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「女々しくなるな!」ngmoco社CEOニール・ヤング氏が語る日本のケータイ市場【GDC 2011】

ゲーム
スマートフォン向けアプリ業界の雄ngmocoのCEOニール・ヤング氏が、企業を経営していくうえでの心掛けと日本のケータイ市場について語った。

●モバゲーを“真のグローバルサービス”と絶賛

 2011年2月28日〜3月4日、アメリカ、サンフランシスコのモスコーニセンターにて、GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2011が開催。世界中のゲームクリエイターによる、世界最大規模の技術交流カンファレンスの模様を、ファミ通.comでは総力リポートでお届けする。

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 2008年夏に創立され、2010年11月にモバゲータウンを擁するディー・エヌ・エー傘下に入ったngmoco。同社はスマートフォン向けアプリの開発、提供を事業の中心としており、また手掛けるタイトルのクオリティーにはかねてから高い評価がなされていた。CEOであるニール・ヤング氏は、2009年のGDCで行われた“GDC モバイル”の基調講演でスピーカーを務めたこともある業界の中心人物。セッション“The Future is Now: Why Japans Mobile Market is a Leading Indicator”では、そんな同氏よりngmocoの経営を通じて得たビジネスの心掛けと、今後同社にとって重要になるであろう日本のケータイ市場への考察が語られた。

 スピーカーとしてのニール氏は非常い軽妙な語り口を得意としており、セッションの前半部ではその魅力が存分に発揮されることに。語られたのは前述した通り経営ビジネスの心掛けという若干お硬いテーマだったのだが、そう感じさせないのが同氏の話術のすごいところだ。たとえば、数々のアドバイスを贈ってくれたというジョージ・スティーブンソン氏のことを語るときは、恰幅がよく豪快な物言いの同氏の口調をコメディアンのようにモノマネ。話している内容はどれもタメになるものなのだが、ニール氏の若干オーバーに味付けした(と思われる)モノマネはとにかくユーモラスで、会場からはたびたび大きな笑いが沸き起こっていた。とは言え、くり返しになるが内容は非常にシリアスでタメになるものばかり。印象的だったメッセージを箇条書きで紹介しよう。

・女々しいヤツは絶対企業家になれないし成功もしない
・同じように毎日苦労するなら、小さな成功しか可能性のない小さな市場ではなく、大成功が望める大きな市場に出ろ
・会社のカルチャーが仕事を決めるので、カルチャーと仕事は直接関係にある
・資金を得て成功しなければと思うが、いつかは失敗する。失敗によってやっていることがはっきり見えて有利に動ける(ベンチャー・キャピタルによる資本投入をする際に必要なこととして)

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 後半の日本のケータイ市場への考察ではまず、なぜngmocoがディー・エヌ・エー傘下に入ったのかという点が語られた。かねてから「モバイル・モバイルOSがゲームやエンターテインメントの将来だと考えていた」ニール氏にとって、ディー・エヌ・エーの“モバゲータウン”の課金回収システムや利用者の幅広さといった点は、同氏が目指すところと合致するものであった。また、2013年までに全世界で10億人がiOSとアンドロイドを使うようになるとも言われているスマートフォン業界において、モバゲーの金融システムはグローバルネットワークを構築できるものであると同氏は判断。「日本で実現していることが、全世界の人々にも提供される」という展望を持って、ngmocoはディー・エヌ・エー傘下になったというわけだ。

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 ニール氏は続けて、日本のモバイル市場の特徴に言及した。カメラ、GPS、アプリ、お財布ケータイなど多くの最新テクノロジーが世界に先駆けて提供され、またインターネット閲覧における利用率がPCを上回っている点などを挙げ、それらの背景もあってケータイは「ふだんの生活において、アーミーナイフのように万能」に使われるていると説明。そこにスマートフォンの普及も重なり、ケータイゲームの市場もここ数年で急速に伸びていると話し、加えて「世界の市場も日本の市場と同じ状況になる可能性がある」と予測する。そして、日本のケータイ市場大手であるディー・エヌ・エーは「未来のエンターテイメント企業のベースとなりうる」と断言した。

 ニール氏はモバゲーを“真のグローバルサービス”と絶賛。「欧米参加企業は日本市場で優位に立てる」と聴講者に呼び掛け、「私は将来について大きな期待を持っている。最後に……女々しくなるな!」と力強いメッセージでセッションを締めくくった。

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