HOME> インタビュー> 『スーパーストリートファイターIV』プロデューサーインタビュー完全版
●オフレコ必至の新事実が判明!?
既報のとおり、プレイステーション3とXbox 360で『スーパーストリートファイターIV』の発売が発表された。週刊ファミ通2009年10月15日号(10月1日発売)では、本作のプロデューサーである小野義徳氏のインタビューを掲載した。しかし、誌面では長時間お話しを伺った内容すべてを掲載することができなかった。そこで今回は、インタビューの完全版をお届けしよう。気になるアーケード版についての質問にも答えていただいたぞ。
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小野義徳 |
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『スーパーストリートファイターIV』のプロデューサー。『ストリートファイター』シリーズの開発には、『ZERO』からサウンド担当として参加している。 |
――まず最初に、タイトルについてですが、てっきり『ダッシュ』になるのかと思っていました。
小野義徳(以下、小野) 続編を作ることになってから、タイトルは二転三転しました。開発当初は『ダッシュ』で行こうと思っていたんです。でも、当時アメリカでは、『ストIIダッシュ』が『チャンピオンエディション』という名前で発売されていたので、『ダッシュ』ではアメリカの人に響かないのかな、と思いました。それで、「じゃあつぎは『スーパー』しかないでしょ」、と話したら、カプコンUSAから「『スーパー』は古臭いんじゃないか?」と言われてしまいまして(笑)。でも「いちばんドキドキするでしょ」と。「『ダッシュ』、『ターボ』が出たあと、『スーパー』が来たときのトキメキ感って覚えていますか?」と話したんです。
――もちろん覚えていますよ。新キャラクターが加わって、大きく進化しましたから。
小野 そうです。すごくドキドキしたじゃないですか。そして、タイトルは二転三転したのち、稲船(稲船敬二氏、『カプコン“常務執行役員”兼“開発統括編成室長”兼“第二開発部部長”、『ロックマン』の生みの親でもある)の鶴のひと声で決まりました(笑)。でも現時点では『ストIV』をプレイしてくれた人たちにいちばん突き刺さってもらえるタイトルだと思っています。今回はゲームバランスの調整に留まらず、追加要素をたくさん入れているので、『ストIV』というひとつのタイトルの正式な続編『ストIV-II』という意味より、『スーパー』のほうがユーザーに伝わりやすいと思いました。
――そうですね。『ダッシュ』というと『ストリートファイター』ファンからすると、バランス調整しただけなのかな、という印象を受けますが、『スーパー』と聞くと結構新要素も入っているのかと思いますよね。
小野 そうですね。なのでロゴは、昔のロゴをそのまま引っ張ってきて、今回の『ストIV』のロゴに合うようにカラーリングを変えました。
――『スーパー』と聞くと、トーナメント(当時アーケード版『スーパーストII』には、最大8人が参加できるトーナメントモードが搭載されていた)のイメージがあるんですけど(笑)
小野 ですよね! コアなファンは8台並んだ筐体を思い出してくると思います。
――それでは、そういった対戦モードが増えているんですか?
小野 オンライン対戦の要素はいろいろ考えたいですね。『スーパー』は、「ユーザーが入れてほしいと言っていた要素はできるだけ入れたい」という気持ちで作っています。なので「プロデューサーやディレクターがコレだ!」と言うよりも、ユーザーの「コレがほしい!」という声がいちばん多かったものから採用していったほうが、みなさんに受け入れてもらえるのかな、と考えています。
――ファンの要望というのは、具体的にどんなものがありましたか?
