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『テイルズ オブ ハーツ』プロデューサー馬場氏と白組・小池氏にインタビュー

2008/7/18

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●週刊ファミ通に掲載されたインタビューを全文公開

 

 『テイルズ オブ』シリーズのマザーシップタイトルとして発売されるニンテンドーDS用ソフト『テイルズ オブ ハーツ』。週刊ファミ通2008年7月25日号(2008年7月11日発売)では、本作のプロデューサーを務める馬場英雄氏と、3DCGを手掛ける白組の小池学氏のインタビューを掲載した。ここでは、誌面では掲載しきれなかった部分も含め、インタビューの全文を公開。


株式会社白組
小池 学
Manabu Koike

プロデューサー
馬場英雄
Hideo Baba

  

――『テイルズ オブ』シリーズは、本編と言える"マザーシップタイトル"と外伝的な"エスコートタイトル"がありますが、『テイルズ オブ ハーツ』(以下、『ハーツ』)はどちらに分類される?

馬場英雄(以下、馬場) マザーシップタイトルと考えています。昔で言うところのナンバリングタイトルですね。つぎの『テイルズ オブ』シリーズを模索していく中で、どのハードで出すかを考えていたのですが、2Dで出すことは決定していました。『シンフォニア』や『アビス』、『ヴェスペリア』といった3Dの『テイルズ オブ』とは違い、やはり2Dが表現できるハードを考えると、今後はハイエンドの据え置き型よりも携帯型ゲーム機がメインになっていくと思います。

――今後は2Dと3Dの『テイルズ オブ』を両方出していかれると思いますが、どちらに比重を置かれていくのでしょうか?

馬場 比重は基本的に、現状と変わらないですね。なぜかと言うと、2Dの『テイルズ オブ』を求めているユーザーさんもいますし、3Dの『テイルズ オブ』を求めているユーザーさんもいますから。ただ、いままでのシリーズの歴史の土台を作ってきたのは、初代からの流れの2Dなんですよね。時代の流れで出てきた3D表現手法を使って、新しい『テイルズ オブ』を表現できないかというところから『アビス』や『ヴェスペリア』という表現方法が生まれました。こちらもしっかりと完成されていますので、どちらも続けていきたいです。

――今回は2Dの『テイルズ オブ』ですが、背景には3Dの要素が入っている?

馬場 そうですね。マップ表現などは、基本的に3Dです。プレイステーション2版『デスティニー』と同じですね。あの技術をそのまま踏襲してます。

 

 

――つぎの『テイルズ オブ』シリーズの新作は"H"が頭文字だという情報が出ていましたよね。

馬場 つぎのタイトルが"H"というのは、うちの吉積が公演で言ってしまったんですよね。その翌日、僕のとこに来まして「馬場ちゃんごめん、言っちゃった」って(笑)。そのとき、ファミ通.comさんが取材で来ているって知らなかったらしいんです。で、載ったのを見てヤバイと思ったうようで、慌てて私のところに来たんです。

――タイトルにはどういった意味が?

馬場 我々はつねに、新しいタイトルごとにメッセージを込めているんです。これまでのシリーズでは、"共存"が大きなひとつのテーマとしてありました。『ハーツ』ではその伝統を受け継ぎつつ、日常の生活の中でひとりひとりが抱えている心の問題や、人とのコミュニケーションなど、いろいろな意味での心のつながり……。たとえば、塞ぎ込んでいる人に"ハーツ"を与えることで、自分自身を見失いがちないまの世の中で、踏みとどまってがんばろうという勇気と後押しができるようなメッセージ性を込めたり。そういった意味で『ハーツ』、"心"とつけてたんです。実際、物語の中でも、人と人との心がわかり合えて、自分はひとりじゃないんだという通じ合う部分をキーとしていますので、そこを楽しみにしてもらいたいですね。

――なるほど。

馬場 いろいろなことがあって心が傷ついたり、元気がなくなってしまったりと、いまの時代、いろいろあると思います。こういったことに対して、自分では知らなかった自分の心の強さをどうやって気づくか。さらに、知らなかった自分に気づくということで、自分の生活や未来にどのような転機が訪れるかということを『ハーツ』で伝えたいと思います。

――『ハーツ』というタイトル自体は、頭文字が"H"と呼ばれるまえから決まっていた?

