『AWAY シャッフルダンジョン』を製作する坂口博信氏×大島直人氏へインタビュー!
●坂口氏×大島氏インタビューを完全掲載!
『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親、坂口博信氏と『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』や『ナイツ』などのキャラクターを生み出した大島直人氏がタッグを組んで製作を進めるニンテンドーDS用アクションRPG『AWAY シャッフルダンジョン』。本作は、数秒ごとに上画面か下画面のいずれかがシャッフルされて、地形が替わるシャッフルダンジョンという、ニンテンドーDSならではのシステムを搭載している作品で、シナリオを坂口氏が、キャラクターデザインを大島氏が担当している。
週刊ファミ通2007年12月28日号(2007年12月14日発売号)では、坂口氏、大島氏のふたりに、週刊ファミ通編集長・バカタール加藤がインタビューを敢行。そのインタビューの全貌を、ファミ通.comでお届けしていくぞ。
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シナリオ 坂口博信氏 ミストウォーカー代表。『ファイナルファンタジー』シリーズや『ブルードラゴン』、『ロストオデッセイ』など、多数の大作RPGを手掛ける。今回の作品では、氏の新たな一面を覗かせる? |
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キャラクターデザイン 大島直人氏 |
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坂口氏と大島氏のコラボレーション |
バカタール加藤(以下、加藤) そもそもこの企画のきっかけは、何だったのでしょう?
坂口博信(以下、坂口) もともとは大島さんから、”シャッフルダンジョン”のアイデアをいただいて、この企画をいっしょにやらないか、と誘われたんです。そのときはアクションゲームっぽかったんですよね。
大島直人(以下、大島) そうですね。
加藤 RPGではなくて?
坂口 そうです。迷路ゲームのような内容でした。何度か打ち合わせをしていくうちに、僕がやるのであればストーリーをぶち込みたいので、RPG仕立ての企画として特徴を絞ったらおもしろいんじゃないか、という話になりました。ここがスタート地点ですね。そのあとに「大島さんが(キャラクターを)描かないならやらない」って言って(笑)。
大島 以前から「何かやりましょう」という話はしていましたよね。
坂口 何しろ、ソニックを生み出した方ですからね。当時僕もゲームを作っていましたけれど、マリオ、ソニックというのは手の届かないキャラクターというか。
大島 いやいやいや(笑)。
坂口 マリオというのは、ものすごくシンプルなドット絵の時代からスタートしているじゃないですか。それに対して『ソニック』は、セガの戦略的な作品で、ハードが進化してから出てきている。なかなかあそこで勝負を賭けるキャラクターを作る、というのはプレッシャーもあっただろうと思います。結果的に、ハリネズミというモチーフもおもしろかったですし大成功でしたよね。
加藤 とくにソニックは、北米ですごく人気がありましたよね。そのころから坂口さんは、大島さんとの共同開発に、興味がおありだったというわけですよね。
坂口 そうですね。15年の時を経て、ようやく実現したコラボレーションになります。今回、デザインしていただいたキャラクターを3D化するときも、大島さんが全部やってくれて。非常に特徴的ですよね。足がすごく細かったり。ほかにもサラリーマンのイラストがあったりとか。
加藤 最初にイラストを見せていただいたときに「え!?」って思いましたよ。サラリーマンだけ、明らかに設定がおかしいですもん。
坂口 どこまで言っていいのかなぁ……。じつはこの村は、●●●の●なんです。
加藤 …………いま、スッゴいこと聞いちゃったんですけど(笑)。
坂口 主人公たちが最初にいた村というのは、主人公の●●●●でホントは●●●ですよ。だから主人公が村人を助けるたびに、じつは●●●●いるという。
加藤 何でもアリですね(笑)。そんな壮大なストーリーだとは、公開されているビジュアルからは到底想像がつかないですよ。
大島 私も、この話を引き受けさせていただいて、つぎの日にはこのシナリオを聞かされて、最初はついていけなかったんですよ。
一同 爆笑
加藤 開発は、アートゥーンのほうでやられているんですよね。
坂口 そうです。『ブルードラゴン』のときにいっしょにやらせていただいた方が(チームに)入っています。
大島 アートゥーンとしては、すごく力を入れたメンバーです。チームの中心になっている小林(正英氏)は、『ブルードラゴン』のメインプランナーを担当していた人間だったり。
加藤 しかも、音楽は植松さんですしね。
坂口 今回はメインテーマをお願いしました。ほかにも、ゲームに登場する、あるアイテムの設定も手掛けています。
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シンプルで奥の深いシステム |
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加藤 ゲームの内容は、どのようなものになるのでしょうか?
