酒缶さん
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【鈴井匡伸氏】6.好きなタイプを吹き込む

 今回のゲスト:鈴井匡伸氏 

インディーズゼロ代表取締役。制作に関わったタイトルは『千年家族』『しゃべる!DSお料理ナビ』『ゲームセンターCX 有野の挑戦状』など多数。最新作はニンテンドー3DSの『タッチ!ダブルペンスポーツ』。


酒缶 鈴井さんが初めて遊んだゲームって何ですか? 多分、テレビゲームに絞り込むと、アーケードのゲームだと思うんですけど。

 

鈴井 友達の家で遊んだLSIゲームやゲーム&ウォッチの方が先のような気がします。お小遣いは全部コロコロコミックやガンプラやチョロQやラジコンやNゲージに使っちゃっていたので。ゲームが下手だったので、アーケードでお金を使うと、1分くらいで終わっちゃうんですよね。もったいなくて。「それなら駄菓子が2個買える」という発想だったので、友達の家で遊んだゲームが最初ですね。

 

酒缶 タイトルは覚えてないですか?

 

鈴井 わからないですね。初めて遊んだファミコンは四角ボタン(※1)でしたけど、自分が買ったのは丸ボタンで、最初に買ったゲームは『ちゃっくんぽっぷ』(※2)でした。理由は可愛かったから、というのが大失敗(笑)。あんな難しいゲームだとは思ってなくて。2本目はデービーソフトの『フラッピー』(※3)で、これも可愛かったんです(笑)。

 

 

(※1) ファミコンは四角ボタン 現在のゲーム機のボタンは一般的に丸い形をしているが、初期のファミコンは四角い形をしていた。また、ボタンの素材がゴムだったこともあり、連打するとボタンが戻って来なくなることがあり、プラスチック製の丸ボタンに変更された。

(※2) 『ちゃっくんぽっぷ』 1983年にタイトーがアーケード向けに発売されたアクションゲーム。ファミリーコンピュータ版はその移植で1985年に発売された。バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_chp/index.html

(※3) 『フラッピー』 1983年にデービーソフトがパソコン向けに発売したアクションパズルゲーム。ファミリーコンピュータ版は1985年に発売され、その後も色々なPCでシリーズ作品が発売されている。バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_fla/index.html

 

酒缶 どちらも、可愛いから買うゲームじゃないんですけど……。

 

鈴井 当時はそういう買い方をして失敗ばっかりで、反省しましたよ。弟は『スターフォース』(※4)や『チャレンジャー』のような確実なものを……僕が「これがいいんじゃない?」って吹き込んでいたからなんですけど。

 

(※4) 『スターフォース』 1984年にテーカン(現コーエーテクモゲームス)がアーケード向けに発売した縦スクロールシューティングゲーム。ファミリーコンピュータ版はその移植でハドソンから1985年に発売されている。バーチャルコンソールアーケード http://www.tecmo.co.jp/product/vca/starforce/index.html

 

酒缶 何で、吹き込むのと自分が買うのは路線が違うんですか?

 

鈴井 コロコロでプッシュしているモノは弟に。自分はパッケージで気になったものを(笑)。自分は欲望が強くて、キャラクターが可愛いとか、デザインとかで買っちゃって失敗していたので、これ以上失敗しないように、ファミ通やファミマガを熟読するようになったんです。中学時代の部活はバドミントン部に入っていたんですけど、選んだ理由は隔週木曜日が休みだったから。部活が休みの時に友達の家でファミコンをしようぜ! ってことで、友達を何人か誘って部活に入りました。

 

酒缶 部活は必ず入らないといけなかったんですか?

 

鈴井 帰宅部禁止だったんです。理由はそれだけ。純粋だったんですよ。ゲームが楽しくて、なんとかいろんなゲームで遊びたくて、雑誌を見ると欲しくなるし、全部見てみたくなるし、自分だけじゃ絶対に買えないし、お金がないから、友達にどのゲームがいいか吹き込んで買ってもらうという手法を編み出しました。一回友達をガッカリさせちゃうと買ってくれなくなってしまうので、友達が好きなタイプのゲームを如何に伝えるか考えるようになりました。

 

酒缶 どこの広報なんですか!(笑)

 

