『シャイニング・フォース イクサ』に隠されたゲーム性とシリーズのこれから!!
●今後の『シャイニング』シリーズを語る!
セガの伝説的RPG『シャイニング』シリーズ。古くはメガドライブで発売された『シャイニング&ザ・ダクネス』に始まり、数多くのシリーズを経てきた作品である。近年、プレイステーション2で『シャイニング・ティアーズ』を、そしてもうひとつ"新生シャイニング・フォースシリーズ"として『シャイニング・フォース ネオ』を発売。過去のシリーズを知らないユーザーをも虜にし、その名を多くのゲームファンに知らしめた。そんな『シャイニング』シリーズに新たな作品が登場する。それが『シャイニング・フォース イクサ』だ。アクション要素の強いバトルシステムで人気を博した『シャイニング・フォース ネオ』をベースに、さまざまな新要素を追加した本作。そのグラフィックも、イラストが動くかのような美しくも楽しい内容となっており、ゲームファンのみならず、多くのユーザーを魅了しそうだ。
そんな『シャイニング・フォース イクサ』に関して、そして2007年春に発売が予定されている、もうひとつの『シャイニング』シリーズ最新作、『シャイニング・ウィンド』について、本誌週刊ファミ通7月28日号(2006年7月14日発売)では開発陣にインタビューを敢行。その中で語られなかった内容も含め、インタビューの全貌をここに掲載するぞ!!
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『シャイニング・フォース イクサ』 |
『シャイニング・ウィンド』 |
――まずは『シャイニングフォース イクサ』のゲーム概要をお聞かせください。
下里陽一(以下、下里) 昨年3月に『シャイニングフォース ネオ』を発売させていただきまして、中毒性のあるバトルシステムと、やり込みのある育成システムで多くのユーザーさんに支持をいただきました。今回、『シャイニングフォース イクサ』を発売させて頂くんですが、これは前作のシステムを基本としまして、それプラス大きなシステムを追加して開発しております。
――その大きな新しいシステムというのは、どのようなものなんでしょうか?
下里 大きくふたつあるんですけども、まずは前作が主人公ひとりを育成する形だったんですが、今作は主人公とヒロインのふたりを操作することができます。
――トウマとシリルのことですね。
下里 そうです。もう1点は、『シャイニング』シリーズでは、毎回"本陣"と呼ばれるパーティーのチェンジやメンバーとの会話ができる場所があるんですね。それを今回はバージョンアップさせて"要塞"という形にしました。
――要塞の存在は、本作でかなり大きな位置を占めていきそうですね。
下里 そうですね、まず、ストーリーとシステムに大きく絡んできます。今回の作品では"シャイニングフォース"というものが"聖剣"という位置づけになっています。
――『ネオ』では、"大きな力"となっていたのが今回は聖剣であると。
下里 そして主人公が"聖剣シャイニングフォース"を抜くことで要塞を手に入れるんです。シャイニングフォースと要塞を持つ者たち。その力を得ようとするライバルキャラの三つ巴の戦いでストーリが進行していきます。
――システムにおける要塞の存在意義というのはどのようなものですか?
下里 要塞が成長します。最初に手に入れられる要塞は、それほどすごくはないんです。ただ、ストーリーを進行していくことで、プレイヤーが手に入れるアイテムによって要塞をグレードアップさせていくことができる。グレードアップさせると、施設を設置できるスペースが増えて、そこにたとえば図書館やキャラクターの部屋を設置できたり、いろいろなカスタマイズができるようになります。
――なるほど。前作の武器のカスタマイズという部分が、要塞というところにも活かされていると。
下里 はい。より育成を楽しめるシステムとして要塞システムができたという形になります。
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トウマ |
シリル |
――今回の『イクサ』というタイトルには、どんな意味があるのでしょうか?
