『テイルズ オブ ヴェスペリア』開発者インタビュー全文掲載!! その2
●週刊ファミ通には掲載されていない情報も!
Xbox 360で発売予定のRPG『テイルズ オブ
ヴェスペリア』(以下、『ヴェスペリア』)。週刊ファミ通2008年5月9・16日号では、本作のプロデューサーである郷田努氏と制作プロデューサーの樋口義人氏に、再びインタビューを敢行した。ここでは、誌面の都合で掲載できなかった部分を含め、インタビューを全文公開しよう。
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制作プロデューサー |
プロデューサー |
――今回公開されたストーリーで、ユーリが"騎士団に邪魔されて逃げられた"というのはどういうことでしょうか?
樋口義人(以下、樋口) ユーリはある人物を追っているのですが、あと一歩というところで騎士団に見つかってしまう。日ごろから目をつけられているものだから、「またオマエか」という状況になってしまったんです。
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――フレンは旅に出たとなっていますが、どこに向かったのでしょうか?
樋口 どこに行ったのかはまだ言えないのですが、騎士団からある任務を受けて旅立ったんですね。
――その任務とは?
樋口 騎士団のふだんの任務には、おもに街の治安を守るといったものがありますが、これはそういったものではないですね。ある重要な任務に就いているんです。フレンはいわゆるキャリア組ではなく実力で上がってきたタイプなのですが、危険だったり重要な任務に就くことが多いんです。
――フレンは暗殺者に狙われているということは、かなりの重要任務のようですね。
樋口 重要任務だからというわけではなく、フレン自身が暗殺者に狙われているんです。ある勢力がある理由により、フレンの命を狙っています。
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――フレンがパーティーメンバーになることは?
樋口 フレンは騎士団の人間なので、どちらかと言うとアウトローな主人公たちといっしょにいることは問題なんですね。むしろ取り締まる側ですから、どういう形でパーティーと絡むことになるか、ぜひプレイして確かめてみてください。
――ユーリとは対照的なキャラクターになりそうですね。
樋口 藤島先生にキャラクターのデザインを発注したのですが、ユーリはけっこう難しかったようです。和のテイストが入っていたりして、よくいるファンタジーRPGの主人公のようなタイプではないので。逆にフレンは、"鎧を着たRPGの王道を行くような主人公"というデザインでお願いしたら、上がってくるのがすごく早くて。期待どおりのデザインで上がってきたので、とても満足しました。
――フレンとエステルは知り合いのようですが、ふたりは城内で顔を合わせるくらいの関係?
樋口 もう少し親密ですね。お世話番まではいかないですが、フレンはわりと昔からエステルのことを警護したりしています。フレンは、エステルが城の中で唯一心を許せた存在ですね。そういう関係だから、フレンにはユーリという幼なじみがいることを、エステルは知っていたのだと思います。
――序盤にはアニメパートも用意されている?
樋口 いつもどおり用意されていますよ。ただ、プレイヤーに操作させたほうがいいと思いますので、けっこう最初から操作することができます。
郷田努(以下、郷田) オープニングから冒頭にかけてアニメーションが入っているのですが、そこはいい意味でボリュームがあると思います。これから30分のアニメが始まるんじゃないか、っていうくらい。
樋口 アニメムービーの監督がこだわりのある方で、これまでのシリーズにはない、世界設定がわかるようなアニメーションムービーが入っています。
郷田 それがあるから、ゲームにスッと入れるのかもしれないですね。アニメーションからパッと切り替わって、ゲーム画面になるんです。その瞬間が、ほとんど見た目に差がないので、驚かれるかと思いますよ。
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――冒頭部分が終わると、ユーリとエステル、そしてラピードの3キャラクターでの冒険が始まる。
樋口 そうですね。エステルは天然な性格なので、助けられた流れでユーリについていっちゃうんです。ユーリは、最初はちょっとうっとうしいなと思っているのかもしれませんが(笑)。
――ラピードには、ユーリのまえに別の飼い主がいたようですが、まだ4歳半ということで、それほど昔の話ではないと思いますが……。
樋口 まえの飼い主の存在は、メインストーリーには絡んできません。ただし、設定としては用意していますので、何らかの形で出せればと思っています。
――犬だから、まえの飼い主のことは話せないですからね。
樋口 「ワン」としか言えないですからね(笑)。もちろんユーリは、まえの飼い主のことは知っています。しかしユーリは、そういったことをベラベラしゃべるような性格ではないので、彼の口から語られることはないと思います。
――ユーリはまえの飼い主と面識があって、ラピードを引き継いだ感じなのでしょうか?
