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『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合VS.Z.A.F.T.II PLUS』の詳細を開発陣が語る!!

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●アーケードで人気の対戦アクションシリーズの最新作!!
 

 アーケードで絶賛稼動中の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vsZ.A.F.T.II』が、プレイステーション2に登場! タイトルに『PLUS』とついているように、プレイステーション2ならではの新要素もふんだんに盛り込まれているのだ。
 ここでは、週刊ファミ通9月8日号(8月25日発売)で行った開発者インタビューの内容をすべて公開するぞ! 本誌では語られなかった情報もあるので、お見逃しなく!!


機動戦士ガンダムSEED DESTINY

バンダイナムコ
ゲームス
プロデューサー

後藤能孝

カプコン
ディレクター兼
プログラマー

川瀬

カプコン
プランナー
尾畑心一朗



──ようやくプレイステーション2の移植版が発表となりましたが、タイトルが相当長いですね(笑)。
後藤能孝(以下、後藤) 前作の時点ですでに長かったので、少しくらい伸びてもいいかな思いました(笑)。最初は『ダッシュ』とつけることも考えたんですけどね。
尾畑心一朗(以下、尾畑) そのうち『デラックス』とかね。
後藤 アイデアはいろいろ出ました。でも結局は、アニメの『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で"ファイナルプラス"というのをやっていたこともあって、そこから"プラス"をとってこのタイトルになったんです。
――基本的には現在アーケードで稼働中の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.II』の移植になるんですよね?
後藤 そうですね。アーケード版からいくつかの要素が"プラス"されております。
――どんな要素がプラスされているのでしょうか?
尾畑 仕事量がプラスされました(笑)。
後藤 マジメな話をしますと、去年発売した『機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T.』では、アーケード版から登場機体を追加していたのですが、いわゆるミッションモード的なものがなかったんですよ。当時、アニメの『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が放送していたこともあって、できるだけそちらの機体を追加することに専念しました。そのとき、ユーザーからひとり用のモードを充実してほしいという要望が多々あったので、追加することにしたんです。
――なるほど。詳細についてはのちほどお伺いいたします。ちなみに、前作の『機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T.』とは、どこが変わっているのでしょうか?
尾畑 まず、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の作品を網羅したかったので、モビルスーツを入れ替えました。ゲームシステムについては、2対2の対戦ツールということを錬成させたくて、覚醒(※1)の種類を増やしました。あとは、移動速度やブーストゲージの消費量など、細かい部分を調整しております。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY


※1:攻撃したり、攻撃を食らったりすることで溜まるゲージを消費することで覚醒し、一時的に機体性能が大幅にアップする。

 
――覚醒は『機動戦士ガンダム ガンダムvs.Zガンダム』のような形になりましたね。なぜこの形にしたんですか?
尾畑 このゲームは対戦ツールなので、遊ぶごとに自分と相手の掛け算で遊びかたのバリエーションが増えていくと思います。まず、モビルスーツを何にするかで遊びかたって変わるじゃないですか。同じモビルスーツを使うにしても、覚醒タイプ3種類の中のどれにするのかによって、戦いかたはさらに変わっていく。相手がどの覚醒タイプを選んだかによってもさらに変わってくるので、モビルスーツ4人分に加えて、覚醒タイプが3種類の組み合わせで、遊びのバリエーションがすさまじく広がっていくんですよ。そうすることで、より長く遊べるんじゃないかなと思いました。
後藤 あと、前作のままでシステムも変えずにモビルスーツだけ変えましたっていうと、それはそれでないだろうという話になりましたので。アーケード版で遊んでいるプレイヤーたちは、すごく細かいところまで見ているんですよ。そこで、カプコンさんに知恵をしぼってもらいました。
尾畑 開発中はもっといろいろなアイディアも出ていたんです。できるかどうかは置いといて、ですが。ウチはいつもそんな感じです。その結果、アーケード版ではできなかったけど、ひとり用のモードだったらできるよねってことで入れた要素もあります。
――なるほど。覚醒について詳しく聞きたいのですが、覚醒にはラッシュ、スピード、パワーという3種類がありますよね。それぞれどういったものなのですか?
尾畑 ラッシュが前作の覚醒に近いもので、攻撃がす速く連続で行えるようになります。あと、防御力も上がって、安定した戦いができると思います。前作のプレイヤーも、前作と同じような感覚で使えますよ。
――パワーが攻撃力アップですよね?
尾畑 そうですね。パワーだと攻撃力が大幅に上がるので、ハイリスクハイリターンな戦いかたができます。スピードだと、ブーストすることで各行動がキャンセルできるようになります。スピードはけっこうマニアックなんですけども、使いこなせれば見ていても遊んでいても非常に爽快な気分になれますよ。
――確かにアーケード版をプレイしてる手馴れたユーザーからは、スピードが強いという意見も多いですね。
尾畑 はじめから分かってたんですけども、楽しいからいいやって思いました(笑)。ロケテストのときもそうでしたし、稼動のときもそうだったんですが、最初は皆ラッシュを使うんです。つぎに分かりやすいパワーにいって、使いこなしていくと最後にスピードに行きつく。そういう流れはコチラも想定していました。ただ、スピードを選ばないと勝てないとか、そういったことにならないようにバランス調整は行っています。モビルスーツの組み合わせもあると思いますし、2対2なので、「仲間がこのモビルスーツのこの覚醒タイプだから、自分はこの覚醒で行こう!」といったことも生まれると思います。同じ機体でも覚醒によってぜんぜん違いますからね。
――ほかに、戦闘システム面で変更されているところはありますか?
尾畑 細かいところですと、ステップしたときのブーストゲージの消費量が若干増えています。
――前回は、連続でステップを行うステップキャンセルというテクニックがありましたが、それの影響ですか?
尾畑 あれはあれでいいんですが、結局あのテクニックは自分が安全な時間を作ることになるんですよ。たとえば、お互いに安全な時間が10秒続くのであれば、それを6秒に短縮したいなというのがありまして、それで変更しています。

