『アナタヲユルサナイ』豪華クリエーター陣へインタビュー!!
●麻野氏×植松氏インタビュー完全掲載!!
AQインタラクティブより、2007年11月15日に発売が予定されているプレイステーション・ポータブル(以下、PSP)用ソフト『アナタヲユルサナイ』。PSPを縦に持ってプレイするという独自のプレイスタイルを確立したノベルタイプのアドベンチャーゲームだ。同作は、開発に携わっている開発陣も話題となっている。開発は、キャビアとツェナネットワークス。さらにシニアプロデューサーに、『弟切草』や『かまいたちの夜』など、数々のサウンドノベルを手掛けた麻野一哉氏、音楽プロデューサーに『ファイナルファンタジー』シリーズなどの楽曲を手掛けた植松伸夫氏が参加しているのだ。
ファミ通.comでは、両氏のインタビュー映像を配信中。こちらも要注目の内容だが、さらに今回、同インタビューの全文を掲載する運びとなったぞ。気になる人はぜひともチェックしてくれ。
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シニアプロデューサー |
音楽プロデューサー |
スーパーファミコンで発売されたサウンドノベル『弟切草』の原案・演出を担当したあと、『かまいたちの夜』のディレクション、『かまいたちの夜2〜監獄島のわらべ唄〜』の監修などを務める。 |
『ファイナルファンタジー』シリーズなど、数々のゲーム音楽を担当。2004年10月にスクウェア・エニックスを退職する。現在は有限会社スマイルプリーズ、株式会社ドッグイヤー・レコーズの代表を務める。 |
――まずは、ゲームのコンセプトからお聞かせください。
麻野一哉(以下、麻野) 今回、キャビアさんのほうから、”浮気”をテーマにしたゲームを作ってほしいという依頼がありました。それがいままでのゲームにはないコンセプトだったので、おもしろいなぁと。それと、サウンドノベルをもう少し別の形で表現することはできないかなぁと。いわゆるアドベンチャーゲームと言われるものと、サウンドノベルを融合するような形を模索してみたかったんです。前者の”浮気”というのはストーリー的なテーマで、後者はシステム的というか、ゲームの感触的なところなんですけれども、このふたつが今回の制作のテーマでした。
――なるほど。では今回、PSPを縦持ちでプレイするようにした理由というのは?
麻野 『アナタヲユルサナイ』では、登場人物の癖や表情に”注目”しながら物語を進めていきます。注目するときは、相手の胸や手、顔、お腹などをカーソルを移動させて見ていくことになります。ただ、PSPは横長なので、通常の持ちかたのままだと、体の一部しか見せられないんですよ。そうすると、画面をスクロールさせないといけない。でも、それは面倒だってことで、全身が映るように縦持ちにしました。それがいちばんの理由です。あと、左手で持って進めていくのが、意外としっくり来たんです。これは実際にやってからわかったことですけれどね。このふたつの要素があって、縦持ちにすることに決めました。
――では、もともとは注目というシステムのために縦持ちにしたのですか?
麻野 それがいちばんの理由ですね。
――縦持ちでプレイしたときにすごく遊びやすかったので、てっきり遊びやすさを重視した結果なのかと思っていました(笑)。
麻野 ありがとうございます(笑)。
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――植松さんが音楽をやられるということになったきっかけは?
植松伸夫(以下、植松) きっかけ……何だったんですかね(笑)。いや、まぁ、来る仕事はやりますよ、何でも(笑)。
一同 (爆笑)
植松 でもね、最初にお話をいただいて、企画書を見させていただいたときに、この手のゲームはやったことがないなぁと思いまして。いままではRPGなどが多かったですからね。現代モノで女の子が主人公で、推理モノ、ということだったので、ちょっと軽いジャズタッチの音楽が似合うのかなぁと考えたときに、そういう曲を真剣にゲームではやったことがなかったので、「おもしろい挑戦になるな」と思い、引き受けさせていただきました。
――では、ジャズっぽい曲を本格的に書かれたのは、今回が初ということですか?
植松 そうですね。ただ『FF』みたいなメロディアスなものも残してはいるんですけれども、あまりそれがメインになってしまうと、「植松またこれかよ」と思われてしまうので(笑)。全体的には軽いジャズタッチで、メインテーマなどのメロディーはいつもの植松節にしていますね。
――今回、曲を作るときにイメージしたものというのは?