樋口 そうですね。たんに犬がついてくるというのでは意味がないので、それなりにバックボーンは用意しています。ちなみに、『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー』のカノンノを描いたスタッフがラピードをデザインしたのですが……。
郷田 本作のアートディレクターですね。
樋口 初めてパーティーメンバーに犬が加わるということで、デザインは難航しました。僕はカッコイイ感じにしたかったのですが、かわいらしい感じがいいとか、人それぞれイメージがあって……。それらの意見をデザインに落とし込んでいくと、何だかわからなくなってくるんですよ。そこで、まずイメージをまとめようということになったんです。まずはインパクトが欲しいということで、デザイナーが尖った尻尾とキセル、そして鎖という特徴を持たせてきたんです。
――かなり特徴的なデザインになっていますね。
樋口 じつは、色ももめたんです。ラピードはシャチみたいな色になっているじゃないですか。カッコイイ感じにしようということで、こんな色になったんです。
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――ラピードはキセルを吸うのですか?
樋口 吸いません。くわえているだけで、あくまで、まえの飼い主の形見として持っているのです。
――つねにくわえているんですか?
樋口 戦闘のときは剣をくわえるので、キセルはどこかにしまっています。どこにしまっているのかという、野暮なことは聞かないように(笑)。
――キセルに関するイベントは?
樋口 メインのストーリーの中で語られることはないですね。ちょっとしたデザイン上のアクセントなんです。このキセルは、たしか2006年年末に行われた納会に参加していたときに、デザイナーに見せられたんです。なんてタイミングで持ってくるんだと思いましたが(笑)。
――酔った勢いでオーケーしてしまったりとか(笑)。
樋口 そのときは保留にしましたね。年が明けて検討しましたが、やっぱりいいなと思って採用となりました。
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――鎖は何のために巻いているのですか?
樋口 じつは本作には、パーティーメンバーそれぞれにメインウェポンとサブウェポンという概念があるんです。そのサブウェポンがラピードの場合は首輪なんですが、鎖はそのひとつなんです。
――首輪もふつうに店で購入できるのですか?
樋口 買ったり、合成で作ったりできます。
――ユーリとエステル、それぞれの武器は?
樋口 ユーリだったら、メインが剣でサブが拳、エステルならメインが杖や剣系統の武器でサブは楯になります。
――サブウェポンが導入されたことで、戦闘システムに変化は?
樋口 大きく変化したということはないのですが、たとえばサブウェポンで、特殊な"スキル"が覚えられるようなことはありますね。
――武器を替えると、もちろん戦闘画面の見た目も変わる?
樋口 そうですね。しかし、今回も防具は替えても見た目はそのままです。技術的にはできるのですが、鎧を替えるたびに見た目が変わると、わかりにくくなってしまいますので。もちろん、サブウェポンを替えれば見た目が変わります。
――ラピードの防具って何ですか?
郷田 腹巻きですよ。これで、どれだけ守っているのかはわかりませんが(笑)。
――ラピードの声優が、非公開になっているようですが?
樋口 人間のようにしゃべったりするわけではないので、違った印象を持たれないよう、現時点では伏せています。もちろん、製品では公開します。ちゃんと声優さんに声をあてていただいていますよ。
――ラピードはどういうセリフを言うのですか?