馬場 だいぶまえから決まっていました。今回は"心と出会うRPG"ということで、やはり自分との対話や、対話の中で芽生えた新しい考えかた、それを言葉としてしっかりと伝える勇気、人とのコミュニケーションといったところをメインに表現していきたいです。

 

 

――馬場さんは、本作の開発にどのように関わっていますか?

馬場 今回は肩書きがふたつあるのですが、まずひとつは、ブランドマネージャーです。これはシリーズを、これからどうしていくのかということを個々に考えるのではなく、フランチャイズ全体をトータルで考えていくというものです。私がプレイステーション2の『デスティニー』を手掛けていたときから、すでに年間数タイトルのリリースというラインアップが組まれていましたので、このへんも含めて、ブランドの価値やこれからのシリーズはどうあるべきかを考え、整理、調整しています。今回はブランドマネージャーをやりつつも、本作では企画の立案の段階からやっていましたので、プロデューサーを兼任している感じですね。ほかのタイトルで言うと、たとえば『ヴェスペリア』などは、ある程度、郷田に任せています。

――ブランドマネージャーとして初めて携わったのは……?

馬場 いちばん初めは『イノセンス』ですね。そのときもブランドマネージャー兼プロデューサーでした。

 

 

――本作の開発はテイルズスタジオになっていますが、プレイステーション2版『デスティニー』の開発スタッフが中心になっているのでしょうか?

馬場 じつは、まったく新しいチームです。『シンフォニア』チームと『デスティニー』チームの融合と言ったほうがいいですね。

――それぞれのチームが混ざっている?

馬場 いいとこ取りでやってますね。今回はチームを融合して、新しいチームをいくつか作っています。

――ニンテンドーDSの『テイルズ オブ』シリーズでは、今回初めてテイルズスタジオが開発を担当していますよね。

馬場 やはり彼らの中にも、これまでシリーズを作ってきたという自負があると思いますので、今回は気合を入れて作っていますね。ものすごくモチベーションが高く、現場は明るいですよ。

――『ハーツ』の開発は、いつぐらいから始まったのですか?

馬場 開発はプレイステーション2版『デスティニー』のデバッグがちょうど終わるころだから、2006年冬くらいですね。そこから構想を始めて、実際に動き始めたのは去年の春まえくらいからです。

――では、開発期間は約2年ですね。それは、ほかのニンテンドーDSの2タイトルと比べて長いのでしょうか?

馬場 ほとんど変わらないですね。しかし、ボリューム的にはいままでの2作品より圧倒的に多いので、現場のスタッフはきりきり舞いでやってると思います。

――今回、ニンテンドーDSで3作目ということで、慣れた部分もある?

馬場 我々のほうは慣れはあるのですが、テイルズスタジオは今回が始めてです。ですが、2Dの表現は手なれているので、ニンテンドーDSのハードの特徴やスペック、メモリーの使いかたといった計算をきちっとやれば、『テイルズ オブ』でやるべきことは基本的にほかのハードと変わらないですね。

 

 

――本作のムービーが、CGで表現されるようになった理由は?

馬場 いままでの『テイルズ オブ』シリーズは、基本的にはアニメーションで構成していました。アニメーションには、ユーザーさんの思い入れがすごくあって、我々としても引き続きやっていきたいと思っています。しかし、いままで13年間培ってきた表現ではありますが、前期の目標であった"超越"という言葉を受けて、新しい『テイルズ オブ』の表現を模索しようと考えたんです。このまま同じ路線でいくのも伝統ではありますが、マンネリ化が進んでしまいますし、よくないということで、いちばんユーザーさんが考えていなかったであろうCGでの表現にあえて踏み込んだんです。"テイルズ=アニメ"というイメージがありますが、こういった表現の『テイルズ オブ』がありなのか、なしなのか。やらないよりは、1回試してみたいという思いはありましたね。じつはCGムービーだけではなく、プロダクションI.Gによるアニメーションムービーも用意していますよ。

――CGムービーとアニメーションムービーの両方が楽しめる?

馬場 そのへんの仕様は、今後明らかにしていく予定ですので、しばらくお待ちください。

――いままでのファン以外に、新たなファンを獲得したいという思いも?