小野 ひとつはオンライン要素の拡充ですね。たとえば、闘劇(エンターブレインが主催する全国規模の格闘ゲーム大会)などのアーケードの大会では、チーム戦があるじゃないですか。すごく盛り上がりますよね? なにか、そんな盛り上がりが提供できるような仕様を試行錯誤しています。あまりうまくやりすぎると、「もうゲームセンターがいらなくなるから」と言われてしまいますけれど(笑)。でも、オンラインなら世界中の人たちが集まれるじゃないですか? それってすごくワクワクすることだと思うんですよね。
――たしかに世界中の人が気軽に集まれるのはオンラインならではです。でも、それを実現しようとしたら、マッチングがたいへんそうですよね。
小野 いろいろと試行して開発中です。前作に搭載した“アーケード待ち受け(アーケードモードをプレイしながら、対戦相手を募集できる機能)”をうまく使ってみようかなぁ、と、思っています。
――アーケードの雰囲気を出すのであれば、試合の観戦もしたいですよね?
小野 試合の観戦はできるようにしたいですね。あと、チャンピオンシップモードで、リプレイを見られる機能があったじゃないですか。あれがすごく好評だったので、コレをもっと強化したいと考えています。
――ちなみに、アーケードファンにはおなじみの遊びが復活すると伺いましたが?
小野 ああ、それは昔のオマケ話ですね。
――オマケの話? 何でしょう?
小野 前作『ストIV』のときに、あれをやりたいよねって、言っていたものです。
――何だろう? アーケードの遊びというと、プレイヤーどうしでギルド(チーム)を作れることなのかな? と思ったのですが。
小野 いまのアーケードと言うよりは、『ストII』のオールドファンから要望のあったものです。前回入れてもらえなかったので「今回は絶対入れてくれ」と、開発チームに下から目線でお願いしているところです(笑)。
――もう少し具体的に教えてください!
小野 まだ詳しくは言えないのですが、転がるモノが上から落ちてきたりとか……。
――あ! もしかして!
小野 それが対戦ツールに必要かと言われると、必要ないんですけれど、同窓会には必要な先生がひとり来てないじゃないかと。期待してほしいですね。いま開発で手が空いた人から手伝ってもらっています。
――開発はスタートしたばかり?
小野 そうですね。正直、開発がスタートしたのがついこのあいだで。もう発表するの? という状況です。多分、ファミ通を見て、スタッフは「春に出すのかよ! 聴いてないよ!」と突っ込んでいるんじゃないのかな(笑)。
――たいへんそうですね(笑)。
――そういえば、追加キャラクターが多数いるとお聞きしましたが……。
小野 はい。過去作品からの復活キャラクターと完全新キャラクターを合わせて、8体はがんばろうと思っています。「もうこれって『5』でいいんじゃないの?」というくらいのものです。ただ、ベースが『ストIV』なので、『ストIV-II』という形ですね。『ストIV-II』は言いにくいので『スーパー』にしましたけれど。でも『ZERO』のときは『ZERO2』と言っていましたっけ(笑)
――追加キャラクターについて伺いたいと思います。ついに、T・ホークとディージェイが『ストII』から復活しますね。
小野 やっと出揃いましたね。ファンの方は入れてほしかったと思っていたんですけれど、前作では思った以上に残念という声は少なかったんですよね(笑)。カプコンサイドとしては「なんで入れてくれなかったんだよ!!」というくらいの罵倒を覚悟していたんですけど(笑)。
――どのくらいできあがっているのですか?
小野 このふたりは、すでに画面撮影ができるくらいできています。非常にトリッキーかつテクニカルなキャラクターなので、『スーパー』からの登場となったのはちょうどいいタイミングだと思っています。ただ、『ストII』当時のイメージが強いので、ウルトラコンボはどんな風にしたらいいのかなど、どう料理すべきか悩みました。
――やはり『ストII』がベース?
小野 そうですね。触り心地は『ストIV』に登場した旧キャラクターと同じで、『ストII』当時のように違和感なく遊べると思います。発売後のキャラクター使用率を見て、どれだけの人たちが待ち望んでくれていたのかを感じたいですね。
――どのくらいいるのでしょうかね。僕は当時T・ホークを使っていましたから、すごく楽しみですよ。
小野 ありがとうございます。ちなみにディージェイを使うとみんな彼の動きに慣れていないから、けっこう勝てるんです。「スライディング強くない!?」みたいな感じで。
――スライディングはディージェイの代名詞のような技ですよね。ところで新技もあるのでしょうか?