樋口 ふつうに犬らしく「ワン」とか「ワオーン」とか言いますよ。
――感情がこもった鳴き声を、声優さんが巧みに演じているわけですね。
樋口 怒った鳴き声とか、戦闘不能になったときの鳴き声とか……。1秒でも早く生き返らせてやりたいような鳴き声をしますよ(笑)。
――切ない感じの鳴き声をすると。
樋口 ラピードは果敢に攻めていく、突撃系のキャラクターなんです。ですが、以前お話ししましたが、打たれ弱くしているんです。だから、突っ込んではやられ、突っ込んではやられのくり返しなんです(笑)。
――健気な犬なんですね。ふだんの性格も健気なのでしょうか?
樋口 開発当初は、"ツンデレ"な性格の犬にしたかったんです。当時、ツンデレが認知され始めてきたということで、"ツンデレ犬"という新しい言葉を作ろうよというノリで(笑)。やるときはやるんだけど、ふだんは愛想がないような感じで。
――ユーリには、当然なついていると思いますが……。
樋口 ユーリに対してもそっけない態度を取ることがあります。エステルに対しては、最初はあまりなついていないですね。エステルのほうから歩み寄っていく感じです。人間相手だからって、すり寄ったりしない、誇り高いやつなんですね。
――イベントシーンにはあまり絡まないのでしょうか?
樋口 ラピードはしゃべれないので、パーティーメンバーみんなでしゃべっているようなイベントでは、あまり参加できないんですよ。ですが、よーく動きを見ているとおもしろいですよ。場の空気を読んで移動したりとか……。
――しゃべらないけど存在感はありそうですね。
樋口 ラピードはスキットにもよく出ますよ。
――成立するんですか? しゃべれないのに(笑)。
郷田 表情はちゃんと変わりますから。
樋口 人の言葉はわかっているんでしょうね。理解できると断言はできないですが……。何となくいまの状況も理解しているようです。
郷田 うちの犬でもわかるくらいですからね(笑)。
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――シリーズおなじみの料理ですが、ラピードも人間と同じ料理を食べる?
樋口 何でも人間の食べるものは食べちゃいますよ(笑)。逆にラピードの作ったカレーを、パーティーメンバーが食べたらおもしろいでしょうね。
――ラピードは、言葉はしゃべれないけど、ほかのパーティーメンバーと同等な扱いであることは間違いないと。ちなみに、ラピードにも称号は用意されている?
樋口 ありますよ。プッと笑えるような専用の称号もあります。"旅に赴くイヌ"とか"犬豪"とか……。あとは、実際遊んでみてのお楽しみということで。
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――フレンが、ユーリと剣を交えているシーンがありますが……。
樋口 フレンとユーリは友人なのですが、一方は騎士団の人間で、一方は追われる身だったりします。ですから、衝突することもあるんです。ユーリとしては間違ったことをしているつもりはないのですが、フレンからしたらまたそんなことをして、といった感じなんです。
郷田 本当はフレンも、ユーリは間違ったことはしていないとわかっているんですよ。しかし、騎士団としてはそれを許すことができない。
樋口 ユーリのことを思って、忠告をしてくれることもあるんです。フレンはいいヤツなんですよ。帝国が腐敗していく中で、彼は自分の力で帝国をなんとかしたいと思って騎士団に入ったんです。帝国に疑問を持ちながらも、そこに居続けるんです。
――フレンには、迷いがある感じなのでしょうか?
樋口 ありますね。たとえば、騎士団の命令は絶対に従わなくてはならないのですが、それが正しいかどうかの判断がフレンにはできるんです。
郷田 間違っていることでもやらなくてはならない。そういった葛藤は描かれていますよ。
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――このふたりはフレンの仲間だと思いますが……。
樋口 フレンは主任的な立場なので、部下がいるんです。剣士と術使いになりますね。ふたりはすごくフレンのことを慕っていて、そのことがわかるようなイベントも用意しています。
――フレンたちは、つねにこの3人で行動しているのでしょうか?
樋口 だいたいそうなります。イベントにもけっこう登場しますよ。
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――フレンの近くにいる、この金髪の少年は……?
