"ファブラ ノヴァ クリスタリス FFXIII"3人のキーマンにインタビュー
●ひとつの神話が生み出す数々のクリスタルを語る

説明不要の超人気RPG『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)シリーズ。クリスタルにまつわる、ある神話を共通の要素として、複数の物語が展開されるのが"ファブラ ノヴァ クリスタリス FFXIII"だ。『FFXIII』、『FF ヴェルサスXIII』、『FF アギトXIII』の3本が、このプロジェクトを担う作品として公表されている。ここでは、この"ファブラ ノヴァ クリスタリス FFXIII"3作品のディレクターに、各作品におけるクリスタルの役割を尋ねたインタビューをお届けするぞ。話は、2006年末に公開された最新映像に基づいている。聞き手は、週刊ファミ通編集長バカタール加藤と、ファミ通PS2編集長相沢浩仁のふたりだ。
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田畑 端 |
鳥山 求 |
野村哲也 |
『アギトXIII』ディレクター。『クライシス コア -FFVII-』のディレクションも担当。 |
『FFXIII』ディレクター。現在は『FFXII レヴァナント・ウイング』も手掛けている。 |
『ヴェルサスXIII』ディレクター。"ファブラ ノヴァ"全体のコンセプトも監修する。 |
生み出すクリスタル ―― 『ファイナルファンタジーXIII』 |
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バカタール加藤(以下、加藤) この"コクーン"という世界は、いったいどんな場所でしょう? 映像の中の街並は、コクーンの一部ですか?
鳥山求(以下、鳥山) そうです。コクーンと呼ばれる、クリスタルに守られた世界の内部ですね。人が住みやすくなるように、クリスタルがいろいろな物を生み出している空間です。
加藤 具体的に何を生み出しているのですか?
鳥山 機械を作ってそれを人間に提供していたり、生き物を生み育てたりと、あらゆるものですね。日々の生活に密着しているんです。
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加藤 "閉ざされた"という表現がありましたが、コクーンは自分が生み出した物だけで成立している閉じられた社会と捉えていいのですか?
鳥山 閉鎖空間ですが、完結してはいません。コクーンの外側には、パルスという名の下界があります。パルスはモンスターの脅威にさらされている危険な世界。まずパルスがあって、たとえば人間がそんな世界で暮らす場合、どういう環境が人間にとって適切なのかクリスタルが考えて作り出した空間がコクーンなんです。
加藤 するとコクーンの外は、すべてパルスという状態なのでしょうか? 外に出ると危険?
鳥山 そうですね。コクーンの中に住んでる人々はそう考えています。
相沢浩仁(以下、相沢) さきほどからお話の中に、「クリスタルに守られている」、「生み出した」など、クリスタルが意思を持ち、擬人化された状態で語られていますが、『FFXIII』では、クリスタルとはそういう存在なのですか?
鳥山 従来のただの魔法の力を持つ石とは違いますね。"ファブラ ノヴァ クリスタリス"の作品ごとに扱いは変わりますが、『FFXIII』では現実にある何かを生み出す力を持つ存在です。
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相沢 最新映像の中にある、鎖でつながれ爆破されかけているこの巨大な物も、クリスタルが生んだ存在ですか?
鳥山 そうです。これもクリスタルが生み出しています。"外なる異物"のひとつで呼び名があるのですが、それはまだ話せません。
加藤 外なる異物というのは……。
鳥山 外はパルスを指します。パルスから来た物や、パルスのクリスタルが生み出した物、コクーンに属さない物を、外なる異物と呼びます。パルスにもクリスタルがあって、それがコクーンにある物と対になっているんですよ。
加藤 クリスタルにも種類があるんですね!?
鳥山 そうですね。外なる異物の影響を受けたコクーンの人々は、"聖府"によって隔離されてしまいます。映像の中で、列車に乗って移送されている拘束服の人々は、隔離中の人々です。
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加藤 なるほど! 今回の映像は、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポの略称。毎年5月にアメリカで行われる世界最大のゲーム見本市。)で観たムービーの前後が補完される形で、物語のプロローグ的なものが少しずつ見え始めましたね。
鳥山 E3のときの映像は、インパクトを重視していたので、今回はもう少し物語が伝わる物にしました。ナレーションを多めに入れ、このヒロインがどういう素性の人間なのか、どういう世界で活躍しているのかを描いています。
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相沢 ずばり"ライトニング"は、名前ですか?
