HOME> インタビュー> 『クラッシュ・オブ・ザ・タイタンズ:ザ・ビデオゲーム(タイタンの戦い)(仮題)』、『Majin(仮題)』ふたりのキーマンに直撃
●タッグを組んだ理由とは?
バンダイナムコゲームスとゲームリパブリックがガッチリタッグを組んだ! 『ドラゴンボールDS』シリーズですでにタッグは組んではいるけれど、ここまで密に向き合っていたとは、予想していなかったはず。そこで、カギを握るお偉いさんふたりに、タッグを組むに至った経緯、新作の『クラッシュ・オブ・ザ・タイタンズ:ザ・ビデオゲーム(タイタンの戦い)(仮題)』と『Majin(仮題)』について語っていただきました。週刊ファミ通2010年2月18日号の誌面では載せきれなかった話題もたっぷり含まれてますよ!
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バンダイナムコゲームス |
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『クラッシュ・オブ・ザ・タイタンズ:ザ・ビデオゲーム(タイタンの戦い)(仮題)』は、大神ゼウスの子ペルセウスを操り、強大なモンスターと戦うギリシャ神話をモチーフとしたアクションゲーム。2010年公開予定のハリウッド映画『タイタンの戦い』と世界設定を共有している。 |
●バランスシートとマイレージ
岡本 まず、バンダイナムコゲームスとゲームリパブリックがどうして組んだのか? という部分から皆さんに説明したいと思うんですが……。
鵜之澤 岡本さんとのつき合いを遡ると……やはり、カプコン時代の『機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン』(アーケード)だよね。版権が下りていないのに、勝手に作って(当時のバンダイに)持ってきたというところですよね(笑)。ご存知のとおりバンダイナムコゲームスは、ナムコとバンダイの経営統合によって設立された会社で、ふたつの文化があります。ナムコは、基本的に社内ディレクターやプロデューサーがいて内部制作が中心。バンダイは、一般的に外部へ委託しているという印象があると思います。けれども、内外関係なく、余計な口を出さなくても、おもしろいもの、いいものを作ってくれるところに発注するのが、ベストな選択ですよね。信頼できるデベロッパーに頼むことは、ナムコとバンダイが別々だった時代から同じです。ただ……勝手に作って持って来たのは、岡本さんが初めてだった(笑)。しかも、当時のバンダイでは、『ガンダム』は“門外不出”だって言われていたのに。
岡本 いやいやいや(笑)、こっちはそんなつもりじゃなく、版権の許可が下りたと思って作ってたんですよ!
鵜之澤 実際は下りてなかったけどね(笑)。ゲームを見たときにはビックリしましたよ。まさか完成品を持ち込んでくるとは思ってなかったから。
岡本 そんなつもりで作ってなかったから、開発のモチベーションは高かったですよ。なんと言ってもみんなが大好きな『ガンダム』のゲームが作れるんですから。
鵜之澤 でも、『ガンダム』作品に新しい流れを作ってくれたし、いまだに『ガンダムVS.』シリーズとして続いている人気作を立ち上げてれた。恩を感じている、と言うと大げさだけど、儲けさせていただいたのは確かだね(笑)。クリエーターとのつき合いでは、自分の中にある種の“バランスシート”を設けていて、「この人と仕事をして儲けさせてもらったか?」ということをつねに考えているんです。
岡本 僕のシートはバランスがいいと受けとっていいんですよね?(笑) バランスシートという考えかたがおもしろいですね。僕も同じような考えを持っているのですが、“マイレージ”って言ってました。たとえばディレクターがヒットを飛ばしたとき、ヒットした分だけそいつにマイレージが貯まっていて、つぎはそのマイレージを好きなことに使える。マイレージを使って好きなように作って失敗したとしても、何がダメだったのかが学べるんですよ。もちろん、成功したらもっとマイレージが貯まるので、どっちに転んでもプラスになるんです。
