『小さな王様と約束の国 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』クリエーターインタビュー
●クリエーターインタビューを掲載!!
2007年10月10日に行われた”任天堂カンファレンス2007.秋”で発表されたWiiウェアのタイトル群の中でも、とりわけ注目度の高い『小さな王様と約束の国 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』。本作では、ニンテンドーゲームキューブで発売された『ファイナル・ファンタジー・クリスタルクロニクル』(以下、『FFCC』)の冒険後の、新たな物語が描かれる。今回は開発のキーマンに、直撃インタビューを敢行したぞ!
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エグゼクティブプロデューサー |
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『FF』シリーズの育ての親のひとりで、『FFCC』シリーズを統括。近年の代表作は『FFXII』、『FFCC リング・オブ・フェイト』。 |
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プロデューサー |
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『フロントミッション』シリーズでおなじみの、こだわり派クリエーター。『FFX』では、バトルデザインを担当した。 |
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アートスーパーバイザー |
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かわいいキャラクターを数多く描いてきたデザイナー。『チョコボの不思議なダンジョン』や『FFCC』シリーズで活躍している。 |
ゲームデザインありきで開発がスタート |
――本作は、Wiiウェアでのダウンロード販売になると発表されましたが、どのような流れで企画がスタートしたのでしょうか?
土田俊郎(以下、土田) 最初にWiiのダウンロードで何かやれないかという話が出まして、世界設定として『FFCC』がいちばんいいのでは? ということでスタートしました。
――今回、『FFCC』の開発スタッフの中に土田さんのお名前を見つけてびっくりしました。
土田 当社の場合、ストーリーができてからゲームデザインをすることが多いのですが、本作はゲームデザインから入っています。まず王様がいて、建物を建てて街を造り、国を造り上げていくというゲームデザインがありました。それをどうやって実現するかを考えたときに、数値を見ながらプレイするのではないものにしようと。街の人たちとコミュニケーションを取りながら、街の育てかたを考えてもらいたかったんですね。まったく新しいタイプのゲームだったので、まず試作品を作りました。その試作品のときに板鼻のキャラクターを使わせてもらったのですが、キャラクターがすごくハマったんですよ。
――土田さんのリクエストを受けて、板鼻さんはどう思われましたか?
板鼻利幸(以下、板鼻) 試作品で使わせてほしいと言われたときは、「もう、ぜひ」という感じでした。土田はハードなゲームを作るイメージがあったので、まずどういうゲームなのかとても興味がありました。そうしたら"王様になって街を育てるんだよ"と。前作の世界設定は独特なものだったので、そこに合うんじゃないかなと思いました。前作のデザインは僕も直接担当したのですが、今回は監修という形で見ています。今回のメインキャラクターに関しては、前作でもキャラクターやモンスターのデザインをしていた泉沢康久が担当しています。泉沢は、かわいい中にクセのあるキャラクターを描くのが得意で、それがこのゲームにどう乗ってくるのか楽しみだったんですけれど、実際に非常に活き活きと動いているので、成功だったと思います。
大臣のデザインは最初、おじいさんだった!? |
――チャイムというキャラクターは、どんな役割を果たすのでしょうか?
土田 チャイムは王様のお姉さん的な役割で、同時に王国の大臣なんです。若くして彼女が大臣を引き受けることになった理由はあるのですが……。じつは、僕がゲームデザインしたときは、おじいさんが大臣だったんですよ。でも、泉沢に「それは違うでしょ!」と言われてしまって。そのあと実際にお姉さんのデザインが上がってきたら、それを見た開発チームのみんなが「これですよ!」って(笑)。
――(笑)。土田さんのゲームデザインに、板鼻さん監修によるキャラクターが乗ったのを見て、河津さんはどう思われましたか?
河津秋敏(以下、河津) ゲームシステム自体は土田のカラーが出ています。インターフェースがやわらかくなっている感じですね。ついのめり込んでしまう、遊び込める、ゲームっぽいゲームになっています。"建築術(アーキテクト)"は都合のいい設定ですが(笑)、そういったものがシナリオにちゃんと収まっているところは、『ファイナルファンタジー』っぽいのかな。
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『小さな王様と約束の国』はこんな内容のゲームです! |
――"国造りRPG"とのことですが、具体的にどのようなことをしていくのでしょう?
土田 街のエリアには不思議な力があって、魔法の力で建物が建てられるんです。で、建物を建てると国民たちが戻ってきます。そうやって国民たちを呼び戻していくゲームです。
――なるほど。
土田 ちなみに、建てるための魔法のエネルギーを得るためには、外の世界にいるモンスターを倒さなければなりません。ですが、王様は少年だし、まえの王様が行方不明になって国がつぶれたという過去があるので、国民は王様を大切にしたがるんです。だから、王様が外に行ってモンスターと戦うことはできません。それで国民から選ばれた冒険者がモンスターを倒しに行き、エネルギーを得たり、思い出を見つけてくると、新しい建物が建てられるようになるんです。
――新しい建物には、どんなものが?
