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『アサシン クリード リベレーション』スタッフインタビュー【E3 2011】

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E3 2011の会場にて、ユービーアイソフトの看板タイトルである『アサシン クリード』シリーズの最新作『アサシン クリード リベレーション』のクリエイティブ・ディレクターのAlex Amancio氏と、マルチプレイ・プロデューサーのAndreane Meunier氏にお話を伺った。主人公エツィオの最後の戦いは、どのようなものなのだろうか。

●『アサシン クリード リベレーション』の見どころがわかる!

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 2011年6月7日〜9日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて開催中の世界最大 のゲーム見本市E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2011。その会場にて、ユービーアイソフトの看板タイトルである『アサシン クリード』シリーズの最新作『アサシン クリード リベレーション』のクリエイティブ・ディレクターのAlex Amancio氏と、マルチプレイ・プロデューサーのAndreane Meunier氏にお話を伺った。主人公エツィオの最後の戦いは、どのようなものなのだろうか。

■Alex Amancio氏編

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▲『アサシン クリード リベレーション』クリエイティブ・ディレクター、Alex Amancio氏。

──Alexさんはソフトの開発において、どのパートを担当されていますか?
Alex Amancio氏(以下、Alex) 私の仕事は、ゲーム全体のビジョンを決めることです。

──暗殺者のエツィオ・アウディトーレが主人公となる物語は、これで3作品目となりますが、本作の開発にいたる経緯について教えてください。
Alex じつは開発チームの中では、エツィオの物語は初めから3部作としてリリースしようと決めていたんです。『II』では彼がアサシンになるまでの物語を、つぎの『ブラザーフッド』ではアサシンのマスターになるまでの物語を、そして今作では、エツィオが巡礼の旅に出て過去の記憶に触れる物語を描くという、大枠のストーリーラインは決まっていました。

──エツィオといえば、ハンサムで微笑みを浮かべる余裕の表情が印象的でしたが、本作のトレイラーを見る限りでは、どことなく翳りのある表情をしているように思えます。それはなぜでしょうか?
Alex 彼は、いつも自分が置かれている環境に対して“受け身”の反応をしてきた人間です。最初は父と兄が殺されたためにアサシンになり、そして『ブラザーフッド』では、復讐に突き動かされました。そして今回は、みずからの意志で暗殺者としてのルーツをたどるために、『1』の主人公であるアルタイルの痕跡を追ってマシャフに行くのです。しかし、そこでよりによってテンプル騎士団に捕まり、処刑寸前に追い込まれ……。もしかしたら彼は、自分の皮肉な運命を嘆いているのかもしれません。

──前作までのエツィオの衣装は、白地に赤の華やかなものでした。しかし、本作からグレーを基調にしたものに変わっていますね。その理由を教えてください。
Alex エツィオはさまざまな障害を乗り越え、とうとう50代を迎えました。彼は、自分がこれまでに選んできたことの結果を受け入れて生きています。グレーの衣装は、彼の悩める精神状態を表しているのです。以前は家族の復讐のために、暗殺者としての道を邁進していましたが、いまは彼を取り巻く状況そのものがグレーと言えるでしょう。ちなみに、アルタイルが生まれ付いての暗殺者なのに対して、エツィオはアサシンの道にみずから飛び込んでいった存在です。このふたりのコントラストは、じつに興味深いものだと思っています。

──エツィオを悩ませているものとは何ですか?
Alex 前作のラストでチェーザレを殺害したのち、エツィオは人生を振り返ってみて、自分が操り人形として動いていたことに気付きます。そして自分の中の奥底に眠る、暗殺者としての記憶のことをもっと知りたいと思うようになるのです。巡礼の旅に出たのも、この理由からです。若かりし日の彼は派手好きでしたが、いまは“タフになりたい”、“しっかりした信念を持った男になりたい”、そういった願望を持っています。

──アルタイルは、本作の物語にどのようにして関わってくるのでしょう?
Alex アルタイルはエツィオの物語の中で、もっとも重要な人物のひとりです。現代に生きる青年デズモンドは、第1作目ではアルタイルの記憶を、『II』ではエツィオの記憶を追体験しました。その後デズモンドは、エツィオのメモリーに迷い込んでしまうのです。今回は、エツィオみずからアルタイルの記憶を呼び覚ますことになります。マシャフの秘宝を得るためのアーティファクトにエツィオがタッチすると、アルタイルの人生の重要な瞬間を体験することができます。この経験が、のちのエツィオの人生を大きく左右することになるでしょう。