樋口 かなり重要な人物のひとりです。エステルにかなり絡んできますよ。
――フレンと見た目が似ている感じがしますが?
樋口 血縁関係があるわけではありません。そこをあまり期待させるのもよくないと思いますので、はっきり言っておきます(笑)。
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――画面によって、フレンの鎧のデザインが違っているものがありますが……。
樋口 詳しくは触れられませんが、じつはフレンは、物語の途中で昇進するんです。フレンのメインのイラストで描かれているほうが、昇進後の姿です。彼は、さまざまな任務に尽力してることが認められるんですね。この画面は、ちょうど昇進した直後のシーンです。このときに交わされる会話が、昔からのふたりの関係を象徴するような感じで……。お気に入りのシーンのひとつです。
――ふたりは下町で育った幼なじみですよね。
樋口 そうですね。下町のみんなも、フレンの活躍を自分のことのように喜んでいるようです。物語の序盤にアクエブラスティアが壊れるのですが、いつもだったらそこにフレンは駆けつけるはずなんです。そういったことをユーリも実際に言うのですが、そのときフレンはある任務のために旅に出ていて、来ることができなかったんです。
――フレンは、下町の一般的な家庭で育ったのでしょうか?
樋口 ユーリと同じような家庭環境で育った、一般的な家の出です。家族がどうなっているかは、とくに描かれないですね。
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――本作の特徴のひとつに"合成"システムがありますよね?
樋口 はい。素材からさまざまなアイテムを作り出すことができます。この画面は武器を合成しようとしているところなのですが、合成まえに、完成する武器がどんな"スキル"を持っているのかがわかるようになっています。現在、ある武器が作れない状態でも、カーソルを合わせれば、その武器がどんなスキルを持っているのかがわかるようにしています。ですから、このスキルが欲しいからこの素材を集める、といったプレイが可能になります。
――素材はどうやって集めるのでしょうか?
樋口 戦闘終了後に手に入ることもありますし、フィールド上の探索ポイントで見つけられることもあります。
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――うまく戦闘をこなすと、入手確率が高くなったり?
樋口 そういうこともありますね。本作より導入された、新システムを使って敵を倒したりすると、入手確率も上がります。
――敵からしか入手できない、レアな素材もあるのでしょうか。
樋口 そういった素材もありますね。ある素材を持っているボスキャラ級の敵のところに行くには、あるクエストをこなさなくてはならない、ということもあります。
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――探索ポイントで見つけられる素材は、1回入手したら復活しない?
樋口 その予定です。じつはまだ最終決定はしていないんです。何度でも入手できるようなシステムになるかもしれません。レアな素材の場合、何度も取られるとバランスが悪くなってしまうこともあると思いますし、難しいところですね。MMORPGだったら、何度取れてもいいと思いますが……。
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――スキル名の右にあるゲージの役割は?
樋口 このゲージは、その武器を装備して戦うことで溜まっていくんです。
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――戦闘終了画面で表示される"LP"のことでしょうか?
樋口 そうですね。"ラーニングポイント"の略です。このゲージが溜まると、そのスキルが習得できるわけです。スキルの種類によって、習得に必要なLPの量は異なります。溜まったLPは装備を外してもなくなりませんので、状況に応じて武器を装備しても大丈夫です。このスキルが欲しいけど、武器の攻撃力が低い。そんな武器もあったりします。
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――LPが溜まって習得したスキルは、その武器を装備しなくてもスキルを装備できるのですよね。
樋口 この画面にある数値が、スキルの装備に関係してきます。スキルにはそれぞれ、装備に必要なポイントが設定されているんです。このポイントの合計が、この画面の場合は18以内なら、スキルをいくつでも装備できるんです。『アビス』にあった"ADスキル"は、いくらでも装備できました。そのときもコスト制にしようという意見があったのですが、そういう設計ではなかったのと、調整が難しくなるため断念したんです。そのときの反省点が、今回のシステムに活かされています。
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――状況に応じて、スキルをつけ替えていくことができるのですね。
樋口 戦闘でプレイヤーが操作しないキャラクターに装備させるスキルも重要ですよ。装備させたスキルによって、AIキャラクターの動きが違ってくるんです。そのことを考えてスキルを装備するのが、おもしろいと思います。こういったことは以前からやりたいと思っていたのですが、今回ようやく実現できました。『アビス』である程度、戦闘システムを完成させたという手応えがありましたので、今回導入する余裕ができたんです。
――スキル装備に必要な数値は、増やすことは可能?