馬場 もちろんありますね。アンケートで、ご意見や感想をいっぱいいただくんですよ。その中で、「『テイルズ オブ』に興味はあるけどアニメでしょ」といったものがけっこう多かったんですね。我々としてはそれが非常にもったいないと思っていて、興味があるのにやっていただけないというところに歯がゆさを感じていたんです。とは言え、テイルズ=アニメというのも自負として持っていましたので、そこを崩すか否かとをすごく考えましたね。

――その思いが、ふたつの表現方法になったんですね。

馬場 CGだけにしちゃうと、これまでのユーザーさんを切ってしまうことになりますので、絶対によくないと思うんですよ。ですから両方用意して、ユーザーさんが選択してくれたらと思います。

 

 

――今回、白組に仕事の依頼が来た経緯は?

小池学(以下、小池) プレイステーション2版『デスティニー』のときに、イベントムービーの作成をさせていただきまして、そのお仕事が本作につながったのかと思います。

――今回で、『テイルズ オブ』シリーズに関わったのは2回目?

小池 白組としては2作目ですね。

――CGの制作は、どういった流れで行っていくのでしょうか?

小池 まずは、いのまた先生からキャラクターのデザインをいただきまして、そこからリアルなCGに起こしていきます。もちろん大まかなデザインは決まっていますが、基本的には自由に表現してくださいというスタンスでしたので、先生のデザイン画をもとに、これをリアルにするとどういう風になるのか、といった研究からスタートしましたね。キャラクターはリアルな表現になっていますので、背景も当然リアリティーを追及したものになっています。

――ハードがニンテンドーDSということで、ゲームではいま作っているCGよりも解像度が落ちてしまう?

小池 その点に関しは、弊社で仕事を請けさせていただく以上、媒体はどうであれ、いい映像を作るというスタンスは変わりありません。それがゲームであれ、CMであれ、映画であっても。今回、ニンテンドーDS用の映像を作るということは、ほとんど意識していないですね。新世代機向けに使っても、十分な解像度で作業をしております。

――もとの映像を、ゲームでは見ることができないのは残念ですね。

小池 イベントなどでは、ユーザーさんに美しい映像を見ていただきたいと思います。ほかにも、プロモーション映像やCMなどで見ていただけると思いますよ。

――いのまた先生のキャラクターをCGにするということで、とくに気をつけた点は?

小池 やはり『テイルズ オブ』である以上、キャラクターを始め、最終的には『テイルズ オブ』にしなきゃいけないという思いはありました。当然、いのまた先生のデザインを活かしきったうえで、顔の造形や目の大きさなどをキープし、リアルな方向性を探るというところが難しかったです。

馬場 1、2回目のチェックのときは、いろいろと指示を出しましたが、そのあとはほとんど問題なかったですね。そこはさすがだなと思いました。

 

 

――たとえば同じイベントシーンで、アニメとCGでは表現や見せかたを変えたりしていることは?

馬場 まず注意したのは、各シーンで伝えるべきこと。アニメであろうとCGであろうと、演出が変わるにしても伝えるということは同じである、ということが大前提になっています。その中で、カット割やキャラクターの動き、演出などを変えてもオーケーというスタンスでやっています。

――アニメはプロダクションI.G、CGは白組が担当していますが、カット割りに関してはそれぞれが行っている?

馬場 プロダクションI.Gさんには監督が立ちますので、I.Gさんでコンテを切ってもらって、我々がチェックしています。CGのほうは、白組さんのほうでお願いをしたかったのですが、今回はスタッフの人員の問題やスケジュールの問題で、我々が行うことになりました。

――アニメのコンテを参考に、CGのコンテを作られている?

馬場 それは違いますね。字コンテがあって、それをそれぞれ絵コンテにしていきます。完成した絵コンテは、同じシーンでもまったく違う表現になることがありますよ。

――ちなみに、映像の総時間数は2バージョン同じくらいに?

馬場 だいたい同じくらいですね。時間で言うと、『イノセンス』の5、6倍ぐらい? おそらく全部で10数分は入る予定です。

――シーンによっては、アニメのほうが長かったりといった微妙な誤差はある?

