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発売直前の『ソニック フリーライダーズ』をひと足先に遊んできました

ゲーム Xbox 360
コントローラーを持たずにゲームや映像などの操作ができる、Xbox 360の新たなゲームシステム“Kinect(キネクト)”のロンチで登場する、セガの『ソニック フリーライダーズ』を先行プレイ。非常にうらやまけしからんモードもありました!

●直感的な操作、とはまさにコレのこと!

 コントローラーを持たずにゲームや映像などの操作ができる、Xbox 360の新たなゲームシステム“Kinect(キネクト)”が2010年11月20日にいよいよ発売を迎える。各社Kinectの特徴を活かした新機軸のタイトルを開発中だが、その中でもロンチという最速のタイミングで発売されるタイトルのひとつに、セガの『ソニック フリーライダーズ』がある。今回、発売に先駆けて同作に触る機会を得たので、体験リポート&開発者である森本兼次郎氏へのミニインタビューをお届けしよう。

 世界的な人気を誇るセガの看板シリーズ&キャラクターである“ソニック”が今回挑戦するのは、コントローラーを使わないレースゲーム。最初に告白しておくと、記者は個人的に、レースゲームは細かいハンドル操作と的確なライン取りなどが重要な、ストイックなジャンルといった印象を持っており、「正直Kinectとの相性はそれほどよくないのでは……」と考えていた。しかし、実際にプレイしてそれは根底から覆されることになった。我ながら非常にわざとらしい出だしだが、事実なのである。

 まずは『ソニック フリーライダーズ』の基本的な操作方法について説明しよう。と思ったが、本作においては基本的な操作説明なんて野暮以外の何物でもない。体感型のタイトルを紹介するときによく使われる言葉として“直感的な操作”というものがある。他人にきびしく自分にやさしい記者は、この“直感的な操作”という言葉をほかの記事で見るたびに「こんな紋切り型の説明は記者の怠慢だ」と憤っていたのだが……すいません、何て言うか『ソニック フリーライダーズ』はとても直感的な操作です。ソニックを始めとするキャラクターたちは“エクストリームギア”と呼ばれる浮遊したボードに乗っており、体を横に向けると加速がスタート。旋回したいと思ったら体をひねればオーケーで、さらに加速したければボードを漕ぐ要領で足で地面を蹴るだけだ。また、コース上にはアイテムボックスが設置されており、さまざまお助けおよび妨害アイテムが入手できるのだが、その使用方法も難しくない。

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▲驚くべきシンクロ率でソニックになりきる記者。

 たとえば、いかにも炭酸ジュースが詰まっていそうな巨大な缶を手に入れたとする。これはどう使えばいいのか? 考えるまでもなく、答えは“振る”だ。炭酸ジュースを思いきり振れば、缶を開けた瞬間に猛烈な勢いでジュースが噴き出し、それによってスピードが加速するというわけ。くりかえすが、レースゲームに巨大な炭酸ジュースという組み合わせが出た時点で、考えるまでもなく自然と出てくる答えだ。……果たしてこの説明に説得力があるのか、正直自信がなくなってきたのでほかの例も紹介しよう。ミサイル的なアイテムがある。これを手に入れたら、どんな動きをすればいいのか? まさか振る人はいないだろう。答えは“投げる”だ。ボウリングの球みたいなアイテムがある、転がそう。バスケットボールがある、フリースローを決めよう(左手は添えるだけ)……といった具合である。いかがだろう、本作の基本操作について、直感的という言葉以外浮かばなかった記者の気持ちを理解していただけたと思う。そのほか、ギリギリ届かない位置にあるアイテムを取る方法、妨害アイテムで視界が墨まみれになったときの対処法と言ったアクションもあるが、操作は言うまでもなく直感的なので説明は省略しよう。記者の怠慢ではない。

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▲運動不足のアラサー諸君は、プレイ前に準備運動を忘れずに!

