HOME> ニュース> 『ロード オブ アルカナ』クリエイターインタビュー

『ロード オブ アルカナ』クリエイターインタビュー

PSP
『ロード オブ アルカナ』は、スクウェア・エニックスが手掛けるマルチプレイ型アクションゲーム。ここでは、本作を手掛けるプロデューサー、柴貴正氏へのインタビューを掲載。スクウェア・エニックスの新たなジャンルへの挑戦と言える『ロード オブ アルカナ』に懸ける想いや、その魅力について語っていただいた。

2010-08-16

●アクション好きにこそ遊んでほしい

 

『ロード オブ アルカナ』は、スクウェア・エニックスが手掛けるマルチプレイ型アクションゲーム。ここでは、週刊ファミ通2010年8月19・26日合併号(2010年8月5日発売)に掲載した、本作を手掛けるプロデューサー、柴貴正氏へのインタビューを掲載。スクウェア・エニックスの新たなジャンルへの挑戦と言える『ロード オブ アルカナ』に懸ける想いや、その魅力について語っていただいた。

 

01

プロデューサー
柴 貴正氏
(しば たかまさ)
 スクウェア・エニックス所属。過去には『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ、『ロード オブ ヴァーミリオン』シリーズなどを手掛ける。

 

 

02

 

 

●スクウェア・エニックスの“挑戦”

 

――まずは、マルチプレイ型アクションゲームへの参入タイトルとなる、本作に対する意気込みを教えてください。

 

柴貴正氏(以下、) いま流行っているジャンルですので、我々も挑戦しなくてはいけないと、ずっと考えていました。スクウェア・エニックスは、いろいろなジャンルのゲームを作っていますが、マルチプレイのアクションゲームは未経験です。ですが、ユーザーの方が現在いちばん盛り上がっているジャンルのゲームを作ることで、新しいユーザーの方に我々のゲームを楽しんでもらいたいという想いから、本作のプロジェクトをスタートさせたのです。

 

――なるほど。本作を手掛けるうえで注力された部分はどのようなところですか?

 

マルチプレイのアクションゲームは、若い世代のユーザーにとくに人気がありますよね。ゲーム性はもちろんすばらしいのですが、どちらかというとキャラクターやストーリー性に重点を置いたゲームデザインのものが多かったと思います。そこで我々は、もう少し大人の世代、高校生以上のユーザーの方にも楽しんでもらえるような、落ち着いた雰囲気のあるゲームに仕上げることにしました。

 

――本作はエンカウントバトルが採用されていますが、このシステムを導入した経緯は?

 

理由としてはいろいろな要素があります。このジャンルのゲームに必要不可欠な要素はもちろん入れ込んでいますが、それ以外の部分でほかの作品と差をつける一因として、エンカウントバトルを採用しています。ただ、意味もなく選んだわけではなく、利点があるからこそ採用しているんです。

 

――その利点とは?

 

アクションに特化できることがエンカウントバトルの利点ですね。フィールドを移動するパートと、戦闘を行うパートを分けることで、より戦闘に集中して楽しんでもらうことができるんです。また、アクションゲームが苦手な人は、余計なことを考えなくていいので、バトルがやりやすくなると思いますよ。

 

――カットインの演出は、エンカウントバトルだからこそ可能になったのでしょうか?

 

そうですね。フィールドでそのまま戦うようなアクションゲームの場合、カットインの演出を導入することは難しいと思います。こういった迫力がある演出が取り入れられるのも、エンカウントバトルならではですね。マルチプレイのアクションゲームでエンカウントバトルと聞くと、不安になるユーザーの方もいるかもしれませんが、画面が切り換わるときのロード時間は限りなく短くなるように調整しています。フィールドで戦うタイプのゲームと変わらない感覚でプレイできると思いますので、安心していただきたいです。

 

03
04
05

 

――仲間と協力してボタンを押すような協力要素も搭載されていますよね。

 

より共闘をしている感覚を出すために、ボス戦などでは、協力してボタンを押す場面が必ず出てくるようになっています。また、味方が倒れたらHPを分け与えて復活させるようなシステムも導入する予定です。

 

06
07
T

 

●格闘ゲームに近い操作感

 

――バトルシーンは、どのような部分に重点を置いて開発されたのでしょうか。

 

本作はアクションゲームですが、バトルシーンにおいては格闘ゲームに近いと思います。通常攻撃やスキル攻撃をつなげてコンボに発展させていく気持ちよさ、おもしろさが感じられるようになっています。ただ、その難しいコンボが出せなくても魔物には勝てるような内容にしています。アクションゲームが得意な人はコンボを楽しんでもらう。アクションゲームが苦手な人は、まずはボタンの連打でゲームを進めてもらい、慣れたらコンボに挑戦できるような難度になっています。

 

09
10

 

――レベルといった要素も、初心者にはやさしい要素ですよね。

 

アクションゲームは、最終的には手先の器用さを競うものになると思うのですが、プレイすればしただけキャラクターが強くなるような成長要素は必ず入れようと考えていました。クエストに失敗した場合、報酬はもらえませんが、それまでに入手した経験値や熟練度は手に入ったままになっています。

 

――アクションゲームが苦手だという人でもプレイしやすそうですね。

 

本作は、ゴリッゴリのアクションゲームです。しかし、成長要素もありますし、バトル中はバトルのこと以外は考えなくてもいいようになっています。また、バトルから逃げ出したボスを追いかけるため、フィールドを走り回るようなバトルシーン以外でのアクション要素は削るようにしています。アクションゲームとしての難度は高いかもしれませんが、苦手な人でも楽しめるような仕掛けが用意されていますから、どんなタイプのプレイヤーの方でも参入しやすいと思いますよ。

 

――シナリオやストーリーはどのようなものなのでしょうか?

