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『メタルマックス3』の開発者、宮岡寛氏と田内智樹氏のインタビュー完全版を公開!
DS ゲーム●いまだから言えるインタビュー内容も追記!
週刊ファミ通2010年8月19・26日合併号(2010年8月5日発売)の『メタルマックス3』攻略企画ページ内にて、開発者の宮岡寛氏と田内智樹氏のインタビューを掲載した。その誌面では掲載できなかった部分などを追記した、インタビューの完全版をお届けしよう。
ゲームデザイン担当 宮岡寛氏 ディレクター 田内智樹氏
クレアテック代表取締役。『メタルマックス』シリーズの生みの親。『ドラゴンクエスト』から『ドラゴンクエストIII そして伝説へ・・・』までの制作にも携わる。 |
『メタルマックス』シリーズに関わっているキーマン。ほかにも宮岡氏とともに『RPGツクール』シリーズ、『天空のレストラン』なども制作している。 |
──まずは、無事に発売されましたね。おめでとうございます。
宮岡寛氏(以下、宮岡) いや〜長かったよね。ここまで来るのに17年かかりました。今回はタップリ冷や汗をかけたぶん幸せだったかな(笑)
──そんなに前から制作を?
田内智樹氏(以下、田内) 『メタルマックス2』発売後 、データイースト(※1)から本作の制作の話はあったのですが、その後に会社がなくなってしまったからね。当時は、ゲームボーイ版のタイトルとして、多くのメーカーに企画書を持っていきましたよ。
──当初はゲームボーイで出そうとしていたのですか。
田内 そうですね。で、いまから2年前ぐらいにエンターブレインさんに「『メタルマックス』をやりましょうか?」と冗談話をしたのがスタートです。でも半年経ったときに商標関係の問題が判明してね……。
宮岡 そうだね。今回は商標権をクリアーできたことが大きいよね。じゃないと発売もできなかったし(笑)。
──なるほど。17年越しで発売された本作ですが、セリフ類はシリーズ同様にこだわっていますね。
宮岡 そうですね。選択肢の「はい」、「いいえ」は、ユーザーがもう飽きているだろうということで、今回はセリフを選択する形にしました。ただ、これがシナリオにとっては、けっこう大きな冒険だったりします。あとは、メッセージも違った見せかたにしたいこともあり、フキダシの形を拡声器みたいに変えたところもありますね。
──選択肢のセリフは、おもしろいものばかりで笑えました。
宮岡 『メタルマックス』なので、選択肢にギャグやシャレのセリフを盛り込み、何を選んでも間違いではないように作っています。ただ、全部が遊びだとつまらないので、ところどころに取り返しのつかないものもありますけどね……。
──それはシエルタのカトールイベントなどですね。
田内 ほかにも、プエルト・モリのクランのお店で相手をぶっ飛ばしてしまうと、量子ドールのアイテムがひとつ買えなくなったりもしますよ(笑)。
宮岡 まぁ、RPGを進化させたい思いが強いので、今回はいろいろとチャレンジしています。
──今回の戦闘システムですが、選択肢と同様に、進化させたい理由から考案されているのですか?
田内 そうですね。本作はザコモンスターもボスのように行動するのが特徴です。たとえば、シャコタンクはHPが減ると車内に頭を隠すのですが、そのときはグラフィックが変わりますし、防御力がアップするほか、HPも回復しています。
──なるほど。
田内 さらに防御力が高い状態で体当たりもしてくるよね(笑)。
──あぁ、奇襲攻撃はキツイですよね。
宮岡 “仲間を呼ぶ”要素は、ほかのRPGでよく見かけますが、奇襲攻撃はなかったので、掟破りだけどユーザーに体験させたいという思いから入れました。
田内 奇襲する敵はターゲットできないので、ユーザーにとっては厄介なモンスターですよね。
──グラフィックの変化にも驚きましたが、今回は予想以上に敵が動くことにもビックリしました。
宮岡 じつは、当初の企画ではモンスターを動かそうとは思っていませんでした。ただ、“変形”はキーワードにあって、賞金首のユムボマとか、弱らせるとパーツが壊れるといったアイデアは、当初から考えていました。
──賞金首は攻撃も派手で、戦闘シーンでは相当動きますよね。
宮岡 原画担当の山本貴嗣先生がデザインすると、攻撃メモ的なアイデアもいっしょに書いてあるんですよ。たいてい、実現できなさそうなものばかりだけど(笑)。
田内 でも、今回は9割5分は再現しました。マユラーもね(※2)。
宮岡 マユラーの触手が人を引っ張るイベントがあるのですが、あの動きや、マンホールのフタの閉まりかたは最高だと思います(笑)。
──確かにあの動きはいいですよね。同様に『メタルマックス』の目玉である戦車も攻撃アクションが多彩で、見た目も凝っていますよね。
田内 今回は戦車をポリゴンで表現しているので、シャシーの穴はもちろん、搭載した武器を表示させなくてはならないこともあって、その点は苦労しました。これまでのように武器を好きな位置にセットできると、グラフィック的にムリが出ちゃう。その解決策として固定武器の概念を作ったんです。
──たしかに前面にミサイルポッドを付けるのはムリがありますよね。ちなみに、バイオタンクを登場させた理由はあるのですか?
田内 毎回『メタルマックス』では、ルールを破ろうという決まりがあって、「じゃあ『メタルマックス』のルールも破ろう」ってことで、戦車は成長しないけど、成長させてみようってことで採用しました。
──なるほど。
田内 ちなみに、乗り物のシャシーは全部で400種ほど登場するのですが、シャシーの名前がそれぞれ違ったりします。もちろん、その名前すべてを考えたのですが、これがたいへんな作業でした。次回作を作るまでに解決案を考えておきたいと思います(笑)。
──今回の新要素である冒険ガイドはどういった理由で導入されたのでしょうか?
