『侍道3』開発陣ロングインタビュー
●『侍道3』を手掛けた3人が語る
ファミ通PSP+PS3の2008年12月号に掲載した『侍道3』開発者インタビューを、完全ノーカット版でお届け。新しいシステムや、遊びドコロについて熱く語ってもらいました。
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スパイク プロデューサー |
スパイク プロデューサー |
アクワイア ディレクター |
■“いきなり沙汰”システムについて
――まず最初に。“いきなり沙汰システム”が前作ともっとも変わった点だと思うのですが、サンプルロムをプレイさせていただいて、イベントでいきなり刀を抜くとか、峰打ちで重要キャラクターを倒さずに進むなど、分岐が複雑に感じました。これがもたらした楽しみとは何でしょうか。
遠藤宏治郎(以下、宏治郎) そうですね。『侍道2』ですと選択肢によるプレイヤーの意思表示はできたのですが、イベント中にプレイヤーの意思でキャラクターを動かすことはできなかった。シリーズをとおしてプレイヤーの意思をいかにゲーム内に反映させるかを大事にしたいと考えていたのですが、ストーリーを語るときはイベントシーンとして作ってあげたほうが演出力としては秀でている。そこで『1』と『2』の方向性でいくか、今回の形でいくかを検討した結果、今回のシステムとなりました。ただ、“いきなり沙汰”については、ストーリーの分岐を増やすためのシステムだとも取られがちなのですが、ストーリーの分岐を増やしたいというよりは、プレイヤーの意思を反映したいという考えで導入したシステムなんです。ですのでイベント中、抜刀したくなったら剣を抜いていただきたいなと思います。結果、タイミングによっては抜刀したことでイベントに進んだり、ということもありますので。「ここで抜かなきゃ男じゃないでしょ!」というところに隠しイベントを作ったりしています。“いきなり沙汰システム”の導入によって、遊びの幅が前作より広がったかなと思ってます。
――刀を抜かないで進行するよりは抜いて分岐させたほうがいいのでしょうか?
宏治郎 基本的に、抜刀は敵意の意思表示として使っているので、イベント中のキャラクターに対して抜刀したくなったら抜く、というのが通常の使いかたになります。場合によっては、そこからイベントが発展する場合もある、とお考えいただければと思います。分岐のことを考えて行動するというよりは、自分の意志を示した結果、別のイベントが発生する、と考えてもらったほうがいいかもしれません。
寺澤善徳(以下、寺澤) 抜刀した場合と、選択肢で敵意を示したときにも少し違いがありますよ。
渡辺一弘(以下、渡辺) ひとつのイベントの中でも、抜刀したポイントによって違うイベントへのフラグが立つなどもあります。もちろん従来どおり、会話の選択肢によって違いも出てくるので、ひとつのイベント内でも何度か試してもらわないと全イベントを見ることはできないかと思います。遊び尽くしたいユーザーさんには、ぜひすべてのポイントで試してみてほしいですね。
寺澤 さきほども言ったとおり、“いきなり沙汰”については、分岐を増やしたいという意識よりは、抜刀することで態度を示す、それを自分の好きなタイミングで表せるということがやりたくて採用したシステムなんです。選択肢はあくまで言葉じゃないですか。侍なら言葉よりも態度で示したいということがシステムの根本にあります。それに付随して分岐が広がっているんですよ。
宏治郎 基本的には、抜刀したらアクションシーンに突入して刀を振り回すんですよ。ただ、そのつもりでユーザーが抜刀したら違うイベントに進んだ、というようなことを口コミで「ここで刀抜いたら違うストーリーが始まったぞ」なんて感じで話が盛り上がる、ひとつのエッセンスになればいいなと。まぁ、エッセンスって言うほど数はないんですけど(笑)。でも、少なくはないです。
――イベント中の抜刀時のカットイン、すごく格好いいですよね。あれを見たら抜きたくなります(笑)。
渡辺 オリジナル武器を含めたすべての武器で、ビジュアルは変わります。また、刀や槍などによって、モーションも変化しますよ。
――武器ごとに違いがあるんですか! そういえばネギを使っているときにはイベントシーンのカットインでもネギを抜刀していましたね! あと、ネギもけっこう数値が違いますよね。畑を捜して、これはいいネギだ! みたいなこともありました(笑)。
宏治郎 ネギも、能力値はランダムですので、こだわるユーザーさんにはネギを何本も拾ってもらいたいですね(笑)。
■日数制限がなくなった理由
――『1』では2日、『2』では9日と、シリーズを通して日数制限がありましたが、本作のシナリオは、日数制限がとくにないですよね。無制限となった理由をお聞かせください。
宏治郎 日数関係なくずっとプレイしたいという意見が多くのユーザーさんから寄せられていまして。今回はそれを反映した感じです。『2』だと日数制限とストーリー進行を絡めていたので、日数が経過することでイベントが見られなくなることがありました。それもひとつのゲーム性だったのですが、今回は日数の経過とストーリー進行は分けられるんじゃないかと。それを分けたことで、何日間もまったりと祇州天奈で過ごしていたいユーザーさんは、イベントを進行しない限り、ずっと遊んでいられるようになっています。
――町でぶらぶらしてみたりとか。
宏治郎 そうですね。基本的にはイベントを見て物語が進むようになっているので、それ以外のことを楽しんでいるぶんにはエンディングは来ないようになっています。
――まったくイベントを展開させずに進めることはできるんですか?
