いよいよ今週14日に発売! 『コール オブ デューティ ゴースト』の開発スタッフにその魅力を訊く

公開日時:2013-11-11 00:00:00

コール オブ デューティ ゴースト』発売直前イベント(→詳細はこちら)には、本国アメリカ・ロサンゼルスからinfinity wardのシニア環境アーティストのジョン・A. ドビー(JOHN A. DOBBIE)氏が駆け付けつけた。そのイベント直前、ジョン氏にお話をうかがう機会をいただき、本作の魅力や開発エピソードなどを語ってもらった。

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infinity ward 『コール オブ デューティ ゴースト』 シニア・エンバイロメント・アーティスト SENIOR ENVIRONMENT ARTIST ジョン・A. ドビー氏 JOHN A. DOBBIE

――まずは、ジョンさんの開発における具体的な担当パートを教えていただけますか?

ジョン:私の肩書は、“シニア環境アーティスト”なのですが、まずいちばん始めにゲームの中でどのようにグラフィックを展開していくか、プロトタイプを作り、その中でプログラマーと綿密に会話をしつつ、どういうことが可能か考えていきました。具体的には、新世代機で可能となった新技術“テセレーション”を使ってどう表現するか、といった具合ですね。このテセレーションというのは、簡単に説明するとコンピュータ・グラフィクスの画像演算手法のひとつで、ポリゴンメッシュをさらに細分化し、ポリゴンモデルをより滑らかに表現する技術です。これにより、いままではジャングルのステージなどで伏せたとき、地面のグラフィックがフラットに表現されていたのですが、新世代機では、細かい起伏が表現可能になり、レンガやブロックなどの表面の質感も再現できました。そこに新しいライティングをあわせることによって、いままでになかった表現が実現しています。

――ほかに『ゴースト』ならではのマップの特徴はありますか?

ジョン:キャラクターの表現ですね。キャラクターを作るとき、少ないポリゴンで作ると角張ってしまいますが、それをテセレーションの技術を使って細かく表現することで、柔らかい表現ができるようになりました。同様に銃のモデルもかなりリアルになっています。

――本作では、新世代機と現行機に対応させるということで、何か苦労した点や現行機への影響などもあったと思うのですが。

ジョン:はい。とりあえず、今回は新しいゲームエンジンを使って、新世代機に対応することによって、もちろん仕事の量というのはすごく増えてたいへんでした(笑)。しかし、私たちは、これまででいちばんベストな『コール オブ デューティ』を作りたかったので、時間的には厳しかったですけれども、いい作品ができたと思います。また、新世代機向けの新技術に対応したゲームエンジンで開発したことで、その新技術の一部を現行機に対応できたというメリットもありました。もちろん、物理的なスペックの差、とくにグラフィック面では新世代機でしか表現できないことも多くあるのですが、現行機の『コール オブ デューティ』もかなり進化していますよ。

――現行機でも進化が感じられる点はどこになるのでしょう?

ジョン:たとえば……オーディオですね。どういうことかと言うと、カーペットの部屋での銃声と、固い大理石の地面のフロアーとでは、銃声の反響などの音がぜんぜん違います。つまり、銃声を聞いたときに、敵がどの部屋にいるか、室内にいるのか外にいるのか、反響音で判断することができるんです。あと、アニメーションも向上していますね。具体的には、ニースライド(ダッシュ中にひざをついて滑る)や、壁からのぞきこむ動作だったり。そういった新しい動作も加わっています。

――すでに海外で発売されている『コール オブ デューティ ゴースト』ですが、歴代シリーズ作品の中で、もっとも好調なスタートを切っています。長年、愛され続け、ユーザーを拡大し続けている要因はどこにあるとお考えですか?

ジョン:これは個人的な考えですが、僕たちがすごいいいファンの皆さんに支えられているからだと思います。ファンの皆さんが、このシリーズをサポートしてくれることによって、我々もインスパイアされ、「皆さんに喜んでいただけるゲームを作りたい」というエネルギーに代わっているのです。今回に関して言うと、新しいファンを獲得しようと、いろいろと考えました。

――それは具体的には?

ジョン:たとえば、人によってはこのゲームのどのモードを重視して遊ぶかが異なる傾向にあります。キャンペーンモードをメインに遊ぶ人もいれば、マルチプレイだけを遊ぶ人もいます。そこで、今回、新たに盛り込んだ新モード“スクワッド”では、シングルプレイでもマルチプレイを遊んでいるような楽しさを味わえます。“スクワッド”で得た経験値はマルチプレイにも活かせますし、ソロで練習してマルチプレイにも挑戦してみよう、という入り口になればいいと思います。

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――キャンペーンモードでは、シリーズ初の宇宙戦闘が入っていますが、これについて苦労したエピソードなどあれば教えてください。

ジョン:そうですね。宇宙のステージというのは作るのはすごく難しかったです。なぜかというと、いかにプレイヤーに無重力を感じてもらって、宇宙空間をリアルに感じてもらうか。その再現がすごく難しかったです。製品版の操作感にたどりつくまでにいろいろと試行錯誤をくり返しました。

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――今回、マップの形状がリアルタイムに変わっていく“ダイナミックマップ”を採用している点も大きなポイントだと思います。