植松 うー……ん。『太陽にほえろ』。
麻野 あーー、いや、わかります。なんとなくね、ほのかにありますね。言われてみるとたしかに。
植松 いや、『太陽にほえろ』で流れている音楽って、「こんなの誰にでもできるんじゃないの?」と思っていたんですけれど、実際にやってみると、緊張感や緊迫感を出すのは、大したもんなんだな、と改めて思いましたね。
――曲を書かれるにあたって、麻野さんから何かリクエストされたりということはありましたか?
植松 麻野さんと初めてお会いしたときに何人かでミーティングをしまして、ある程度の希望みたいなものをざっくりいただきました。それを参考にはしていますね。
――ちなみに、それはどんな内容でした?
植松 「このシナリオは、このジャズを聴きながらイメージして作ったんだよ」といったものでしたね。
――すると、もともと麻野さんの中で曲のイメージがあったわけですか?
麻野 そうですね。まずシナリオを読んでこんな感じ、というイメージは固めていて、それを植松さんに伝えました。あと、ひとつお願いしたのが、「イントロをなるべく作らないでくれ」と。サウンドノベル系の曲でイントロがあると、雰囲気が転調したときにすごく使いづらいんですよ。たとえば驚いたときに、あとから驚きが来てもしかたがない。曲が変わった瞬間にエッジが立ってほしいんですね。「あまりそういう依頼をされることはないだろうなぁ」と思ったんですけれども、「できれば意識的にお願いします」ということを依頼しました。
植松 それは最初に言われましたね。
――その注文は難しかったですか?
植松 こういうシナリオがあって、こういう風に絵が展開して、この言葉でつぎのシーンに変わるんだ、ということが具体的に見えていれば、そんなに難しい作業ではないです。ただ、ふつうに音楽を作ろうとしたときって、なんとなくイントロから作ってサビに入っていくじゃないですか(笑)。だから、そこは意識しましたね。
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――『アナタヲユルサナイ』はイラストも特徴的ですよね。その狙いは?
原田真幸(キャビアのプロデューサー) イラストのほうは私ども(キャビア)のほうとAQインタラクティブの方々とで、いろいろと話をして結論を出しました。いろんな方を候補として挙げて、その中から今回は、たかなしさん(※たかなししん。人物のファッション性を活かしたイラストを中心に描くイラストレーター。これまでに女性向け情報誌のイラストや、美容室向けのイラストなどを描いている)という方にお願いしています。たかなしさんは、ゲームのイラストなどをやられている方ではなくて、美容室のイラストだったりとか、どちらかというとファッション雑誌などで活躍されている方なんですけれども、ぜひお願いしたいということでお話をさせていただきました。ゲーム中で使うイラストの数が相当量の枚数があったんですけれども、快く引き受けてくださいましたね。
――本作は、ノベルタイプのアドベンチャーゲームとは言いながらも、注目や尾行など、ゲーム的な要素もふんだんに盛り込まれていますね。
麻野 そのへんは佐々木君(※佐々木真治氏。ツェナネットワークス所属、本作のディレクターを務める。チュンソフトの『かまいたちの夜』、『街』(グラフィック担当)、AQインタラクティブの『鬼嫁日記』などの作品に関わる)の意向ですね。ゲーム的な要素を入れて、アクセントをつけたかったんです。とくに難しいことは考えてなくて、浮気調査や尾行という探偵っぽいことをプレイヤーに楽しんでもらいたい。追い詰めていく雰囲気を体感してもらいたいと思って入れました。
植松 注目はおもしろいですよね。覗き趣味も満たされるというか(笑)。どこかに何か隠されているんじゃないかって、アナログスティックをグリグリ動かしちゃう。
麻野 サウンドノベルの特徴のひとつにバッドエンドというか、デッドエンド、脇道に入っていく一種のおまけシナリオみたいなものがあるのですが、それも、注目で失敗することで行けるようになってるものが多いです。あと、人の家で捜し物をするゲームでは、爆笑モノの内容もあったので、ぜひ見つけてもらいたいですね。
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――今回の作品を作るうえで注力した部分というのは?
麻野 僕の役割が何かと言ったら9割がた、音入れなんですよ。どのタイミングで、どの曲・効果音を使うかということです。もちろん、ほかにもあるんですけれど、気持ち的には9割そこに注力しました。いわゆるアドベンチャーゲームって、場所に曲を入れることが多いんですよ。図書館だからこの曲、川べりだからこの音、というように。クライマックスとかここぞという見せ場は、感情に乗せて曲を変えることもあるんですけれど、基本的にはそういうことはしない。逆に、サウンドノベルというのは徹頭徹尾感情に合わせて曲を入れます。そのときのユーザーの気持ちを乗せるために曲を入れるんです。これはいままで作ってきたサウンドノベルすべてがそうです。ですから、『アナタヲユルサナイ』は見た目的にはアドベンチャーっぽいんですけれども、音の面・曲の面でいくと、もろにサウンドノベルです。朝から晩まで、ホントに音入ればっかりやってました(笑)。
――植松さんが今回の音楽を作るうえで、いちばん注力した部分というのは?
