HOME> インタビュー> クリエーターインタビュー【1】 『キングダム ハーツ 358/2 Days(スリー ファイブ エイト デイズ オーバー ツー)』
●ロクサスが主人公の物語
『キングダム
ハーツII』の陰の主役とも言える、ロクサス。彼のXIII機関時代の物語が描かれるRPG、それが『キングダム
ハーツ 358/2 Days(スリー ファイブ エイト デイズ オーバー ツー)』だ。
本誌週刊ファミ通2007年10月12日号(2007年9月28日発売)では、同作のディレクター野村哲也氏、Co.ディレクター長谷川朋広氏、製作担当山本浩二氏にインタビューを行った。今回は、そのインタビューの完全版を掲載するぞ。
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――まずは“358/2デイズ”というタイトルの意味を教えてください。
野村哲也(以下、野村)わざと暗号めいたものにしています。クリアーして、初めて意味がわかります。“デイズ”という言葉もついていますが、ゲームの進行も1日1日を遊んでいく、XIII機関の日常を描いたものになります。基本的に冒険劇なんですが、ロクサスは機関のメンバーなので、いつも同じ場所から任務に向かい、同じ場所に戻ってくる。日々のくり返しという中で、どういうお話が描けるかというのがコンセプトのひとつです。とはいえ、毎日、何かしらドラマチックなエピソードがあるわけではないですけれど。
――物語の時間軸としては、ロクサスがXIII機関に入り、『キングダム
ハーツ?』につながるまででしょうか?
野村 はい。XIII機関に入ってから、ある程度の期間は短くお見せする予定です。ちょうど、ソラが寝ている約1年がストーリーの中心になりますね。1日ごとにXIII機関に任務を出されるのですが、機関に入ったばかりのロクサスは機関についてまだわかっていない。それが、話が進むにつれてロクサスが機関に対して疑問を持ち、最終的には機関を抜けていく。その抜けた理由が今回の物語のメインです。
――今回発表された3タイトルのロゴのイメージカラーですが、本作に何か意味があるんでしょうか?
野村 ロクサスといえばトワイライトタウンの黄昏時のイメージがあるので暖色系にしています。物語も切ないものになると思います。本作のシナリオは、自分が書いたコンセプトをもとにシナリオを金巻さん(編集部注:金巻ともこ。『キングダム
ハーツII ファイナル ミックス+』の予約特典として制作されたハードカバー本、キングダム
ハーツ アナザーレポートでロクサスにまつわる小説を執筆)にお願いしているんですが、すでに方向性は決まっていて、あとは仕上がりを待っている段階です。
――行く末がすでに描かれているという点では、『クライシス
コア -FFVII-』のザックスとイメージが重なりますね。
野村 ただ、『キングダム
ハーツII』のロクサスはそこまで悲劇的な顛末ではないですよね。
――ニンテンドーDSというハードを選んだ理由というのは?
野村 まず、自分はいつもシステムありきで構想を練るんです。今回は手軽にマルチプレイをやってみたいというプランがあってニンテンドーDSにしました。そこで、XIII機関という13人のキャラクターが使えそうだと。すると、おのずと物語もロクサスを描いたものにしよう、という感じで、本作の企画を立ち上げました。
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――『すばらしきこのせかい』では、ニンテンドーDSの機能をフル活用するシステムでしたが、本作でも?
野村 いえ、今回は逆にあえてニンテンドーDSの機能を使わない、というコンセプトで進めています。今後の開発次第というところもありますが、基本的にはタッチしなくても操作できるものを目指しています。タッチペンを使うと、どうしてもいままでの『キングダム
ハーツ』の操作感とは異なってくるので。
――本作の開発をしているハ・ン・ドさんは『キングダム
ハーツ』シリーズを手掛けるのは、初めてでいらっしゃいますが、手応えはいかがですか?
山本浩二(以下、山本) ニンテンドーDSで『キングダム
ハーツ』らしさをどう出せるか、というのを日々研究しながら制作を進めています。スタッフの中には『キングダム
ハーツ』のファンが大勢いるので、どんなストーリーになるのか、スタッフも楽しみにしています。14人目のメンバーが登場する、ということがわかったときは、すごい盛り上がりようでした(笑)。
――その14番目のXIII機関メンバーですが、ナミネのように見えますが……。
野村 いえ、ナミネではありません。
――では、これまでに出た人物?