宏治郎 そうですね。オープニング以外は、イベントを見ずにプレイし続けることもできますよ。
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■戦闘システムについて
――ではつぎに戦闘システムについてお伺いしたいと思います。本作は連殺システムがリニューアルされました。これによって戦闘がどんな風に変化するのでしょうか。
寺澤 『2』の連殺システムは、敵の縦斬り横斬りに合わせて防御を+ボタンのどちらに入れるかという対応で発生させましたが、今回はボタン入力指示でつなげていく形になりました。
宏治郎 リニューアルはしましたが、連殺システム自体の基本コンセプトはあまり変わっていないんですよ。シリーズをとおして、戦闘でコンボを楽しむユーザーさんはいましたが、それはどちらかというとマニアックな選択肢で、やっぱり必殺を狙うほうがベストの選択肢でした。今回の連殺は最終的には“合わせ”というテクニカルな要素から必殺につながるようになっています。上手い人は確実に合わせられますが、そうでない人はダメージを食らってしまうリスクがある。だからまず必殺を狙うか、安全に戦うかの選択肢を設けたという感じです。腕に自信のある人は連殺を狙ってください。『2』だと連殺自体は受動的なものだったんです。相手が来るのを待って、それをどう捌くか的な。『3』ではこちらから能動的に向かっていけるようになっています。
――『2』の捌きとは違い、一度連殺が発動したらポンポンいけるようになりましたね。テンポがよくなってよりチャンバラっぽくなったというか。
宏治郎 そうですね。必殺や連殺自体、時代劇の殺陣を表現したいというところから生まれているので。プレイしてる本人はボタンを見ちゃうのでなかなか演出を見られないんですけれど(笑)。つぎからつぎへと敵を斬っていく、時代劇のチャンバラシーンらしい感じはうまく出せたかなと思っています。
――合わせは難しいですよね。スタッフの方は簡単に連殺できるんですか?
宏治郎 そうですね。ふつうに100連殺してるスタッフもちらほらいますよ。僕は70連殺くらいで止まってますけれど(笑)。
――すごい!
寺澤 じつは開発当初は、連殺していると硬度ゲージがどんどん上がっちゃう仕様だったんですよ。だからテンポよく連殺をしていると、大体20連殺あたりの気持ちよくなってきたところで刀が折れてしまう(笑)。
宏治郎 硬度ゲージを減らしつつ、うまく連殺していってもらおうと思っていたんですが難しすぎたので。最終的にはやっぱり気持ちよさを優先しました。だから刀が折れてしまうという心配はせずに、100人斬りなどを目指してもらえれば、と思います。
――殺陣の面が進化していますが、敵を浮かせて空中コンボを決めるなどの面は残っていますか?
