『MHF』運営プロデューサーの杉浦氏に聞く、新章『フォワード.1』の実装内容【完全版】

Xbox 360 ゲーム PC インタビュー
『モンスターハンター フロンティア オンライン フォワード.1』の実装内容について、カプコンの運営プロデューサーである杉浦一徳氏へのインタビューの模様をお届け。ファミ通Xbox 360 7月号の記事のノーカット版をご紹介する。

●『フォワード.1』のすべてを語る

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杉浦一徳氏
カプコン
東京制作部 開発運営室
『モンスターハンター フロンティア オンライン』運営プロデューサー

 『モンスターハンター フロンティア オンライン』の大型アップデートバージョンである『モンスターハンター フロンティア オンライン フォワード.1』が2011年4月20日にリリースされた。ここでは、この“新章”の実装内容について、カプコンの運営プロデューサーである杉浦一徳氏を直撃。そのインタビューの模様をお届けする。なお、この記事は、ただいま発売中のファミ通Xbox 360 7月号に掲載されているインタビューに未掲載分を含めたノーカット版。先日ファミ通.comにて掲載した記事の(→こちら)完全版にあたる。

●『フォワード.1』の出だしについて

――2011年4月20日の『フォワード.1』から約1ヵ月ですが、手ごたえはいかがですか?
杉浦一徳(以下、杉浦) 正直、初動の評価はきびしかったです。もっとも大きな影響があるカメラワークの部分での評価がきびしかったことが挙げられます。新しいメゼポルタ広場でのカメラワークの固定方法やカメラの動くスピードなど細かな部分での配慮が足りず、「使い勝手が悪い!」とお叱りを受けました。本当に申し訳ございません。この修正は2011年5月11日の定期メンテナンスで実施されたアップデートですべて改善しました。それ以外では、サーバーの数字だけで判断すれば接続ユーザー数や月額課金者の数字は大きく伸びましたし、ゴールデンウイークもたいへんすばらしい数字を記録しています。正直、サーバーを合併したので上限に達しないかハラハラしながら、毎日うれしい悲鳴を上げています。

●ラヴィエンテ狂暴期とラヴィエンテ(初心者向け)

――『フォワード.1』の、6月に実装される、ラヴィエンテ狂暴期とラヴィエンテ(初心者向け)の大討伐クエストですが、それぞれの変更点や参加できるHRなどについて教えてください。
杉浦 初心者向けのラヴィエンテは、これまでのラヴィエンテを初心者用にカスタマイズしたものです。プレイにかかる時間は短くなっています。ハンターランク(以下、HR)については以前と同じでHR17から参加可能となりますね。なお、報酬は減りますが、1回あたり2時間ほどかかっていたプレイ時間は、1時間程度になります。時間的な効率で考えると、いままでと同等か多く報酬が入手できますのでご安心ください。ちなみに、この1時間と言うのは、ハイエンドなお客様の装備に比べて、ふつうの装備でプレイした結果の時間ですので、やり込んでいるお客様は、1時間もかからないと思います。場合によっては、短い時間で終了します。ラヴィエンテ狂暴期の大討伐クエストは、HR100から参加が可能です。討伐にかかる時間ですが、いままでのラヴィエンテと同じくらいの時間でプレイできるようにしてあります。ただ、入手できる“秘撃玉”が大幅に増えていますので、こちらも、時間的な効率としては上がります。ゲキをためるには狂暴期がいいと思います。

――ラヴィエンテは、参加者が集まりづらく、ラヴィエンテの大討伐が発生しないといったこともあると思うのですが、そのへんの調整はあるのでしょうか? また、初心者向けのラヴィエンテは、強さも変更されていますか?
杉浦 初心者向けのラヴィエンテは参加人数を調整します。いままでは24人から32人のプレイヤーが必要でしたが、それを8人から16人まででプレイできるように変更しました。ラヴィエンテ自体の強さも調整していますし、フェイズの時間が短くなるようにしたり、ヒートアップゲージで攻撃力だけではなく、防御力も上昇するようになります。また、大討伐の進行状況がわかりやすいように、支援のタイミングや進行度の移行をNPCが案内する仕組みも用意しましたので、初心者の方でも気軽に遊べるコンテンツとして楽しんでいただけるのではないかと思います。あと、大きな変更ではないのですが、関連するNPCなどもリファインしました。パローネ=キャラバンで大討伐を説明してくれるNPCが追加されたり、カシラが状況を教えてくれるようになりますので、こちらもゲーム内で確認してみてください。