下里 単純に言うと『ネオ2』にはしたくなかったというのがありました。ナンバリングをしてしまうと前作をプレイしていない人が敬遠しがちになってしまうという部分もありますので。今回は、ストーリーもキャラクターも前作とはつながりがありませんから、ナンバリングにはしないという方向で、考えました。それで、『イクサ』というのは"exa"と書いて"エグザ"って読むんですけれども、読みかたを"イクサ"にしたっていうのは、主人公のキャラクターが元気な野生児的なイメージということで、日本語の"戦"というのと、最上級に育成するという、ふたつの意味を懸けています。
――なるほど。
下里 タイトルについては悩んでいるところではあるんです。最近では若い層とか新しい層のいままでの『シャイニング』に触れていないユーザーさんも多くなってきているんですね。だから、そういう意味で初心者的なイメージで、新しいユーザーさんに興味を持っていただけたらと。それで新しいタイトルをつけているんです。
――過去のシリーズも大切にするけども、それほど囚わないというスタンスで。
下里 けっこう囚われてはいないと思うんですが、やっぱりRPGをやるユーザーさんの世代がどんどん若返っていますし、あんまり古いところに囚われてはいないですね。『シャイニング』の多彩な種族とか、おもしろい世界設定、カギになるところというのは抑えているので、昔からのファンにはそこを楽しんでいただければ。獣人という設定もゲームのエッセンスとしてはおもしろいですし、そこにロボットが出てきてもオーケーなので、なんでもありの世界なんですよね。それが『シャイニング』の特徴でもあるし、それをベースによりおもしろいものを仕込んでいければと思います。我々としては、つねに新しい『シャイニング』を作ろうという方向性で考えていますので。
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――前作は戦闘がかなり楽しくて爽快でしたが、そのあたりは本作でも活かされているのでしょうか?
下里 もちろんそこはベースとして活かしつつ、さらにその爽快性とやり込み性をアップさせる方向で開発をしています。『ネオ』の発売後に「ボタンを押すだけではなくて、ボタンの押しかたによって技が出るとうれしい」という声がユーザーさんから数多くあったので寄せられたんです。そこで今回はボタンの溜め押しによって"スペシャル技"を出せるようにしました。
――スペシャル技の種類は複数用意されているのですか?
下里 キャラクターを成長させることによって技を覚えるのではなくて、武器にそれぞれ技が設定されています。
――"要塞"と聞くと"守るもの"というイメージが浮かぶのですが。
下里 要塞が敵に攻められると"防衛戦"が発生します。本作では、トウマとシリルをそれぞれ要塞を守る側、冒険をする側に配置して進めることになるんです。一方が冒険をしている最中に要塞が攻められると、もう一方で行われる要塞の防衛戦に移行する。それのくり返しによってゲームが進行するシステムになっていますね。これは過去のRPGではなかったと思っています。プレイヤーは、プレイヤーキャラクターとパーティキャラクターをどう編成するかを考えながらプレイしていくことになります。
――"本陣"を守るというのは、なかなかおもしろいアイデアですね。
下里 緊張感が生まれますしね。何より、強い要塞を作ろうというモチベーションにもつながると思うんです。要塞を守ろうという愛着も湧いてくると思いますし。
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――今回、キャラクターのイラストなどもずいぶんイメージが変わりましたね。
下里 今回キャラクターデザインをされているのが、ライトノベルの表紙などを描かれているpakoさんという、まだ若い方なんです。前作のコンセプトとしては、有名マンガ家さんでキャラクターを立てた絵を描ける方を捜そうということで西山先生を起用させていただいたんです。それで今回は、実力はあるけどまだ無名な方というところからの発掘をして、『シャイニング・フォース』=○○、という図式ができるような形にしたいな、というところでpakoさんを起用させていただきました。もともと『シャイニング』シリーズは、毎回デザインが固定されていなくて、シリーズごとにキャラクターデザイナーさんは代わっていたんですよ。ですから、毎回毎回、そのときのテーマとかシナリオに合わせてそれにマッチするキャラクターデザイナーさんを選んでいました。
――イラストを見て、若いゲームファンが好みそうなイラストだな、と思いました。
下里 そうですね。pakoさん自体、まだ23歳というかなり若い方なんです。上京してきたのは2年ぐらいまえなんですけど、それほど多く描かれていないんです。ですから、それほど目に触れられることはないと思うんですけど、かなり実力はある方で。今回は実力がある若い作家さんをと思っていまして、それでpakoさんが目に止まったんです。
――目に止まったポイントは?
