こんにちは、週刊ファミ通のコンタカオです。木曜日から一気に冷え込んでいますが、『ウォッチドッグス2』の発売日となる2016年12月1日まで、あと5日となりました。体調を崩して開幕を迎えられない、なんてことのなきよう、皆さんお気をつけください。

　さて、ただいま絶賛公開中のインタビュー動画ですが、ご覧いただけましたでしょうか？　クリエイティブ・ディレクターのジョナサン・モーリン氏が「カリスマ性がある」、シニア・プロデューサーのドミニク・ゲイ氏が「厳しいテーマの中に自由度を持たせる“バランスストーン”」と評した『ウォッチドッグス2』の主人公、マーカス・ホロウェイとはどんなキャラクターなのか？　そこで今回は、彼を取り巻くデッドセックの仲間たちに焦点を当てていきましょう。

デッドセック†

　そもそもデッドセックとは何か？　彼らは世界中に拠点を持つ国際的なハッカー集団です。サンフランシスコはその拠点のひとつとなります。政治性、社会性の強いハッキング、いわゆる“ハクティビズム（Hacktivism）”を主義に掲げています。

　ハクティビズムとは、ハック（Hack）とアクティビズム（Activism、積極行動主義）を組み合わせた造語です。そのメッセージを一般に伝えることを是とするところが、ほかのハッカーとは違う点と言えます。最近では、アノニマス（Anonumous）が有名ですね。

　デッドセックの組織構造とメッセージはそれぞれ独立しており、マーカスが加わるデッドセックは自分たちなりの手法で、政治的かつ社会的な弱者のために戦います。頭脳明晰で身体能力もハッキング能力も高いマーカスの参加によって、デッドセックはさらなる計画へと乗り出すことになるのです。

マーカス・ホロウェイ（声：内田夕夜）†

　オークランドで育ったマーカス・ホロウェイは、ctOS 2.0の犯罪予測システムによる不正を目の当たりにしたことで、システムを破壊して不当な扱いを受けている人々に“第2のチャンス”を与えたいと心に誓います。人々の権利とプライバシーがシステムで踏みにじられていることを知り、最初は“個人的な理由”でctOS 2.0による監視とデータ収集を阻止しようと考えていましたが、それは自分だけの問題ではないと気づきます。そんな彼が、志を同じくするデッドセックに加わるのは、当然でした。

　マーカスの“武器”は、ハッキングだけではありません。すぐれた身体能力を活かしたパルクールと近接格闘も立派な戦術となります。とくに、彼は“サンダーボール”というお手製の武器を持っています。550ものパラコードで作られたランヤードとビリヤードで構成されたサンダーボールは、見た目に反して相当な威力を持ちます。マーカスは動画や護身術のブログを読み漁って、この武器を作り上げました。さまざまな物を組み合わせて新たな物を作り上げるという彼の能力は、真のハッカーには必要なものなのでしょう。

　マーカスの仲間を想う気持ち、どんな状況でも失われないユーモア、目的のためなら危険を厭わないタフネスは、主人公にふさわしいカリスマ性を持っています。が、お酒にはちょっと弱そうです。

レンチ（声：杉山紀彰）†

　電子マスクをつねに着用しており、その感情をマスクのディスプレイに映し出す顔文字とボイスチェンジャーを通した声で表現する、レンチ。独特のルックスで注目を惹きましたね。彼は自称アナーキストで、アドレナリン中毒者でもあります。

　とくに、法やシステム、スレッジハンマーで壊せる物すべてを破壊することに秀でていて、何かを壊しているときはとにかく楽しそうです。下品で荒削りな印象を受けますが、彼の言動はいつだって魅力的なんですよ。

シターラ（声：浅川 悠）†

　サンフランシスコ・ベイエリアのデッドセックにリーダーのような存在がいるとすれば、それは彼女です。マーケティングからプロモーションの手法、そしてアートを学んだ彼女は、違う生活を夢見てロサンゼルスからサンフランシスコに移住しました。しかし、状況がハリウッドの空っぽなセレブから巨大なテクノロジーを扱う企業に置き換えられただけということに気付きます。冷徹な企業が文化を踏みにじる様は、彼女には耐えられませんでした。

　シターラのおもな役割はプロバガンダです。デッドセックが人々にどう受け止められているか。どうすればデッドセックのメッセージをもっとも効果的に伝えられるか。アートや映像、そしてネットワークを通じて、彼女なりのアーティスティックな革命を目指して、戦っているのです。

ジョッシュ（声：橋本雅史）†

　ちょっと気弱な感じのするジョッシュですが、デッドセックではいちばんの腕を持つプログラマー。彼は人々の善意を信じており、みんなを助けたいという気持ちは、誰よりも強いものです。物静かな性格と口調でナイーブと思われるかもしれませんが、そのおかげで個性の強いデッドセックの均衡を保つ役割を果たしています。

　キーボードを叩きながら膨大なソースコードの山に埋もれて、ソーシャルメディアのパターンや難解な暗号を読み解くことは、彼にとって“癒し”と言えるのでしょう。

Tボーン（声：山路和弘）†

　レイモンド・ケニー！　前作でも大活躍したファンの多いキャラクターが、『ウォッチドッグス2』にも降臨します。

　インターネット黎明期からアンダーグラウンドなハッカーとして活動していた彼は、いわばハッキング中毒者。しかし、その類まれなる能力は“ctOS（Central Operating System）という強力な都市インフラ制御システムを生み出します。しかし、その力は巨大企業のブルーム社による影からの支配を招いてしまいます。前作では身を隠しながらブルームへの復讐を狙っており、エイデンに協力して立ち向かうことになりました。

　自分のハッキングで起こした事件で死者を出してしまい、心に傷を負ったTボーンは彼らの死を償いたいという贖罪の気持ちで悩んでいます。そんな彼は、ブルームと戦うマーカスらデッドセックのメンバーと出会い、彼らに助言を与えることで導いていきます。自分なりのルールに従うという独特の感性と、反権力と正義の志を持つTボーンの人間性は、彼を愛すべき人物にしています。

　以上が『ウォッチドッグス2』のデッドセックの主要なメンバーです。見事なまでに個性的なキャラクターが揃っていますが、その思いは純粋かつ強靭です。ゲームをプレイしているうちに、どんどん彼らのことが好きになると思います。オープンワールドを探索しているあいだに交わされる、彼らの会話も必聴です（個人的にはレンチの物言いが最高）。本作のストーリートレーラーも合わせてチェックしてみてください！