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▲ラヴィエンテ狂暴期とラヴィエンテ(初心者向け)は、どちらもパローネ=キャラバンを治めるカシラから行える。

――ラヴィエンテについては、やり応えのある熟練者向けの狂暴期と、気軽に遊べる通常のラヴィエンテが用意されたわけですね。狂暴期のほうはどのように調整されているのでしょうか?
杉浦 パローネ=キャラバンでカシラに話しかけると、ラヴィエンテかラヴィエンテ狂暴期、どちらの大討伐に参加するか聞かれますので、そこから選ぶ形となります。ラヴィエンテ狂暴期は24人から32人の範囲でのプレイとなりますので、参加後の流れを含めて、いままでと同じ形ですね。ラヴィエンテ狂暴期は、強さはもちろん、体色や攻撃の方法がこれまでとは異なっています。手強い相手となりますが、そのぶん報酬も多いので、ぜひラヴィエンテ狂暴期に挑んでみてください。あと、初心者用向けもそうですが、途中の進行度(4〜6フェイズ)で新しい遊びやギミックも用意しました。ネコが気球に乗って支援したり大活躍するので、こちらも楽しみにしていてください。

――ラヴィエンテの素材を使った防具にもリファインがありましたが、どのような変更となるのでしょうか?
杉浦 ラヴィシリーズの防具ですが、スキルの種類を変更することはしていません。これは、別のスキルに取り替えてしまうと、いままでのスキルのほうがよかったというお客様が出てきてしまうからです。ですので、上方修正として、スキルポイントの値をそれぞれ増やしています。たとえば、剣士用のラヴィメイルですと火炎剣の値が+5から+10になっていますので、この部位単体でスキルが発動することになります。またFXまで強化すると+20まで上昇するので、さらに強力なスキルを発動させることが可能です。ほかのスキルの値も、2〜3ほど上昇しているので、ラヴィシリーズやラヴィFシリーズ、ラヴィFXシリーズのどれもがさらに使い勝手のいい防具になったのではないかと思います。なお、生産や強化に必要な素材については変更ありません。

●特異個体のモンスターについて

――追加される特異個体ですが、どの時期にどのモンスターが期間限定クエストとして配信されるのでしょうか?
杉浦 7月にカム・オルガロンとノノ・オルガロンの特異個体が登場します。受注可能なHRは61からで、報酬はG装飾品になります。G装飾品は、オルガロンの特性に応じたものとして氷剣珠G(氷結剣+5、調合成功率+5、爆弾強化−3)と針穴珠G(精密射撃+5、弾調合+5、装填数−3)を用意しています。

――カム・オルガロンとノノ・オルガロンは個別に戦えるように別々のクエストとなっているのですか?
杉浦 まずは別々のクエストの予定です。ただ確定していない部分もありますので、そのあたりは公式メンバーサイトでの発表を待ってもらえればと思います。また、これらのクエストを配信したあとに、ハードコアクエストでカム・オルガロンとノノ・オルガロンも登場します。

――プレイヤーからの特異個体の評判でどうなのでしょうか?
杉浦 これはモンスターの種類によって大きく変わりますね。通常のものから大きく変更をしているものは、変更したぶん何らかの反響はあります。代わりに、変更点が少ないものについては、物足りないといった意見をいただくことも多いです。じつは、モンスターによっていじりやすいものといじりにくいものがありまして、いじりにくいモンスターは、開発でも調整や変更が難しく、ちょっと辛いなあとの声があったりしますね。ただ、いじりやすいものから作ってしまうと、後半がいじりにくいものばかりになってしまうので、そういうわけにもいかず悩みながら進めている感じですね。

