酒缶さん
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【和田俊輔氏】1.現場口出し型のプロデューサー

 

 今回のゲスト:和田俊輔氏 

アスミック・エース エンタテインメント 新機能開発本部GM。「裏ワザ」を通して過去の名作ゲームを紹介するDVD『ザ・裏ワザ』シリーズのプロデューサー。

 

 

酒缶 ボクの和田さんに対する印象は「ザ・裏ワザ」(※1)のプロデューサーなんですけど、最近、『転生學園』のモバイル版(※2)の制作をされていますよね。『転生學園』シリーズの制作は裏で継続されていたんですか?

 

(※1) 「ザ・裏ワザ」 ゲームの裏ワザが多数収録されたDVDのシリーズ。酒缶もブレーンとして制作に関わっている。公式サイト http://the-urawaza.net/ 

(※2) 『転生學園』のモバイル版 ソーシャルゲーム『恋愛×伝奇 転生学園』のこと。GREEで配信されている。公式サイト http://tensho-go.com/ 

 

和田 いや、完全にバツンと分断されてましたね。2004 年に『転生學園幻蒼録』、2006年末に『転生學園月光録』(※3) がリリースされ、「次どうしようかなぁ」と考えていたら、2007年に辞令が下って出向になったんですよね。アスミックから別の会社に行って、DVDの営業をするようになったんですよ。

 

(※3) 2004年に『転生學園幻蒼録』、2006年に『転生學園月光録』 アスミック・エース エンタテインメントがプレイステーション2向けに発売した『転生學園』シリーズのタイトル。 

 

酒缶 アスミックさんのゲームタイトルと発売日を調べてみると、2007年以降は確かに新作が発売されていませんね。この後、和田さんがしばらく出向。

 

和田 そうですね。その頃のゲーム部門は開発・営業・宣伝で合わせて4?5人という少数体制でやっていたんですね。それで、2009 年の11 月に出向が解除されてアスミックに戻って来ると見事にゲームの部署がなくなっていて、新規にゲーム開発を立ち上げるのはさすがに難しい。じゃあゲームが作れなければDVDを作るしかないなーみたいな流れになりました。そこからゲーム系のDVDはどんなものがいいかリサーチしたんですよ。ゲームミュージックのライブDVDはどうだとか、世間でクソゲーと言われているゲームを集めてそんなことないぞと啓蒙するDVDはどうかとか(笑)、斬新なアイディアはいろいろとあったんですけど。

 

酒缶 それは発明ですね。

 

和田 ただ、すでにDVDも市場がだんだん厳しくなっていたので、営業的にいけそうなものということをかなり考えましたね。単にゲームを紹介してもダメでしょうし、売れているからって「ゲームセンターCX」(※4)のマネをしても無理でしょうし。そこで自分でアリだと思っていて周囲の反応もよかった裏ワザのDVDを作ることにしたんです。

 

(※4) 「ゲームセンターCX」 フジテレビCS放送の人気ゲームバラエティ番組。お笑いコンビ「よゐこ」の有野晋哉が有野課長としてレトロゲームに挑戦する「有野の挑戦」が有名。

 

酒缶 それが去年の?

 

和田 2010年の3、4月くらいにメーカーさんのところに行って、「過去の名作を紹介し、ゲームの歴史や意義を感じられるようなDVDを作りたいと思っています」みたいな感じで許諾のお願いをしたんです。もちろん過去作のダウンロードサービスが盛り上がるような業界的にもメリットのあるDVDを作りたいと思いまして。

 

酒缶 「ザ・裏ワザ」については後ほど訊きますが、その「ザ・裏ワザ」をやりながら並行してケータイをやっていたんですか?

 

和田 そうですね。ケータイアプリの開発話が立ちあがったのは去年の秋ぐらいからですかね。でも、社内ではプロデュースというより監修が主で開発は外に任せていますし、とてもコンパクトな開発期間だったのでそこまで「ザ・裏ワザ」の製作とかぶっている感じはなかったですね。

 

 

酒缶 ソーシャル系はオープンしてからが勝負ですよね。でも、『転生學園』シリーズの元々ターゲット層はどの辺だったんですか?

