HOME> ニュース> 韓国のトップメーカー・ブルーサイドへのVIPインタビュー敢行、『キングダムアンダーファイアII』の全貌が明らかに

韓国のトップメーカー・ブルーサイドへのVIPインタビュー敢行、『キングダムアンダーファイアII』の全貌が明らかに

ゲーム Xbox 360 PC インタビュー
韓国ゲームメーカーの雄、ブルーサイドの代表取締役キム・セジュン氏と『キングダムアンダーファイア』のプロデューサー兼ディレクターのリー・サンユン氏が来日。ファミ通.comの取材に応じてくれた。ここではその模様をお届けする。

2010-08-18

●『キングダムアンダーファイアII』は10年以上継続する大作に!

 韓国ゲームメーカーの雄、ブルーサイドの代表取締役キム・セジュン氏と『キングダムアンダーファイア』のプロデューサー兼ディレクターのリー・サンユン氏が来日。ファミ通.comの取材に応じてくれた。ブルーサイドと言えば、『キングダムアンダーファイア』シリーズの開発元として日本のゲームファンにもおなじみ。開発を統括するリー・サンユン氏は、Xbox 360用ソフト『ナインティナイン・ナイツ』のディレクターとしても知られ、韓国を代表するクリエイターのひとりでもある。ブルーサイド首脳陣の今回の来日の目的は、同社がいま手掛ける2タイトル、Xbox 360&PC用ソフト『キングダムアンダーファイアII』とニンテンドーDS用ソフト『シャイニング・レジェンド』の日本展開に関する打ち合わせ。両作とも日本での展開はまだ決まっていないが、その動向が気になるところだ。インタビューでは、そんな『キングダムアンダーファイアII』と『シャイニング・レジェンド』の最新動向を聞いた。

KN1_7718

▲ブルーサイドの代表取締役キム・セジュン氏(左)と『キングダムアンダーファイア』のプロデューサー兼ディレクターのリー・サンユン氏(右)。

KN1_7564

――まずは、PCとXbox 360で発売を予定している『キングダムアンダーファイアII』の開発状況をお教えください。
サンユン 極めて順調ですよ。韓国では、2010年8月12日からパブリックβテストのホームページがオープンされまして、ユーザーの方は『キングダムアンダーファイアII』の一端に触れられるようになっています。パブリックβテストは残念ながらハングルのみの対応なのですが……。

――日本でのパブリックβテストの予定などは?
サンユン 日本のパブリッシャーさん次第になりますね。いま『キングダムアンダーファイアII』のPC版については、日本のほとんどのPCオンラインゲームメーカーさんが興味を持ってくれています。

――Xbox 360版に関してはどうですか?
サンユン 東京ゲームショウくらいには、なんらかの動きがあると思います。Xbox 360版の展開に関しては、PCバージョン発売以降になりそうです。

――せっかくの機会ですので、『キングダムアンダーファイアII』の魅力を教えてください。
サンユン 言ってみれば、戦場を感じられるゲームです。じつは、『キングダムアンダーファイアII』のアイデアは、『ナインティナイン・ナイツ』の開発中に生まれたものです。『ナインティナイン・ナイツ』の開発終盤に大軍勢のシーンを作ってみて、ゲームエンジンに対するインスピレーションが生まれたんですね。そのインスピレーションをもとに作ったゲームエンジンが、『キングダムアンダーファイアII』のベースになっているんです。『キングダムアンダーファイアII』では最大20000人による戦闘が可能で、“大軍勢の真の完成形”と言えると思います。

――20000人による戦闘ですか!? それはすごいですね。
サンユン 実際のところはひとつの画面で3000人以上になると、あまり区別できなくなるんですけどね(笑)。このゲームエンジンは、マップツールにも力を入れていて、複雑なマップでもすぐに作れるようになっているんです。じつは『ナインティナイン・ナイツ』の開発が終わったあとに、「『ナインティナイン・ナイツ』の続編の開発もどうですか?」というオファーをいただいたのですが、どうしても『キングダムアンダーファイアII』を完成させたくて、残念ながら諦めました。