小野 はい。『ストII』当時の技を踏まえながら、新しいものを追加しています。今回追加される新キャラクターたちは、当時の技を見直しながら、うまく『IV』になじむ形で入れられればと思っています。とくにT・ホークとディージェイは『ストII』で止まっているので。
――たしかに。家庭用の『ZERO』シリーズには登場していましたけれど、やはり『ストII』のイメージが強いですね。
小野 本当に時代が止まっているので、たいへんです。当時の技の再現は、“『ストII』ぽい”ようにすることが非常に難しいですね。“ぽい”だけだったら映像で見せるだけでいいのですが、格闘ゲームは実際に操作して動かすものなので、コントローラーから伝わってくる感覚も“ぽい”になってないとダメなんです。
――それは『ストIV』に登場した旧キャラクターでバッチリ再現できていたので、安心しているのですが。
小野 ありがとうございます。でも、それがT・ホークとデージェイでできるかですよね。コレについては、発売ギリギリまでがんばろうと思っています。
――楽しみにしています。
――完全新キャラクターのジュリですが、韓国出身というキャラクターは『ストリートファイター』シリーズ初?
小野 なんでいままで採用していなかったんだ、と(笑)。
――いそうでいませんでしたよね。
小野 じつは、『ストリートファイター』だけではなく、カプコンの格闘ゲームの歴史の中で、韓国籍のキャラクターはいままでいなかったんですよ。それでアーケード版『スト?』を制作しているときに、カプコンコリアの社長から「韓国籍のキャラクターがいないじゃないですか」と言われまして。でも「来週からロケテストなので(笑)」と言ってそのときはそれで終わったのですが、その後、闘劇(エンターブレインが主催する全国規模のゲーム大会)の韓国予選で韓国のユーザーに捕まえられては、「なんで韓国のキャラはこれまでずっといないんだ。『ザ・キング・オブ・ファイターズ』や『鉄拳』にはいるぞ」と言われ、そう言われればそうだなと。さらに韓国予選決勝戦のとき、ユーザーが嘆願書を集めて、僕に渡してくれたんです。『スーパーストIV』の制作コンセプトが、“ユーザーの声に耳を傾ける”ということでしたから、これだけ韓国の方が応援してくれているなら、絶対入れるべきだと。それでジュリが誕生しました。
――なるほど、海外にも熱心なファンが多いんですね。
小野 あと、『ストIV』のコンセプトは“同窓会”だったんですけれど、その同窓会を“同期会”にまで広げる役割を持っているのが『ストIV』からの新キャラクターなんです。他社さんの格闘ゲームをプレイしてきた人たちって、『ストIV』では自分がメインでやり込んだ格闘ゲームに近いキャラクターで遊ぶじゃないですか。ですから、そういった役目を新キャラクターに持たせてあります。
――『ストリートファイター』ファンはもちろん、格闘ゲームファンみんなに遊んでもらいたいということですね。
小野 はい、そのとおりです。あの'90年代の格闘ゲームブームのときは、さまざまな人が格闘ゲームをプレイしていたと思うんです。そういったプレイヤーたちがひとつのステージに立ち、誰がいちばん強いのか、というものが見えてくるものにしたいです。それが僕の目標ですね。
――ジュリがテコンドー使いというのもそういった考えからなのですか?
小野 ええ。テコンドー使いにしたのは、ほかの格闘ゲームでテコンドー使いを扱っているプレイヤーが、ジュリをきっかけに『ストIV』に参戦してくれたらうれしいなと思ったからです。ただし、技の感覚は似ているけど、『ストIV』の土俵に上がったからには、正確なボタン入力を競うのではなく、読み合いの勝負になりますよ、と。なので、これまでのシリーズファンを無視したようなキャラクターにはしたくないと思っています。
――バトルスタイルとは、どういった感じなのでしょうか?