宏治郎 もちろん残っています。それを外してしまうと侍道っぽくはないかなと思いますので。今回は『1』に近いシステムで、“押し”や、“捌き”の要素も入っているので、相手の体勢を崩してコンボにいくなどの楽しみかたができます。さきほど出た、合わせから必殺に行くのではなく、こうした浮かせ技などのコンボを使って戦うことも可能です。ユーザーさんの好みに合わせて自由に楽しんでもらいたいと思います。
――なるほど。戦いかたもプレイヤーが自由に選べるんですね。
■“黙俺システム”のヒミツ
――ではつぎの質問ですが、新システムの“黙って俺についてこい”システム。通称“黙俺システム”と、システム名もユニークですが、これにはどんな楽しみがあるのかをお聞かせください。
宏治郎 これが本作のいちばん大きな変更点で、売りのひとつですね。どんな楽しみがあるかというと、いちばんは“寂しくなくなりますよ”ということかな。これはもちろん冗談ですけど(笑)。時代劇にあるようなシチュエーションで、プレイヤーがひとりの侍としていろいろ動き回るのは重要なんですけれど、仲間と何かするという要素はプレイしていて楽しいかなと。そこで、いっそ振り切って嫁さんにしてしまえということになりました。
渡辺 これは製作開始からいちばん変更があったシステムだと思いますよ。最初は本当にふつうの仲間として、よくあるゲームのようにただのサポートキャラとしての存在だけだったんです。ですが、それだとおもしろみがないですよね。今回は嫁に振ったことで、男女であることの意味合いを加えました。家に連れて帰ってからのやり取りなど、男と女だからおもしろい部分ってあるじゃないですか。それでこのゲームの自由度を膨らますことができたかなと思います。“黙俺システム”自体は、メインのストーリーとはまったく関係ないので、さきほど言ったようにイベントを進めないでゲームを楽しむうえでのひとつの、そして大きな要素になればいいなと思っています。
――なるほど。今回は嫁に焦点を絞ってゲーム性を膨らまそうということなんですね。ちなみにデートしたりはできるんですか?
宏治郎 連れて歩けるのが、もうデートみたいなものです(笑)。
――嫁候補の女性の数もけっこういますよね。
宏治郎 いまは10人くらい、性格や能力などのバリエーションも豊富に用意しました。ゆずという名前の、治療をしてくれるおばちゃんもいますよ。年齢で差別するのもよくないし、そういうニーズにも応えて(笑)。とにかく年齢の幅や性格などのキャラクター付けはしっかりしてます。そのほかにもいろいろと……、と、このあたりは実際にプレイしてみてユーザーさんの目で確かめてほしいですね。
――伴侶ごとに能力の違いなどはありますか?
宏治郎 単純に戦う、戦わないキャラクターという違いだけではなく、伴侶ごとに便利な能力だったりそうじゃなかったり、個性としていろいろ用意しています。こいつは便利だからとか、単純にこの子が好きだからとか、誰を伴侶にするのかという部分は、プレイする人の性格がすごく出るかなと思っています。
――たとえば便利な技能などは何がありますか
宏治郎 わかりやすいのは雪乃ですかね。
渡辺 刀箪笥の役割の子なんですが、どこでもこの子を連れていれば箪笥を呼び出して拾った武器をぽいぽい預けられるんですよ。通常、武器は3本以上持てないので、3本すでに持っているときに性能のいい武器を見つけた場合は、どれかを手放すか、一度自宅に戻って刀箪笥にしまわなければならないんです。でも、雪乃を連れていると所持数を気にせずに預けられるので非常に便利です。
宏治郎 便利なうえに雪乃は女性としても魅力的ですよ。とか言って、僕が連れているのは別のキャラクターですけれど(笑)。
――スタッフの中で人気なのはどのキャラクターなんでしょう?
宏治郎 伴侶では、とくに誰がいちばんとかはないかもしれません。そこらへんはスタッフの性格が出ていますね。
――そうなんですか。ところで伴侶を得る条件なんですが、なかに条件が難しいキャラクターもやはりいますか?
宏治郎 そうですね。すごく難しいキャラクターもいますよ。これは猫好きなユーザーさんが見つけてくれるかも? 詳細はぜひプレイして捜してみてほしいと思います。
渡辺 伴侶は見つけたあとがまたたいへんですよ。今度は家に連れて帰るにはどうしたらいいかの、もう一段階ステップがありますので。
宏治郎 ただ伴侶にしただけだと、伴侶ごとに時間が来たら帰ってしまうんですよ。同居してもらうと24時間ずっといっしょにいられるようになります。
――新しい伴侶が欲しくなったら、いま連れている伴侶を捨てて……という形になりますか?
