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ホットトイズの10周年記念イベントの模様を先取りでお届け!(後編)

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12月26日まで開催中の10周年記念イベントのために来日したフィギュアメーカー、ホットトイズのメンバーにインタビュー。

●キーメンバーにインタビュー!

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 映画やゲームを題材にしたフィギュアを数多く手掛けるホットトイズが、2010年12月26日まで東京国際フォーラムで10周年イベントを開催中。すでに会場の様子や、『メタルギア ソリッド』シリーズのフィギュア制作が決定したことなどをお伝えしたが、ここで今回のイベントにあたって来日したキーメンバーと、ホットトイズジャパンのフランク・デュボア氏、そして造型師のKOJUN氏への合同インタビューの内容をお届けする。

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ホワード・チェン氏(ホットトイズCEO)
一見物静かな印象をうけるのだが、フィギュアの話をし始めると止まらず、通訳さんが明らかにかなり省略して訳していたほど。

――まずは10周年の率直な感想を。
ホワード いろいろ準備で忙しかったですが、昨日展示会の会場に行ってみたら、たくさんのキャラクターのフィギュアがきれいに並んでいて、とてもうれしかったです。
KOJUN いままでホットトイズがフィギュアを一ヵ所にまとめて展示したことはなく、これが初めてなのですが、これからも発展していけるという実感を得ました。明日は(一般の)お客様もいらっしゃるので、すごくドキドキしています(注:インタビューは一般日前日の24日に行われた)。
ユリ いままで発展して来た中で、たくさんの挑戦をしてきたと思います。これからももっとリアリティーを追求するために、チャレンジしていきたいと思います。これからの未来にすごく期待しています。
J.C. (韓国語で)入社して4年目になるのですが、これまでチェン(ホワード氏)が何を成し遂げてきたかを体感してきました。基礎が整っているし、「自分は何をしてきたんだろう」と反省のきっかけにもなりました。(日本語で)……俺なんで韓国語で喋ってるんだ?
フランク こうしたビッグイベントを開催することができて、すごくうれしいというのが本音です。光栄ですね。とくに、我々にとってトップ・プライオリティー(最重要)である日本でやるということ。日本のフィギュア文化のチルドレンとして逆輸入の形で戻ってきて、日本のフィギュアシーンに「ここまで伸びたよ」という証明ができるのがうれしいですね。ホワードが言ったとおり準備も大変でしたし、J.C.の言ったとおりにプレッシャーも当然あるんですけども、一生懸命頑張ったので、ご来場いただく皆さんができるだけおもしろく思って頂けるとうれしいなと思います。

――ここまでの成長は、当初の予想と比べてどうですか? 振り返ってみてください。
ホワード 予想とはまったく異なりますね。ここまでたくさんの(フィギュア化の)ライセンスを取れるとは思っていませんでしたよ。もしかしていままで発展できたのは神様から恵まれたからなのではないかと思います。(ホットトイズを設立した中国だけでなく)日本と韓国も一緒に協力して働けるようになったのも予想を超えていました。今後も発展の機会を探し続けたいと思います。
KOJUN じつは入社する前からホットトイズの製品を収集していました。とても好きな会社だったので、入ってからも皆さんと楽しく仕事することができて満足しています。
ユリ 入社以前は“海外にある大きい会社”というイメージで、自分が入るとは思ってもいなかったので、入社できてとてもうれしかったです。自分が思っている以上に技術的に発展していると思うので、これからも新しい材料や技術を使って発展していきたいと思います。

J.C. 2007年の1月1日から一緒に仕事をすることになったんですけど、2006年の12月にチェンさん(ホワード氏)が韓国に来て、3日間ボロボロのホテルですごいたくさんの話をしたんです。そのときに「こいつならできるんじゃないか。この人なら多分(ホットトイズは)大きくなるんじゃないか」と思ったんです。というのは、彼はちょっと変わった人柄で、すごい謙遜しながらも、本音で「手伝ってくれ!」と言ってくるんですよ。自分が今まで会ってきた人とはまったく違っていて、「ボスがこうなら、もう下の人は見なくてもいいんじゃないか(信用できる人が集まっているのではないか)」と思って。そこで私がちょっと要求したのは「工場を見せてください」ということ。それも「オッケーですよ!」というので行ってみたんですね。そうすると工場の人もおごらずに謙遜する人で。そういったすべてから「この会社はデキる!」と思って、ユリさんとKOJUNさんを「一緒に仕事しましょう」と誘ったんです。すごい尊敬しています。
デュボア 本当に予想を超えてます。ブッ飛んでますね。申し訳ないぐらいですが、当然すごくうれしいです。我々のチームワークの結果なので。でもやっぱり、ここまで持ってこれたのはビックリですね。もともとホワードと最初に会ったのは2005年なんですけども、自分は(ライセンス商品の)プチ・スペシャリストだったので、「ライセンス商品を始めたい」と相談を受けたのが原点です。最初は『エイリアンVSプレデター』です。結局『ターミネーター』が最初にリリースされたんですけども。すごくモノが良さそうだったので、日本だったらこれぐらい売れるから「やりましょう」ということになったんですが、そこからここまでは本当にありえない。長い道でしたがずっと右肩上がりでくることができて予想外ですね。喫茶店で話を聞いて良かったと思います。