小野 僕個人のイメージでは、“フェイロンチックなヴァイパー”といった印象ですね。現在は、一度技が決まったら攻撃がつなぎ放題で強すぎる状態です。威力は低く設定してあるのですが、いくら「減ってないよ」といわれてもバカバカやられ続けているといい気分がしないと思うんですよ。
――そうですね。見ているだけになっちゃうと、つまらないですしね。
小野 そのとおりです。やられているほうの心が折れてしまいますから。これはマズイと思い、調整中です。
――調整のほう、期待しています。
小野 そしてもうひとつジュリの大きな特徴が、ちょいエロです(笑)。ウルトラコンボが決まったときに、左足で相手の背中を突き刺すんですけれど、そのとき顔をソロッとなでる仕草がエロいですよ。その手のキャラクターは、『ストリートファイター』にはいなかったので。かなり僕が爆発したなーって感じで作っています(笑)。
――それは楽しみですね。ちなみに、ジュリは何か紫色のオーラを出していますが、ベガのサイコパワーとかとは関係ないんですか?
小野 ちょっと光っている目がポイントなんですけれど。じつはこれ……。これは言えないですね(笑)。この風水エンジンが……何で入ったのかっていうのが語られるものが用意されているので楽しみにしてください。
――これまで3人の参戦キャラクターが明らかになりましたが、ほかにもいるのでしょうか?
小野 ずばり8体くらいです。復活と新キャラクターを合わせて最低8体はがんばります。でも、発売されたときに6体しかいなかったらごめんなさい(笑)。
――8体以上ですか!? それはすごい。ジュリ以外に完全新規のキャラクターはいるのでしょうか?
小野 いるかもしれませんね(笑)。
――本当ですか!? それはどのようなキャラクターなんですか?
小野 公開はまださきになりますが、ビックリするような格闘技の使い手ですよ。ユーザーが受け入れてくれるギリギリのところを攻めようかと(笑)
――すごく気になりますね。
小野 前作の『ストIV』でヴァイパーを公開したときに、ファンのあいだで賛否両論あったと思うんですよ。でも、いまは『ストIV』で追加されたキャラクターたちは、みんななじんできましたよね? だから今回もギリギリのところのキャラクターを入れて、ちゃんと市民権を得てもらえればと考えています。そうすることで、プレイヤーの裾野を伸ばしたいですね。
――では、復活キャラクターと完全新規キャラクターの割合は?
小野 それを言ったら、誌面には書けなくなりますよ(笑)。
――読者のために復活キャラクターのヒントをください!
小野 復活キャラクターは、過去の『ストリートファイター』シリーズから2〜3キャラクターずつ登場する予定です。今回ファンの要望に応えようという形で開発をスタートさせたので、公式ブログでいちばん要望が高かった、あるいは書き込みが多かったキャラクターは入ります。
――それはうれしいですね。
小野 せっかく、10何年ぶりに『ストII』ライクで、かつ新しい土俵ができあがったので、そこにシリーズのキャラクターを全部立たせてあげたいですよね。『ストリートファイター』の集大成みたいなものを作りたいですね。
――それなら、気が早いですけれど『スーパー』のつぎに、ぜひ『X』、『ハイパー』を出してください(笑)。
小野 これは『V』を作るとかではなく、もし『X』を作らせてくれるんだったら、つぎは『ハイパー』も作れたらと思います。そういう感じで本当に時間のある限りシリーズのキャラクターをどんどん復活させていきたいですよね。でもそうすると、『マーヴルVSカプコン2』みたいになっちゃいますけれど(笑)
――そのうちタッグ戦とかチーム戦になったりして(笑)。
小野 そうですね。また別の機会にそういうスペシャル的なものあってもいいですよね。でもそこまで作ってしまうと、つぎに誰かが『ストV』を作ることになったとき、「もうこれ以上やることがない」みたいになっちゃいますけれど(笑)
――前作の予約特典としてついてきたアニメDVDは今回もあるのでしょうか?
