標準のツールバーはいたってシンプルなデザイン。音量の変更、Wi-Fi、GPSの切り替えなどは、ツールバーから変更できるようにしておいて欲しかったところだ。

　使ってみて気に入ったのは、カメラ機能が充実している点。作品的な写真を撮るなら別だが、Blogや日記に使う分には十二分な性能を発揮することだろう。従来からソニエリ製の携帯電話はカメラに気を使ってきた設計されてきたが、その精神は本作Xperia acroでも健在ということころか。

　初のソニー製"全部入り"Android端末として登場したXperia acro。ソニエリ好きユーザーなら、使ってみて損はない一台だ。（戸塚直太郎）