宏治郎 基本的にはそうですね。
――基本的、というと?
宏治郎 伴侶と同居することになったら、連れて歩くだけでなく、留守番をさせることができるんですよ。そこで別の女性が鉢合わせて……。
渡辺 伴侶を連れて歩いていなければ、自分は外で浮気し放題じゃないですか(笑)。そこで別の人に声をかけて、自宅へ戻ると修羅場が……。
宏治郎 今回の“黙って俺についてこい”システムを嫁さんにしようと決めたとき、絶対やりたかったのが修羅場なんです。
渡辺 そもそもいちばん最初にシステムが立ち上がったとき、抜刀と土下座を戦闘以外で使いたいという発想があったんです。で、開発のメンバーたちと「どこで土下座する?」って話になったときに、「やっぱり嫁だな」って(笑)。それで、嫁に土下座をするシチュエーションを考えたら……修羅場か! という発想につながりました。伴侶どうしが鉢合わせしたときには、いきなり土下座してもいいし、逆ギレして刀を振り回しても……ね。
宏治郎 修羅場で抜刀できるのも『侍道3』かな(笑)。
――なるほど。システムのネーミングはどういう風についたんでしょうか、“黙って俺についてこい!”って。
宏治郎 どういう風にってのは難しいなぁ……。初めから“黙俺”って通称で言ってたので。
渡辺 これは“黙俺”が伴侶システムになるまえに決まってましたから。
宏治郎 最終的には、たしかに女性だけのほうがしっくりくる言葉ではありますよね。
――伴侶の中にはセクシーなキャラクターもいますね。
渡辺 雛菊(笑)。僕はドリフファンなので、ドリフのコントをやりたかったんです。昔、ドリフで夫婦コントってあったじゃないですか。どうしてもそれを再現したくて。お風呂にしますか、ご飯にしますか、それとも……みたいな(笑)。
――雛菊は、けっこうすごいことも言いますよね(笑)。すべての伴侶キャラクターに見せ場みたいなものは用意されているんですか。
宏治郎 そうですね。キャラクター性をいちばん重視していたので、キャラクターの個性を存分に引き出しながらユーザーの皆さんのご要望に答えられるようにはなっているかと思います。女性を伴侶にしたとき、画面下にプレートでメッセージが出るんですよ。それだけ聞くとシステムのメッセージかと思われると思うんですけれど、かすみのときは“かすみの伴侶になった”など、微妙に仕込んであります。かすみ“が”伴侶になったではなく、かすみ“の”伴侶になるという(笑)。
――かすみは時空を超えて登場みたいな形に?
宏治郎 基本的には別の人です。同一人物ではなく、祖先かもしれない、といった感じで。単純に嫁さんにするならかわいい子がいいだろうというところと、シリーズを遊んでくださってるユーザーさんにちょっとしたオマケとして用意しました。もちろんシリーズを遊んだことのないユーザーさんでも問題はないですよ。シリーズキャラクターのつながりは謎でいいと思っていますので。
――シリーズをとおして外国人キャラクターが人気の作品ですが、登場人物の中に外国人は用意されていないんですか?
