ソーシャルゲームの第二世代の進化の登場(上)

 ソーシャルゲームは第二世代に入りつつあるのかな、と感じ始めている。率直にいうと、フィーチャーフォン向けのソーシャルゲームは、どうしても長く遊び続けることができなかった。その辺は、私自身の長いゲーマーの性というものだろう。

 

 ただ、フィーチャーフォンから、スマートフォンへの移行が進み始めるなか、ネイティブアプリを中心に、それなりにゲーム好きにとっても、家庭用ゲーム機向けゲームと比較しても遜色ないと感じられるようなものが登場しつつあるなと思っている。

 

 例えば、iPhone向けアプリでトップのガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」は、カードバトルゲームに、パズル要素を組み合わせたことで、単なるカードゲームとはだいぶゲームの印象が違ってきている。スマートフォン向けにインターフェイスもよく考えられていて、左手でスマホを持って、右の人差し指で的確に遊べるような仕組みになっている。スマホのゲームで勝つためには、タッチデバイスと相性の良いインターフェイスに、うまくゲーム性を絡めて組み込めるかどうかなのだなあと、改めて考えさせられたゲームだ。

 

 

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 ソーシャルゲームは、カンブリア爆発の時代にいる。もちろん、比喩的な意味だ。これは、5億4500万年前から、5億3000万年前の期間のことをいうが、その期間中に、多様な生物が大爆発したかのように登場する。様々な遺伝子が試され、登場したが、その後、減少していく。なぜ、爆発が起きたのかは現在もよくわかっていない。そして、現在まで残っていない種も少なくないと言われている。その環境に適応した種に収れんしていき、その種は、共存的な関係性を持って進化していったと考えられている。

 

 これらの爆発は、人間といういろんなものを発明するイノベーションを引き起こす存在が登場したことで、比較的頻繁に起きるようになった。何かの新しい分野が登場すると、爆発的に広がり、そして、成熟してその分野の勝利者が確定し、その種が現在にまで続いている。

 

 これらのことは、必ずしも進化上で起きたことと同じではないのだが、生物の種の進化に起きたことと比べられることも少なくない。ただ、生物の場合は、種が生き残り、数の増加によって、変化していくが、現代の場合は製品という形で姿を現し、人間による人為的なニーズによって、生き残れるかどうかが決まる。そのため、人間の認知速度に大きく影響を受けるため、カンブリア爆発の時代はそれほど長くはない。

 

 21世紀に入って新しいイノベーションが登場して、収れんするまでには現代では3〜5年程度とも言われる。20世紀は、もう少し長かった。

 

 ただ、困ったことに、その登場を予測することは容易ではない。後付けでは、様々な理由付けをつけられるのだが、登場した瞬間にそこから新しい種が爆発するようなことを想像するのは難しい。しかし、その広がりが進んでくると、否応なく理解する必要性に迫られることになる。

 

 今、ソーシャルゲームが急激に広がっているのは、そのカンブリア爆発が今はこの分野で世界的に起きているためだ。誰もこの予想を正確に予測することはできなかった。

 

 これは、ゲームセンター向けゲームが広がった80年代にも起きたことだし、90年代の「プレイステーション」と「セガサターン」、「ニンテンドー64」の時代にも起きていった。しかし、人気ブランドが固定化し、技術が高度化していくに従って、その時代は終わってきている。それぞれの時期で、アクションゲームから、シューティングゲーム、格闘ゲームや音楽ゲーム、RPGなど同じようなゲームも出回った。しかし、現在では、過去の思い出としてしか語られないゲームも少なくない。

 

 ソーシャルゲームも昨年「怪盗ロワイヤル」型が全盛期を迎えたときには、どこを向いてもロワイヤルのようなゲームだったが、昨年後半からはカードバトルゲームばかりになってきた。少なくともまだ、種類やゲームの幅は、広がる時期にいる。まだいろいろなゲーム性やサービス性を組み込んだトライアルは続くだろう。ただ、必ず成熟化に向かい、その分野のゲームも飽きられる時代はやってきて、特定の人気タイトル以外は生き残れない時代もまた、すぐにやってくるだろう。

 

 とはいえ、「パズル&ドラゴンズ」を遊んでいて感じるのは、もう、「ニンテンドーDS」レベルのゲームは、ソーシャルゲームとして十分にサービスとして収益化が可能な段階に入りつつあるのだなあと感じられてきていることだ。素直によくできていると思う。

 

 

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 ソーシャルゲームは、もちろんアイテム課金によって収益を上げるのが基本なので、このゲームも他のゲームと変わらず、キャラクターカードの「ガチャ」か、遊べる時間に制限か掛けられているので、その「回復アイテム」に課金が掛かるようになっている。

 

 ただ、最初のうちにおもしろさを感じてもらわなければならないため、無料で3時間程度は遊べるようになっている。この辺は、最近のソーシャルゲームの作法とでもいうようなものだ。

 

 この無料で遊べる時間は、他のゲームとの競争が激しくなっていることもあり、どのゲームも全体的に長くなり始めているように思われる。とにかく新しいユーザーを惹きつけなければならないので、得に後発の各社は必死なのだろう。

 

 それで、3時間も遊べて、いよいよここからは課金をするか、今までクリアしてきた面を何度もやって、時間をかけてレベルアップをしていくのかを迫られるところにまでやってくる。ただ、結構、そこまで行くと、満足してしまうなあ、とも思う。多分、ここでもまた別の進化が出てくるんだろうなあと思っている。

2012年3月27日 12:14