下里 目力ですね。
――目力!
下里 目ですね、キャラクターの目です。これがすごい目力があったんですよ。pakoさんが描かれたイラストすべてが、こちらに何か訴えかけてくるものがあって(笑)。そこがポイントでしたね。
――今回キャラクター構成は、どんなイメージで?
下里 私はゲームシステムとリンクさせて構成していくので、パーティーとして使いたいキャラというのを重視して構成をしています。こんなキャラクターがパーティーにいたらうれしいなとか。創作キャラクターもそうなんですが、使いたいと思う、育てたいなと思うというのがベースにあります。パーティーキャラクターもこんなやつを仲間に引き連れたら楽しいなと。こんなやつが仲間になるんだという部分も狙ってデザインしてもらっています。
――主人公とヒロインは、どんなイメージでデザインされているんでしょうか?
下里 前作は熱血系の主人公で、今回も同じ熱血系ではあるんですよ。ただしもっと天然なんです。見た目も言動もそうなんですけども、本当にちゃらんぽらんで、「お前何にも考えないで行動しているだろ」というキャラクターになっていますね。もうひとりの主人公のシリルは、それを煙たそうに見ている。「なんだこいつ?」という感じで。シリルは歴史学者という設定なので、環境はまったく違うし、考えることも嗜好もぜんぜん違う本当に水と油の状態のふたり、というところから物語が始まっていきます。
――凸凹コンビみたいな感じ。
下里 シリルのほうが背は高いんですよ。
――あ、そうなんですか?
下里 若干高いんです。
――そうすると、お姉さん的な雰囲気ですか。
下里 お姉さん系です。プレイヤーはふたりを操作できますから、シリル側でプレイしているとトウマと会話ができて、トウマが何を思っているのか聞き出せるし、トウマでプレイすればシリルの気持ちを探ることができる。そこはキャラクターをプレイヤー自身がチェンジしながら、それぞれが内面で思っていることを探っていくというのもゲームのおもしろいところだと思います。
――画面を見ると、『シャイニング』シリーズでおなじみのケンタウロスのようなキャラクターも確認できますが。
下里 もちろん登場しますよ。
――おっ! やっぱり!!
下里 シリーズをプレイしている方にも満足してもらえると思いますし、前作をプレイされていない方にもひやってもらいたいですね。前作をプレイしていなくても、ストーリーやキャラクターのつながりがないので、まったく戸惑うことなくプレイできると思います。
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――戦闘システムは前作と比べてどのように変化しているのでしょうか?
下里 戦闘システムに関しては、前作で好評を得られましたので大きくは変えたくなかったんですね。ですから、そこにプラスを足していったという感じです。なので、前回の中毒性があってやめるにやめられない、という部分は絶対に残そうと。やはりRPGを好まれる方はキャラクターとストーリーに感情移入して物語を楽しみたい、その世界に入って自分がその世界の住人になりきって遊びたいというのがあると思うので、そこに難しさを求めてしまうとなかなかプレイしていただけないので、敵を倒す爽快性は出しつつ、誰でもプレイできる内容にしようと思っています。
――キャラクター育成に関しては、パーティーキャラまでカスタマイズを広げたというのがいちばん大きな変更点ですか?