――気になるゲーム内容はどのようなものに?
サンユン PC版とXbox 360版とで内容は少し異なるのですが、PC版の基本はMMO(多人数参加型)になります。ひとつの“ワールド”にプレイヤーが参加して関わっていくことになるんです。

――大軍勢での戦闘はどのような感じになるのですか?
サンユン 通常はMMOの世界に入って、戦闘のみ大軍勢を率いてのバトルという形になります。MMORPGに大軍勢バトルの要素が加味されているんですね。

――なるほど、プレイヤーが率いることができる軍勢(ユニット)の数はどれくらいに?
サンユン 最初は50人程度です。ゲームを進めていく過程でポイントを獲得することで、連れて入れる人数は増やすことができます。純粋なプログラム的な技術ではひとつの部隊で最大2000ユニットまで参加できるのですが、上限を何人にするかはまだ決めていません。ユニットは、βテストの時に遊べるのは60種類くらいになりそうです。いままで制作されたものは120種類あるのですが、持続的にアップデートをしていく間に最終的には200種類くらいまでは伸びるのではないだろうかと思っています。

――戦闘時の参加人数は?
サンユン パブリックβテストでは、3対3での対戦が体験できますが、製品版では4対4までを考えています。こちらも技術的には10対10までは可能なのですが(笑)。『キングダムアンダーファイアII』では協力プレイも遊べて、協力プレイではAIで動くマンモスを守りながら敵部隊と戦う……といったミッションが用意されています。

――いままでに、レグナイアやイザベラ、グレンといった登場キャラが明らかにされていますが、MMOの世界ではプレイヤーはそれらのキャラとして遊ぶことになるのですか?
サンユン 登場キャラの“スタイル”になります。たとえばグレンタイプを選ぶと、最初は銃と剣を駆使して戦うことになるんですね。職業みたいな感じです。もちろん、キャラはカスタマイズ可能で、姿形も自由に変えられます。

KN1_7613

▲取材時に見せてもらった未公開キャラのイラスト。個性豊かな18人のキャラが登場する。

――ちなみに登場キャラは最終的には何人くらいに?
サンユン βテストでは4人が登場しますが、持続的なアップデートまで考えると最終的には18人を考えています。

――18人! さきほど、PC版とXbox 360版では内容が少し異なるとおっしゃっていましたが、具体的にはどのような感じに?
サンユン Xbox 360版はマイクロソフトさんの都合でMMOの部分は含められないと思いますので、ストーリー部分を強化して、ソロプレイの楽しさを提供できるようにしたいです。時間軸もPC版とまったく同じというわけではなくて、Xbox 360版で個々のキャラのストーリーが紹介されたあとで、PC版につながっていく……という展開を考えています。

――ということは、Xbox 360版では18人ぶんの物語が展開される?
サンユン そういうことになります。ただ、ひとつのソフトにさすがにそこまでのボリュームは収め切れないので、Xbox 360版に関しては、1年にヒーロー4〜5人分のシリーズ1本くらいの感じで、各キャラたちをフィーチャーしたバージョンをリリースしていきたいと思っています。もしXbox 360のそのつぎの次世代機が発売されることがあっても、それは継続していきたい。そのために、じつは当初から現行機よりも上のグラフィックを制作して、次世代機にも対応できるようにしているんです。社内では、いまお見せしているものより4倍以上のディテールのグラフィックも用意されていますよ。現状『キングダムアンダーファイアII』に関しては、PC版をリリースしてからコンシューマー版という流れを予定しています。

――それにしてもスケールの大きなプロジェクトですね。開発はたいへんなのでは?
サンユン 技術的な部分での挑戦が多かったですね。すべてがオンライン対応なのですが、アクション性の高いゲームなので、いかにレイテンシーを生じないようにするかで苦労しました。一部の韓国のゲームメーカーから、「『キングダムアンダーファイアII』はオンライン上では動かないのでは?」といった意見も聞かれたのですが、先日韓国メディアを対象に、ブルーサイド本社で10000人対10000人のデモを披露したところ、そういった声もぴたりと止みました。ちなみに、現時点でのキャラクターのモーションの数を数えてみたら6000ありました。完成までには10000を超えるのではないかと想定しています。現時点の家庭用ゲームでいちばん多いモーションが『アサシン クリード』の4000モーションなので、いかに『キングダムアンダーファイアII』のモーションが多いかがおわかりいただけるかと思います。