坂口 基本的にはひとりプレイですけれど、ワイヤレス通信で協力してボス戦をプレイできるようになっています。町の中は3Dで、家の中にも入れて、住民としゃべったりできて。最初は、村人が平和に暮らしているんですけれど、得体の知れないものに主人公以外全員連れて行かれちゃうんです。それでひとりずつダンジョンで捜して村に連れて帰るんです。
加藤 わかりやすいシナリオですよね。
坂口 ゲーム自体もコンパクトで。シャッフルされるダンジョンを攻略していくだけですから。でも、けっこうスリルがあるんですよ。宝箱を全部取ろうと欲張ると、時間が間に合わなくてシャッフルされてしまったり(笑)。
加藤 ひとつのダンジョンは、けっこう深くまで潜るんですか?
坂口 そこまで深くはしていないです。ただ、1階層潜るのに、シャッフルを数回行わないと下へ潜るための階段が出てこないようにはなっていますね。
大島 中には、スイッチを押して扉を開かないと先に進めないようなダンジョンもあるんですよ。そういう場合は1度スイッチのところまで行って扉を開けても、そのマップがシャッフルされてしまうんです。だから、つぎに出てくるまで待たなくてはいけない。
加藤 ああ〜、なるほど。ちょっと運的な要素もあるわけですねぇ。おもしろいですね。
大島 「こんなゲームなんだー」という驚きもあるんでしょうけれど、昔のゲームファンの方には、懐かしくてワクワクするような作品になっていると思います。
加藤 昔のゲームファンのほうが、より反応しそうなシステムですね。坂口さんと打ち合わせを重ねたりしたことで当初のシステムから現状のものに発展しているわけですよね? どこがどう変わったのか、具体的な例はありますか?
坂口 いっぱいありすぎて(笑)。
加藤 そうなんですか(笑)。
坂口 いまでも変わっているんでね(笑)。
大島 つい先日変わったのは、坂口さんの指摘でBダッシュがなくなったんですよ。
加藤 なくなっちゃったんですか?(笑)
大島 Bボタンを押すことでダッシュをしていたんですけれども、いつも走っているので、Bボタンを押す必要ないな、ということになったんです。それでデフォルトでBダッシュ状態になりました。Bボタンを押していると攻撃がしづらいというのもありますから。そういうところの指摘を受けると、つくづく坂口さんはアクション出身者じゃないな、と感じるんですよ。自分にはどうも”アクション出身者としての概念”があって、走るのはBダッシュな感じがするんです。
坂口 (笑)。
加藤 そのほうがいいと。それでなおかつボタンを2個押して攻撃したほうがいいぐらいの(笑)。
大島 そうそう(笑)。それで、「なくていいじゃん」って言われて取ってみたら、意外と合う。むしろぜんぜん問題ないんですよね。目から鱗でしたよ。
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『AWAY』はA級のコメディー |
加藤 シャッフルダンジョンというのも、すごくおもしろい画期的なアイデアだと思うんですけれども、これはやはり2画面あるニンテンドーDSならではシステムですよね。
大島 そうですね。ただ、ニンテンドーDSって2画面あっても、実際プレイしているときは1画面しか見られないんですよ。下を見ていたら上を見られないし、上を見ていたら下を見られない。それを逆手に取って、交互に見る遊びというのを考えたわけです。
加藤 非常におもしろいですよね。ゲームのシステムというか、遊びかたまでおふたりでけっこう話し合われているんですか?