 

ターゲットユーザーが、“アクションゲーム好き”と決めて開発していますから、シナリオやストーリーは、必要最小限に抑えています。ムービーシーンは合計で1時間弱ほど作ったのですが、最終的に「いらない」と言ってほとんどカットしました。くり返しますが、本作はアクションゲームなので、アクションを行うことが最大の目標です。それを妨げるような要素は削るようにしています。開発途中には、甘いラブストーリーなんかも考えていたのですが、「いや、アクションゲームにこんなお話は不要だな」と思って、そういったシナリオはドンドン削っていきましたね。

 

 

●大ボリュームの体験版

 

――ゲーム情報の公開から体験版の配信まで非常にスケジュールの展開が早いですよね。

 

もともと、そのようなスケジュールで動いていましたから。我々はマルチプレイのアクションゲームでは後発ですし、タイトルも完全新規のものを開発しています。おもしろいゲームなのか、そうでないのかがわからない状況ですよね。ですから、早くユーザーの皆さんにゲームを触ってほしかったんです。

 

――体験版の内容について教えてください。

 

アクションゲームが得意な人でも4、5時間は遊べると思います。エンカウントバトルが違和感なく導入されていることなどは、文章ではわからないと思いますが、ゲームを触っていただければすぐに理解できると思います。まずはゲームを触っていただいて、どんなゲームなのかを知ってほしいです。

 

T
12

 

――最後に、本作の発売を待つユーザーへメッセージをお願いします。

 

装備品を作製したり、敵の尻尾を切ったり、素材を集めたりと、いままでのアクションゲームの楽しい部分は踏襲しつつ、本作でしか味わえない要素を詰め込んでいます。まずは体験版を遊んでいただき、気に入るような内容なら本編も遊んでいただきたいです。

 

13

 

 

※本インタビューは、週刊ファミ通2010年8月19・26日合併号(2010年8月5日発売)に掲載されたインタビューを再構成したものです。

 

■『ロード オブ アルカナ』

対応ハード:プレイステーション・ポータブル

メーカー:スクウェア・エニックス

発売日:2010年10月14日発売予定

価格:5980円[税込]

テイスト/ジャンル:ファンタジー/アクション

備考:無線LAN機能(アドホックモード)対応。ダウンロード版は4980円[税込]

 

 

※公式サイトはこちら

ロード オブ アルカナ
メーカー スクウェア・エニックス
対応機種 PSP(プレイステーション・ポータブル)
発売日 2010年10月14日
価格 5,980円[税込]
ジャンル アクション / ファンタジー
備考
(C)2010 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

ソーシャルブックマーク

  • Yahoo!ブックマークに登録

評価の高いゲームソフト(みんなのクロスレビュー

※ ブログ・レビューの投稿はこちら!ブログの使い方

この記事の個別URL

その他のニュース

【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第45回

サイバーコネクトツー松山社長が『戦場のフーガ』の開発秘話を赤裸々に解説する『インターミッション』。第45回をお届け。

【ザラキと月のほのぼのひとコマ】『チェイサーゲーム』シーズン2 外伝 レディのたしなみ編

アニメ業界の闇に切り込む内容となったシーズン2の『チェイサーゲーム』は、実在のゲーム制作会社サイバーコネクトツーを舞台にしたゲーム業界お仕事マンガ。シーズン2の外伝 レディのたしなみ編を掲載。

『ヴァガンテ』Switch版・PS4版が4月25日に発売。最大4人で財宝が眠る危険なダンジョンに挑むローグライクアクション

ローグライト・プラットフォームアクション『ヴァガンテ』のSwitch版/プレイステーション4版が4月25日に発売。

漫画家・ぱげらった制作のホラーアドベンチャー『妄想凶ザナトリウム』家庭用ゲーム機/Steam版が4月26日発売。海水浴エピソードを新たに収録

ケムコは、ホラーアドベンチャー『妄想凶ザナトリウム』Nintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)版を2024年4月26日(金)に配信開始する。

ギャグ漫画『ELDEN RING 黄金樹への道』第42話公開。ラダーンとの激闘がついに決着を迎える!

アクションRPG『エルデンリング』をもとにしたギャグ漫画作品『ELDEN RING 黄金樹への道』が、“COMIC Hu(コミックヒュー)”にて2024年4月19日に更新され、新たに第42話が公開となった。

スシローで『【推しの子】』コラボが4月24日より開催。B小町の3人が公式アンバサダーに就任。限定シール付き監修スイーツや寿司が登場

テレビアニメ『【推しの子】』と回転寿司チェーン店・スシローのコラボキャンペーンが2024年4月24日より開催。作中に登場するアイドルグループ・B小町のメンバーが公式アンバサダーに就任。

MMORPG『HIT : The World』本日(4/17)正式サービス開始。1000万円山分けイベントや最強ボス最速討伐イベントなど、3つの記念企画を同時開催

ネクソンは、スマートフォン、PC(Windows)向けMMORPG『HIT : The World』をサービス開始した。

『龍が如く』真島吾朗のスタチューフィギュアが本日(4/17)より予約開始。おなじみ“般若”の刺青が目を引く嶋野の狂犬

『龍が如く』シリーズより、真島吾朗のスタチューフィギュアの予約販売がスタート。価格は9460円[税込]。発売予定は2024年10月。