馬場 それはありますね。たとえば、このシーンは尺がこれくらいで、という決まりは設けていませんので。お互い違う持ち味がありますから、最大限に表現を活かすことを基本としています。

――ムービーシーンには声優の声が入ると思いますが、声は共通のものを使っている?

馬場 若干違いますね。同じシーンでも、声優さんに2回録ってもらっている部分もあります。表現が違うところがありますので、同じボイスが使えないことがあるんです。

――CGムービーで表現の難しいシーンや見どころは?

小池 現在公開しているのは暗いシーンですが、『テイルズ オブ』と言えば、明るい空やきれいな緑とか、基本的なイメージカラーがあると思います。そういった爽やかな世界を、リアルなムービーで表現できればいいなと考えています。いままさに制作中なのですが、そこの表現をいちばん見てほしいですね。

――ちなみに、この暗いシーンはゲーム序盤でしょうか?

馬場 そうですね。思いっきり序盤です。

 

 

――今回のROMは2ギガビットということで、前作の倍になっていますが、やはり容量を増やした理由は、ムービーや音声といった部分が大きい?

馬場 もちろんそこも大きな要因ではあります。ただ、もうひとつ言えるのは、プレイステーション2時代の『テイルズ オブ』を、ニンテンドーDSで表現するということを大前提の目標としてで開発しています。フルボイスとまではいきませんが、なるべくしゃべらせる。そして『テンペスト』と『イノセンス』では、オープニングとエンディングだけムービーでしたが、本作では幕間もちゃんとムービーで表現したかったんです。あとは、ゲームのボリュームですよね。タウンやインドアの数、ダンジョンの数などを考えていくと、とても1ギガじゃ収まらない。2ギガになってもいっぱいいっぱいですけどね。どうまとめようか、いまいちばんの悩みどころです。

――容量的にはどれくらい欲しいですか?

馬場 4ギガビットくらいあれば、納得のいくものができるかもしれませんね。そうなったらそのときは、またいろいろな欲が出てきてしまうと思うのですが……。

――ちなみにムービー部分は、アニメとCGで容量は変わってくる?

馬場 若干変わりますね。CGのほうが、若干大きいと思います。

――オープンニングとエンディングは、やはりムービーになる?

馬場 オープニングはCGとアニメでそれぞれ表現していますが、エンディングはどういうものにしようか、ちょっと構想中なんですよ。

――オープニングには、当然テーマソングが流れるものに?

馬場 入りますよ。両方同じ曲を使用しています。

小池 CG版のオープニングは現在制作中ですが、すごいカット数になりますよ。

――アニメ版のほうも現在制作中でしょうか?

馬場 アニメ版はほぼ完成しました。

――どちらがインパクトがある?

馬場 アニメはアニメで、いままでの『テイルズ オブ』の伝統を受け継いでいます。逆に今回のCGムービーは、我々が表現したいもので、それを白組さんはすごく理解してくれていますので、どっちもいいものに仕上がると思います。どちらもインパクトはありますが、CGのほうがより印象度としては大きいと思います。

 

 

――戦闘シーンの画面構成は、プレイステーション2版『デスティニー』に近いものになっていると思いますが、その理由は?

馬場 プレイステーション2版『デスティニー』の戦闘システムの評価が、ものすごく高かったんです。我々としても、2Dの『テイルズ オブ』の戦闘システムでは、これ以上はないというぐらい完成度が高いものになっていると思っていましたので、ベースはそれを踏襲しています。さらに、プラスアルファの要素をたくさん盛り込んでいますよ。ですので、よく動きますし、よくしゃべりますし、空中でのコンボもできますよ。

――戦闘に参加できるキャラクターは3人?

馬場 そうなります。

――敵はどのくらい同時に出現する?

馬場 システム的なところで言うと、あまり多くは出せないんです。エフェクトや攻撃のモーション、ボイスやBGMなどをメモリーに使いますので。よりたくさん出せるように、現在調整中です。

――戦闘画面のゲージなどは、プレイステーション2版『デスティニー』と同じと考えてイイでしょうか?

馬場 概念は似ていますが、ちょっと違います。それは今後、明らかにしていきたいと思います。

――ニンテンドーDSということで、ボタン配置はプレイステーション2と違うと思いますが、操作はどうなっているのでしょうか?