土田 たとえば、武器屋を建てると冒険者たちが武器屋に寄ってから冒険に出るようになります。そうすると、いままで木の棒で戦っていたのが剣で戦うようになり、勝てなかったモンスターに勝てるようになります。剣で勝てない敵が出てきたら、魔法学校を作ると黒魔道師にジョブチェンジできるようになり、魔法でモンスターを倒せるようになります。
――バトルはどのようなものになりますか?
土田 王様自身は戦えないので、冒険者たちの報告を聞くことになります。こんな敵が出ましたとか、こんな風に戦いましたとか。報告を聞いて、ポーションがないとたいへんだね、鎧が必要だね、と進展していきます。
――どんな建物をどこに建てるのかで、街の特性が変わってくるのでしょうか?
土田 そうですね。各建物にはそれぞれ機能があり、その機能をどう組み合わせるかによって、国のパラメーターが変化していきます。
――特定の建物を建てていくと、特定の人が集まる国に進化していくと?
土田 そうですね。特定のものを建てると特定の人に影響が出ます。たとえば、住民がよろこんだり、冒険者がよろこぶ建物など。また、そういったものをたくさん建てていくことで、何か別の作用が起こることもあります。
――ジョブチェンジは、どのようなタイミングで行えるのでしょうか?
土田 最初はみんな戦士で、ジョブチェンジをするかどうかを、王様に相談してくるんですよ。それで王様が「黒魔道師になってよ」と言うとジョブチェンジします。冒険者はジョブチェンジの許可が出ると、各冒険者に設定されている家にいったん戻り、黒魔道師などの格好に着替えて出てくるんです。
――かわいい! それは見てみたいですね。
土田 わざわざ、家までついていく必要はないんですけれど(笑)。
――でも、きっと多くのユーザーが家までついて行って、見て、ニヤリとすると思います。
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ダウンロードコンテンツならではの作りかた |
――ダウンロードソフトの開発を手掛けてみて、どのようなご感想を持たれましたか?
土田 ゲームデザインをするときは、容量に制限があるほうが腕の見せどころなんですよ。単にチープにするのではなくて、いかに想像力をかきたてつつ、見せるところは見せるか。そういう意味ではダウンロード販売ならではのおもしろ味がありましたね。どうしてもひとつの作品の開発に数年かけるようになってきていますので、僕くらいの年齢になると、あと何本作れるんだろうって(笑)。そういう意味では、手ごろなゲームも作りたかったですし、作れる道を示したかったんです。ただ、大作と同じ値段で手ごろなゲームを作ると見劣りするだけなので、ダウンロード販売で、さらにユーザーさんに手に取りやすい価格にすることで、新しい可能性が広がるのかなと。ユーザーさんに新しい遊びを提供するだけではなく、作り手にもいろいろな作品を作る選択肢が増えるという。だから、この作品を絶対に成功させたいと思います。
河津 容量に制限があるので、試作品の段階では不安もありました。でも開発が進むたびに、ドイツにあるようないい感じの街が作れるようになったり、エフェクトも容量が少ない中で工夫して作っているなと関心しました。デザイナーとプログラマーが共同でうまくやっている成果だと思います。いいものに仕上がっているので、ユーザーだけでなく、作り手にもダウンロードコンテンツという新しい提示ができるのかなと思いますね。逆に、作り手のほうから、「大容量のゲームを作るほうがしんどい」と言い出されないか心配です(笑)。
――ダウンロード購入したあとに、追加ダウンロードなどの予定はあるのでしょうか?
河津 するどい質問ですね(笑)。
土田 そうですね……。ダウンロードコンテンツのひとつの可能性だとは思っています。
――現在の開発進行度はどれくらいですか?
土田 そろそろ仕上げの段階に入るかな、といったところで、6〜7割くらいでしょうか。
――1500Wiiポイントというのは安いですね。
土田 そうですね。クリエーターとして、チャレンジングな価格設定をしたというのはあります。ただ、バーチャルコンソールの名作たちが相手となるので、それと釣り合うのだろうか? 本当にこの値段で大丈夫か? という思いもあります。
――読者のみなさんと、本作に興味を持ったユーザーに対して、メッセージをお願いします。
土田 すごく楽しいゲームができあがったので、ぜひ遊んでいただきたいと思います。いろんな方に楽しんでいただけると思います。
板鼻 デザインに関しては、温かみのある風景や住人たちを丁寧に造り起こしていますので、自分で造った国に住む人たちの生活を見ているだけでとても楽しめるゲームです。それに、とにかくとっつきやすいので、ぜひ触っていただければと思います。
河津 『FFCC』はアクションベースのシステムでやっているのですが、今回は違ったシステムでやっています。ですが、『FFCC』を遊んだことのある人もない人も、一度遊んでいただければなと。ハマりますよ(笑)。
※本インタビューは、週刊ファミ通2007年11月2日号に掲載された記事を再編集したものです。
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