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J.C.氏(プロダクション・ディレクター)

ユリ(造型師)

KOJUN氏(造型師)

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フランク・デュボア氏(ホットトイズジャパン代表取締役社長)
フィギュアショップ“ブリスター”を手掛けたのち、ホットトイズに参加。

――「このライセンスを取ろう」という基準はありますか?
ホワード 単純ですが、好きなもののライセンスを取ります。個人的にはアメリカ映画が好きですね。映画のキャラクターは多様性がありますし。
デュボア ライセンスは自分の仕事でもあるのですが、すごく短く言うと、“やりたいもの”を取りに行きます。これは当たり前のことかというと、他社さんではそうでもなくて、付き合いでやらなければいけないとか、旬だからとか、売れそうだからとか(いった理由がある)。我々は単純にユーザー感覚でやりたいことをやるだけですね。ウチの版権のチョイスは、作品に愛情を感じて「俺もフィギュア欲しいな」と思っているから作る。まずはそれが最低ラインです。そのほかにもいろいろあって、たとえば見た目が派手で、デザイナーとして「デザインが凝った物になりそう」と思うとか。普通にスーツやスカートを着ているだけではつまらないフィギュアになりますから。ビジュアル的に凝っている、あるいは一線を越えて、「作りにくいな、作れないな。どうやって作ろうかな?」となると、逆にやりたくなる。難しいほど興味がありますね。それと実写の場合は俳優さんに対してリスペクトを感じられるかどうか、作りたいかどうかというのを考えますね。それと、ホットトイズのポリシーとして肖像権が取れないと作らないとか。基本的に情熱で動いていて、売れなければ次が出ないんですけど、それでも最初のフィギュアは売れなくても出しちゃう。それは(自分たちが)やりたいからですね。

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▲最新の3D映画『トロン:レガシー』から、永遠の名作『燃えよドラゴン』まで、ライセンスの幅は広い。

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▲会場に飾られている『アイアンマン』フィギュアのコラボレーション作品では、フランク氏の手によるものも。

――『メタルギア ソリッド』フィギュアを作ると聞いたのですが、なぜ『メタルギア ソリッド』が選ばれたのですか?
ホワード まずはこのゲームが好きですし、有名だからということもあります。そして顧客からあった要望を満足させたいですし、KONAMIさんからオファーをいただくこともできました。
デュボア 『メタルギア ソリッド』シリーズはホットトイズとしてずっと作りたかったのですが、ライセンスがうまくいかなくて「やれればいいな」と思っていたところでした。やっと小島監督からステキなアプローチがありまして、打合せして30秒で「やります!」と言ってましたね。「細かい話はあとにして、やろうぜ」と。ホットトイズとしてハリウッドの実写ものをたくさん出しているんですけども、それ以外のジャンルで一番力入れたいのは、やっぱりビデオゲームですね。将来的にはビデオゲームのマーケットはどんどん大きくなっていて、実写とゲームの境界も薄くなってきていて、場合によってはビデオゲームが上じゃないですか。なので『メタルギア ソリッド』は当たり前のチョイスですね。ぜひ『メタルギア ソリッド』のファンにホットトイズのフィギュアをお贈りしたいと思います。長く、濃く、深くやりたいラインです。

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▲おなじくJ.C.氏がカスタマイズした『アイアンマン』フィギュア。スーツがトラックスーツ風に!

――これからやってみたい技術的挑戦はありますか?
ホワード この10年間はキャラクターの顔のリアリティーの向上に努めて来ましたが、J.C.やユリの協力もあって、大量生産してもクオリティーを維持することができました。今後は歯のクオリティーをあげたり、本物の髪の毛を使ってチャレンジしたいですね。
J.C. 韓国側でアイデアを出すと、ホワードさんや香港のスタッフが実現化のためにすごい努力してくれるんですよ。私が「こういうシステムにしてほしい」とお願いすると必ずオーケーになるんです。ある技術を作るためにはいっぱいテストしなければいけないですよね。ホットトイズが強いのは、そういうところにお金をたくさん遣っていることもあります。これからも皆さんが楽しめる値段に抑えながら、スタン・ウインストン(ハリウッドの特殊メイク師。故人)がプロデュースしたようなフィギュアを送り出していきたいですね。
デュボア できるだけリアルに近づけたいですよね。でも終わりがない戦い。一番最新のフィギュアが一番できがいいんですけども、どこかまだ足りない。開発的には毎回いろいろやろうとしているんですが、少しずつレベルアップするしかないですね。いいものを作っても大量生産でそれを守れるかというのは他社さんでは問題になっていますけど、我々は工場がプロトタイプと同じレベルで出し続けるようにしなければいけないので、それも難しい。開発はホットトイズのコアで、ウチの利益はほとんど開発に戻しているので、新たな挑戦がどのフィギュアにも入っている。100%のリアルは達成できないですし、最終的にフィギュアはフィギュアだし。でも、フィギュアだからいい(ということも)あるんじゃないか? 難しいですね。

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▲『トロン:レガシー』のライト・サイクルは、エンジン部分が回転するほか、スーツやサイクルにLEDが仕込まれていて発光する。

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