 操作説明は野暮、と言いつつもけっこうなボリュームで説明してしまったが、続いてゲームシステムを紹介する。レースゲームでもっとも大事なのは、いちばんでゴールすること。それは本作でも変わりない(一部ゲームモードを除いて)。その目標を達成するためには、本記事冒頭でも書いたとおり、細かいハンドル操作やベストなライン取りが必要となるのだが、『ソニック フリーライダーズ』ではそれが必要ない。と、あえて言い切ってしまう。もちろん操作やライン取りはウマイにこしたことないが、それ以上に重要なのはコース内にあるジャンプ台で“いかに華麗に飛ぶか”だ。操作説明のところで軽く触れたが、本作では地面を蹴るという動きでブーストを使用することができる。ただしこれは無制限ではなく、エアゲージと引き換え。そして、エアゲージを溜める手段がジャンプ台というわけだ。コースが途切れていたり、バンクになっていたりと「ジャンプしてください」と言わんばかりの場所が見えたらまずは膝をグッと曲げよう。そしてジャンプ台にエクストリームギアが乗ったら、タイミングよくジャンプ。基本はこれだけでオーケーで、着地時にジャンプ内容の評価が行われ、それが高ければ高いほど多くのエアが獲得できる。しかし、最高評価を得るためには、ただジャンプするだけではダメ。飛ぶと同時にスピンを決めたり、グラブをするようなイメージで腕をあげたりといったトリックも決めなければいけない。これこそが本作のキモであり、同時にKinectならではの操作をもっとも体感できるポイントというわけだ。ちなみジャンプ台は、ひとつのコース内に複数ある。なので、たとえ1回くらいジャンプをミスっても挽回は可能だろう。ただ、運動不足の人はジャンプの連続にプレイヤー自身の体力を削られ、挽回どころか立っているのもツラくなるかもしれない。記者もそのひとりだ。

 さて、息も絶えだえになりつつプレイを終えたわけだが、正直なところレースゲームとKinectの相性については、本作をプレイしてもよくわからなかった。正確にはレースゲームを遊んだ、という感覚があまりなかったのだ。もちろんゲームデザインがそもそもストイックなレースゲームとは異なっているという部分はあると思うが、アイテムを投げたり、ジャンプを決めたりといった部分が充実しており、いい意味であまりにレースゲームらしくない。Kinectで遊ぶレースゲームではなく、“Kinectレースゲーム”といった具合の新たなジャンルを遊んでいる感覚であった。ちなみに本作には協力プレイも用意されている。これが、非常にうらやまけしからん内容になっているので、最後に紹介させてもらおう。

 まずKinectセンサーの範囲内で指定された位置にふたりで立つ。これが意外と狭いので、自然とふたりの距離は近づくだろう。そしてつぎが重要。ふたりは向き合う形で立たなければならない。なんということだろうか、まるで“カップルでのプレイに最適”と言わんばかりのシステムである。そしてレースが始まれば、ふたりの距離はさらに近づいてしまう。協力プレイではひとりで走るよりも、パートナーと手をつないだ状態のほうが早いのだ。もちろん、ジャンプするときもいっしょ。「いっせーの、せ!」なんて声を掛け合いながら飛ぼう……。さて、約1ヵ月後には恋人たちのイベント“クリスマス”がやってくる。もし、まだいっしょに過ごす相手がいないという人がいたら、『ソニック フリーライダーズ』を利用して、意中の彼との距離を縮めてみてはいかだろうか? なんてことを言ってしまいたくなるほど、うらやまけしからん内容なのだ。とは言えこの協力プレイ、純粋にゲームとして非常におもしろいので、家族や兄弟、または友だちどうしでも積極的に遊んでみてほしい。

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▲さっそく記者もセガの女性広報さんに協力をいただき、うらやまけしからんことをしてみた。

●開発者の森本氏にインタビュー!