小野 前作でつけた予約特典は、かなりの数を出したつもりだったのですが、予想以上に好評で在庫がなくなってしまいました。まだ決まっていませんが、今回もやりたいですね。
――なるほど。それではつぎにアレンジ衣装についてお聞きしますが、バリエーションは増えるのでしょうか?
小野 がんばっていますので、期待していてください。どこかのゲーム雑誌編集者が、前作のブランカのアレンジ衣装は地味だって言ってるので(笑)。「変えたのに変えた雰囲気がしねー」と。
――いや、本当に地味だったので……(苦笑)。つぎはぜひカッコイイのを期待しています!
小野 イジワルしてやろっと(笑)。
――それはそれで楽しみですけれど(笑)。ちなみに、前作の『ストIV』にあったアレンジ衣装は最初から入っているんですか?
小野 はい。前作で購入していただいたユーザーは、再度買いなおす必要がないようにしたいと思っています。
――前作のファンにとってはうれしいですね。
小野 値段も極力お求め安い価格帯設定ができるように、カプコングループ内で調整中です。
――おお、それはすごい。
小野 でもそんなことを言っておきながら、7800円[税込]だったらすみません……(苦笑)。
――前作では、プレイステーションホーム用の衣装があったと思うのですが、今回も?
小野 そうですね。考えたいと思っています。各プラットフォームホルダーの開発・運営スタッフの皆さんと協議して、何かを提供できればいいなぁ、と思っています。
――その他の変更点についてお伺いしたいのですが、ウルトラコンボゲージのデザインが変わりました?
小野 鋭いですね。何か、変わっていましたか?
――え? 変わっていますよね? ということはウルトラコンボに変化があるのでしょうか?
小野 うん? ウルトラコンボに何かが起こる? 何かができる? き、記憶が……。
――記憶がって(笑)。いったい何があるのでしょうか?
小野 それはまだ発表できません。書いてもらってもいいですけど、校正段階で消しちゃいますよ(笑)。
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『スーパーストIV』のウルトラコンボゲージ。たしかにローマ数字の“I”という文字が表示されている。過去シリーズでは『ストIII 3rd』にもゲージ部分にローマ数字があったが関係はあるのだろうか? |
――(笑)。ゲージのデザインについてですが、ゲージの部分にメーターのようなものがつきました?
小野 メーターではないんですよ。なんて読めます?
――え、違うんですか? う〜ん、ローマ数字の“I”……かな?
小野 うん? そういう読みかたがありましたっけ? まぁいろいろとツールの使いかたの幅を広げることを考えているということで、今日はこのくらいで許してください(笑)。
――なるほど。では正式は発表を楽しみにしています。ちなみに、旧キャラクターには、新技の追加があるのでしょうか?
小野 旧キャラクターの調整についてはいまが瀬戸際です。メスを入れるべきかどうか非常に悩んでいるところです。キャラクターによってはもう少し連続技に適した技であったり、使い勝手のいい技を追加したいと思っています。ただ、スタッフからは「できあがっているところはいじるべきじゃない!」という声も上がっています。
――たしかに。なんだかんだ言って、『ストIV』はバランスが取れていますからね。ただ、必殺技が溜めコマンドのキャラクターは、ゲームシステム的に少し不利な印象を受けますが。
小野 そうですね。ガイルとかは、ウルトラコンボを連続技に組み込みにくいですしね。
――そのあたりは改善される?