──本作では、マシャフのほかにもうひとつの舞台としてコンスタンティノープルが存在することが発表されています。前作のチェーザレなどと同じように、実在の歴史的有名人が登場して、エツィオと関わってくることはあるのでしょうか?
Alex あります。『アサシン クリード』シリーズにとって、歴史上の実在の人物の人生をたどることは非常に重要なポイント。その時代に活躍したたくさんの人物が現れ、エツィオの人生に影響を与えるのです。スレイマン3世はそのひとりです。そのほかにも多くのキャラクターが登場するので、楽しみにしていてください。

──ゲーム部分でいえば、『アサシン クリード』シリーズの魅力は、暗殺者の身体能力を駆使して屋根から屋根を飛び移ったりする“フリーランニング”のシステムがありますが、コンスタンティノープルの地形は、フリーランニングに向いているのでしょうか?
Alex もしかしたらこれまでに登場したほかのどの都市より向いているかもしれません。というのも、この町は80%が坂でできているんです。だからこれまでとはまったく違うレイアウトを実現できました。今回、新しい装置のフックブレードというアイテムが用意されていて、これを使えば屋根から屋根を伝って従来よりも30%ほどスピーディーに移動できます。フックブレードの移動から暗殺技をくり出すこともできるので、スムーズに暗殺を遂行できるようになりました。

──日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
Alex 本作はエツィオのトリロジーのフィナーレとなる作品です。新しい要素を多数盛り込んでいますが、プレイすることで、これまでのすべての物語やシステムを統合できるような内容にすることが重要だと考えています。今回は物語を作り込んでいるので、シリーズのファンの方は、ただゲーム部分を受動的に楽しむのではなく、まるでゲームの世界に生きるように物語に隠された謎を追求してもらえるとうれしいですね。

■Andreane Meunier氏 編

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▲『アサシン クリード リベレーション』マルチプレイ・プロデューサー、Andreane Meunier氏 。

──前作『ブラザーフッド』では、暗殺する側とされる側に分かれて競い合うという、ユニークな対戦形式のマルチプレイが導入されましたが、ユーザーの反応はいかがでしょう。
Andreane Meunier氏(以下、Andreane) 前作で初めてマルチプレイを導入しましたが、オリジナリティー溢れる内容だったので、最初は皆さんびっくりしたみたいです。ですが、プレイを重ねていくうちに、楽しいことがわかってもらえたのではないでしょうか。

──本作の製作はどのようにして行われたのですか?
Andreane ソロプレイはモントリオールで、マルチプレイはフランスのスタジオで別々に製作しています。それぞれ違うデータを使って作っているので、最終的にはすべてがひとつのディスクにきちんと収まるように調整する必要があります。

──スタジオがふたつあることで、たいへんな部分はありますか?
Andreane 当然のことですが、場所が離れているために時差があるので、コミュニケーションに気を使うことになります。また、グラフィックの質感やプレイ感覚などを、両スタジオで揃えることに注力しています。

──現在もまさに開発の真っ最中だとは思いますが、どのくらいの規模のチームを組んでいるのですか?
Andreane 皆いろいろな作品の開発を平行して進めているので、厳密にカウントするのは難しいですが、おおよその数で言えば、総勢400人のゲームデザイナーが関わっていますね。マルチプレイは、100人掛かりで作っていますよ。

──マルチプレイのシステムにはどんな変更を加えましたか?
Andreane 残念ですが、現時点では詳細を明かせません。今年の夏には、新しいモードやステージなどが公開できると思いますよ。E3会場でプレイアブル出展しているマルチプレイは、前作と同じく対戦軽視のものですが、新しいマップを使っています。ほかにも、ターゲットを暗殺するときのモーションなどが変わっています。前作では、暗殺するといつも同じモーションが出ていましたが、今回は仕掛ける状況によってアニメーションの長さが異なります。つまり、相手に気付かれていない状態のときは暗殺後の隙を短くして早く逃げられるようにし、相手に気付かれていても強引に暗殺したときは隙が長くなる仕組みとなっています。ステルス状態で敵を倒すほど、暗殺したあとの隙が少なくなるので、狙う価値が増しています。

──マルチプレイの見どころについて教えてください。
Andreane じつは今回、マルチプレイにも物語を用意したので、そこに注目してほしいですね。マルチプレイをプレイすることで、ソロプレイの謎が解けることもあるので、とくにファンには楽しんでもらえるはずです。また、ネットワークのアクセスも改善しましたし、ユーザーどうしをつなげるコミュニティーの要素も増やしています。ソロプレイだけではなく、マルチプレイもぜひ楽しんでくださいね。

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