『不思議のダンジョン 風来のシレン3 〜からくり屋敷の眠り姫〜』キャラクターデザイナー・長谷川薫氏にインタビュー
●『風来のシレン3』のキャラクターデザインの秘密に迫る
Wiiでついに発売された『不思議のダンジョン 風来のシレン3 〜からくり屋敷の眠り姫〜』(以下、『風来のシレン3』)。入るたびにその構造や落ちている道具、敵の配置などが変わるダンジョンを攻略していく、RPGだ。このシリーズ最新作では、ゲーム中のシレンたちの等身が上がっており、意匠も非常に凝ったものになっている。
そんな『風来のシレン3』のキャラクターデザインを手掛ける長谷川薫氏に、週刊ファミ通2008年6月13日号(5月30日発売)ではインタビューを敢行。その全文を、ファミ通.comで公開する。
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長谷川 薫氏 |
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チュンソフト所属のデザイナー。『風来のシレン』シリーズのキャラクターデザインを担当している。 |
――『風来のシレン3』では、どのような作業を担当されているのでしょうか?
長谷川薫(以下、長谷川) おもにキャラクターデザインです。キャラクターデザインをしたあとに、設定画を描いたり、実際上がってきたモデリングをチェックしたり、キャラクターをどう動かすか、というアクション設定のチェックをしたりしています。
――キャラクターの動きまでしっかり調整されているんですね。
長谷川 しっかりというか、後ろから口出しているだけなんですけれどね。口うるさい奴って感じで(笑)。
――(笑)。キャラクターデザインをするに当たって、どんなところに注意をされているんでしょう?
長谷川 シナリオに沿ったキャラ作りというのを意識しています。たとえば、『不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来! シレン城』はちょっとコミカルタッチだったと思うんです。でも今回はまったく違うリアルタッチになっています。これはなぜかというと、シナリオ展開がまったく違ったからなんです。初めてシナリオを読んだときに、これはいままでの『風来のシレン』とは違う表現じゃないとダメだなと思って、ドラマ性のあるキャラクターにしました。
――今回のキャラクターは衣装の装飾が凝っていますが、あれもシナリオに沿った形で?
長谷川 完全にシナリオですね。いままでのシレンって僕の中では”旅”をイメージして書いていたんですれども、今回は完全に”戦い”をイメージしているんです。”戦うシレン”というイメージですね。
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――『風来のシレン3』のデザインの中で注目してもらいたい点というのは?
長谷川 今回、村人なども含めて70体近くデザインしているんです。そんな中、たとえば村人Aに関してもメインキャラと同じように時間をかけて考えたので、細部までキャラを愛してもらえればうれしいですね。改めて考え直すとちょっとやりすぎたかな、という気がしないでもないですけど(笑)。
――いちばんお気に入りのキャラクターは、どのキャラクターですか?
長谷川 今回、自分の中ではセンセーが成功したキャラだな、と思っています。
――男臭いキャラですよね。
長谷川 センセーには、じつはモデルがいまして。僕の中でだけなんですけれど、クリント・イーストウッドがモデルになっているんです。彼のようなキャラクターを一度描きたいな、と思っていたので、モデルにして描いたのですが、シナリオを担当されている方に「自分のイメージと違う」って言われまして(笑)。でも、そのまま通させてもらいました。けっこうゲーム中でもシレンを食っちゃうようなキャラクターになっていますよ。
――なるほど。メインキャラクターは、それぞれどんなイメージのキャラクターなのでしょう?
長谷川 シレンに関しては、従来どおり、あくまでもユーザーさんが感情移入しやすいキャラクターになっています。
――センセーは?
長谷川 さきほどお伝えしたとおり、クリント・イーストウッドのイメージですね。渋くてカッコイイ。物語を進めていくと、たぶんシレンは食われていると思います。主役級のキャラクターになっているんじゃないかな。
――アスカは?
長谷川 かわいくなっていますね。だいぶ、”女性”になっています。完全にヒロインという立ち位置ですね。
――デザイン的に気をつけた部分というのはありますか?
長谷川 シルエットです。今回はキャラクターの等身が高かったので、どうすれば横幅が出せるか、というところに注意しました。
――横幅ですか?