小野 はい。ほかのキャラクターとのバランスを考えると、そのあたりは調整していいと思っています。限られた時間の中で、できるだけ期待に応えられるように調整したいと思います。
――ゲームバランスの調整は、純粋に新キャラクターを追加するよりも難しいかもしれないですね。
小野 こんなこと言ったらマズイかもしれませんが、新キャラクターは自由にできるんですよね。突っ込みがあっても「仕様です!」(笑)と。ただ、家庭用はアーケードのようにロケテストができないのがちょっと怖いですね。
――たしかに。アーケードなら稼動まえにロケテストを行って、調整できますから。
小野 アーケード版『ストIV』のときは、ロケテストで自信がついたんですよ。最初に大阪でロケテストを行ったときはボロカスに言われて……、でも東京で出したときは「ちゃんと直ってるじゃん!」と。そして、再度大阪でロケテストしたら、「あら、うまくいってるねー」という声をいただいて。だから稼動まえに手応えを感じることができました。その流れで家庭用『ストIV』を作ったので、あれだけのキャラクターを追加できたという経緯があるんです。でも、一度ひと息ついたあとなので、もしかしたらハサミの使いかたを忘れているかもしれない……。
――体験会や2008年11月に開催された大格闘祭みたいなイベントがあるといいかもしれませんね。
小野 そういうユーザーがゲームに触れられる機会はほしいですよね。
――現在対応機種は、プレイステーション3とXbox 360ですが、本当にアーケード版の発売はないのでしょうか?
小野 はい。アーケード版はありません。個人的には、家庭用をアーケードに移植するだけでもいいなぁと思っているんですけれど。社内的な事情もあり、なかなか難しいです。
――それではユーザーの皆さんへのメッセージをお願いします。
小野 「本当に、声を上げていただいてありがとう!」このひと言に尽きます。日本だけでなく、世界中のユーザーに声を上げていただきました。そのあと押しがあるから『ストIV』が出せ、またユーザーのあと押しでつぎも出せるという、非常にいいサイクルが取れた珍しい作品です。ですから限られた制作期間ですが、ユーザーの希望にきっちり応えたいと思っています。
――ユーザーのあと押しと言えば、国内では続編希望の署名活動もありましたよね。
小野 ええ、あれはありがたかったですね。あの時点では『ストIV』はこれで打ち止めという形だったのですが、声を上げていただいたおかげで続編を制作することができました。ただ、唯一の心残りが、いちばん大きな声を上げてくれた、アーケードファンに対して満点の解答が出せず、そこは心残りです。なので「なんだ、続編は家庭用かよ」というファンの批判は、甘んじて受けようと思っています。「僕なりにがんばった結果としての満点はコレなんです」。ということが、どれだけファンに理解してもらえるかなという形ですね。ですので、次回までの宿題にさせてください。アミューズメントスポットが全店舗なくなるというなら話は別ですけれど。まだ、アーケード版をプレイし続けてくれているファンもいますし、有志で大会を開いてくださる方もいらっしゃいますから。
――そうですね。話を聞く限りでは、これからも有志によるいろいろな大会が企画されているみたいですよ。
小野 そういう人たちが全国にいるというのは、本当にありがたいことだと思っています。カプコンとして何かできればと思うこともあるんですよね。
――大会の参加者や上位入賞者に称号を授与するとかは、どうですか? 闘劇や全国大会に参加して称号をもらった人たちは、すごく喜んでいましたよ。
小野 あ、そうなんですか? そういうのであればいくらでも用意しますよ。アーケードで『スーパー』を出せないのは心残りですが、そういったことなら簡単ですので。“塩沢杯(2009年8月に闘劇前夜際として開催された有志による『ストIV』大会、上位入賞者に特別称号が授与された)”でもなんでもやってくれよ! と。
――もしも有志の人たちがこのインタビューを読んでくれていたら、また企画するかもしれませんよ。
小野 それはありがたいことですね。ビジネスとして天秤が取れて、ユーザーも対戦ツールとして天秤を取れるところが、現状では今回の形だと思うんです。アーケード版については次回までの宿題にさせてください。
――ありがとうございました。
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