樋口 これはキャラクターをレベルアップしていけば増えていきますよ。
――最終的に、スキルを全部装備できるくらいに成長はしないですよね?
樋口 あることをすればできるようになります。しかし、それはあくまでやり込み要素のひとつになります。
――スキルにはどういった種類があるのでしょうか?
樋口 パラメーターがアップするようなものもありますが、『アビス』にあったような"バックステップ"や"コンボプラス"といった、新たなアクションが可能になるスキルもあります。本作は、スキルをうまく使いこなしていかないと、さきに進むのが難しくなるようなバランスにしています。Xbox 360ということもありますので、難度は高めにしていますね。
――合成がかなり重要になってきそうですね。
樋口 ふつうにお店でも武器は売っているのですが、合成で作ったほうが安く上がるんです。逆に、お店で物を買うときは、これまでのシリーズに比べて、少し高めに設定しています。あと、ストーリーを進めていけば、作れる武器も増えていきます。そのへんはゲームっぽいんですけどね(笑)。ある武器が作れる素材が揃っていても、ストーリーを進めないと作れない場合もあるんです。
――合成では武器以外を作ることも可能なのでしょうか?
樋口 アップルグミもできますし、防具も作ることが可能です。ちなみに、『アビス』にもあったパーティートップを変更するために必要な"スペシャルフラッグ"も、本作では合成で作ることになります。このように、システムにリンクするような"貴重品"も作れるんです。クリアーに必須な物以外は、すべて合成で作れますね。
――合成に夢中になっちゃいそうですね。
樋口 "リッチプレゼンス"を利用して、友だちがいま何をしているかがわかるようになったらおもしろいですよね。「こいつ、何時間も合成しているよ」とかわかっちゃいますから。
郷田 『ヴェスペリア』は、正統進化をしつつ、合成などの深みを加えていますので、やり応えは十分だと思います。
樋口 やることが増えたのではなく、やれることが増えたんです。『アビス』にも合成要素はあったのですが、とりあえずつけたような感じでしたので。『デスティニー2』や『リバース』の方向に近くなったと思います。
――スキルの種類はどれくらいあるのでしょうか?
樋口 『アビス』のADスキルくらいのボリュームはあります。アクション系のスキルは、キャラクターの差別化を意識していますので、各キャラクター固有のものをかなり増やしています。
――パラメーターアップ系のスキルは、各キャラクター共通のものが多いのでしょうか?
樋口 必ずしも全キャラにあるわけではありませんが、ある程度共通になっています。
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――合成画面で武器に"+1"などの表示がありますが、これは合成によって増やしていくことができる?
樋口 無印の武器を素材として合成することになりますが、あくまで別の武器という扱いになります。
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――街の雰囲気は、かなり広そうに見えますね。
樋口 RPGをプレイするにあたって、適度な大きさにしています。背景をちゃんと描いていますので、広く見えるのだと思います。
――街中での視点は、やはり固定ですか?
樋口 自分で視点を操作するといったものではないですね。『シンフォニア』から導入したのですが、キャラクターが動くとカメラもある程度、追随していくしていくシステムになっています。
――今回公開された街は、序盤に行けるのでしょうか?
樋口 前回紹介した帝都ザーフィアスから始まり、ハルルに向かったあとに行くことになる街ですね。もちろん、そのあいだにダンジョンなどに挑むことになります。
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――まず、アスピオはどういった街なのでしょうか?