鈴井 バドミントン部だったからということもありますけど、バップの『バドミントン』(※5)はすごくやりましたよ。『バレーボール』(※6)を作ったスタッフが作っているので、挙動がいいんですよ。テクモさんも好きで、部活の友達に『ソロモンの鍵』(※7)を買ってもらって、夕方、部活で外周に出た時に、そいつの家で遊んでいました。

 

(※5) バップの『バドミントン』 正式名称は『スーパーダイナミックバドミントン』。1988年にバップがファミリーコンピュータ向けに発売したバドミントンゲーム。シングルスプレイとダブルスプレイが楽しめた。

(※6) 『バレーボール』 1986年に任天堂がファミリーコンピュータディスクシステム向けに発売したバレーボールのゲーム。ディスクシステムの片面タイトルだったので、『スーパーマリオブラザーズ2』のB面に書き換えた人が結構多かったのでは? バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_vb/index.html

(※7) 『ソロモンの鍵』 1986年にテクモ(現コーエーテクモゲームス)がファミコン向けに発売したアクションパズルゲーム。バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_sk/index.html

 

酒缶 『ソロモンの鍵』は相当難しかったですよね。

 

鈴井 難しかったですね。そいつはゲームがうまかったので、頑張ってクリアしてもらいましたけど。『マイティボンジャック』(※8)も相当難しくて、真のエンディングを見るためにメチャクチャ苦労しました。そいつの家は子ども部屋にファミコンがあったので、ポーズして次の日に遊びに行って……と何日もかけてクリアしたら、ただピラミッドの壊れる量が違うだけだったという(笑)。

 

(※8) 『マイティボンジャック』 1986年にテクモ(現コーエーテクモゲームス)がファミリーコンピュータ向けに発売したアクションゲーム。プレイ状況によって4つのエンディングが存在した。バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_mbj/index.html

 

酒缶 メッセージも違いますけど。

 

鈴井 でも、あんなの子ども心に、「マルチエンドってなんだよ!」って裏切られた気分になりましたよ。クリアするのメチャクチャ大変じゃないですか。ありえないところを攻略して。当時はネットもないですし、必死で雑誌の情報を調べてね。テレビCMでやってなかったら、ヤシの木の間に入ってジャンプして宝箱が出てくるなんてわからないですよ。

 

酒缶 パワーアップしてないとダメだったり。

 

鈴井 そうそう。それがテーカンという会社で『スターフォース』を作った会社だと知るのはもっと未来の話で、『スーパースターフォース』(※9)がテクモから出る頃にその辺りの事情を知って、どんどん業界通になっていくという中高生だったんですけど。コロコロも読んでいたので、ハドソンのタイトルは全て追ってますね。弟が買った『スターフォース』も死ぬほどやりましたし、『ボンバーマン』(※10)も『忍者ハットリくん』(※11)も買いました。ハドソンにかなり貢ぎました。当時は、ハドソンが一番の会社だと勘違いしていたくらいで。

 

(※9) 『スーパースターフォース』 1986年にテクモ(現コーエーテクモゲームス)がファミリーコンピュータ向けに発売した縦スクロールシューティング+アクションRPG。

(※10) 『ボンバーマン』 1985年にハドソンがファミリーコンピュータ向けに発売したアクションゲーム。元は1983年にハドソンがパソコン向けに発売した『爆弾男』。

(※11) 『忍者ハットリくん』 正式名称は『忍者ハットリくん 忍者は修行でござるの巻』。1986年にハドソンがファミリーコンピュータ向けに発売したアクションゲーム。ボーナス面のちくわと鉄アレイのインパクトは絶大。

 

酒缶 いや、勘違いじゃなくていいですよ(笑)。

 

鈴井 本当に一本ずつに思い出がありすぎて、ほとんどのゲームが大好きだったし、買って、しゃぶりつくすまで遊んでいたんですけど、不思議なことに任天堂のソフトが少ないんです。

 

 

酒缶 『スーパーマリオブラザーズ』は?