──ブーストダッシュ関係のお話ですと、前作だと変形可能な機体はブーストダッシュ時に自動で変形していまいましたが、今回は任意のタイミングで変形できるようになっているんですよね。

尾畑 そうですね。前作では、とにかくブーストダッシュをさせたかったんです。原作のように華麗に飛び回って撃ち合い、そして斬り合うという。それで、変形するモビルアーマーでもボタンを1回押すだけで飛ぶようにしたんです。ただ、慣れてきたら変形が使いにくいとか、ふつうに飛んだほうが射撃もしやすいという要望が出てきまして、続編を出すのであれば調整しようと以前から考えていました。ただ、モビルアーマーだから飛び回れるとなると自由に逃げられたりするんです。『機動戦士Zガンダム エゥーゴvs.ティターンズ』のときの経験もありまして、その部分のバランス調整は苦労しましたね。
――変形可能な機体は、変形して逃げたり、ふつうにブーストダッシュしたり、空中でステップできたりと戦術の幅が広がりそうですね。
尾畑 そうですね。気持ちよくやってほしかったんです。細かいことなんですけど、戦闘機に変形するムラサメの動きもカッコよくさせたかったんですよね。前回まで変形時の動きがカッコ悪かったので、このままでは嫌だということで変更しました。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY


――前回から登場している機体も、バランス調整を行っているのですか?
尾畑 もちろん、変更しているところもありますよ。ただ、バランスを合わせることに固執するあまりに、手触りが気持ち悪くなったりとか、技が出るのが妙に遅くなったりなど、下方調整だけはしたくなかったんですよ。なので、いいところを伸ばす方向で調整しています。
──話を変えまして、登場機体について伺わせてください。ズバリ、今回の目玉はどの機体ですか?
尾畑 ストライクノワールですね。
後藤 アーケード版でも8月から使用可能になっているので、ぜひ試してください。
尾畑 強いですよ、こいつ。
――どういった機体なんですか?
尾畑 射撃寄りの機体ですね。スキのない射撃で、連射系ですね。いままでにあまりないタイプです。
川瀬学(以下、川瀬) 2丁拳銃をバリバリ撃ちますよ。それも、押しっぱなしで連打じゃないです。指で一生懸命連打して連射します。
尾畑 昔のシューティングゲームみたいな感じですね。
――チャージショットも撃てそうですね。
尾畑 チャージショットもありますよ。あと、マルチロックオンも可能です。

 