●追加された武具について

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――剛種防具ですが、今回実装されたブリッツシリーズ以外にどのようなものを予定しているのでしょうか?
杉浦 すでに情報は公開していますが、6月末にテオ・テスカトルの剛種防具を予定しています。キリンと同様に、デザイン性が非常に高いので、お客様には喜んでいただけるかなと思います。なお、剛種防具は特殊な効果を持っていますが、異なる種類の剛種防具を組み合わせても特殊効果が発動するようになっています。

――これから種類が増えていくことで、防具の組み合わせの幅が増えるのではないかと期待できますね。
杉浦 そうですね。ただ、お客様からは性能的にきびしい評価もいただいています。どうやらスロットがふたつなのが気になるようですね。ここは今後の課題として検討してみます。

――期間限定クエストの報酬であるG装飾品ですが、今後も新しいものが用意されていくのでしょうか?
杉浦 4月から順次増やしています。5月末や6月にもさらに追加されていく形になると思います。

――新しいスキルの追加はあるのでしょうか?
杉浦 今回は用意していませんが、『フォワード.2』以降では増やしていきたいと思っています。『フォワード.2』では、既存の武器のさらなる強化派生をさらに多くしていきたいと考えて、いろいろ企画しているところですね。あと、イベント武器やHC武器の新しいギミックも検討しています。

――イベント武器の新しいギミックといいますと?
杉浦 まだちょっと『フォワード.2』以降のお話なのでお許しください(笑)

●グークとレジェントラスタ

――『MHF』オリジナルとなるマスコットのグークですが、ハンターとどのように関わっていくのでしょうか?
杉浦 いまのところ愛でるだけです(笑)。服はある程度増やしていく予定ですが、お客様の反応によって可能性を広げていこうかなと。グークは、マイガーデンでNPCに話しかけた後、専用のクエストをクリアーすることで飼うことが可能になります。クエストはHR5から受注可能ですので、まずはそのかわいらしさを堪能してもらえればと思います。

――決定までに苦労されたことはありますか?
杉浦 正直なところ、もともといるアイルーやプーギーのキャラクター性がすばらしいので、それに匹敵するものを生み出すのはたいへんだったんですよね。だから最初の頃はいろいろアイデアが出ても「う〜ん、う〜ん」と唸るばかりの時期が続きました。その苦労した甲斐あって、かわいらしく癒やしのあるいいマスコットができあがったと思います。

――杉浦さんとしてはグークのデザインは気に入っていますか?
杉浦 以前、マイトレ3姉妹を入れたときに、お客様から「何を考えているんだ! 『MHF』はギャルゲーか!」とすごい怒られたことがあるんですよ。自分としては、ギャルゲー要素を入れたつもりはないんですが、『MHF』のお客様は本当に硬派なんだなと思いました。ですので、かわいらしすぎるキャラクターを出すとまたお叱りの言葉が出るかなと不安な部分もありました。ただ、グークを発表したあとは、「かわいい」などといった声ばかりで不満の声を聞かないんですよね。ですので、これでよかったのかなと。お客様が喜んでくれるのであれば、それがいちばんだと思いますので。メゼポルタ広場を歩き回る姿やアイテムボックスから飛び出す演出があるのですが、かわいらしいので、ひとときの癒やしとして楽しんでもらえればうれしいです。

――レジェンドラスタですが、6月のアップデートで全11武器種の使い手が揃うわけですが、これに対してのユーザーの反応はいかがでしょうか?
杉浦 4月の中ごろまで、アシストコースの無料体験期間を設けていたのですが、非常に好評でした。無料期間終了後、新たにアシストコースをご購入いただいたお客様も増えまして、レジェンドラスタのよさを知ってもらえたのかなと思います。開発チームとは、声優さんのボイスを入れたいね、と盛り上がっていたりします。いま現在、チャットウィンドウに表示されるセリフを音声として喋らせたいなと。ただ、容量的にきびしいところがありまして、いろいろ方法を考えているところです。具体的にはまだ未定ですが、将来的にはやりたいかなといった状態です。NPCが声を出してしゃべることに関しては、ボイスチャットとの延長と考えれば違和感はないと思いますし、NPCのキャラクターも立ちますので、実現してみたいです。

