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『ヒットマン アブソリューション』VIPイベントリポート【E3 2011】
プレイステーション3 Xbox 360 ゲーム●ロサンゼルスのリゾート地にエージェント47が登場!
青い海、白い砂浜……。ロサンゼルスの沖約40キロにある、コバルトブルーの海に囲まれたサンタ・カタリナ島。現地時間6月5日、E3開催に先駆け、手付かずの自然が残る地上の楽園で行われた『ヒットマン アブソリューション』VIPイベント。ロサンゼルスでも屈指のリゾート地で開催された本イベントでは、スクウェア・エニックスから2012年に発売が予定されているプレイステーション3、Xbox 360用ソフト『ヒットマン アブソリューション』が初めて披露された。殺し屋"エージェント47"(以下、47)の活躍が描かれる人気シリーズ最新作の気になる内容に迫る!
●ヘリコプターに乗ってカタリナ島へ
イベント開催場所であるカタリナ島へは、ロサンゼルスのロングビーチからヘリコプターにて移動。15分ほどヘリコプターに揺られていると、目の前にはカタリナ島の悠然たる姿が!
カタリナ島到着後、ヘリポートからクルマで10分ほど移動し、カタリナ島のランドマークである"カタリナカジノ"へ。カタリナカジノは、アールデコ調のクラシカルな建物。カジノという名がついているが、カジノとはイタリア語で「みんなが集まる場所」という意味。ギャンブル場ではないのであしからず。ちなみに、イベントは1階の映画館で行われた。
●暗殺者から追われる立場へ!?
シックな雰囲気が漂う会場。まずは女性オペラ歌手がアベ・マリア(Ave Maria)を熱唱。『ヒットマン』の世界観にバッチリな演出にウットリ。この後、『ヒットマン アブソリューション』のリードプロデューサーを務める Haken Abrak氏、ディレクターのTore Blystad氏を筆頭に、制作者たちが登壇してイベントがスタート!ゲームプレイディレクターを務めるChristian Elverdam氏による、実機を使ったデモプレイが披露された。ちなみに、実機デモはプレイステーション3にて行われている。
デモはまず雨が降る窓辺が映し出されるシーンからスタート。闇の中、窓を打つ雨粒に見とれていると、47が窓ガラスを割って室内へ。すると場面が切り換わり、警官隊が建物へ突入する模様が流れた。この建物は図書館のようで、警官たちは47を追跡しているのだろう。武器を何も持たない47がこの危機的状況をどうやって切り抜けるのだろうか? 身をかがめ、物陰に隠れながら周囲をうかがう47。警官の持つライトに照らし出されないように、闇から闇へと移動。背後から首を絞め、音を立てずに警官を始末する。だが、警官の数は圧倒的だ。数的不利をどう打開するのか気になっていたのだが、建物の照明を制御する配電盤をショートさせて周囲を闇に包み、警官の目を欺くことに成功。47の暗殺方法は非常に多彩で、あるときは建物内にあるオブジェを使って頭を殴り、あるときは鋭利な道具で警官を切り刻み、あるときは奪った銃で始末する。ちなみに、本棚や壁が透過し、警官たちの姿が赤く映し出される特殊な能力を活用するシーンも随所に見られた。デモプレイ中は、制作者たちからの説明はなかったため、この時点では詳細は不明だが、おそらく新たな要素のひとつなのだろう。敵の動きを視覚的に認識できるモードのようで、ステルスアクションをより深く味わえるものだと思われる。
……いろいろと考えているうちに、47は何人かの警官を黙らせた後に奥へと進み、雑談しながらひと休みしている警官の背後へ。この後、警官を素早く羽交い絞めにして人質に取り、周囲の警官を威嚇しながら上層階へと移動する。人質を解放し、壮絶な銃撃戦をくり広げた後、天井からぶら下がっていた巨大シャンデリアの鎖を撃ち抜き、階下の警官を一網打尽に。混乱する警官隊の隙を突き、47は屋上へと移動する。だが、そこには警察のヘリコプターの姿が。鳩小屋を抜け、ヘリコプターの銃撃をかわしながら、隣りのビルへと飛び移る47。階下へと移動し、混乱する一般市民の部屋へ。詳細は書けないのだが、この一般市民の部屋にはおもしろい仕掛けが施されており、一見の価値アリ。作り手のユーモアを感じるものになっているので、ソフトが発売されたらぜひ皆さんの目で確認してもらいたい。閑話休題。この後、シリーズの代名詞と言えるシステムが披露された。そう、警官を倒した後、着衣を奪って47が変装したのだ。まんまと警官に扮し、ヘリコプターの追撃を逃れると、大勢の警官が配置されている司令部のような場所へ。警官とすれ違う際、顔をそむけて変装がバレないようにするなど、リアルなシチュエーションが楽しめるものになっていたのが印象深い。ドーナツを手に取り、警官からの質問を煙に巻く47の姿には、集まった観衆に大きな驚きを与えていた。この後、ドアから外へ移動し、騒ぎに集まった野次馬たちの中に紛れて47は脱出に成功。客席からの拍手に包まれながら、デモは終了した。
●新システム、インスティンクトモード!