鵜之澤 僕のバランスシートと同じ考えだね。そうそう、押井守にも同じことをしてましたよ。『パトレイバー』がヒットしたら、実写をやってもいいよって言ってました(笑)。クリエーターのガス抜きとして、そういう考えは大事なことです。もしダメだとしても、会社に対しては「ここは赤字になっても、つぎで取り返します」と、事前に通しておけばいいことだしね。
●紆余曲折あって、ようやく拾ってもらえた
岡本 そういったところから鵜之澤さんとのつき合いが始まって、『ドラゴンボールDS』を経て、今回の『クラッシュ・オブ・ザ・タイタンズ:ザ・ビデオゲーム(タイタンの戦い)(仮題)』(以下、『タイタン』)と『Majin(仮題)』という、オリジナル作品を出すことになった。でも、『タイタン』の開発から発売までには紆余曲折があって……じつはゲムリパが潰れる危険まであった。開発を手掛けることになった当初、あるスポンサーと契約してこの企画を進めていたんですが、そこが倒産しちゃって……。当然、もらえる予定だった開発費が入ってこない。まさか、ハリウッドでリーマンショックに遭うとは想像してませんでしたよ(笑)。
鵜之澤 向こうでは大きくニュースになっていたからね。被害者は岡本さんのところだけじゃないけど、こんな身近に被害者がいたとは思わなかった(笑)。
岡本 いまでこそ笑って話せますが、そのときは、こうして日の目を見るときが来るとは考えられませんでしたね。拾っていただいて本当にありがとうございます!!
鵜之澤 いやいや、これも、貯まっていたマイレージのおかげじゃないかな(笑)。それは冗談としても、岡本吉起に任せれば一定以上のクオリティーで仕上げてくれるということは、『連邦VS.ジオン』のときからわかっていたし、ゲームリパブリックを立ち上げてからも同じ評価だった。それは『ドラゴンボールDS』で証明していること。もうすぐ『2』も出るしね。
岡本 鵜之澤さんに話を持って行くとき、「オリジナルをやらせてほしい」ということは、ずっと言ってきましたよね。それは、国内に限定した話ではなく、たとえば北米やヨーロッパなど、どこでもいいから「オリジナルで、ミリオンを取れるタイトルをやりたい」と。ミリオンを狙えるタイトルを育てていただきたいとお願いして、無事『ドラゴンボールDS』という試験に合格して(笑)、オリジナルまでこぎ着けた。この話をしていたのが、ちょうど1年ちょっとくらいまえですよね。そして、映画の公開もほぼ固まってきた、というところで、今回発表するに至ったワケです。
鵜之澤 バンダイナムコゲームスは、キャラクターや版権モノに強いというイメージがあるけど、海外で通用するものはなかなかなかった。それに、完全新作というわけではなく、カルト的人気があった映画のリメイクで、今年話題になりそうな映画が題材。権利関係がゴチャゴチャしていたけど、ワーナーブラザースさんも「やりましょう」とあと押ししてくれた。ゲーム自体いいデキだし、ウチの会社では珍しいハリウッド映画が題材だしと、いろんな縁が重なって、ウチで発売することになった。しかも、日本人のクリエーターが作っている、ということも大きい。クオリティー管理もしっかりしているしね。
岡本 そこまでほめていただいて恐縮です! ゲームはすでに組み上がっていて、あとはそこから調整するところなんですが……時間をもう少しいただけたらもっとうれしいです!(笑)
鵜之澤 それでつまらないゲーム作ったら、スパっと切るからね(笑)。
■時間を掛けてもいいから、納得できるいい作品を
岡本 僕はもともと、アーケードゲームの開発出身なので、組み上がってからどこまでブラッシュアップできるかが勝負だと思ってるんです。アーケードの場合、ロケテストの時間を取りますよね? それと同様、できてからバランスを検証する時間が必要。だからカプコン時代は、「あと1週間あったら違う作品になってた!」なんていうことがザラでした。1週間与えたら与えたで、そのあと「あと1週間あれば!」って言うに決まってるんですけど(笑)。ただ、今回の『タイタン』は、それだけ自信がある作品ということをわかってもらいたいんです。もともと、映画の企画段階から関わっているので、映画中の一部の絵コンテやモンスターデザインはウチが作っていたりもする。映画のデキは、まだ観てないのでわからないですが(笑)。映画の企画段階から関わっているので、時間をじっくりかけてきた作品です。以前は、クライアントの要望に応えたり、納期を守ることに精いっぱいで、社員たちが納得するまで作り込めたゲームはなかった。でも今回、バンダイナムコゲームスさんと組んで初めて、とことんまで作り込めている。自己満足かもしれないけど、自分たちが納得して作り込んだゲームは、ユーザーの考えと被っていると確信しています。