宏治郎 秘密です(笑)。ただ唯一シリーズで皆勤賞の人はいるかもしれません。ウエスタンにもいましたしね(笑)。
――イベントシーンで伴侶を連れていることで、何か特徴的なことはありますか。
渡辺 伴侶を連れて歩いてるときとそうでないときに、同じイベントをやってみるとおもしろいですよ。イベントじゃなくても、土下座のときにいっしょに頭を下げたりしてくれるとか。
宏治郎 それはキャラクターによるんですけど。いっしょに頭を下げてくれてるいい子もいれば、勝手に突っ立っている子もいるなど、性格づけがしっかりされているのがわかってもらえるかな。
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■そのほかのシステムについて
――ほかのシステム的な部分で細かい改善点は何かありますか。
渡辺 今回から金庫が登場しました。
宏治郎 金庫がなくてもいいのですが、今回はお金を取ってくるスリが登場します。あまり大金を持ち歩いてると危険ですね。
渡辺 50文程度ならまだいいんですが、取られる額はパーセンテージで決まるので、大金を持っているととんでもない金額を取られますよ。
宏治郎 ほかにもストレスフリーということで、体力などでも最大HPを上げればつぎの周回プレイに反映されるなど、遊びやすさは増してますね。もうひとつ遊びやすさということで言うと、今回はゲームオーバーになっても刀を失うことがありません。それでもいい刀を手に入れたらセーブしようとか、死んだら嫌なのでセーブしよう、というのはありですけれど。
――ゲームオーバーになっても刀を引き継げるのはうれしいですね。
宏治郎 今回はシステム面であまりきびしい要素を盛り込むのではなくて、その部分はある程度フラットにして、要素を盛りだくさんにしています。それによって広がる選択の幅だったり、やり込み要素や難しさを楽しんでいただきたいと思っています。とくにゲームオーバー時の刀損失ということでいうと、今回は刀を全部集めるだけでもたいへんですし、オリジナル刀やパーツ集めとかになると……。いいパーツを手に入れたけど死んじゃった、となると、かなりきついと思うので。
――装飾品などの引き継ぎもありますか?
宏治郎 そうですね。装飾品も全部引き継ぎます。
――装飾品の数は前作では10数個だったと思うのですが、本作ではどれくらいの数になったのでしょう?
宏治郎 今回は80個くらい用意しました。それと今回はアクセサリー装着の仕様というか、作った人間の大きなこだわりがありまして。単純に数だけではなくて、編集機能も充実しています。装飾品の大きさだけでなく抜刀状態や納刀状態とかでも違う状態にできます。ボディーパーツにどの組み合わせをするかなどで無限の可能性があると思いますよ。
――装備するアクセサリーによって、能力に変化はない?
宏治郎 そうですね。そこはあえてこだわってそうしました。アクセサリーにパラメーターがあると、どうしても「強いものをつけたほうがいいよね」ってなってしまうじゃないですか。みんながみんな強くなるっていう目的のために同じアクセサリーをつけるのはやはりおもしろみがないので、あくまでも装飾品は見た目の問題だけになります。とことん自分好みの外見にしてもらうため、パラメーターをつけなかったというのはこだわりのひとつです。
――何かおもしろい装飾品はありますか。
宏治郎 おもしろいものばっかりしか思い出せないですね(笑)。『2』だと装飾品はオマケの比率のほうが大きかったんです。今回は時代劇ものとして、絶対こういうものは欲しいよねという装飾品は押さえておこうということになっていますので、そのへんは安心していただいていいと思います。もちろんそれ以外の、おもしろいものが好きなユーザーさんでも楽しめるものもたくさん用意していますよ。
――具体的にはどのようなものが?
渡辺 ドリフのコントに出てくるような物はありますよ。白鳥のアレとか、雷様のアレとか。
宏治郎 しかもそれを頭とかお尻とかにつけたりもできますから。
渡辺 好きな箇所につけられる意味合いは大きいですよ。そのままイベントシーンに突入したり。ばかばかしい恰好をしながら大まじめな顔でシリアスなイベントが始まったりすると、思わずニヤリとしてしまいます。
宏治郎 細かい装飾が苦手かも、と思うユーザーさんでも、たとえば単純に抜刀したときだけ般若の面がつくようにするなど、キャラクターの状況ごとに設定できるので、それだけでも十分楽しいと思います。
――なるほど。今回はストレスフリーということで、全体マップから移動ができるようになり、さらに移動先のイベントが“小さな予感”という形で見えるようになったことで、ユーザーさんの遊びやすさが増したように思うのですが。