――それにしても、完成が楽しみですね。
サンユン 『キングダムアンダーファイアII』は10年遊べるタイトルにしようと考えています。現状世界で人気を誇っているオンラインゲーム『リネージュ』にしても、『ワールド オブ ウォークラフト』にしても、10年以上支持されていますからね。『キングダムアンダーファイアII』は100人以上のスタッフで開発に臨んでいるのですが、発売後も常時それくらいの体制を維持して世界観を構築していきたいと思っています。『キングダムアンダーファイアII』に関しては、現在韓国で人気ナンバーワンのオンラインゲーム『The Tower of AION』でディレクターを務めたジ・ヨンチャンや、人気オンラインFPSゲーム『スペシャルフォース』のディレクターだったリー・ヨンソンなど、そうそうたるスタッフが参加して鋭意製作中です。今後の展開にご期待ください。

20100812_KUF2_screenshot_009
20100812_KUF2_screenshot_011
20100812_KUF2_screenshot_012

●幅広い層に訴求するためのニンテンドーDS用ソフト『シャイニング・レジェンド

KN1_7663

――一方で、『シャイニング・レジェンド』が発表されましたが、これはどのようなものに?
キム 『キングダムアンダーファイアII』とは正反対のゲームと言えるかもしれませんね(笑)。『シャイニング・レジェンド』は、誰でも気軽に興味をもつことができて、手軽にプレイできるようなゲームにしようと思っています。ゲームのプロット自体はすごく単純なのですが、そのなかにある要素のひとつひとつはおもしろいものになっていて、楽しみながら遊べるようになっています。『キングダムアンダーファイアII』と比べると、まったく軽い感じになっています。

――なぜニンテンドーDSというハードを選択したのですか?
キム 『キングダムアンダーファイアII』のユーザー層って決まっているんですね。おおむね25歳以上の男性。ブルーサイドの立場から考えると、いろんな年齢層やほかのユーザー層にも訴求できるようなゲームを作りたいと思っていました。そこで私たちが最適なハードだと思ったのがニンテンドーDSでした。開発をスタートしたときにちょうど韓国でニンテンドーDSが発売されたという時期的なものもあるのですが、韓国でもニンテンドーDSは幅広い層に支持されていますからね。

――ブルーサイドさんが携帯ゲーム機の開発を手掛けるのは初めてだと思うのですがハイエンドを志向するスタッフのあいだに不満などはなかったのですか?
キム たしかにブルーサイドで携帯ゲーム機の開発をするのは始めてですね。私たちのタイトルのライセンス商品をほかのメーカーさんに作ってもらったことはありますが……。携帯ゲーム機の開発自体に関しては、むしろ私たちはわくわくしています。ブルーサイドは、ビジネス的な面だけではなくて、ゲームを好きな人たちが集まって開発している会社なので、いままでは『キングダムアンダーファイアII』に集中するために、ほかのものは犠牲にしてきたという一面があります。スタッフの中には、ライトゲームが好きなものも多いので、前からライト層に向けたゲームを作りたいという声も多かったんですね。『シャイニング・レジェンド』のような軽くて楽しいゲームを開発することで、逆に『キングダムアンダーファイアII』にいい刺激を与えることができる。硬くなっている頭を柔らかく刺激することができるんですね。『シャイニング・レジェンド』には、ブルーサイドが会社を立ち上げた当時の雰囲気が溢れていますよ。『キングダムアンダーファイアII』は大きなタイトルなので、組織的に展開する必要があるのですが、『シャイニング・レジェンド』には、自分たちの意見を出しあって、新しいものを作っていくという楽しさがある。会社の立場からすると両方を両立させていきたいと思っています。

