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『Fable III(フェイブルIII)』の全貌が見えた、ピーター・モリニュー氏が明かす協力プレイとレベルアップのヒミツとは?【TGS2010】

Xbox 360 ゲーム インタビュー
東京ゲームショウ2010にあわせて来日を果たしたライオンヘッドスタジオのピーター・モリニュー氏にインタビューを敢行。発売直前の『Fable III(フェイブルIII)』の全貌が明らかに。

2010-09-17

●結婚・離婚も思いのまま、ただし離婚すると財産は半分になるのでご注意を

 2010年発売予定のXbox 360用ソフトの中でもひと際注目を集めるRPG『Fable III(フェイブルIII)』。東京ゲームショウの会期にあわせて、イギリスに本社を構えるライオンヘッドスタジオのピーター・モリニュー氏が来日。取材陣を相手にゲームのプレゼンを行った。イベントごとに柔和な語り口でゲームの紹介をしてくれるモリニュー氏だが、ソフトの発売日が2010年10月28日であることを考えると、おそらくは、発売日前にモリニュー氏の口から『Fable III(フェイブル III)』の話を聞けるのは、今回が最後の機会。この発売直前のタイミングで、モリニュー氏はとっておきの要素とでも呼ぶべき、“協力プレイ”と“レベルアップ”について、教えてくれた。

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 『Fable III(フェイブル III)』では、『II』に比べて協力プレイが相当進化している、とはかねてからモリニュー氏が明言していたことだ。『Fable III(フェイブル III)』では、お互いの作ったキャラクターどうしが相手の世界に自由に行き来でき、なんと結婚までできる。自分の犬を相手の世界に連れて行くことも可能で、およそプレイヤーがやりたいと思ったことは実現されたかの印象だ。

 今回は、『Fable III(フェイブル III)』が協力プレイに突入するまでのインターフェースの詳細が紹介された。友だちが『Fable III(フェイブル III)』で遊んでいると、“オーブ”という形で自分の世界に表示される。「ゲーム全体を協力プレイのためのロビーとして使っているようなもの」とモリニュー氏は語っていたが、これにより、友だちが『Fable III(フェイブル III)』を遊んでいるかどうか、すぐにわかるようになっている。“オーブ”は最大64個まで出現し(つまり、最大64人のフレンドまで、同時に『Fable III(フェイブル III)』をプレイしていても対応できる)、それぞれの友だちとやり取りができる。贈り物をあげたり、協力プレイに誘ったり……といったことができるのだ。

 友だちが誘いを受けてくれると協力プレイに突入となるわけだが、“協力プレイ”と言いながら、際立つのは自由度の高さ。ひとつの世界でふたりのプレイヤーが冒険することになるが、実際のところいっしょに行動するのも、別々に行動するのも自由。「一方は戦闘をしているあいだに、もう一方はお金を貯めたり、家のカスタマイズをしたりと好きなことができますよ」(モリニュー)とのこと。これだけ協力プレイを極めると、“プレイヤーどうしの結婚”というのは自然とモリニュー氏の頭に浮かんだよう。

 ちなみに結婚するとプレイヤーには大きなメリットがある。それは、ふたりの財産をひとつにまとめられるということ。何かとお金が入用になる『Fable III(フェイブル III)』の世界のこと、より自由にできるお金が増えれば、プレイの幅もより広がるというわけだ。ただし、注意点がひとつ。離婚をすると財産はすべて半分になってしまうという点。現実はだしの設定が『Fable III(フェイブル III)』の魅力と言えるだろう。結婚式そのものも、「リーズナブルな結婚式から豪華な結婚式まで思いのまま」(モリニュー氏)というから、世の男性にとってはなかなか身につまされる状況も出現するかもしれない。ちなみに、結婚した以上は子どもを持つこともできる。「ひとつの世界の中でお互いに戦い、結婚もし、セックスもする。さらに子どもも作るという、これだけできる協力プレイは世界初だと思います」とモリニュー氏は誇るが、まさにその通りなのだろう。

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▲少しわかりづらいかもしれないが、画面上のキャラのまわりに浮遊しているのが“オーブ”。

 おつぎはレベルアップ。じつは記者にとっては、『Fable III(フェイブル III)』のレベルアップシステムが長らくの疑問点だった。というのも、以前のプレゼンでモリニュー氏は「経験値によるレベル上げは廃して、フォロワーという概念を導入した」といった趣旨の発言をしていたのだが、その詳細がいまひとつわからなかったのだ。今回判明した『Fable III(フェイブル III)』のレベルアップは、極めて興味深いもの。まずはモリニュー氏は以下の通りに語る。