宏治郎 そうですね。遊びやすさという点を最重要視して開発しましたので。マップのシステムに関してはユーザーさんの好みが分かれるところで『1』みたいに自分の足で移動して歩きたいと思う人もいれば、『2』のようにマップ上でジャンプして移動するのを便利だと思う人もいる。ただ今回ひとつのマップが過去作と比べて大きくなっているので、行きたい場所に行くだけでもすごい時間がかかってしまうことがあるのも事実です。それが嫌なユーザーさんもいると思うので、じゃあどちらの移動方法も入れちゃえ、となりました。
――フィールドのつながりがある『1』のシステムを再現しつつ、『2』の全体移動のシステムも入れたのが今回の『3』というわけですね。
寺澤 『2』にしたとき、ユーザーさんの反応が両方だったんですよ。何でこんな味気ないものにしちゃったの? という意見と、本当に便利になってよかったという意見。その意見のどっちのほうが多いというわけではなく、両方が純粋にユーザーさんの声として聞こえてきていたんです。今回の両方採用で、どちらのユーザーさんにも満足していただけるかなと思っています。
宏治郎 単純に『1』のシステムに戻っただけだと、それはそれで不満の声が出ると思うので。『2』のは便利で、イベントだけ見ようとするとマップワープで済みます。けど、それだと落ちているアイテムをぜんぜん拾えなかったり、おもしろいイベントを見逃したり、伴侶候補のキャラクターと出会えなかったりというようなこともあります。自分で歩いたなら歩いたなりの、色々な発見というのも用意しているんですね。マップ移動に関しては、プレイスタイルに合わせて使い分けてもらうのがいちばんいいかなと思います。
――実際のマップなんですけど、前作とかなり変わった印象を受けました。
宏治郎 今回は高低差のあるマップに戻しましょうと当初から言っていました。シリーズ的に戦闘ではコンボの楽しさなどがあるので、急勾配などの平地では入らないコンボが入ったりもします。狙ってやるのは難しいと思いますが、コンボを捜すのが楽しみな人はぜひ狙ってみてほしいですね。また、今回はオリジナル刀があるので、開発側が想定していないような、「こんなつながりかたがあるんだ!」というようなコンボをユーザーさんが見つけてくれる可能性もあって、僕自身も楽しみにしています。
――移動してみて思ったのは、ものすごくキビキビと動く! ということでしたが、このへんもストレスフリー?
宏治郎 ずーっとダッシュしてて、真後ろに入れたときだけはズサーって感じでターンのモーションが入るんですけど。レバーを入れた瞬間にそっちに移動してくれたほうがユーザーとしては触っていて気持ちいいと思うんですよね。ただ次世代機だし、振り向くときはやっぱり振り向きモーションを入れたほうがいいんじゃないか、とか、モーションに関しても色々と検討したのですが、レスポンス重視でいきましょうということで、この仕様になりました。触って楽しい、煩わしさを感じないような作りにこだわりました。
――細かいところでは走りながら抜刀したりとか。前転大根抜きとか(笑)。色々なことがボタンひとつで気持ちよくできるのが印象的です。あ、そうだ大根と言えば、高種村で大根を取ったりすると好感度が下がったりするんですか?
宏治郎 リアクションはするんですけど好感度は下がってないです。そのへんはユーザーさんの良心に任せる感じにしています。開発でも、俺はキノコ派なんです、大根は悪くて抜けません、というスタッフもいますよ(笑)。
――シリーズの伝統としてありますよね、拾って食うみたいな部分は。
宏治郎 大根はやっぱり蹴って拾ってほしいですよね(笑)。
――フィールドなんですが、今回道行く人の個性がいままでに増してすごいなと思いました。春画を集めてる人とか、何でも「アレ」でしかしゃべれない人とか、変ってる人が多いですよね。おもしろい人物やお気に入りの人物について教えてほしいのですが。
宏治郎 ベタですけど、高種村渡世発行人の、お婆ちゃんのみさえは最高傑作かなと思ってます。「若者は若さのなんたるかを知らんのです」って言ったら、「何言ってんの?」とか言われた瞬間には脱帽しました。あとは、ほかの渡世発行人キャラクターもいい味を出してるかなと思っています。渡世発行人は4人いて、村と城、山城と町にいるんですけれど。そこらへんのキャラクター立てはうまくいったんじゃないかなと思っています。
寺澤 アクワイアが作るセリフまわりっていうのは、時代設定に囚われないですよね。ふつうだと、その時代のころの言葉に近いようにしゃべらせたり、どうしても時代設定に捕らわれてしまいがちだと思うんです。なのにいま風な受け答えをふつうにしてくるのがアクワイアらしさであり、ゲームをおもしろくしている大きな要素だと思います。勝負下着とか(笑)。この時代そんなものあったか! って(笑)。
渡辺 勝負って何だよ、と(笑)。
――では4人の渡世発行人には注目という感じですね。注目といえば、琵琶法師もおもしろいですよね、歌を歌ってくれたり。