長谷川 ええ。ゲーム画面に落とし込んだときに、等身が高いキャラクターを細くすると小さく見えてしまうんですよ。それで袴のシルエットをフワッとさせてスカートみたいにさせたんです。賛否両論あったんですけれどね(笑)。ゲーム画面的には主張できたな、と思います。
――等身が高くなったことで苦労したことはありますか?
長谷川 モンスターの等身はいままでとほとんど変わっていないんです。だから、シレンたちと対峙したときに違和感が出ないようにすることに注力しています。最後の最後まで大きさの調整をしていましたね。
――なるほど。ちなみにモンスターなどのデザインのときは、どのような点に注意されているんですか?
長谷川 アクのある、一度出会っただけでしっかりと覚えてもらえるキャラクターになるように注意しています。初めて出会ったモンスターに倒されたとしたら、つぎにまた会うときまで、そのモンスターのことをプレイヤーに覚えておいてほしいんですよ。たとえば、「5階にはおやじ戦車(※大砲の弾を放つモンスター)がいるな」という具合に。
――アクのあるモンスターを生み出すために心掛けていることは?
長谷川 出会ったときにしっかりとしたイメージをつかめないキャラクターではダメだな、と思っていますね。おやじ戦車の場合だと、”なんか大砲を撃ってくるヤツ”というように、名前は覚えていなくても印象に残る。そういった部分が重要かなと考えています。
――何かひとつ、「コレ!」というキャラクター性を持たせているわけですね。
長谷川 そうですね。そこを意識していると、だんだんバカなキャラクターが多くなってきちゃうんですけど(笑)。
――(笑)。そこが、長谷川さんやチュンソフトならではのノリが反映されている部分なんでしょうね。
長谷川 『風来のシレン』シリーズもそうなのですが、ダンジョンを舞台にしたゲームは、全体的に意地悪な作りになっていることが多いので、マジメなキャラクターばかりだと疲れちゃうんですよ。だから、随所にコミカルな要素を入れていく必要があるんです。
――ハードがWiiになったことでデザイン的に変化した部分はありますか?
長谷川 これまでの作品は基本的にドット絵のグラフィックだったので、デザインをなるべくシンプルにする必要があったのですが、今回はそれとはまったく逆でした。キャラクターをアップで表示するシーンが多いので、細部までしっかりデザインする必要があって。また、完全に三次元的な表現になっているので、きちんと立体としてデザインする必要にもかられましたね。
――キャラクターを作る作業の中で、いちばん苦労されている点は?
長谷川 アイデアを絞り出すのがたいへんですね。何十体もデザインしていると、特徴が似通ってきてしまうので。
――モンスターのデザインはおひとりで描かれているのですか?
長谷川 いままではそうだったのですが、今回は、企画の最初の段階でボスが20体も登場すると聞いたので、「僕ひとりじゃできません」と即答して(笑)。だから今回は、僕のほかに3名のデザイナーが参加しています。そのせいで表現の幅がかなり広がっていますね。
――本作にはサイズの大きなボスモンスターが登場しますよね。その部分から生まれた新しいアイデアは?
長谷川 いちばんおもしろいのは合体するボスかな。合体して強くなって、また分かれたりする。あとは、地下に潜って別の場所から出てくるようなヤヤツもいるし、部屋全体がボスみたいなヤツもいます。ボスモンスターたちは、動きも見た目も非常にバリエーション豊かになっていますよ。
――最後に読者の皆さんにひと言メッセージをいただければ。
長谷川 シリーズ未経験者もいれば、1作目から遊んでくださっている人もいると思います。スタッフは両方の方たちに楽しんでいただけるよう、熱い思いを込めて作っておりますので、ぜひ手に取って遊んでみてください! あと大きな声では言えませんが、昔からの『シレン』ファンがニヤリとするようなサービスもありますので、ぜひ楽しみにしていてください。
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不思議のダンジョン 風来のシレン3 〜からくり屋敷の眠り姫〜 |
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発売日 |
2008年6月5日発売 |
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価格 |
7140円[税込] |
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テイスト/ジャンル |
冒険・ダンジョン/RPG |
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備考 |
ニンテンドーWi-Fiコネクション対応、開発:チュンソフト |
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