大島 長文メールが矢の如く送られてきます(笑)。
加藤 (笑)。お話を聞けば聞くほど、シナリオもシステムもシンプルで奥が深いものなんだな、と感じますね。
大島 いままでの坂口さんワールドって、ずっとシリアスなイメージがあったんですけれど、今回は、ちょっと違うんですよ。
加藤 ドタバタな雰囲気がありますよね。
坂口 そう。ドタバタですよね。僕なりにA級のコメディーを目指したつもりなんです。武器屋の名前はブッキーだし、いつもニコニコしている娘はクスクス。
加藤 ああああ、なんだかゲームがゲームらしかったころの雰囲気ですよね。
坂口 そうそう。シャッフルダンジョン自体、ドット絵で、昔懐かしい匂いも漂わせつつ、ただ物語はグルグルとめまぐるしく展開していくので、おもしろいものができるんじゃないかと思いますね。
加藤 すごく新鮮です。坂口さんがコメディータッチの作品を考えられていたこともビックリなんですけれども、ニンテンドーDSだから成立しているという部分がありますよね。
坂口 ここまではっちゃけた話をある程度のディテールを持って作ろうとすると、今度は逆に臨場感や現実味がなくなって、話だけ先走っちゃうところがあるんです。でも、ニンテンドーDSは、想像で埋めるところがあるマシンだから、メチャメチャなお話をプレイヤーの想像で埋めてもらえるんですよね。
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どんどんひっくり返す系のシナリオ |
加藤 ダンジョンで、主人公の後ろに丸い変な生き物がくっついているようですが?
坂口 これは"フッポン"ですね。コイツはダンジョンの中にいて、ずらずらずらーっと連れて行くことができるんです。つながっているキャラクターは、魔法で炎を吐いたりとか、体力を回復したりして、プレイヤーを助けてくれます。ただ、あんまり列を長くしてしまうと、ダンジョンがシャッフルされたときに移動が間に合わなくなって、シャッフルに巻き込まれていなくなっちゃうんですよ。
加藤 非常にゲームらしい、意地悪なシステムですね(笑)。村が非常に広いのですが、そこに大勢のキャラクターが、増えていくわけですよね。すると、どうなるんですか?
坂口 村人を連れ帰ってくると、家を建てられるんです。そのときに、どこの場所に建てるかによって性質が変わります。たとえば武器屋だったら、モノが安く買える武器屋になったり、いいモノが早く開発される武器屋になったり。だから家を建てるときに、どこに建てるかをよく考えないといけないわけです。
加藤 どこに建てれば、どういう性質になるか、ということはわかるんですか?
坂口 地相学みたいな感じで、詳しい女の子がいるんです。その子に聞くと「そこに建てると、いいモノが早く手に入る気がするわ」とか言って教えてくれます(笑)。
加藤 そこはプレイヤーが自分の性格に合わせて自由に選べると。それでは最後に読者の皆さんにひと言メッセージをお願いします。
大島 ここ何年か、ゲームに関わってきた中ですごく惹かれているというか、自分が携わっているにも関わらず、愛着がある作品で。世に出るのがすごく楽しみです。とにかくみんなに自慢したい。「こんなゲームできたぞ!」って、「スゴいぞ!」って言いたいです(笑)。
坂口 ぜひ中盤ぐらいまでやってもらって、話が二転三転していくところを楽しんでもらいたいですね。ゲーム自体もサクサク楽しめると思うし、ダンジョンのギミックもいろいろ用意しているのでそれを楽しんでもらいつつ。気がついたらメチャクチャになったシナリオにも注目してもらえればうれしいですね。
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