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プロフィール
佐野正弘

東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では携帯電話業界事情から、スマートフォン、モバイルマーケティング、若者のケータイ文化に至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著書にXperia入門ガイド(翔泳社)、SEO対策のウソ・ホント(毎日コミュニケーションズ)など。

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歴史は繰り返す? 過去にもあった大規模ネットワーク障害(1)

 ここ最近、NTTドコモやKDDIなどが、相次いで大規模なネットワーク障害を起こし、インターネットサービスを中心に利用ができない、あるいは利用しづらい状況となるなどして問題となっている。

 NTTドコモは2011年6月6日に発生したネットワーク障害を皮切りとして、8月16日に発生したspモードの接続障害、2012年1月1日に起きたspモードメールの障害、1月25日に発生したパケット交換機の輻輳により、東京都心でデータ通信だけでなく音声通話も利用しづらくなった障害など、ここ半年ちょっとで多数の障害が発生している。中でも12月20日に発生した、spモードメールのアドレスが他のユーザーのアドレスに置き換わってしまう障害は、通信の秘密を侵害する恐れのある、非常に大きな事故だったといえる。

 一方のKDDIは、4月30日に発生した設備障害でパケット通信料の誤課金の発生から、1月25日に東京西部で発生した通信障害、2月9日に発生した通信障害、そして2月11日に全国的に発生したEメールサービスの障害と、こちらも短い期間でのネットワーク障害が相次いでいる。

 各社の障害が相次いでいることから、総務省は1月26日にNTTドコモに対し、事故再発防止を求める行政指導を実施。また総務大臣の川端達夫氏は、2月14日の閣議後記者会見において、KDDIへの指導も検討している旨の発言をしており、2月15日には、総務省がKDDIに対しても再発防止の行政指導を実施したとの報道が各所でなされている(ただし執筆時点では、総務省の報道資料は発表されていない)。

 こうした障害が相次いでいるのは、一部には機器の故障などが要因となっているものもある。だがその多くは、スマートフォンユーザーが急増したことが影響しているといえよう。スマートフォンが広まったことで、従来よりデータ通信を利用するユーザーが増えて回線負担が増加したり、これまでとは異なるアプリケーションで従来想定されなかった使い方がなされたりすることで、輻輳が発生し、大きな障害へとつながるケースが多いようだ。

 つまり最近の障害は、携帯電話からスマートフォンへとデバイスが変化したことによって、ユーザーの利用スタイルが変化し、それが負荷を増加し、障害が発生しやすくしている要因となっている訳だ。先の2社だけでなく、大規模障害こそ起こしていないものの、iPhone利用者の急増で慢性的なパフォーマンスの低下が目立つソフトバンクモバイルも、厳しい状況にあることに変わりはないだろう。

 こうしたキャリアの大規模障害は初めての出来事と思われている人も多いかもしれないが、実はほぼ10年前となる2000年前後にも、キャリア各社の大規模なネットワーク障害が相次ぐ事象が起きている。そしてその要因も、NTTドコモが「iモード」のサービスを開始し、それまで音声通話が主体だった携帯電話で、インターネットの利用が急速に広まったことが主因であるなど、現在と状況が比較的似通っている。

 NTTドコモを例として上げると、同社のiモードサービスは、1999年2月22日のサービス開始以降、利用者が急速に増加。2000年8月7日には契約者が1000万に達するなど、現在のスマートフォンを上回る勢いでユーザーを獲得していた。その一方で、サービス開始から半年ほどでネットワーク障害が相次いで発生するようになり、2000年3月28日には全国でiモードが利用できなくなる大規模な障害が発生。さらに4月1日以降もiモードの接続がしづらい状況が続いたのである。

 3月の障害はソフトウェアの障害によるものであったが、4月以降の障害は、ユーザーの利用が急増したことにより、ネットワーク機器やシステムの処理能力が追いつかないことが要因となっていた。利用者の急増がシステムに大きな影響を与えていたことが、理解できるだろう。

 では当時、NTTドコモはどのような策をもってこれに対処したのだろうか?  次回説明しよう。

 

 

▲NTTドコモは度重なるネットワーク障害を受け、その要因を公開すると共に

2014年度までにスマートフォン5000万台に耐えうる基盤の構築をするとしている

2012年2月15日 16:26

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