下里 そうですね。あと要塞の施設自体に育成のシステムを組み込んでありまして、それを利用することで経験値による成長+αの育成が可能となっています。これがあることで、プレイヤーによって、キャラクターの育成方法がまったく違ったものになると思いますよ。
――お話をうかがっていると、プレイヤーがやれることが多そうな感じがしますね。
下里 そうですね。やり込み要素としては前作より増えていると思います。ただふつうにプレイしてクリアーするだけなら、前回と同じくらいの40時間で、プレイヤーが寄り道することで100時間にも200時間にもなるという作りにしています。本作では、無駄にムービーを入れたり、イベントを入れたりというのはしないで、最小限、効果的に入れるような形にしてます。プレイヤーキャラクターと喋りたいという方は要塞内に部屋を用意したので、そこで語っていただく。別に語りたくない人はそこに行かないで戦闘ばっかりしていてもいいです。ムービーなんか見たくないよって人にはスキップ機能も入れてありますし。だから本当にプレイヤーのニーズに、スタイルに合わせて遊べるようにしていますね。
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――『イクサ』も気になるところなんですが、もうひとつのタイトル『シャイニング・ウィンド』について、現段階でどこまで開発が進んでいるのかなど、お教えいただけますか。
澤田剛(以下、澤田) 発表の順序が逆になっているんですが、『イクサ』は発売が今冬で、『ウィンド』は2007年の春なんです。開発は予定どおり順調で、遅れているとかそういうことではないですね。前作『シャイニング・ティアーズ』でキャラクターが支持されまして、『ウィンド』の方向性としてはキャラクターを中心に、ユーザーさんにアピールしていきます。いま、期待してくれてるユーザーさんはヤキモキされているかもしれないですけども、発表できる時期が来ましたら、一気にドン! と情報を出していきますので、期待しておいてもらいたいなと思います。
――確実に水面下では動いているということですね。
澤田 けっこう、いろいろと仕掛けてはいるんで、来年春のソフト発売に前後していろんなものを出していく予定で、それを同時進行で進めているんですよ。それらがまとまった時点で、すごいサプライズな発表ができると思いますね。
――今後『シャイニング』シリーズは、『イクサ』と『ウィンド』のふたつの車輪がいっしょに回っていくような形になっていくのでしょうか?
澤田 そうですね。前回も『ネオ』と『ティアーズ』で、「『シャイニング』シリーズを復活させよう」というプロジェクトを進めていたわけですけども、さらにバージョンアップした形でふたつのものを出していくという流れは、今後も維持いていきたいとは思っています。
――じつははそれ以外に新しい『シャイニング』シリーズの作品が作られている……なんてことは?
澤田 まぁいろいろと考えてはいます(笑)。詳しいことは言えないんですけども、発表されている新しいハードや、携帯ゲーム機も含めて「どうしようか?」という感じではいますね(笑)。
――おおっ!
澤田 今回の『ウィンド』と『イクサ』はアクション要素が強めですが、そのへんのジャンルに囚われずに、あらゆるRPGのタイプを作っていこうかなと。じつを言うと、『シャイニング』シリーズは昔からジャンルがあまり固定されてないんですよね。そこが私たちも縛りなく考えられるところなので、やっぱりそのハードとか、どういうユーザーさんに遊んでほしいか、というところを考えていこうかと思っています。
――では、最後に読者の皆さんにひと言メッセージをお願いします。
下里 『シャイニング・フォース イクサ』は前作『ネオ』以上の自信作です。前作を楽しんでいただいた方にはもちろん楽しんでいただけると思いますし、初めての方もきっと満足していただけると思います。ぜひプレイしてみてください。
澤田 『シャイニング』プロジェクトの新しい2タイトル。この冬に発売されます『シャイニング・フォース イクサ』と、2007年春に発売されます『シャイニング・ウィンド』。このふたつの『シャイニング』シリーズで新しいおもしろさを皆さんにご提供していきたいと思っています。ですので、ぜひ2タイトルとも楽しんでいただきたいとと思います。よろしくお願いします。
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