――レジェンドラスタの挙動は変わったりしないのでしょうか?
杉浦 4月20日の『フォワード.1』ですでに変更済みです。AIの改善として10項目以上行っている感じですね。ただ、言いづらいのですが、通常のラスタに対しては、現状あまり手を入れていません。これは、通常のラスタはお金というリミッターがありませんから、ただ強化をしてしまうと、ソロプレイが日常化してしまうことで本来の協力プレイに大きな影響が出るのではないかという話がでているからです。ただ、レジェンドラスタとラスタの動作パターンがあまりにも違いすぎる部分もありますので、どのようにしていくかは慎重に考えていきたいと思います。

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▲愛らしい姿でハンターを癒やしてくれるグーク。6月末のアップデートで実装される予定。

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▲ハンターの心強い仲間となるレジェンドラスタ。強さだけでなく、狩猟中のセリフも役に立つ。

●細かな調整やリファインなどについて

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――密林フィールドがリファインされますが、どんなギミックなどが入るのでしょうか?
杉浦 簡単に説明しますと、夕方のフィールドが追加されます。天候変化に近い感じですね。このような演出は、高地のときにお客様に非常に喜んでもらったので、今度は密林に入れ込んだ形となります。なぜ密林かといいますと、密林というフィールドは『MHF』の狩猟の原点であり非常に重要な場所ですので、まずはここをリファインしてみて、お客様の反応を見てみたいと思います。

――リファイン以外に、新フィールドの追加はないのでしょうか?
杉浦 つぎのアップデートである『フォワード.2』で追加したいと思っています。詳しい話は後日お話できたらと思いますので、もう少しお待ちください。

――変種の肉質調整はどのような形で行うのでしょうか?
杉浦 まだ確定していない部分が多いのですが、まずは東京と大阪のネットカフェを使用して、実際にお客様に触ってもらい、それに対しての意見を吸い上げてから、調整を行うといった形で進めたいと思います。今年の7月くらいには、体験できる場を用意したいと考えています。

――4月15日更新のプレビューサイトで、「いままでのモンスターとはひと味違う」と、思わせぶりな内容が掲載されていますが、これはどういったものなのでしょうか?
杉浦 すでに一部登場もしていますが、つねに怒り状態など“ひと味違う”モンスターです。通常種と特異個体の中間の存在と考えていまして、コンセプトとしては、同じモンスターであっても攻撃の種類やパターンが異なるもの、ということになります。これは、イベントなどのクエストで「またこのモンスターか、飽きてきた」と言われることを防ぐ目的もあって、これによりモンスターが同じクエストでも、バリエーションが豊かなクエストを提供できると思います。じつは、このモンスターは『シーズン10』から導入しているのですが、これからさらに追加していきますので、楽しみにしていてください。それと、あの“目が赤いヤツ”が何なのかはまだ内緒です。もちろん、入手できる素材でなにかを生産できます。出現方法もいままでにない形ですので、夏ごろを楽しみにしていてください。

――Xbox 360版のサーバー統合についてですが、苦労した点などはありますか?
杉浦 従来のオンラインゲームは時間が経つにつれて徐々にお客様が減っていきます。その部分に対して、運営が黙って見ている状態ですと、そのまま減り続けてしまい、最後はサービス終了となるわけです。そんななかでXbox 360版はたいへんうれしいことに現在は微増しているんです。Xbox 360版の世界も安定してきたのかなと。ひとつのコミュニティーが形成されて、新規のお客様と休止されるお客様のバランスがとれて、この人数、規模で回っていく形が見えてきたわけです。パソコン版は、このバランスがすでに数年前から安定しているので、いまはだいぶやりやすいのですが、それに加えてXbox 360版も安定してきて、ようやくパソコン版もXbox 360版も似た数字変化やお客様の趣向が似てきた感じです。まさにオンラインゲームらしくなってきました。

