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『ロード オブ アルカナ』クリエイターインタビュー
PSP●アクション好きにこそ遊んでほしい
『ロード オブ アルカナ』は、スクウェア・エニックスが手掛けるマルチプレイ型アクションゲーム。ここでは、週刊ファミ通2010年8月19・26日合併号(2010年8月5日発売)に掲載した、本作を手掛けるプロデューサー、柴貴正氏へのインタビューを掲載。スクウェア・エニックスの新たなジャンルへの挑戦と言える『ロード オブ アルカナ』に懸ける想いや、その魅力について語っていただいた。
プロデューサー |
●スクウェア・エニックスの“挑戦”
――まずは、マルチプレイ型アクションゲームへの参入タイトルとなる、本作に対する意気込みを教えてください。
柴貴正氏(以下、柴) いま流行っているジャンルですので、我々も挑戦しなくてはいけないと、ずっと考えていました。スクウェア・エニックスは、いろいろなジャンルのゲームを作っていますが、マルチプレイのアクションゲームは未経験です。ですが、ユーザーの方が現在いちばん盛り上がっているジャンルのゲームを作ることで、新しいユーザーの方に我々のゲームを楽しんでもらいたいという想いから、本作のプロジェクトをスタートさせたのです。
――なるほど。本作を手掛けるうえで注力された部分はどのようなところですか?
柴 マルチプレイのアクションゲームは、若い世代のユーザーにとくに人気がありますよね。ゲーム性はもちろんすばらしいのですが、どちらかというとキャラクターやストーリー性に重点を置いたゲームデザインのものが多かったと思います。そこで我々は、もう少し大人の世代、高校生以上のユーザーの方にも楽しんでもらえるような、落ち着いた雰囲気のあるゲームに仕上げることにしました。
――本作はエンカウントバトルが採用されていますが、このシステムを導入した経緯は?
柴 理由としてはいろいろな要素があります。このジャンルのゲームに必要不可欠な要素はもちろん入れ込んでいますが、それ以外の部分でほかの作品と差をつける一因として、エンカウントバトルを採用しています。ただ、意味もなく選んだわけではなく、利点があるからこそ採用しているんです。
――その利点とは?
柴 アクションに特化できることがエンカウントバトルの利点ですね。フィールドを移動するパートと、戦闘を行うパートを分けることで、より戦闘に集中して楽しんでもらうことができるんです。また、アクションゲームが苦手な人は、余計なことを考えなくていいので、バトルがやりやすくなると思いますよ。
――カットインの演出は、エンカウントバトルだからこそ可能になったのでしょうか?
柴 そうですね。フィールドでそのまま戦うようなアクションゲームの場合、カットインの演出を導入することは難しいと思います。こういった迫力がある演出が取り入れられるのも、エンカウントバトルならではですね。マルチプレイのアクションゲームでエンカウントバトルと聞くと、不安になるユーザーの方もいるかもしれませんが、画面が切り換わるときのロード時間は限りなく短くなるように調整しています。フィールドで戦うタイプのゲームと変わらない感覚でプレイできると思いますので、安心していただきたいです。
――仲間と協力してボタンを押すような協力要素も搭載されていますよね。
柴 より共闘をしている感覚を出すために、ボス戦などでは、協力してボタンを押す場面が必ず出てくるようになっています。また、味方が倒れたらHPを分け与えて復活させるようなシステムも導入する予定です。
●格闘ゲームに近い操作感
――バトルシーンは、どのような部分に重点を置いて開発されたのでしょうか。
柴 本作はアクションゲームですが、バトルシーンにおいては格闘ゲームに近いと思います。通常攻撃やスキル攻撃をつなげてコンボに発展させていく気持ちよさ、おもしろさが感じられるようになっています。ただ、その難しいコンボが出せなくても魔物には勝てるような内容にしています。アクションゲームが得意な人はコンボを楽しんでもらう。アクションゲームが苦手な人は、まずはボタンの連打でゲームを進めてもらい、慣れたらコンボに挑戦できるような難度になっています。
――レベルといった要素も、初心者にはやさしい要素ですよね。
柴 アクションゲームは、最終的には手先の器用さを競うものになると思うのですが、プレイすればしただけキャラクターが強くなるような成長要素は必ず入れようと考えていました。クエストに失敗した場合、報酬はもらえませんが、それまでに入手した経験値や熟練度は手に入ったままになっています。
――アクションゲームが苦手だという人でもプレイしやすそうですね。
柴 本作は、ゴリッゴリのアクションゲームです。しかし、成長要素もありますし、バトル中はバトルのこと以外は考えなくてもいいようになっています。また、バトルから逃げ出したボスを追いかけるため、フィールドを走り回るようなバトルシーン以外でのアクション要素は削るようにしています。アクションゲームとしての難度は高いかもしれませんが、苦手な人でも楽しめるような仕掛けが用意されていますから、どんなタイプのプレイヤーの方でも参入しやすいと思いますよ。
――シナリオやストーリーはどのようなものなのでしょうか?
柴 ターゲットユーザーが、“アクションゲーム好き”と決めて開発していますから、シナリオやストーリーは、必要最小限に抑えています。ムービーシーンは合計で1時間弱ほど作ったのですが、最終的に「いらない」と言ってほとんどカットしました。くり返しますが、本作はアクションゲームなので、アクションを行うことが最大の目標です。それを妨げるような要素は削るようにしています。開発途中には、甘いラブストーリーなんかも考えていたのですが、「いや、アクションゲームにこんなお話は不要だな」と思って、そういったシナリオはドンドン削っていきましたね。
●大ボリュームの体験版
――ゲーム情報の公開から体験版の配信まで非常にスケジュールの展開が早いですよね。
柴 もともと、そのようなスケジュールで動いていましたから。我々はマルチプレイのアクションゲームでは後発ですし、タイトルも完全新規のものを開発しています。おもしろいゲームなのか、そうでないのかがわからない状況ですよね。ですから、早くユーザーの皆さんにゲームを触ってほしかったんです。
――体験版の内容について教えてください。
柴 アクションゲームが得意な人でも4、5時間は遊べると思います。エンカウントバトルが違和感なく導入されていることなどは、文章ではわからないと思いますが、ゲームを触っていただければすぐに理解できると思います。まずはゲームを触っていただいて、どんなゲームなのかを知ってほしいです。
――最後に、本作の発売を待つユーザーへメッセージをお願いします。
柴 装備品を作製したり、敵の尻尾を切ったり、素材を集めたりと、いままでのアクションゲームの楽しい部分は踏襲しつつ、本作でしか味わえない要素を詰め込んでいます。まずは体験版を遊んでいただき、気に入るような内容なら本編も遊んでいただきたいです。
※本インタビューは、週刊ファミ通2010年8月19・26日合併号(2010年8月5日発売)に掲載されたインタビューを再構成したものです。
■『ロード オブ アルカナ』
対応ハード:プレイステーション・ポータブル
メーカー:スクウェア・エニックス
発売日:2010年10月14日発売予定
価格:5980円[税込]
テイスト/ジャンル:ファンタジー/アクション
備考:無線LAN機能(アドホックモード)対応。ダウンロード版は4980円[税込]
ロード オブ アルカナ
メーカー | スクウェア・エニックス |
---|---|
対応機種 | PSP(プレイステーション・ポータブル) |
発売日 | 2010年10月14日 |
価格 | 5,980円[税込] |
ジャンル | アクション / ファンタジー |
備考 |
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