安藤武博
スクウェア・エニックスのゲームプロデューサーにして、同社のスマートフォンアプリ制作の中核を担う人物。早くからスマートフォン事業に携わってきたことから、アプリに対してはすでに確固たる理論を構築している。それでいて、つねに新たなステージへのチャレンジを忘れないスマートフォン業界の革命児。



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第五回 「GREEとMobage」

[お知らせ]
“スマゲ★革命”今後の更新はこちらで行います。

 

 

遅ればせながら、皆様ヘビーメタルサンダー!(今年もよろしくお願いします)。早速ですが2つ、革命のご報告。2012年はこのスマゲ☆革命自体を、革命したいと思います。(1)記事の更新を『毎週』月曜日にします。週刊になるスマゲ革命にご期待ください。(2)更新頻度があがるのに伴い、過去の話ばかりだったのをバッサリ辞めて記事のタイムラインを『現在と、これから』にシフトします。ちょうど前回のブログの続きは、ファミ通Appのエンジェル原田氏にインタビュー記事にしていただいたので、こちらを御覧くださいませ

 

さて2012年は『ケイオスリングス2』、『拡散性ミリオンアーサー』。そして、GREEさんと組む『ギャラクシーダンジョン』、なぜかちらっとタイトルだけ出ている『星葬ドラグニル』(いいです。新作RPGです。お楽しみに。)をはじめ、その他にも沢山リリースを予定しています。今書いたタイトル、もちろん全部スマホです。

今年は、まさにスマゲ☆革命がグングン進む、センセーショナルな年にしますのでご期待ください。そんな中、年初からいいことがひとつありました。年明けからMobageでサービスインした『ファイナルファンタジーブリゲイド』が面白い(詳細はこちら)。『ファイナルファンタジー』と『ドラゴンクエスト』の話をするのは恐れ多いと常々言っている安藤。()もちろんこのタイトルには一切関係していませんが、Mobageとスクエニのタッグが産み出したこの作品の内容には実に感銘を受けました。

まったくの個人的な意見になりますが、2011年だけを切り取ってみるとGREEとMobageのソーシャルゲーム開発に関してはGREEの方が一歩リードしているような印象がありました。なんといっても『探検ドリランド』の未曾有の大成功は、ほとんどの人が予想し得なかった、してやったりの快挙。『海賊王国コロンブス』『聖戦ケルベロス』も良かった。

 

外部開発会社と組んで創った『AKBステージファイター』もトレンドが多く盛り込まれており、基本無料+都度課金という新しく、難易度が高いビジネスに対してのコンサルティングもしっかりとされていた印象です。僕も『ナイツオブクリスタル』をGREEのコンサルチームと進め、月商がローンチ時の6倍になったり、去年上半期のGREE Platform Awardの優秀賞をいただくまで育てることができました。

 

それに比べると『怪盗ロワイヤル』以降、感覚的に静かな雰囲気だった(実際はそんな事はないのですが)Mobageですが、ずっとゲームシステムや遊びの部分で確実にチャレンジングな事をされていたと思います。それが遂に結実したのが『FFブリゲイド』だったのが、嬉しい驚きでした。

テンポの良さやチュートリアルをクイズにするアイデア(これはgloopsが発案したものだと思いますが、素晴らしい案です。)も勿論良かったですが、一番鮮烈だったのは『ガチャガチャに依存していない事』。

ブリゲイドにはガチャが無い。革命的タイトルKONAMIの『ドラゴンコレクション』以降、ほとんどのヒットしたソーシャルゲームが『カード+ガチャ』というゲームシステムです。前述したGREEのタイトルも多くがそういう傾向にある中、Mobageは多くの自社関連タイトルで『脱ガチャ』を狙って標榜していたように感じます。

僕のタイトルも含め、各社寄ってたかっての『カード+ガチャ』の濫立は、このゲームシステム自体をRPGやFPSと同じような1ジャンルに押し上げるほどの収斂を見せました。この成熟自体は素晴らしいことです。しかし、自戒を込めて言えば、遊びとして『そればっかり』では何の発展も面白さも無いと思います。なにより両プラットフォーム共に世界に飛躍する足がかりの年に、海外の人にはガチャガチャが受け入れられにくいという問題が厳然としてあります。

 

僕はFacebookでも『ナイツオブクリスタル』を展開※しましたが、GREEほどは売れず今年の二月末で一旦撤退します。日本で通用したガチャを海外でもやるとどうなるか?というチャレンジでしたが、単月黒字までは行ってもが初期費用の十分な回収は難しかったです。「どうしたらFacebookで成功するか?」、「本当に海外でガチャは通用しないのか?」・・・この話は、僕の体験談を中心に、いずれここで書きたいと思います。※Facebook版『Knights of the Crystals』

 

そんな中最新のソーシャルゲームのトレンドを抑えながらも、新しい面白さとマネタイズに挑戦した『FFブリゲイド』は凄い。開始数日で登録者が50万を超えているというのもSNSゲームのペースとしては驚異的です。

携帯電話のソーシャルゲームは今はっきり言ってバブル状態です。「すごく儲かる」、「すごい人数が集まる」的な話ばっかりが先行していますが、本来ゲームは「その面白さ」が話題になるべきものでもあります。

今年は自社のタイトルだけでなく、他社のタイトルでも「面白さ」にどんどんフォーカスしたスマゲが出てくる事を期待して、自分もどんどん発表して行きたいと思います。パッケージゲームも国産の面白い作品がいっぱいでるとうれしいな。それではまた来週。

 

つづく

2012年1月23日 11:23