――Xbox 360版の世界が安定してきたわけですね。
杉浦 そうです。加えて、以前からお客様にご要望としていただいていた「ひとつのサーバーで遊びたい」、「Xbox LIVEで知り合った友人と別々のサーバーだったので移動したい」という声もさらに多くなってきましたので、4月20日の『フォワード.1』の前にサーバー統合を実施させていただくことにしました。ただ、サーバー統合は、非常にたいへんな作業でして、サーバー機器の強化など、サーバー運用を行う部署とも綿密な相談を行い、実現することができた形となります。とはいえ、サーバー5のお客様には、マイセットなど、いくつかのデータが引き継げなかったり、猟団名が重複してしまって使用できなくなるなどのご不便をおかけしてしまったので、非常に申し訳なく思っています。この場を借りてお詫びを申し上げます。

――秘伝書“弓”のオーラアローが強すぎると思うのですが。
杉浦 これは開発チームに目をつけられています(笑)。まあ、強いといっても、爆撃ビンとの組み合わせなど状況によってなので、お客様にご納得いただけるような形で調整を検討しております。

――お金(ゼニー)の使い道がないとの声もありますが。
杉浦 そこはちょっと考えたいなと思っていまして、『フォワード.2』以降の企画として検討しているところです。また各種ポイントも、使い道やそれらを貯める楽しみを増やしていく予定です。ただ、剛種武器などをたくさん生産しているお客様の中には、お金が足りないとの声もありますので、バランスを取った形にできればと思います。

――ハンターの名前の色なんですが、入門区にいる初心者が、高ランクのハンターを見てびびってしまうとの話も聞きます。
杉浦 初めて『MHF』にログインしたお客様が、目の前にカラフルな名前の色が並んでいるとびっくりしてしまうことがあるようです。これは、SR上げのお客様が入門区に入れるからなのですが、初心者の方が高ランクのハンターを見て萎縮してしまうのも困りますので、名前の色表示をオプションで設定できるように検討しています。デフォルトはOFFで、みんなが白で表示されるようにして、お好みでONにしてもらう形がいいのかなと。細かいところですが、メンタル面に影響する部分でもありますので、考慮していきたいなと思っています。

――剣晶スキルですが、麻痺と睡眠以外の人気がないようですが調整などは入るのでしょうか?
杉浦 こちらも、性能を引き上げたいと思います。方法としては直接的に効果を引き上げるのと、アイテムポーチに所持できる最大数の増加ができないか検討している段階です。こちらも可能ならば『フォワード.2』でできればと思いますね。

――予定されているゲーム内イベントはありますでしょうか?
杉浦 6月を皮切りにさまざまな内容のイベントをご用意しております。なかでもひと押しなのが、“L”、“R”、防具が“LX”、“RX”防具に強化できるイベントです。じつは、4月15日に掲載されたファミ通.comのインタビューで“Pシリーズ防具の実装”をお伝えしました(→記事はこちら)。これは“S”、“U”防具の強化派生である“L”、“R”に、新たに“P”を設け、“P強化券”をご購入いただくと強化できるといった内容でしたが、記事をご覧になられたお客様からご要望が多く寄せられました。そこで検討を重ね、販売アイテムでの強化ではなくイベントを通じて“L”、“R”防具の強化を行えるようにしました。対象の防具は“リオソウルRX”、“レウスLX”のほか、複数をご用意しており、6月上旬から順次生産できるようになると思います。このインタビューをご覧になられている方は、すぐにお楽しみいただけると思いますよ。それともうひとつ、SR1から生産できるような、11武器種それぞれの新防具シリーズを企画しています。こちらは、“秘伝防具”にしかついていなかった武器種ごとのスキルがついており、“秘伝防具”のお試し的な防具ですが、低SR帯では十分活躍してくれると思います。最終強化の秘伝防具の性能まではいかなくとも、秘伝防具の高性能さを体験していただけると思います。こちらは6月下旬に予定していますのでご期待ください。