デモプレイ後、Tore Blystad氏とChristian Elverdam氏によるプレゼンテーションが行われた。最初に述べられたのは、独自のエンジンを制作し、リアルさと周囲の環境を、システマティックな状況で実現させたということ。敵のAIは47の行動に対して、どんな状況でも対応するらしいのだ。たとえば、誰かが発砲したときに、あるAIは驚き、あるAIはしゃがむ。まるで現実のように、AIそれぞれが多彩なアクションを起こすようにエンジンが設計されていると説明が行われた。確かに、デモプレイで印象的だったのは、自然でリアルなAIの行動と描写だった。もともとプログラムされた動きではなくて、その場その場の状況に合わせてAI行動を取るため、高いリアリティーが実現されている。
また、本作の制作で使用した"Editer2"と呼ばれるライブラリの説明も行われた。このライブラリの特筆すべき点は、カメラを自由に動かせることで、いままで5分かかっていたことがリアルタイムに開発できたとTore Blystad氏は語っていた。デバッグに関しても非常に効率よく行えるようで、AIが不思議な行動を取った場合、そのAIの行動をさかのぼってすべて確認できるとのこと。これによってゲームの調整とデバッグが格段に効率的になったと説明していた。
カタリナカジノでのイベントはこの時点で終了。ビーチに移動した後、Haken Abrak氏とTore Blystad氏に質問する機会を得たので以下にまとめよう。
−−本作が目指すところ、注目してほしいところは?
Haken 最初にやろうとしたこと、目指そうとしたことは、シネマティックエクスペリエンス(映画的体験)。エンジンを新たに開発したのも、シネマティックなことをやりたいと考えたからです。『ヒットマン アブソリューション』は、とても野望に満ちた作品になっています。
Tore やろうとしたことはチャレンジ。もっとたくさんの人に楽しんでもらいたいと考えています。オーディエンスを増やしつつ、前作を好きだった人も楽しませる。どちらも実現したいと考えて制作を進めています。プレイヤーにとって、遊びやすいもの、エキサイティングなものを目指してディレクティングしています。
−−これまでは暗殺する側だったエージェント47が追われる立場になっていることに驚きましたが……。
Haken 追われる立場というのは新しいシチュエーションです。本作はシリーズ作とは異なり、エージェンシーから依頼を受けてミッションを遂行するというものではなく、エージェント47が能動的に行動するんです。誰かに与えられたことをやるのではありません。エージェント47の個人的な物語、ダークな物語を描いており、その中で彼が追われるというシーンがあるのです。
Tore 彼を取り巻く環境、世界はとてもリアルです。さまざまなキャラクターが登場しますが、本当にそこに実在するような、生きているような世界になっています。高いリアリティーで描かれた世界で、エージェント47の新たな物語を楽しんでほしいですね。
Haken ストーリーに関してですが、これまでエージェント47は冷徹な殺し屋という描かれかたをしていましたが、本作ではもう少し彼の内部、パーソナル、どういう人なのかを見せるストーリーとなっています。トランシーバーで話す際に演技をしていたり、変装中に顔をそむけたりと、人間的な部分を見せていますので注目してください。
−−変装中、顔をそむけないとゲーム内容にも変化が訪れるのですか?
Haken 変化があります。前作まではミッションに成功するか、失敗するかしかありませんでしたが、本作にはいろいろな仕掛けを施しています。警官に変装しても、ばれてしまうとゲーム内容が変わるのは、その一例ですね。
−−デモプレイ中、物が透過して敵が赤く見えるシーンがありましたが、あれは新たなシステムなのですか?
Haken インスティンクトモードと呼んでいる、新しいシステムです。エージェント47は人工的に作られた人間ですので、彼のスーパーナチュラルな能力を見せる要素ですね。
Tore インスティンクトモードを活用すれば、より戦略的に行動できます。ステルスアクションがさらに楽しく、さらに深く味わえる、新しいシステムです。
−−発売を楽しみにしている日本のゲームファンへメッセージをお願いします。
Haken 日本の皆さんが『ヒットマン アブソリューション』を気に入ってくれることを祈っています。僕らにとってもエキサイティングなゲームになっていますので、シネマティックエクスペリエンスをぜひ堪能してください。
Tore 気に入ってもらえるとうれしいですね。スクウェア・エニックスさんから、どうすれば日本のファンに受け入れられるのか、アドバイスをいただきながら制作に励んでいますので、ご期待ください。
日本での発売も決定し、現地時間6月7日からのE3でもムービーが公開されて話題を集めている『ヒットマン アブソリューション』。映画化されるほどの人気を博している作品だけあって、続報に期待が高まる。
メーカー | スクウェア・エニックス |
---|---|
対応機種 | プレイステーション3 / Xbox 360 |
発売日 | 2012年発売予定 |
価格 | 価格未定 |
ジャンル | アクション / バイオレンス |
備考 |
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