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プロフィール
佐野正弘

東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では携帯電話業界事情から、スマートフォン、モバイルマーケティング、若者のケータイ文化に至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著書にXperia入門ガイド(翔泳社)、SEO対策のウソ・ホント(毎日コミュニケーションズ)など。

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携帯電話選びで“幅”と“厚さ”が重視される理由とは?(1)

 家電やパソコンなどさまざまな機器を選ぶ上で、機能やデザインに加え“サイズ”を重要視する人も少なくないことだろう。常に持ち歩いて利用する携帯電話やスマートフォンにおいても、無論サイズは機種選びの重要なポイントとなっているのだが、中でも重要視されているのが“幅”と“厚さ”である。そこで今回は、携帯電話の“幅”について触れてみよう。

 

 携帯電話を選ぶ上で、幅が重要視されるのは、片手で持って操作することが多いからだ。電話をする時やメールを打つ時など、片手で携帯電話を操作する際、幅が広いと片手では握りにくくなるし、ボタンに指が届きにくくなるため操作がしづらくなってしまう。そうしたことから、携帯電話端末を開発する上でも、幅は重要な要素となっている。

 

 特に幅を重視して携帯電話を選ぶのが、女性である。それは一般的に、男性よりも女性の方が手が小さく、携帯電話を持つ時に幅の影響を受けやすいためだ。女性が片手でも持ちやすい携帯電話の幅の限界は50ミリ前後と言われており、それを超えてしまうと女性には選ばれなくなってしまうなど、販売面でも大きな影響を与えていたのだ。こうしたことから日本では従来、携帯電話を開発する際に50ミリ幅を超えないことが、とても重要視されてきたのだ。

 

 だがそうした常識を打ち破ったのが、スマートフォンである。スマートフォンブームの火付け役となったiPhone 3Gは幅が62.1ミリと、50ミリ幅の携帯電話と比べ10ミリ以上広かった。にもかかわらずこれがヒットしたことから、スマートフォンでは50ミリ幅を超えたものが一般的となっている。

 

 iPhoneが50ミリ幅を超えても受け入れられたのは、サイズよりもiPhoneが持つ機能や、画面の大きさが重視されていたことが大きいだろう。だがそれよりも大きかったのは、“タッチ操作”を採用したことにあると筆者は見ている。

 

 ボタンの位置が固定されていない、タッチパネルによる操作は、ディスプレイが固定され、安定した状態でないとやりにくいため、固定しにくく不安定になりやすい、片手での操作はボタン操作と比べ難しい。そのためiPhoneを使っている人の中には、片手での操作を諦め、両手を使って操作する人も少なからず見られた。こうした要因により、最初から“iPhoneは片手だけでなく両手でも使うもの”という認識が持たれ、片手で持つと気になる“幅”が従来ほど意識されなくなり、50ミリの壁を突破したと考えられる。

 

 もっとも、だからといってスマートフォンでは“幅”が重要な要素ではなくなったのかというとそうではなく、今後大幅に増加するであろう女性の需要を開拓する上で、スマートフォンではどのくらいの幅が適切なのかという試行錯誤は現在も続いている。事実、昨年秋に発売され、女性向けをうたっていたNTTドコモのソニー・エリクソン製端末「Xperia ray SO-03C」は、幅が53ミリを実現。従来の携帯電話に近付ける努力がなされていたりする。

 

 携帯電話のサイズを語る上で、もう1つの重要な要素“厚さ”については、次回触れることにしよう。

▲NTTドコモのスマートフォン「Xperia ray SO-03C」。

女性向けを意識し、携帯電話並みの53ミリという幅を実現した端末だ。

2012年1月25日 16:01

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