樋口 研究者が多く集まっている場所なのですが、彼らは岩窟の中で生活をしています。街の住人ほぼ全員が、ブラスティアや術式など、何かしらの研究をしています。人口はそれほど多くはありません。本がたくさんある画面がありますが、この中にはすごく巨大な本もあるんです。なぜ大きいのかは謎ですけど。あと、この街の宿屋は、本がベッドになったりもしていますよ(笑)。
――アスピオには、どういった目的で行くことになる?
樋口 世界の謎を解くときなどに訪れることがあります。この街にある膨大な本の中には、まだ解明されてないものもあるようです。それらが、物語の進行でわかってきたりします。アスピオには、何度か足を運ぶことになると思いますね。
――アスピオのあるイリキアは、最初の舞台となる大陸でしょうか?
樋口 そうですね。ザーフィアスがある大陸と同じです。
――カプワ・ノールとカプワ・トリムは、対になっている街なのでしょうか?
樋口 このふたつの港街は、船で行き来することができます。船が手に入るかどうかはまだ言えませんが(笑)。定期船で移動することになるかもしれませんし。ちなみに、この街には同じデザインのシルトブラスティアが設置されています。
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――カプワ・ノールの特徴は?
樋口 この街は、政治の圧力が強いんです。たとえば税金が高いなどの理由から、あまり賑わっていないんです。
――画面では雨が降っていますが、つねに暗い雰囲気なのですか?
樋口 もちろん晴れていることもあります。本作には天候が変わるシステムが導入されているんです。
――天候はランダムで変わる?
樋口 ランダムではないです。ある条件によって変化していきます。
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――カプワ・トリムはどのような街でしょうか?
樋口 この街には、"ギルド・ド・マルシェ"の本部があります。これは商人のギルドなので、街がすごくに賑わっているんです。
――この街は、トルビキア大陸にあるのですよね。
樋口 イリキア大陸の西側にある大陸です。ゲームの進行上、2番目に行く大陸になります。
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――本作の戦闘は、『アビス』のように敵のシンボルにぶつかると移行するのでしょうか?
樋口 そのへんのシステムは継承しています。
――戦闘画面の左側にあるゲージは……?
樋口 これは"オーバーリミッツゲージ"です。数字が書かれていますが、ゲージが上まで溜まると数字が1増えて、ゲージが空になります。数字が高いほど技の威力も高くなっていきます。
――この数字は、いくつまで増えるのでしょうか?
樋口 最大4まで増えます。詳しくは今後紹介していきますので、続報をお待ちください。
――ラピードの使っている技には"犬"がついていますよね。すべての技に"犬"が……?
樋口 全部はつかないですよ(笑)。"剣"じゃない技もありますからね。
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――テーマソングを歌うアーティストがBONNIE PINKに決定しましたが、彼女を選んだ理由は?
郷田 さまざまなタイアップのしかたがあると思いますが、我々はゲームの中身とアーティストがマッチしていて、曲もマッチしてほしいと考えています。曲がマッチするということは書き下ろしになりますが、当然誰でもいいというわけではないので、そこは樋口とかなり協議しました。今回はユーリとフレンの男どうしの物語を描いていますが、それを女性が歌ったらおもしろいんじゃないかという話になったんです。当初、候補は何人かいましたが、ふたりの関係を歌える女性アーティストを考えたとき、多くはいなかったんです。その中で楽曲を聴いて、BONNIE PINKさんに決めました。
――決定したのはいつくらいでしょうか?