宏治郎 前作では“青戸組の歌”があったんです。それの人気にお応えして、今回も歌が入っているって感じですね。登場人物たちの話で言うと、『2』のときはシミュレーションっぽい要素があって、町の人などはどっちかというと無個性に作っていました。でも今回はそこにいる人たち、そこで暮らす人々の空気をきちんと再現しようということで個性をつけて作っているので、そのあたりは前作よりもだいぶ楽しめると思います。
――いつも迷ってる人とかもいますよね。話しかけると毎回ここどこだって言っているような。
宏治郎 そうですね。腹減ってキノコばかり捜してるヤツが、後半になるとずっと笑いまくってたりもしますよ。こいつ何食べちゃったんだみたいな(笑)。
――ひとりのキャラクターのセリフのパターンも、すごく増えてますよね。
宏治郎 そのへんは本当に苦労したところで。そういった意味ではセリフのバリエーションもとても多く、個性も際立たせているので、ひとりキャラクターを増やすのにすごく手間がかかりました。
寺澤 僕がこういうキャラクターをひとり入れたらおもしろいんじゃない、とか言うと「どれだけ時間かかるか、わかってるんですか!」って言われたりもしましたから(笑)。
――嫁のセリフにしても本当に凝ってますしね。性格づけが本当にしっかりしています。
寺澤 そのへんはやはり、プレイステーション3だからできたことなんですよね。
宏治郎 NPCのAIのリアクションが前作から比べて格段にパワーアップしているので。個人的には、高種村にいる頭に角をつけてる“名無し侍”にも注目してほしいです。
――彼はどういうキャラなんですか?
宏治郎 今回、主人公はある合戦で傷ついて落ち武者になってるところから始まるんですが、彼はプレイヤーと同じ側に属している人物です。言ってみれば高種村にたどり着いた、もうひとりの主人公的な設定です。
――彼に注目して関わっていくとおもしろいことが起きるんですね。
宏治郎 そうですね。たぶん注目しなくても、彼のほうがプレイヤーをライバル視して勝手に関わってくるとは思うんですけれど(笑)。伴侶と会話中に自宅を覗き込んできたりもしますし。
――話は変わり、武器についてですが、武器って同じ種類でも性能が違うじゃないですか。オリジナル用のパーツとかには性能のランダム要素はないんでしょうか?
宏治郎 パーツにもランダム要素はありますよ。同じものでもけっこう変わる感じです。
ですので、本作のオリジナル武器に関しては、本当にユーザーの皆さん誰ひとりとして同じものを作ることはできないんじゃないかと思います。
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■ユーザーへひとこと
――それでは最後に、ユーザーさんの期待も高まっていると思います。期待されているユーザーさんに向けてひと言お願いします。
宏治郎 シリーズの集大成というところに意識をおいて、いままでユーザーさんに楽しんでもらっていた部分は押さえつつ、ボリュームアップをしています。新システムを導入することで、シリーズをとおして好評をいただいていた部分に関しても、より楽しめるようになっていますので、ぜひご期待ください。
渡辺 NPCどうしの絡みなども笑えます。彼らの生活をただただ見ているだけでも楽しいですよ。たくさんセリフとかアクションを仕込んでいるので、ぜひ細かいところまで見てくほしいですね。
寺澤 『1』から『2』になったときにあきらめたものも少なからずありました。あきらめるけど、その分新しい遊びを提案してきた。『3』はさきほど集大成と言う言葉が出ましたけど、まさにそのとおりになっています。『1』のよかったところ、『2』であきらめたところも掘り起こして復活させています。もちろん『2』のよかったところもパワーアップして正統進化していますよ。ただ、集大成と言いつつも、まだまだ『侍道』シリーズは続けていきたいですけどね。やりたいことはたくさん残っているので。いっぱい売れてくれるとうれしいですし、そうしてつぎへステップアップしていきたいなとも思っています。
――どうもありがとうございました。
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侍道3 | |
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発売日 |
2008年11月13日発売 |
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価格 |
7770円[税込] |
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テイスト/ジャンル |
時代劇/アクション・アドベンチャー |
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備考 |
開発:アクワイア、プロデューサー:寺澤善徳/渡辺一弘、ディレクター:遠藤宏治郎 |
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