――開発は何人くらいで行っているのですか?
キム 7人です。和気あいあいとやっていますよ。『シャイニング・レジェンド』に関しては、ニンテンドーDSだけでなく、携帯電話やネットブックへの展開なども考えています。日本での展開もパブリッシャーを選定しているところですので、今後の展開にご期待ください。まずは、2010年中の完成を目指して、急ピッチで開発が進んでいるところです。

 『キングダムアンダーファイアII』と『シャイニング・レジェンド』という、ある意味両極端な作品を手がけているブルーサイド。『キングダムアンダーファイアII』の美麗なグラフィックに驚かされる一方で、『シャイニング・レジェンド』では軽めの作品を開発するなど、懐の深さもうかがえる。両作がどのような内容になるのか、“日本発売決定”の吉報を待ちたい。

20100805_SL_main
20100805_SL_back01
20100805_SL_back02
(C)2010 BLUESIDE Inc. All Rights Reserved.

ソーシャルブックマーク

  • Yahoo!ブックマークに登録

評価の高いゲームソフト(みんなのクロスレビュー

※ ブログ・レビューの投稿はこちら!ブログの使い方

この記事の関連URL

この記事の個別URL

その他のニュース

ギャグ漫画『ELDEN RING 黄金樹への道』第42話公開。ラダーンとの激闘がついに決着を迎える!

アクションRPG『エルデンリング』をもとにしたギャグ漫画作品『ELDEN RING 黄金樹への道』が、“COMIC Hu(コミックヒュー)”にて2024年4月19日に更新され、新たに第42話が公開となった。

スシローで『【推しの子】』コラボが4月24日より開催。B小町の3人が公式アンバサダーに就任。限定シール付き監修スイーツや寿司が登場

テレビアニメ『【推しの子】』と回転寿司チェーン店・スシローのコラボキャンペーンが2024年4月24日より開催。作中に登場するアイドルグループ・B小町のメンバーが公式アンバサダーに就任。

MMORPG『HIT : The World』本日(4/17)正式サービス開始。1000万円山分けイベントや最強ボス最速討伐イベントなど、3つの記念企画を同時開催

ネクソンは、スマートフォン、PC(Windows)向けMMORPG『HIT : The World』をサービス開始した。

『龍が如く』真島吾朗のスタチューフィギュアが本日(4/17)より予約開始。おなじみ“般若”の刺青が目を引く嶋野の狂犬

『龍が如く』シリーズより、真島吾朗のスタチューフィギュアの予約販売がスタート。価格は9460円[税込]。発売予定は2024年10月。

『ハデス2』(HADES II)テクニカルテストがまもなく開催、Steamストアページでリクエスト受付が開始

Supergiant Gamesは、ローグライク・ダンジョンアドベンチャー『HADES』の続編となる『HADES II』(ハデス2)について、テクニカルテストの開催決定とSteamストアページでのリクエスト受付を開始した。

【無料】『アサシン クリード ミラージュ』本編を2時間プレイできる体験版を配信。プレイデータはそのまま製品版へ引き継ぎ可能。5月1日午前1時まで

UBISOFTは、『アサシン クリード ミラージュ』の本編を2時間無料でプレイできる体験版の配信を開始した。配信期間は2024年5月1日午前1時(日本時間)までとなっている。

『スプラトゥーン3』更新データVer.7.2.0が明日(4/18)配信。テイオウイカへのスーパージャンプが修正。ボールドマーカーやプライムシューターなどの強化も

2024年4月18日(木)10時より、『スプラトゥーン3』(スプラ3)にて更新データVer.7.2.0が配信。対戦のバランス変更を中心にした調整が実施される。

映画『ルックバック』本予告・メインビジュアルを公開。6月28日に公開予定、『チェンソーマン』藤本タツキ氏による青春物語

2024年6月28日に全国劇場予定の映画『ルックバック』の本予告映像とメインビジュアルが公開された。『ジャンプ+』にて配信されて初日で閲覧数250万以上を記録した藤本タツキ氏の青春漫画。