 

鈴井 買いませんでした。友達がみんな任天堂のゲームを持っていたので、自分では買わなかったのかな。任天堂のゲームは全体的に僕には難しかったんです。アーケードが苦手だったのも理解できます。『ファンタジーゾーン』(※12)とかも最初の敵で死ぬんですよ。みんなが接近してガチャガチャやってやっつけているから自分も同じようにやってたら、体当たりしてポポポポポーンって。

 

(※12) 『ファンタジーゾーン』 1986年にセガ・エンタープライゼス(現セガ)がアーケード向けに発売したシューティングゲーム。

 

酒缶 それ、僕と同じですね。弾が見えると弾の方に操作しちゃうんです。避けているのに弾に当たって死んで、どうでもいい時に弾避けをちゃんとしているんです。

 

鈴井 わかるなぁ。『スターフォース』は比較的緩く、ラリオスは何度か練習すると倒せましたけど、当時は邪道ゲーマーだったんですよ。『スターフォース』も最初の位置ならどれくらい死なないかとか、右上にいたらどうなるかとか、普通に攻略して遊べばいいのに、そういうことばっかり考えて。ゲームは親から一日一時間と決められていましたし、友達とやっていると、1プレイ交代だったから、長く自分が遊びたいと思うじゃないですか。死なないことの方が大事だったんですね。

 

酒缶 僕、ファミコンの『マクロス』(※13)で一番右下にいました。

 

(※13) 『マクロス』 正式名称は『超時空要塞マクロス』。1985年にバンダイ(現バンダイナムコゲームス)が発売した横スクロールシューティングゲーム。開発はナムコ(現バンダイナムコゲームス)。バルキリーを3形態に変形できたが、飛行タイプのファイターで画面右下にいるとあまりダメージを食らわずに中枢部まで進める

 

鈴井 そういうやつ。そうでした。でも、ファミコンで中学時代に一番やったのは『ファミスタ』(※14)です。下敷き(※15)がよかったんですよ。あれで選手を全部覚えました。

 

 

(※14) 『ファミスタ』 正式名称は『プロ野球ファミリースタジアム』。1986年にナムコ(現バンダイナムコゲームス)が発売した野球ゲーム。ファミリーコンピュータ版は途中で『ファミスタ』にタイトルを変えて、1994年版まで発売された。

(※15) 下敷き 当時、ファミコン通信に選手データの掲載された下敷きが付録として付いてきた。

 

酒缶 あれで覚えたんですか? 『ファミスタ』って、最初ってかなり豪快なゲームでしたよね。2年目からバッターボックスで前の方に行けなくなったりとか。

 

鈴井 86年度は打撃重視だったんで、87年はピッチャーの球が重くなって、投手戦になったんですよ。打てなくなって、1点を争うゲームなんて面白くなくて、88年にちょっと戻るんですけど、86年が一番面白いです。ものすごく豪快な選手が多くて、打撃中心で遊びやすかったんです。友達は『燃えプロ』(※16)を買って失敗してましたね。クロマティがバントしてホームランになって、こんなのゲームじゃないって。テンポの悪いのが耐えられなかったんですよ。1試合に40分、50分かかるのは耐えられなくて。

 

(※16) 『燃えプロ』 正式名称は『燃えろ!! プロ野球』。1987年にジャレコがファミリーコンピュータ向けに発売した野球ゲーム。当時はリアルタッチの野球ゲームとしてかなり注目された。バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_mp/index.html

 

酒缶 でも、最近はリアル系の野球も受け入れられていますよね。

 

鈴井 どうしてなんですかね。ゲームってワンプレイに15分、20分でナンボだと思っているので。でも、当時はスポーツゲームが好きだったんだなぁ。『ファミリーボクシング』(※17)は大好きでした。『つっぱり大相撲』(※18)も死ぬほど遊びましたよ。3歳半違う弟がまた、丁度いい、僕が勝てる相手なんですよ(笑)。対戦ゲームはとにかく遊んでいて、『ファミスタ』はよく断られましたね。付き合いの悪い奴だなって。とにかく弟には勝てるので、好きなソフトを5つ選んで連戦するファミコンオリンピックをやっていました。ファミコンさんには本当によくしてもらいましたよ(笑)。

 

(※17) 『ファミリーボクシング』 1987年にナムコ(現バンダイナムコゲームス)がファミリーコンピュータ向けに発売したボクシングゲーム。ラウンド間にボタン連打で体力を回復できたため、プレイヤーは常に休めない。

(※18) 『つっぱり大相撲』 1987年にテクモ(現コーエーテクモゲームス)がファミリーコンピュータ向けに発売した相撲ゲーム。バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_tpo/index.html

 

次回の更新は、7月26日(火)の予定です。

2011年7月22日 12:07