馬場 本作の戦闘は、タッチパネルも使います。ただ、爽快感をなくしたくないので、基本的な操作性は変えておりません。ユーザーさんのプレイスタイルにもよりますが、やりかたによってはタッチパネルをかなり使っていくと思いますよ。

――プレイヤーの戦いかたによって、タッチパネルを使う頻度が変わると?

馬場 変わってきますね。もちろん、タッチパネル使わなくても戦うことはできます。

――マイクを使うシーンは?

馬場 マイクは、いまのところ使う予定はないですね。

――移動中などでも、タッチパネルは使うことはできる?

馬場 そうですね。メニュー画面なども、タッチパネルを活用することできないか検討中です。

――今回の戦闘には"コンビネーション要素"があるそうですが、これは戦闘に参加しないパーティーキャラクターと協力するという意味でしょうか?

馬場 戦闘中のコンビネーションといった意味合いもあるのですが、戦闘に参加していないパーティーキャラクターを呼んで、合体攻撃をすることができるんですよ。あと、じつはですね、それだけじゃないんですねぇ。

――パーティーキャラクター以外に、誰かを呼べる?

馬場 はい。これはゲームをしてからのお楽しみということで。

――今回も、戦闘でグレードを貯めるといいことがありそうですね。

馬場 そうかもしれないですね。楽しみにしていていください。

 

 

――今回、キャラクターがふたり公開されていますが、ニンテンドーDSということで低年齢層向けかと思いきや、大人びた感じの印象を受けました。それには、何か意図が?

馬場 いままでより頭身を高くしたいという考えがあったんですよ。ゲーム中の表現は2Dなので3頭身とかになってしまうのですが、イラストなどに関してはリアリティーを求めたいので、高めの頭身でお願いしました。ニンテンドーDSで3作目ということもありますし、マザーシップタイトルですから、いのまた先生に描いていただくイメージもちょっと変えたいというところもありました。

――いのまた先生にキャラクターをお願いする際に、イメージをお伝えすると思いますが……。

馬場 まずは、キャラクターの個性から話をします。たとえばシングは、つねに二カーっと笑っているような男の子で、小さいころから村に住んでいて、外の大きな世界に出たことがないんですよ。なので、すごく世界に興味を持っていて、好奇心が強い男の子なんですね。当初、我々のほうで黒いライダースーツ系というイメージでお願いはしたのですが、別にサイバーチックなイメージとは言っていないんです。武器の"ソーマ"が、けっこうサイバーチックなデザインになっているので、先生のほうに、ソーマをつけたときに違和感のないデザインにしてほしいという話はしましたね。

――ヒロインのコハクは、どういったイメージで作られたのですか?

馬場 この子は、清純派の本当のヒロインとして作ってほしかったんです。黒髪でスラーっとしていて、いままでの王道のRPGのヒロインの中でも、もっとも女の子らしいヒロイン。見た目としてはかわいらしい。そういったことを先生にお伝えしました。ちなみに、性格としては、勝ち気でストレートすぎるところもあるが、感性豊かな明るい女の子です。

 

 

――本作の世界では"スピリア"が重要になってくると思いますが、これはシステムにも絡んでくる?

馬場 システムというより、物語の中ですごく重要になってくる言葉ですね。スピリアは心や精神、想いといったものになります。

――さきほどの話にも出た"ソーマ"は特別な武器だと思いますが、これはどういったものでしょうか?

馬場 ソーマはこの世界において、それほど多くは存在しないものなんですよ。ソーマの秘密は、物語の後半で解き明かされていくことになります。これ以上はまだ深く説明できないなぁ。それだけ重要なものであるということです。

――プレイヤーキャラクター全員が持っているようなものではない?