鵜之澤 岡本さんは、自分の会社を立ち上げて、カプコンにいるときとは立場が全然変わっちゃった。デベロッパーだから、クライアントの要望や納期を死守しなきゃいけない立場にいる。ゲームのデキ以前に、いろんなことを考えなくちゃならないと思うんです。だけど、それでゲームのおもしろさがスポイルされていては、オリジナル作品を作ってもらっている以上、意味がない。だから、時間を掛けてもいい作品を作ってほしいと言ってある。それでいいゲームにならなきゃ困る(笑)。企画書に書いたスケジュールに“納期は○○”と書いてあるからって、それを守るために仕様を削っていくなんて、バカみたいじゃないですか。どこかで見切ることは必要だけど、「あとで1ヵ月あれば」と言われて、実際ゲームのデキが全然変わっちゃうことが実際あるからね。
岡本 作っている僕たちも、納期を言い訳にしちゃうんですよね。それで失敗した苦い経験がある。ユーザーにはそんなこと関係ないじゃないですか。だから、それはもうしたくないんです。
鵜之澤 そう言った意味で、『ドラゴンボールDS』のとき、原作に思い入れのあるスタッフがしっかり作ってくれているのを見ているので、安心して任せられます。
岡本 ただ、ゲームはできていくのに日本での発売がなかなか決まらなくて、ドキドキしてましたけど(笑)。……映画の公開と同時発売にしなけきゃダメ、とは言われていないんで、DVDが発売されるころには出します(笑)。
鵜之澤 公開ピッタリじゃなくてもいいけど、さすがにそれは困る(笑)。ただ、日本人がハリウッド作品のゲームを作る時代が来たんだと、皆さんには期待してほしいですね。
■『Majin(仮題)』は、いずれはミリオンを狙っていきます!
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『Majin(仮題)』は、幻想的なファンタジー世界が舞台のアクションアドベンチャーゲーム。す速く身軽な主人公と、力強く多彩な魔力を秘めた魔人。それぞれの個性を活かしながら、世界を冒険するのだ。 |
岡本 『Majin(仮題)』については、無力な主人公と、最初は力を封印されて力のない魔人が、ふたりで知恵を合わせて成長して冒険していくというゲームです。遊んでいて、「もうエンディングになっちゃうのか、終わらせたくない!」と思ってまわり道をしたくなるようなゲームを目指して作ってます。遊ぶごとに、魔人がまるで自分の奥さんのように嫌い……じゃなく愛おしくなるはずですよ!!(笑)
鵜之澤 キャラクターデザインは何度か変更してますが、基本的に、クリエーターが作りたいように作っている作品ですね。岡本さんが『ゼルダの伝説』好きなので、そういったアクションゲームになるのではないかと個人的には思ってます(笑)。
岡本 (笑)。発売まえからこんなことを言うのはなんですが、シリーズ化して、いずれミリオンに到達できればと思い、大事に育てていきたい作品だと思ってます。今回は無理でも、いずれはミリオン。それくらい愛着がある。そしてまだ言えないけど、もう1作品、じつは作ってます! なので、『クラッシュ・オブ・ザ・タイタンズ:ザ・ビデオゲーム(タイタンの戦い)(仮題)』、『Majin(仮題)』、隠し玉ともども、バンダイナムコゲームスさんからの今後の情報を楽しみに待っていてください! 今後は『ドランボールDS2』に始まって、4作品をポンポンポンポン、と出していきます!! ゲムリパは、ちゃんとゲームを作っていたんですよ! 十分な開発期間をもらって作っているので、思いっきり遊んでほしいですね。すでに僕らの手もとからは離れつつあるので、あとは鵜之澤さんが売ってくれるだけです!(笑)
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