植松 ジャズっぽさを出すために、どこかであえて『FF』を出さないように、と意図したところはありますね。でも、歌モノや、「ここぞ!」というメロディーはすごくキレイなものを作りたいと思って作りました。だから両方とも満たされましたね、今回は。自分としても、すごくいい曲ができたと思ってて(笑)。
麻野 いやぁ、ホントにいい曲ですよ。僕も音を入れていて、ジーンとしちゃいましたから。
植松 あの曲いいですよね?
麻野 いい曲です!
植松 自分らで言っちゃった(笑)。
麻野 曲に関して心配だったのが、過不足が出ないかどうか、ということだったんですよ。このシーンに合うか合わないか、合わなかったら追加でお願いしなくてはいけないし、というところで。結果的には、1曲だけ和風のモノをあとからお願いしたんですけれども、それ以外はピッタリ、余ることもなく足りないということもなくできました。追加でお願いした和風の曲も、わりと贅沢というか、なかったらなかったで何とかなるようなところなんです。でも、あったほうがいいという判断でお願いしました。中心となる曲は、ちょうどピッタリ入ったんで、もうすごいなって。会わなくても(※じつは麻野氏と植松氏が直接会ったのは、最初のミーティングの際のわずかな時間のみ。この日も「直接会って話をした時間は今回のインタビューの時間を含めても2時間ぐらいしかないんじゃないかって(笑)」と麻野氏がコメントするほどだった)できるんだなって(笑)。
植松 いや、飲みに行きたかったんだよ(笑)。
麻野 飲みに行くまえに終わっちゃったんですよね(笑)。
――もともとからお知り合いだったわけじゃないんですね。
植松 もちろん名前は知っていましたけれども。
麻野 僕ももちろん。
――短い時間しか会っていないのに、曲も過不足なくできてしまうというのが、すごいですね。
植松 まぁ、僕も素人じゃないですからね(笑)。
麻野 それもありますし、音楽だとわりと合いやすいのかな、と思いますね。絵だと相当やり取りしないとダメだと思うんですけれども、曲の場合は……、でもこんなに過不足なかったというのは、ホントに僕も驚きです。いままで、『かまいたちの夜』を作ったときでも、「もうちょっとこうしてくれ」という注文を少しは出したんですけれども、今回はほとんどなかったですからね。
――今回の作品の手応え、というか自信のほどは?
麻野 おもしろいと思います。毛並みも変わっていると思うんですよ。いまどきのゲームにはないタイプじゃないかなと。いまは、わりと大人のやるゲームというのがないですよね。『アナタヲユルサナイ』は、妙にエッチすぎたり、残酷すぎたりすることもないですし、いい意味でアダルトなゲームができたと思います。そういう意味では希少価値のあるゲームになったかな、作った甲斐があったかな、と思ってます。
植松 キャラクターの絵も、女の人たちなんかは色っぽいですよね。あれだけでも大人の印象がありますもんね。
――シナリオもかなり大人っぽいですよね。
麻野 そうですね。”浮気”というテーマをもらったときに、プレイしてほしいターゲットはやはり大人だと思いましたから。それはすごく意識して作りました。
――最後に読者の皆さんにひと言ずつメッセージをお願いします。
麻野 大人向けのゲームなんですけれども、誰でも気楽にできるという意味では、人を選ばないので、ぜひ気軽な気持ちで始めてほしいと思います。よろしくお願いします。
植松 デモをプレイしていたときに、どこでやめていいのかわからない、1回始めるとおもしろくて、つぎはどうなるんだ、どうなるんだとワクワクさせてくれるゲームでした。僕的には、ゲームを最後までプレイしたときに、そこでしか流れない曲があるんですけれども、それが今回のいちばんの自信作です。ぜひ最後まで遊んでみてください。
アナタヲユルサナイ |
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発売日 |
2007年11月15日発売予定 |
価格 |
5040円[税込] |
テイスト/ジャンル |
ミステリー・サウンドノベル/アドベンチャー |
備考 |
シニアプロデューサー:麻野一哉、音楽プロデューサー:植松伸夫 |
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