宮岡 開発したのが携帯ゲーム機だったことが大きいですね。たとえば通勤や通学時の30分ほどに遊んだ場合、つぎに遊ぼうと思っても前回挑戦していたことを忘れてしまう場合もあるワケです。冒険ガイドを見れば、すぐに進行状況が確認できるので便利ですよね。しかも、『メタルマックス』は自由度が高く、寄り道のクエストが多いので、受けたクエストを全部覚えられない。そういった意味でも、このシステムは『メタルマックス』に合うなと思い、導入しています。
──コーラがいい味を出していますが、それは宮岡さんが理想とする女性像なのでしょうか?
宮岡 どうですかね……(笑)。
田内 けっこうコーラは宮岡さんのタイプじゃないですかね。
宮岡 そうかも知れませんね。2面性がある女性が好きなので、どうしてもあんな感じになっちゃう。ちなみに最初は、コーラはシエルタから逃げ出さない設定だったのです。
──なんと!?
宮岡 シセがストレートでいい娘で、コーラは屈折しているということを表現したかったのです。その後、いろいろと考えていたら、コーラの性格なら逃げるだろうなと思い、変更しました。
──主人公が冒頭で復活しますが、何か意図したものがあったのですか?
宮岡 シリーズが復活するし、“主人公も復活だ!”的なものがあって、記憶を失った男が、記憶を取り戻すためにクエストを進めるといった設定を考えていました。
田内 記憶を失っていても、強いけどね。
宮岡 今回は多くのライトユーザーが遊ぶことになると考えていたので、“死なない主人公”をイメージしていました。それと、ゲームを始めたとき、主人公を鍛えながら物語を進めていくことにユーザーは飽きていますよね。レベル上げも一切考えずに物語を進められて、好きなように遊んでほしかったこともあり、あの強さになっています。
──1周目のプレイでは入手できないアイテムがあるという話をお聞きしましたが、本当ですか?
宮岡 本当です(笑)。ホックの交易所(※3)を活かすように、変動のシステム(※4)を導入しました。
田内 お店のリストも変わるので、1回目と違った感じで、遊んでもらいたいという狙いもあります。
──お店のリストも変わるのですか……。ほかにも影響しますか?
田内 拾えるアイテムには☆マーク付きの高性能なものがありますが、その☆の数も変わります。
── !! それはスゴイ情報ですね。
宮岡 ちなみに、賞金首が落とすアイテムは3種類の中から選ばれることになります。それぞれ1回ずつしか入手チャンスはありませんが、なかには超レアなものも含まれています。何周も遊んで、アイテムを集めれば、対戦モード(※5)で有利になると思いますよ。
──RPGとしての育成部分も奥深いです。戦車の改造も"超改造"を行えば、上限を突破できますよね。
田内 そうですね。それにキャラクターのレベルが99を超えるアイテムも存在します。最大レベルが10上がるのですが、何周も遊ぶ人のためにレベルは999まで上がるようになっていますよ(笑)。
──改めて、本作は内容がかなり詰まっていることを認識しました。
宮岡 そうですね。やりすぎましたね。少しぐらいは、つぎに取っておいてもよかったかな(笑)。
田内 モンスターにもレアモンスターがいますしね。
宮岡 おそらく1回目のプレイだけでは出会えないモンスターも何体かいるよね。
──驚きの情報が満載ですが、最後にユーザーへのメッセージを。
宮岡 ほかのRPGではやらないことも、『メタルマックス』では盛り込むのがモットーです。こういうゲームもあるんだ、と思いながら本作を楽しんでほしいですね。
インタビュー注釈
■データイースト(※1)
『メタルマックス』(1991年5月24日発売)を始め、『メタルマックス2』(1993年3月5日発売)やシリーズのリメイク版を発売。
■マユラー(※2)
プエルト・モリの下水道に生息する賞金首。下水道から触手を伸ばし、町の住人をさらっては糧としている。ちなみに、主人公がプエルト・モリの住人に話しかけると、住人がマユラーの触手に捕らわれるシーンが数回発生する。
■ホックの交易所(※3)
ツリシ峠の北部に建てられた施設。所持アイテムを好きな価格で店頭に並べることができ、DSワイヤレスプレイの通信機能で、べつのユーザーがそのアイテムを購入することができる。
■アイテムの変動システム(※4)
本作では、アイテムのレア度(☆)が変化するほか、ゲームスタート時にショップデータの一部などが変動する。これは2周目以降を開始する際にも同様に切り換わる仕組み。そのため、1周目だけでは入手できないアイテムもある。
■対戦モード(※5)
DSワイヤレスプレイにて遊べる対戦モード。育成した戦車やキャラクターでバトルを行う。
次回(2010年9月16日アップ予定)は、『メタルマックス3』アートワーク担当の山本貴嗣氏のインタビュー内容を掲載!
| メーカー | 角川ゲームス |
|---|---|
| 対応機種 |
ニンテンドー DS |
| 発売日 | 2010年7月29日発売 |
| 価格 | 6090円[税込] |
| ジャンル | RPG / SF・冒険 |
| 備考 | ゲームデザイン:宮岡寛、キャラクターデザイン:廣岡政樹、アートワーク:山本貴嗣、サウンド:門倉聡、 ディレクター:田内智樹、制作:エンターブレイン、クレアテック |
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