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――Kinectのタイトルを手掛けてみていかがでしたか?
森本兼次郎氏(以下、森本) 初めての経験なのでとにかくわからないことだらけで、こうやって作り終えていま、改めて難しかったなと感じています。そもそも、ゲーム作りのロジックがまったく違うわけですから。たとえば、Kinectでは実際に体を動かすという部分も、ゲームのおもしろさに落とし込まなければけません。もうひとつは、このボタンを押せばこれが起きる、といったルールが有効ではないので、よりユーザーが理解しやすいゲームデザインにもする必要がありましたね。この操作のわかりやすさおよび直感性をいかに表現するか、という部分にはもっとも時間をかけたかもしれません。

――開発は難しかったということですが、逆に作り甲斐があった部分はどこでしょうか?
森本 ロンチというタイミングでKinectのタイトルを1本作りあげたという点がいちばんのやり甲斐だったかもしれません。また、Kinectは実際に作ってみないと真の実力というのがわかりづらいので、それをある程度見い出せたことは収穫でした。

――わかりやすく直感的な操作の調整に時間をかけたとのことですが、具体的にどういった点で?
森本 たとえば、アイテムの使いかたについて、開発初期段階ではユーザーが理解しやすいように細かくガイド表示をしていたのですが、実際に遊んでみると多くのプレイヤーが指示された動きだけに集中してしまいました。そうするとレースゲームとしてまったく成り立たなくなってしまうんですよ。なので説明は最低限にして、ユーザーの直感、連想がより反映されるような作りにしました。

――ちなみに、アクションはどれくらいの種類あるのでしょうか?
人 うーん、じつは僕自身も数えたことがなくて(笑)。アイテムが9種類で、それに加えて各ステージに固有のアクションもあるし、特定のモードだけで使うアクションもある。また、ボード以外にバイクへ乗ることもできるので、アクションのバリエーションはかなりのボリュームになるのではないでしょうか。

――レースゲームという題材は最初から決まっていたのですか?
森本 そういうわけではありません。『ソニック』と聞くと、多くの人はキャラクターが走っている姿を想像すると思うのですが、Kinectでソレを再現するとなった場合、果たしてそれは直感的な操作なのか? という疑問がありました。あとは、ずっと走っていたら疲れてしまう(笑)。そこで、過去に自分が手掛けた『ソニック ライダーズ』のボードに乗るというスタイルがKinectに合っているのではと考え、最終的に本作のような形になりました。

――個人的に、本作では協力プレイがかなり印象に残りました。
森本 もともとゲームを使ったコミュニケーションに興味があって、手をつなぐというアイデアは以前から考えていました。手をつなぐって、社交ダンスみたいで遊んでいる見た目がおもしろいし、バランスゲーム的な要素も表現できると思ったんです。

――ちなみにボツになったアイデアなどは?
森本 馬乗りというのはぜひやりたかったんですけどね(笑)。もちろん、そのほかにもいろいろ考えましたよ。たとえば、ずっと立っていると疲れるので座りながら遊ぶスタイルというのも検討はしたんですけど、当時のセンサーの認識力では実現が困難と思われ早々にボツになっちゃいました。

――今回得たノウハウを活かして、またKinectタイトルを手掛けてみたいですか?
森本 ぜひやりたいですね。実際に作ってみて、Kinectはこれまでの常識を打ち破るデバイスだと改めて感じました。「こんなことですらゲームになってしまうのか?」といった具合なので、アイデアはどんどん湧いてきますよ。

――Kinectは、作る側にとって新ハードが出たくらいの衝撃だったということでしょうか?
森本 まさにそのとおりで、非常に革新的なデバイスだと思います。今後各メーカーからさまざまな新機軸のタイトルが生まれてくるでしょうし、それによって多くのクリエイターがインスピレーションを得るはず。ゲーム自体の考えかたが変わっていく可能性を感じています。

ソニック フリーライダーズ
メーカー セガ
対応機種 Xbox 360
発売日 2010年11月20日
価格 6,090円[税込]
ジャンル レーシングアクション
備考
(C)SEGA

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