“THE LAST STORY プレゼンテーション〜新たなRPGを求めて〜”詳細リポート
ゲーム Wii●坂口博信氏みずからが『THE LAST STORY 』の魅力をプレゼン
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任天堂は、2010年12月27日、東京都秋葉原にある秋葉原UDXにて、同社がWii用ソフトとして1月27日に発売を予定している『THE LAST STORY(ラストストーリー)』をお披露目する“THE LAST STORY プレゼンテーション〜新たなRPGを求めて〜”を開催した。
『THE LAST STORY』は、多くの大作RPGを手がけてきたミストウォーカーの坂口博信氏と任天堂がタッグを組んで開発しているWii用の完全新作RPG。
プレゼンテーションでは、開始すぐに本作のディレクターを務める坂口博信氏が登壇。坂口氏がディレクションを担当したのは『ファイナルファンタジーV』以来、18年振り。ディレクターは体力を使うのでたいへんだったと振り返りつつも、「自分たちの120%の力を出してダメならこれで最後の作品でもいいという決意で作りました。『THE LAST STORY』を手に取ってくれた人に、どれだけ楽しんでもらえるかが大事。その点に没頭し、楽しく制作することができました」とあいさつ。そして、「今日は長めに(『THE LAST STORY』のプレゼンを)お見せしようと思います」という宣言とともに、プレゼンテーションに移った。
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プレゼンでは、さっそくゲーム冒頭の“New Game”からスタート。動画で実際に動きが見られるチュートリアルをはさみながらプレイを進めていく。バトルはリアルタイムで進み、攻撃オートで行われる。仕掛けがあるところでは、Zボタンの表示が。Zボタンでオブジェクトに注目し、柱を崩すなどのギミックも。坂口氏は、事前に保存していたセーブデータをところどころで読み込み、バトルの魅力を解説。
本作のバトルの大きな特徴のひとつに“ギャザリング”という要素があり、これは、敵の注意を引き付けることで、敵の攻撃から仲間を守って、仲間が魔法を唱える隙を作ったり、敵をある場所まで引きずり出すといった戦略が可能になる。また、仲間が放つ魔法の着弾点には、“魔法サークル”が残る。このサークルを起点に、属性攻撃ができたり、エルザの“風魔法”でサークルを拡散して追加効果を発動するといった要素も。
主人公エルザたちの拠点となるルリの街は、大小の広場や大通り、細かな路地も張り巡らされており、イベントも豊富なようす。“バナナアロー”で町人を転ばせたり、自分(エルザ)も転んだりといったことも。ちなみに、街では上半身と下半身の装備を買うこともでき、これらは細かくカラー変更が可能。パーツ単位で外して自分好みにカスタマイズすることもできる。装備のグラフィックはフィールド・戦闘・カットシーン全部反映されるという。坂口氏は、エルザの装備を外し、エルザをパンツ姿に。「筋肉は女性の開発スタッフのこだわり(笑)」とのこと。
プレゼンの最後は、物語中盤に訪れることになるという古城のような建物奥での中ボスとの戦闘。坂口氏は「ここではあえて説明しない」と説明し、“コマンドモード”でさまざまな技を使い、ド派手なバトルがくり広げられる。“メテオ”や“ホーリー”といった、おなじみの魔法も確認できた。
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坂口氏によるプレゼンのあとは、サウンド担当の植松伸夫氏、コンセプトアートの藤坂公彦氏、制作の松本卓也氏が登壇し、開発を振り返るトークセッションが行われた。
開発中のエピソードでは、坂口氏が冒頭、「我々(坂口氏と植松氏)、破局しそうになりました(笑)」と告白。長年、ともにゲームを作ってきた坂口氏と植松氏がなんと、1ヵ月ほど絶縁状態になったという。「バトルや街など3曲を提出したら“ぜんぜん違う”と言われ、ボツにされたんです。でも、これまで音楽を作ってきて、どこかで自分のパターンができてしまっていた。そこから抜け出せなかったんです。それと同時に、“これまでのゲームとは違うものを作っている”という坂口さんの本気を感じました。そこで、音楽的には映画音楽寄りに作りました。メインテーマがお気に入りです」(植松氏)
コンセプトアート担当の藤坂氏は、開発初期に大きな方向転換があったとき「このやろう」と思ったというが、作品が完成したいま振り返ると、結果的によかったと振り返った。また、本作には特製スリーブケースが付いており、おもしろい仕掛けが施されているという。これは、本作を手に取ってぜひ確認してみたいポイントのひとつだ。
制作の松本卓也は、坂口氏と植松氏のやり取りを身近で見ていて、坂口氏の本気度を感じたという。また、本作は制作前、実験段階で1年を費やしており、「実験段階で1年かかるとは思わなかったが、ほかではなかなかできないことができた」と語り、坂口氏も事前に実験を念入りにやったのは「2Dから3Dへと表現を変えた『FFVII』以来」(坂口氏)とのことで、氏の並々ならぬ意気込みがうかがえるエピソードと言える。ちなみに、開発スタートからは3年半ほど掛かったという。
トークセッションのあとは、4人でWi-Fiを使ったオンライン対戦をプレイ。闘技場の乱闘モードで、それぞれが剣や魔法で戦う。フィールドに落ちているアイテムをどう使うかがポイントのひとつだという。対戦時間は5分で最後の1分はポイントが倍になって逆転のチャンスもある。バトルの結果は、その効果を上手く使った(?)植松氏が見事1位に!
オンライン対戦の余韻が冷めやらぬ中、突然、任天堂の代表取締役社長 岩田聡氏の声が会場に響き、電話でも繋がっているのかと思いきや……岩田氏が壇上に登場。「朝は京都にいたんですけど、来ちゃいました」(岩田氏)。この岩田氏の来場は、坂口氏も知らなかったようで、「来るなら来ると言ってくださいよ(笑)」と、かなりビックリした様子。
岩田氏は、坂口氏や松本氏、藤坂氏、植松氏の労をねぎらいつつ、マリオオクラブ(デバッグチーム)での作業が9ヵ月となり、かなり長期に渡ったことなどのエピソードを披露した。坂口氏は「マリオオクラブのスタッフも『THE LAST STORY』の開発スタッフの一員のよう気がします」と、岩田氏に感謝。岩田氏は「坂口さんの新しいチャレンジ。長い試行錯誤を経てできあがったものをぜひ皆さんの目で確認してもらいたいと思います」と締めくくって、ステージを後にした。
最後に、坂口氏4人がひと言ずつメッセージを発し、今回のプレゼンテーションは終了した。
「ゲームとしてもすばらしい作品ですが、音楽も自分ができることをやり切った作品です」(植松伸夫氏)
「この新規タイトルに参加できて光栄です。自己満足ではなくユーザーによろこんでもらおうと作った作品です」(藤坂公彦氏)
「走り切ることができたのは、さまざまな方々のおかげです。いろんなゲームの中で光輝く作品になったと思います」(松本卓也氏)
「岩田さんの登場というビックリが、ある意味この作品を象徴していると思います。いろいろなビックリや偶然が積み重なって完成させることができました。今回は隅々まで丁寧に作りました。そういうところまで楽しんでもらえればと思います」(坂口博信氏)
今回のプレゼンテーションは、事前にテレビCMでも告知されるなど、任天堂の『THE LAST STORY』への期待を感じされるものとなった。プレゼンされたそのゲーム内容を観て、その任天堂の期待ももっともだと感じた人は筆者だけではないはずだ。発売を楽しみに待とう。
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▲多忙を極める岩田氏は、USTREAMの中継を観ながら会場入りしたという。 |
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