鳥山 名前ではありません。彼女がライトニングと自称していたり、そう呼ばれたりしています。なぜ本名を語らないのかは、物語中で明かされていきます。期待してください。
相沢 知りたいけれど、しかたないですね(笑)。
鳥山 今回ようやく物語の紹介をし始めたところですからね(笑)。今後、今回の映像の中に出てきたそれぞれのものが、どういう風にゲームの中で使われるのかを想像して、もうしばらくお待ちください。
唯一のクリスタル ―― 『ファイナルファンタジー ヴェルサスXIII』 |
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加藤 一方『ヴェルサスXIII』は、バトル映像が拡充されました。主人公が圧倒的に強いですね。
野村哲也(以下、野村) このぐらい操作できれば、という理想形ですね。ゲーム開始時点であれほど武器を持っているわけではありませんよ。
加藤 すると最初は強くないのでしょうか?
野村 そこはRPGなので、プレイヤーの手でレベルアップをさせてもらわないと(笑)。
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加藤 (笑)。剣は物語を進める過程でしだいに集まり、最終的には映像のように主人公の周囲に展開させられるものなのでしょうか?
野村 そのつもりです。集める意志があれば、剣は集まります。映像はイメージなんですよ。今回の映像では、いま考えているものの中でも、かなり強い状態の主人公を表現しました。あれくらいうまく操作できるようにしたいですね。
相沢 設定の話になりますが、この世界のクリスタルは、どういった存在なのでしょうか?
野村 この世界にたくさんあるものではありません。主人公のいる国にしかクリスタルはなく、そのクリスタルを巡って長らく冷戦が続いていましたが、ようやく雪解けを迎えた、と映像中で流れるニュースは告げていたんです。でも、そのあとで戦っているシーンになる。
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加藤 襲いかかってきた彼らは、和平を覆してクリスタルを狙いにきたということなんですね。
野村 そうなりますね。
加藤 それは、クリスタルには軍事利用できるような力があるということですよね?
野村 そうです。ちなみに、映像で少しだけお見せしましたが、主人公の背後にある柱のような物の中にクリスタルが鎮座しているということになっています。見えないので、中身がどうなってるかは誰も知りませんが。
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加藤 玉座の部屋が浅瀬になっているところがあやしいですね(笑)。クリスタルは、いまだ"眠っている"というような文字での説明もありましたが、そこが物語の核心の部分になる?
野村 そうですね。重要なポイントです
。"ファブラ ノヴァ クリスタリス"の神話の中に"眠り"に関する部分があり、『ヴェルサスXIII』はそこをキーワードとしてピックアップしているんですよ。2007年中には実機での映像を出す用意をしていますので、まずはそれを待っていただいて、突っ込んだ話がまたできればと思います。
守るべきクリスタル ―― 『ファイナルファンタジー アギトXIII』 |
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相沢 最後になりましたが、『アギトXIII』の世界のクリスタルは、どんな存在なのでしょう?
田畑端(以下、田畑) いまの段階で詳細はお話できません(笑)。ただ『アギトXIII』の世界には、潜在的な意志を持ったクリスタルが複数存在しています。主人公たちは、そのうちのひとつを守護する立場。そのクリスタルからさまざまな恩恵を受けて平和や秩序を維持しています。
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加藤 ところが映像では、クリスタルが割れ、燃え盛る部屋にカードが舞い散っていましたね。そのカードに、仲間のキャラクターの名前やHPのようなゲージが表示されていましたが、『アギトXIII』でいう"仲間"は、同時にほかの携帯電話で遊んでいるユーザーを指すのでしょうか?
田畑 そうです。ですが、人が集まらないと遊べないというタイプのオンラインゲームではありませんよ。オフラインゲームのプレイ感覚を維持しながら、オンラインゲームのおもしろさを融合させます。
相沢 実際のプレイ画面のイメージは、今回の映像に近いのでしょうか? それとも野村さんの集合イラストのようなイメージですか?
田畑 イラストに近いですね。ただし、完全に3Dで作るので、『ビフォア クライシス -FFVII-』のようなドット絵のゲームにはなりません。さらにプレイヤーが、『アギトXIII』の世界に自分が存在しているのを実感できる作りになりますよ。たとえば、自由に生活を営むMMORPG(Massively Multiplayer Online Role Playing Gameの略。数百〜数千規模の多人数が同時に参加するタイプのオンラインRPG。)のような要素も盛り込みますので。
加藤 かなり目新しそうですね。
田畑 携帯電話には、プレイヤーどうしで時間を拘束し合うようなスタイルのゲームは適していないと思います。逆に、もし気軽で自分本位な携帯電話の使いかたを維持したままオンラインゲームを楽しめたなら、オンラインゲームのハードルも下がり、新しいおもしろさを作り出せるのでは? と『ビフォア クライシス -FFVII-』以降、野村とともに考え、取り組んでいます。『アギトXIII』は、その取り組みのひとつの結果です。どうぞご期待ください。
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