郷田 いまからちょうど1年くらいまえにワーナーミュージックさんに話をさせていただきました。ゲームをあまりご存知なかったので、一から説明しましたね。ですが、説明してからやることに決まるまでは、わりと早かったです。曲を書き下ろしてほしいとお願いしましたので、ゲームのストーリーなどを本人に直接説明しました。
樋口 僕は10年経っても存在感の変わらないアーティストにお願いしたかったんです。しばらく経ってアーティストに違った色がついてしまって、ゲームとのイメージが合わなくなってしまうのがいやだったんです。何年経っても本質が変わらない、そこが大きな基準でしたね。その点でも、BONNIE PINKさんは間違いないと思いました。
郷田 そのとき旬なアーティストを選ぶのも、ビジネス的にはアリなんでしょうけど、お互いにメリットはないと思います。タイアップするならば、妥協はしたくなかったんです。その想いを先方も理解していただいて、楽曲を何曲も書き下ろしてくれました。
――BONNIE PINKさんは、北米版のテーマソングも歌われるのですよね。
郷田 『ヴェスペリア』はワールドワイドで販売するという計画が最初からありましたので、それもアーティスト選考の基準になりました。BONNIE PINKさんはニューヨークで生活をしていたこともありますし、実際英語もネイティブ並みにしゃべれます。全編英語の曲も歌っていますから、その点で心配はなかったんです。同じ曲ですが、北米版は英語で、国内版は日本語の歌詞で、BONNIE PINKさんに歌っていただいております。作詞作曲と英訳も、すべてご本人が手掛けられていますよ。BONNIE PINKさんには、昨年出したアルバムから"Burning Chicken"というスウェーデンのアーティストがついているのですが、このテーマソングもスウェーデンでレコーディングをしています。
――そうなんですか。
郷田 ご本人もすごく乗り気で、かなりこのゲームのことを勉強してただいているようです。ファミ通.comに掲載していただいた、前回のインタビュー映像も見ていただいたそうですから。フレンの名前が発表されていないときに、このキャラクターについて聞かれたりとか。ワーナーミュージックさんのスタッフの中でも、BONNIE PINKさんがいちばん『ヴェスペリア』に詳しいですね。本当にプロの意識が高い方だと思います。
――それはすごいですね(笑)。
樋口 先日武道館で行われたライブに行ったときに、BONNIE PINKさんのファンはゲームのお客さんとマッチしそうだなと思ったんです。こだわりがある感じの方が多いと思いましたし、いいものが好きな人が多いという印象を受けました。
郷田 音楽的なクオリティーを求めている人が多いですよね。私も驚いたのが、外国人のお客さんがけっこういたということです。日本人のアーティストだと、あまり外国の方はいないじゃないですか。今回は『テイルズ オブ』シリーズの中でも高めの年齢層を狙っているのですが、年齢層に関しても、BONNIE PINKさんのファン層とマッチしていると思いました。20代の男女の方が多かったですし、もちろんもっと年齢の上の方や下の方もいましたが、大人の方が多かったんです。それを見て、選択は間違っていなかったと確信しました。
――テーマソングはどういった曲なのでしょうか?
樋口 アニメーションとすごくマッチしています。もちろんアニメムービーの監督が、曲の意図を汲んで映像を作られていますから。日本語版のマッチ度もすごいのですが、英語版もすごいんです。ですから、急遽英語の楽曲も、どうにかして日本語版に入れたいと考えているところです。まだ、検討中なのですが……。
郷田 オープニングを見たら、おそらく『テイルズ オブ』シリーズのイメージが変わると思います。間違いなく、いい意味で裏切られると思います。
――楽曲が完成したのはいつごろでしょうか?
樋口 アニメーションと合わせたのは、じつは今日(2008年4月11日)なのですが、楽曲が完成したのは先週くらいでしたね。
郷田 国内版、海外版を、発売地域に合わせて言語を歌い分けるというのは、シリーズ初めてなんです。世界的プロモーション活動として、iTunes Store(楽曲の購入ができるサイト)で全世界配信されます。まずは英語詞の楽曲を、2008年4月16日から配信しています(有料)。
――このインタビューが掲載されているころには配信されている?
郷田 買えると思いますよ。
――楽曲のタイトルは?
郷田 英語版は『Ring A Bell』。日本語版は『鐘を鳴らして』です。音楽ファンの方が聞いてもいい曲になっていると思います。ゲームをプレイした方が聞いても、感動を思い出すことができるような曲だ思いますよ。あと、この楽曲のためにサイトを立ち上げるそうなのですが、サイト名を『Tales of BONNIE PINK』にしたいとおっしゃってましたね(笑)。
樋口 いろいろなことを提案してくれますね。我々としてはありがたいと思っています。
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