ジョン:ダイナミックマップに関しては、マルチプレイをさらにもう一歩進化させて新しいステージに持っていくために、採用しました。ダイナミックマップは、マップの変化がプレイヤーの戦略に結びつくところもおもしろい点です。たとえば、ガスステーションが壊れることを知っていると、それを戦略に使えます。ひとつのマップで新しい戦略を生む仕組みとして役立っています。我々開発者としては、マップの変化はランダムではなく、すべて作り込む必要があったので、作業量が何倍にも膨れ上がってたいへんでしたが(笑)。また、ただ単にマップ内の形状が変わるだけではなく、変化後のマップもプレイしていて楽しく機能するものにする必要があったので、アタマを悩ませました。ひとつのマップでふたつ分のマップを考えるようなもだったのです。

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――キャンペーンモードでもマップの形状が大きく変化するシーンがありましたね。床が崩落していって、『コール オブ デューティ』なんだけれど、『アンチャーテッド』のようなアドベンチャー要素も加わって、新しいゲーム性が広がったように感じました。

ジョン:ノーティドッグが作るものからは、インスパアされる部分もあるので光栄です。

――ダイナミックマップを採用したマップはほかに多数あるのですか?

ジョン:もちろんあります。ただ、どれくらい変化するかは個々のマップによって違います。

――ダイナミックマップは、時間の変化でマップが変化していくのですか? プレイヤーの行動でマップが変化するということも?

ジョン:ダイナミックマップは、プレイヤーが行動を起こしたり、何かをすることによってマップが変化します。たとえば、先ほど言ったガスステーションならガズタンクを撃つ、といったことで大爆発が起きてマップが変化します。それはプレイヤーが好きなタイミングでガスタンクを撃って変化させることができるわけです。変化させたくない場合は、放っておけばいい。何がトリガーでマップが変化するか知り、作戦として生かしてほしいですね。

――本作で、ジョンさんが注目してほしいと思っているポイントは?

ジョン:個人的には、私は環境デザイナーなので、本作のゲーム内のいたるところのグラフィックを、シリーズ史上最高のものしようとがんばってきました。すごく細かい部分までディテールを作り込んでいるのですが、ユーザーさんはステージを走り回るので、そういったひとつひとつのオブジェを止まって見たりはしないと思いますが(笑)、できれば、そういうところにも注目してもらえるとうれしいですね。ゲームとしては、新しいCo-opモードの“エクスティンクションモード”です。これはマルチプレイと同じくらい人気が出ると思います。あとはスクワッドモードですね。これは先ほどもお話ししましたけれど、新しい追加要素としてはすごくよくできていると思いますし、マルチプレイに尻込みしている人は、練習にもなりますし、キャラクターを鍛えることもできますでの、ぜひ活用してほしいですね。



――お答えできる範囲でいいのですが、infinity wardさんと言えば、『モダン・ウォーフェア』シリーズもあります。『4』を期待してもいいでしょうか?

ジョン: 『モダン・ウォーフェア3』は我々が作った作品の中で最高のものですが、『3』でトリロジーが一応終わったので、その後はどうなるのか私も知りたいです(笑)。ただ、いま言えるのは今回、新しく『ゴースト』という新規IPの立ち上げを成功できて、満足しているということです。

――最後に。『モダン・ウォーフェア』シリーズと『ブラック オプス』シリーズ、そして『ゴースト』シリーズ。それぞれのシリーズに特徴と言いますか、カラーがあると思うんですけども、たとえば、『モダン・ウォーフェア』らしさだったり、『ブラック オプス』らしさがあるとしたら、『ゴースト』らしさとは何だとお考えですか?

ジョン: 『ゴースト』には、先ほども述べた“エクスティンクションモード”が新しく入っていますが、これは『ゴースト』という新しいフランチャイズを象徴するひとつの要素として人気が出てくれればいいなと思っています。キャンペーンモードでは、新しいキャラクターと世界観が構築できました。物語は、『コール オブ デューティ』では今回が初めての試みなのですが、圧倒的な力の差がある敵に立ち向かっていくストーリーとなっています。それをひとりのキャラクターの視点から描き続ける。いままではさまざまなキャラクターの視点から物語が描かれていましたが、今回はひとりの視点で語られるストーリーに、さらに家族が関わってきます。兄のヘッシュや父のイライアス、軍用犬のライリーがいることで、より感情移入できるものになっていると思います。そういったエモーショナルな物語が展開するのも『ゴースト』の特徴だと思います。

――なるほど。ありがとうございました。ライリー、かわいいですね!

ジョン:サンキュー!

※『コール オブ デューティ ゴースト』公式サイトはこちら
(C)2013 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION, CALL OF DUTY, and CALL OF DUTY GHOSTS are trademarks of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.

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コール オブ デューティ ゴースト - ファミ通エクストリームエッジ

タイトル:コール オブ デューティ ゴースト
対応機種:プレイステーション4、プレイステーション3、Xbox One、Xbox 360、Wii U、PC
発売日・価格:
[字幕版]
プレイステーション3版とXbox 360版、Wii U版、PC版は11月14日発売予定、各7980円[税込](PC版の価格はオープン価格)
[吹き替え版]
プレイステーション3版とXbox 360版、PC版は2013年12月12日発売予定、各7980円[税込](PC版の価格はオープン価格)、プレイステーション4版は2014年2月22日発売予定(※プレイステーション3版を購入した人は期間限定でダウンロード版を1000円で入手可能)
ジャンル:FPS
プレイ人数:未定
(C) 2012 Activision Publishing, Inc. Activision and Call of Duty are registered trademarks and Black Ops is a trademark of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.