野村 ナイショです(笑)。物語は、『II』より以前のものですが、『II』ではXIII機関で、XIVではなかった。14番目が登場するのに、XIVではない理由はこの作品でわかります。彼女は、今回のポイントになるキーキャラクターですね。
――あと、ソラやリクが出るのかが気になりますが……。
長谷川朋広(以下、長谷川)リクが、ロクサスと戦う運命にあるというのはユーザーの皆さんもご存知だと思いますので、その場面は必ず登場します。そして、ソラについては、この物語中は寝ているところで、記憶を再構築している状況です。そこで、要所要所で記憶が見えるようなシステムを考えています。まだアイデア段階ですが、そのシステムでロクサスとソラがつながっているという面を、強調して見せたいなと思っています。
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――今回も、各ディズニーワールドを巡るような展開になりますか?
野村 ワールドは登場しますが、関わりかたがいままでとは違います。
長谷川 ロクサスというキャラクターの都合上、あまり多くの人と関わってしまうと、『II』で辻褄が合わなくなる部分も出てきてしまいますので、各ワールドごとに異なる遊びを入れていこうと考えています。登場するワールドは、これまでに出た世界が中心になりますが、その中で今回の作品に合っているものを選ぶ予定です。
――基本的なゲームシステムは、従来の『キングダム
ハーツ』と似た操作感覚になるのでしょうか。
長谷川 そうですね。『キングダム
ハーツ』らしいレスポンスの感触を大事にしています。でも、それよりも問題なのはボタン数で。
山本 そうなんです。これがいまいちばんの問題で、これまでの『キングダム
ハーツ』はスティックと+ボタンとL、Rを駆使していたのですが、今回はニンテンドーDSなので、ボタン数が少ない。視点回転のボタンが足りなくて、いろいろと検討中です。
――シングルモードもマルチプレイもストーリーは連動しますか?
野村 いえ、マルチはマルチモードというわけではなく、やり込み用のモードなので、基本的にストーリー進行はありません。物語の進行が狂ってしまいますので。ですが、アイテムや成長要素については、両方が連動するように考えています。今回の成長要素は、ふたつのモードの共用を最大限に活かしたカスタムの自由度の高いものです。でも、ロクサスの成長度がそのままマルチプレイに入るということではありません。
――マルチプレイでは、XIII機関全員を操作できるのでしょうか?
野村 はい。そうなります。
長谷川 そこはパラレルワールドのような扱いにしています。というのも、ストーリーが進むと消滅してしまうメンバーもいますので。
山本 キャラクターごとに、特性も技も変わりますので、楽しめると思います。あとは、武器も違いますね。ゼクシオンの本や、デミックスのシタールなどは悩みどころですね。
――マルチプレイは、どのように進んでいくのでしょうか?
長谷川 いろいろなミッションを受けてクリアーしていくものになります。当然ボスを倒すというものもあるのですが、マップに閉じ込められて、みんなで協力して脱出するいった、ギミックや謎解きをたくさん入れていきます。
山本 短く遊べるものを多く用意して、その代わり何度も遊べるようにします。スコアアタックなどもありえますね。ただ協力するだけでなく、対戦や競争といった要素も大きいです。
――ミッションは、ゼムナスか与えられるものになるんでしょうか?
野村 そうですね。ただそれだけでなく、いろいろな方法を考えています。
長谷川 それが、話しているうちにどんどんヘンな方向に行っちゃって。任務を遂行すると、XIII機関が座っている白い部屋の椅子が高くなるとか(笑)。
山本 現段階のマルチプレイの結果表示では、本当に入っています(笑)。
野村 これは、本当にやりそうです(笑)。
――マルチプレイでは、ほかの要素は?
山本 下画面でお絵描きができます。リアルタイムで同期されるので、誰かが描いているところを、すぐ消したりできて楽しい(笑)。これを使ったミッションを考えていきたいですね。
――最後に読者へメッセージを。
長谷川 今回の発表では、ほかの『キングダム
ハーツ』作品もありますが、マルチプレイができるのは、この作品だけですので、ぜひ楽しみにしてください。
山本 マルチプレイができるゲームで13人ものキャラクターが選べるというのは、非常に珍しいと思います。キャラクターの違いだけでも楽しいので、そこを楽しみにしてほしいですね。
野村 マルチプレイも当然コンセプトのひとつなのですが、『キングダム
ハーツ』はストーリー性も重要な要素ですので、当然ひとりでも遊べるようにしています。シングルとマルチがあるわけではなく、マルチが可能なだけですので、ひとりでやれば難度の高いプレイができます。やり込み要素の多い作品と捉えていただければうれしいですね。『すばらしきこのせかい』のような物語本編をクリアーしても、いつまでも遊んでいられるゲームにしたいと思って、あれこれ手は考えています。
- クリエーターインタビュー【2】 『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』
- クリエーターインタビュー【3】 『キングダム ハーツ コーデッド』
- クリエーターインタビュー【4】『The 3rd Birthday(ザ・サード・バースデイ)』
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