馬場 のちのちは持つことになると思いますが、初めから全員は持っていないですね。

――ソーマがないと、"スピルメイズ"に入ることができないとのことですが……。

馬場 そうですね。ソーマを明確に説明すると、この世界では現在、心が汚染されて混乱して起こす暴走現象の病気が多発しているんです。心に"ゼロム"という魔物に取り憑かれてしまうことで、心が病んでしまうんです。たとえば、怒りやすくなってしまうとか、つねにマイナス思考になってしまうとか……。その病気を治すために必要なのものがソーマなんです。

――なるほど。

馬場 ソーマを使うことによって、その人の心の中に入り、心の奥の奥に向かう……。たとえば私で言うと、会社の人には心をここまでしか見せないけど、親友にはここまで踏み込んできていいとか、そういった部分があるじゃないですか。そういった、いちばん深いところにある心の根源に"スピルーン"という結晶があるんです。そこに取り憑いた魔物が、人の心に影響を与えてしまうと。そういった病気が頻繁に多発してきているので、ソーマを使って心に潜るんです。そして、スピルーンに取り憑いている魔物を倒す。ソーマは、治療の道具でもあるんですね。でも、じつはそれだけじゃないんです。

――ほかにも使い道があるということですか?

馬場 この世界の歴史上、すごく重要な使われかたがあったんです。人ってわかり合えないことが多いじゃないですか。昔、心がすさんでいった人たちに対して、ソーマを着けることによって、人と人をお互いに深く理解し、わかり合う。もともと、心をつなぎ合わせようとするためにソーマが作られたんです。本当はソーマを着けなくても、いろいろな人と心がわかり合えなくてはいけないんだけど、そういうことができない時代があったんです。それを補うためにソーマを着けて、"ソーマリンク"をすることで、人と人がわかり合えるようになったんです。

――ソーマリンクとは、ソーマを持った人たちがわかり合うために行う能力、という認識でよろしいでしょうか?

馬場 そう思っていただいて、大丈夫です。

――スピルメイズという場所は、ダンジョンのような形で挑戦していくことになる?

馬場 そうですね。人それぞれ心は違いますので、スピルメイズの形もさまざまなものになっております。

――ゼロムは昔からいたけど、最近になって急に増えたのでしょうか?

馬場 もともと昔から存在していました。急に増えたのは、物語の事件のひとつになっています。

 

 

――今回公開された、浜辺で倒れているコハクを主人公が救うシーン。ほかにもひとり倒れていますが、これら3人が序盤のパーティーキャラクターになるのでしょうか?

馬場 しっかりと見てますね(笑)。物語の冒頭で出会うキャラクターになります。

――画面の中に"ヒスイ"という名前がありましたが、コハクと同様、宝石のような名前ですよね。

馬場 人の名前に共通性を持たせられたらと思いまして。宝石にたとえて名前をつけているんです。ほかにも、宝石に由来した名前のキャラクターがけっこう出てきます。

――ヒスイというキャラクターは重要そうな感じがしますが……。

馬場 どうでしょうか(笑)。彼に関しては、今後明らかにしていきます。

――フィールド画面のカメラアングルは、これまでのシリーズに比べてかなり位置を落としてますよね。

馬場 広がりのある世界を表現したかったんです。『デスティニー』や『リバース』で培った技術が活かされています。

――カメラは回すことは可能?

馬場 カメラは基本的に固定になっていますが、ビジュアルのスタッフが試行錯誤しながら表現の手法などを工夫していますので、楽しみにしていてください。

 

 

――最後に、本作にかける意気込みをお聞かせください。

小池 アニメではない、CG映像としての『テイルズ オブ』を、受け入れてもらえたらと思います。親しみのある映像を完成させたいですね。

馬場 まず、『テイルズ オブ』シリーズを長年楽しんでくれて、応援し、愛してくれているユーザーさんには本当に心から感謝しています。本作は、そういったユーザーさんや、これから『テイルズ オブ』を始めてくれる方々に向け、我々がマザーシップタイトルをどう模索して表現していくかということを、考えながら作っているタイトルです。その中で、ひとつの原点で伝統ある2Dの『テイルズ オブ』の進化を、そして新たな挑戦を、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。あとは、我々が今回の作品に懸けた想いを、すべてのスタッフひとりひとりのそれぞれの想いを、プレイしていただいて感じていただければうれしいですね。

――発売はいつくらいを目標に?

馬場 いちおう、今年の冬目標で作っております。

――2008年の12月ごろですね。ありがとうございました。

 

※関連記事はこちら

※本インタビューは、週刊ファミ通2008年7月25日号に掲載されたインタビューを再構成したものです。

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