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▲リオソウルRXとレウスLX。RシリーズやLシリーズの強化が可能になることで、強力なモンスターの狩猟に耐えうる性能へと進化した。

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▲『MHF』オリジナルとなる“古龍ルコディオラ”。その強さは手だれハンターをも苦しませる。

●東日本大震災について

――2011年3月15日(火)に告知された“MHFサービス継続”に至るまでの経緯を教えてください。
杉浦 時系列でお話しますと、まず2011年3月11日(金)の地震発生時点から社内はたいへんなことになっていました。会社からは避難指示が出て、取るものもとりあえず社外に出ざるを得なくなりました。電車も動かなくなり、東京(首都圏)から地方へと多くの方が徒歩により帰宅をせざるを得なくなり、または帰宅困難な状況に陥ったことにつきましては、皆様もご存じのことと思われます。その後、徐々に被災地での状況が明らかになり、翌日3月12日(土)の段階から「『MHF』のサービスをどうするべきか?」については、社員が各自自宅から連絡を取り合いました。「サービスを停止するべきではないか?」、「逆に何か行うべきではないか?」など、さまざまな意見が出て、検討を行った結果、以下の結論に至りました。今回の大地震で直接被害にはあっていないが、不安な情報が多数入り、暗い話題が多いなかで、その方々をどう元気づけることができるのか。『MHF』の運営サービスの継続について、その理由は、「我々がいまやるべきことは、このきびしい社会情勢のなかで、エンターテインメントを提供し、少しでも笑顔を増やすこと」という部分に尽きます。また、「被災された方々の生活が復興した際に、戻ってくる場所を守りたい」という、少々照れくさい言葉も、正直なところ本心です。もちろん、節電に関しても考えました。その点は、サーバーを稼働するための最小限の電力は確保しつつ、オフィス内の使用電力を抑えたり、最低限の運営スタッフにより対応を行うなど、できる限りのことはさせていただくことといたしました。それでも、サービスを継続していくということは非常に難しい判断でした。まず、3月16日(水)にはメンテナンスを行なう必要がありましたし、最低限のスタッフの出社により、サービス継続に最低限やるべき作業は何か? ということを3月15日(火)の午後の段階まで検討を重ね、ようやく“『MHF』サービス継続”の告知を出すことができたのです。

――被災地のお客様に対して、補償などは予定されていますか?
杉浦 現時点では、厚生労働省が発表する“災害救助法が適用される地域”についても拡大を見せており、どこまでが被災地で、どのような被害を受けているのかという点も確定していない状況です。このため、被災地のお客様に対しての具体的な補償については、告知までにいましばらくお時間をいただく形となってしまいます。ただ、被災により本来ご利用いただけるはずだった分の利用権などにつきましては、補償を行わせていただくという点はお約束させていただきます。

●今年の『MHF』について

――読者の皆さんに今年の『MHF』についての抱負をお願いします。
杉浦 先程も述べましたが、おかげさまでXbox 360版は今年に入ってお客様の数が順調に右肩上がりです。これもお客さまからたくさんのご意見をいただけたからだと思っています。そして、それを時間がかかってもひとつひとつチーム一丸となって改善してきました。つまり、お客様といっしょにゲームを作り上げるという部分が、結果としても残っているのかなと思っています。もう少しでXbox 360版も1周年を迎えます。いままでの感謝の気持ちを込めたゲーム内イベントや追加コンテンツをガンガンこれからも提供していきますので、期待していてください。そんな夏のアニバーサリーイベントを楽しんでいただいているうちに、あっという間につぎの大型アップデートがやってくる、そんな感じで現在『フォワード.2』を開発中です。こちらもぜひ期待していてください。よろしくお願いいたします!

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