「レベルアップは『Fable III(フェイブル III)』がRPGであることを考えると必要なことです。通常のRPGのようにレベル3、レベル4、レベル5……とあがっていくのは私も気に入っているのですが、実際のところ多くのゲームのレベルアップは戦闘でのレベルアップに終始しています。そこで、ほかにレベルアップの方法がないか考えていたところ、日本のRPGにはおもしろいレベルアップの方法があるのを知って、そこからインスピレーションを受けたんです」(モリニュー)

 そこでデモプレイで示されたのが、ゲームが開始されるとすぐに出てくるという “ロード・トゥ・ルール(支配への道)”だ。『Fable III(フェイブル III)』ではアルビオンの王様になるまでが大きな目的のひとつだが、その王様になるまでの道のりを入り口から城までという形でビジュアル化したのが、この“ロード・トゥ・ルール”だ。道のりの過程にはたくさんのゲートが用意されており、プレイヤーは王様になるためにはたくさんのゲートをくぐらなければならない。

 ここで、キモになるのがフォロワーで、このゲートをくぐるためには、一定以上のフォロワーを獲得することが必須になる。最初のゲートをくぐるには100人のフォロワーが必要で、つぎのゲートをくぐるには1000人のフォロワーが必要、さらにそのつぎは5000人……といった具合だ。肝心のフォロワーを増やすにはどうすればいいかというと、戦闘やクエストをこなす、結婚、資金を集めるなど多岐にわたる。つまり、世界の中で生きることそのものが、フォロワーを増やすことに直結しているというわけだ。「ただ単に数字を上げるだけでなく、物語を進めることがレベルアップにつながる」とモリニュー氏は言う。

 この“ロード・トゥ・ルール”にはさらにユニークな仕掛けが施されている。ゲートの脇には複数の宝箱が置かれているのだが、その宝箱にはゲームシステムを決めるルールが入っており、宝箱を開けることで、プレイヤーの世界はそのルールに支配されるようになるのだ。具体的に言えば、“人を脅せばフォロワーを増やせる”という宝箱を開ければ、プレイヤーの世界は実際にそのルールに準拠するといった具合だ。つまりプレイヤーは『Fable III(フェイブル III)』をどんな世界にしたいか、自分で選べるのだ。「ゲームデザイナーとしては、さまざまな要素を盛りこみたくなるわけですが、人の好みはわかれるのでバランスを取るのが難しい。皆さんにどんな『Fable III(フェイブル III)』の世界で遊びたいか選んでもらうというのがこの宝箱のコンセプトです」(モリニュー)とのこと。宝箱の数はあまりに多く、当然その全部を開けることはできない。勢いいくつかの宝箱を選択することになるわけだが、それによりプレイヤー独自の『Fable III(フェイブル III)』の世界ができあがることになる。
 「『Fable III(フェイブル III)』は皆さんが王様になるゲームです。王国を統治するのがどういうことが皆さんに体験してもらいます。戦闘システムから協力プレイまで、『Fable III(フェイブル III)』はいままでになかったまったく新しいタイプのゲームと言えるしょう」とのモリニュー氏の言葉にもうなづけるところだ。

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▲こちらが“ロード・トゥ・ルール”。

 と、“ロード・トゥ・ルール”では王様になるまでの道のりが語られたわけだが、それは『Fable III(フェイブル III)』の前半部分。後半部分には王として国を統治する日々が待っているわけだが、その点について聞いたところ、「そこには大きなサプライズがあるので、いまここではお話ししたくないですね。皆さんの楽しみを削いでしまうことになるので(笑)」(モリニュー)とのこと。ただし、モリニュー氏からは気になる発言も。「王になる前は、フォロワーを増やすためにも国民にいろいろな約束をしていたと思うんです。たとえば、老人の面倒を見るとか、工場を閉鎖して学校を建てるとか。ひと言いえるのは、王様になったあとですべての約束を実現するのは非常に難しいということです。日本の政治家は大丈夫だと思うのですが、イギリスの政治家は首相になるまではいろいろな公約をしておきながら、いざ首相の座につくと何もしてくれないものなんです。そういったことをプレイヤーにも体験してほしいですね(笑)」(モリニュー)。

 ひとつひとつの要素をないがしろにせずに、こだわりをもって作り上げた『Fable III(フェイブル III)』の世界。ピーター・モリニュー氏の職人芸とも呼ぶべき作品を堪能できる日は近い。

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