機動戦士ガンダムSEED DESTINY


──マルチロックオンも新たに追加されたシステムですよね。今回、マルチロックオンが追加された理由は?
尾畑 もともと、前作からアイデアはあったんですよ。できたらやりたいなと思ってたんですけど、前作は調整がうまくいかなくて導入を見合わせたんです。
後藤 見てるとすごく格好がいいから、初めは感動しましたね。「原作でもあったねコレ!」みたいな。
尾畑 パッドだとやり辛いので、LボタンとRボタンをうまく使えればと思っています。
――見た目がスゴイものといえば、アカツキのヤタノカガミ(ビーム反射)もカッコイイですよね。
尾畑 そうですね。プログラマーには苦労をかけました。ドムのスクリーミングニンバス(ビームバリア)もたいへんでしたね。難しいと思われたものがほとんど実現できているので、僕としてはすごくうれしいです。ユーザーにも好評ですし、新しいモビルスーツを追加したら新しい遊びかたを入れたかったので、原作でやっているギミックはできるだけ入れるようにしています。
――では、前作をやった人でも新鮮な気持ちでプレイできるということですね。
尾畑 そうですね。モビルスーツだけでも倍くらいになっていますし。
――前回に登場したエールストライクガンダムやバスターガンダムなども出るんですか?
尾畑 全部出ますよ。アーケードでも、ストライクノワールといっしょに開放されます。全部で80体以上いますね。
――登場機体が増えたことで、今回は機体コスト(※2)が590のモビルスーツが登場しましたね。
川瀬 機体コストを考えるときはすごく悩みました。フリーダムガンダムの機体コストが560なので、ストライクフリーダムガンダムがフリーダムと同格じゃまずいだろうとなりまして、ワンランク上の590というコスト枠を設けました。それにともない、前作で機体コストが280だった機体を270にしたり、210だった機体を200にして590の機体と合わせて出撃できやすいようにはしております。とにかく、新しくて最強の機体、フリーダムより強い機体という意味で590です。
川瀬 560はフリーダム、ジャスティス、プロヴィデンスの3機。ストライクフリーダムはその上の590なんだぞということです。
後藤 前作からのキーワードは"フリーダム"という感じですね。
尾畑 最強だったものの上を作るっていうのは難しいんですよ。それが、ゲームとしてマックスとして作っているので、それを超えるっていうのは破綻しかねないんです。そして上も作るってことは下も作らなくてはいけなくて、そこは気を使いましたね。
後藤 前作は星の数でコストを見てましたから、数字でフリーダムを見てみるとこんな高かったのかって思いました(笑)。「そのフリーダムをインパルスガンダムで倒したシンってすごかったんじゃないの?」って思いましたね。
尾畑 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のアニメ前半でフリーダムが活躍してたので、強い存在のままにしなきゃいけないって考えましたね。
後藤 つぎにアカツキを見たときも驚きました。
――アカツキは560ですよね。
後藤 そうですね。原作では、ストライクフリーダムより強いんじゃないかと思いましたが(笑)。
――ちなみに、デストロイガンダムは登場するのですか?
尾畑 もちろん登場しますよ。サイコガンダムより大きいので、開発中にも大きすぎるんじゃないのかと言われながら作りました。
――対戦で使えるのでしょうか?
尾畑 何らかの形で出しますよ。どのステージでも使えるくらい汎用性を上げちゃうと、ありがたみがなくなってしまうので、"こういう場所だけ!"というように限定する予定です。

 

機動戦士ガンダムSEED DESTINY


※2:味方チーム、敵チームともに、最初は1000コストを持っている。機体がやられて再出撃するたびに、機体ごとに設定された機体コストを消費するのだ。そして、消費コストが1000を超えた時点で、そのチームは負けとなる。

 

――デカイといえば、前作のミーティアも無茶苦茶でおもしろかったですね。
後藤 自分では使いにくいけど、敵だとすごく強いんですよね。
――最終ステージでよく見かけました。どうすればいいのかわからないくらい強いんですが。
尾畑 ボスは何してもいいんです(笑)。
川瀬 強いからこそ光り輝く!
――キャラクターの数も多いですよね。
尾畑 前作に出ていなかったキャラクターも増やしました。
――前作もキャラクターでルートが決まりましたね。1回クリアーしたあとに、やり込み要素があるかと言われれば難しいところでしたが。
後藤 そうですね。前作の反省をふまえて、今回は長く遊べるゲームになっています。
――前作にはひとり用のやり込めるモードがなかったんですよね。『機動戦士ガンダム ガンダムvs.Zガンダム』などではやり込める要素があったんですけど、ユーザーとしては前作のそこが残念だったなと思うんですよ。
後藤 今回は過去最大ボリュームと言える、ミッションを用意しております。簡単にお教えしますと、自分だけの『ガンダムSEED DESTINY』が楽しめるモードになっていますよ。ほかにも、いろいろな条件の中で戦うチャレンジモード、ビジュアルやサウンドが楽しめるギャラリーモードなどを追加しています。各モードの詳しい内容についてはいまはナイショです。続報をお楽しみにしていてください!
──今回はネットワークに対応しているのでしょうか?
川瀬 ネットワークは対応していません。技術的な問題で、アーケードと遜色ない作りにするのは難しいんですよ。いまよりも、もっと通信技術が発達したら導入したいですね。
――最後に、本作を待ちわびているユーザーの皆さんにひと言メッセージをお願いします。
川瀬 ミッションモードは、過去の"VS"シリーズ中でも最強だなと思います。プログラマーさんに無理を言って作ってもらっているので、ぜひ期待してください。
尾畑 本作は、カプコンが作る『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』を題材にしたゲームの完成型だと思っています。楽しみにしていてください。
後藤 "VS"シリーズの完成型を迎えているというのもありますし、期待してくれている皆さまに、何かしら応えていきたいと思って製作しております。前作の反省を踏まえて、さらによくしているので、ぜひプレイしていただきたいです!


 

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