 

和田 PS2版のターゲットについて言いますと『転生學園』の前にアスミックで『東京魔人學園』(※5) という同じく学園伝奇もののタイトルを出していまして、その層を想定してのリリースでしたね。

 

(※5) 『東京魔人學園』 1998年に第1作が発売された学園伝奇シリーズ。3部作の内の2部まではすでに発売され、プレイステーション版はアスミック・エース エンタテインメントから発売されている。3作目はニンテンドーDS用タイトルとしてマーベラスエンターテイメントから発売される予定だったが、現在、発売中止になっている。

 

酒缶 『魔人』と『転生』は関係ないんですか?

 

和田 作品的に関係はないですね。しいて言えばアスミックでの学園伝奇シリーズ第一弾が『魔人』で第二弾が『転生』という感じでしょうか。

 

酒缶 アスミックさん的には、学園モノのとして『転生學園』を新規に立ち上げて、今でもシリーズ化……シリーズ化というのが正しいかよく分からないんですけど、モバイルで今に至るんですね。で、『恋愛×伝奇 転生学園』のターゲットなんですけど……。

 

和田 PS2『転生學園』のユーザー層は面白いくらいに男女で半々だったんです。高校が舞台の学園モノなので、発売当時でいえば高校生くらいから30代後半くらいまでの方々がメインユーザーでしたね。また、いわゆる伝奇物がお好きな方も多かったようです。今回は『幻蒼録』や『月光録』を遊んで下さった方達の中でも、特に女性がターゲットですね……というのも今回のケータイアプリは恋愛乙女ゲームなので。『恋愛×伝奇 転生学園』というだけあって『月光録』で登場したイケメンくんたちと恋人気分になれるのがウリでして、学園青春モノ的な恋愛テイストと伝奇的な妖しいテイスト両方が楽しめるストーリーになっていますので、前作プレイ済みの方はもちろん、未プレイの女性の方にもぜひプレイして欲しいですね。

 

酒缶 ということは、男子をターゲットにしたものも今後あり得る?

 

和田 あぁ、いわゆる男性向けの恋愛アドベンチャーみたいなもの?

 

酒缶 いや、ボクはジャンルを決められないので。

 

 

和田 元々、『転生學園』は“学園伝奇アドベンチャー+シミュレーションRPG”とメチャクチャ長いジャンル名だったんですけど、さすがにケータイアプリでそこまで盛り込むのは難しいので、ストーリー重視に割り切っての恋愛乙女ゲーになったんですよね。でもまぁ、男性向けのもあり得ないことはないですね。ただその場合、女性キャラはそこまで恋愛ゲーム向きではないと思うので多少手を加える必要はありそうですけど。

 

酒缶 乙女ゲームって声優さんが重要だと思うんですけど、その辺りはしっかり押さていますよね。

 

和田 そういう意味では、男性キャラクター達は実力派かつ人気のある声優さんばかり(※6) なのでそれは大きかったかな、と思います。

 

(※6)  人気のある声優さんばかり 館脇道文(CV…櫻井孝宏)、結崎亮(CV…鈴村健一)、剣持昴生(CV…保志総一朗)、仁科麒一(CV…下野紘)、京羅樹崇志(CV…鳥海浩輔)

 

酒缶 さすが、そこまで考えて人を選んでいたなんて。

 

和田 その何年後にモバイルになるな、って思っていたら天才ですね。

 

 

酒缶 和田さんはゲームの制作ではどういうポジションに当たるんですか?

 

和田 『転生』の時はいわゆるプロデューサーです。アスミックは元々プログラマーなど開発の人材を持っていないので、開発会社のディレクターの方との「こういう形にしましょう」という打合せのほかに、イラストレーターや作曲家の方などにオファーをしたり、宣伝に関してはどこにどのタイミングでどのように出そうとか、いくら掛けようかとか、そういったことを考える仕事ですね。お金管理と進行管理……それから、その他雑用という感じでしょうか(笑)。

 

酒缶 現場よりは外に対する?

 

和田 どっちもですね。ただ現場にはかなり口を出していたと思います。たぶん開発会社のディレクターさんとかには結構面倒くさい奴だなーと思われてたんじゃないですかね(笑)。「ザ・裏ワザ」でもそういうところがありました。「このゲーム入れるならこのシーンを収録しないと!」みたいな。こだわりの部分をついつい口出ししてしまうパターンですね。ただ、やっぱりずっとゲームをやってきていると、これはやっとかないといけないみたいな部分があるじゃないですか、ユーザビリティの部分とか。最初の頃、希望していた仕様が「今からですと入りません」と言われ「最初から言ってたのに。ウーーム……。」みたいなこともあったりして、ついあれこれ言うようになってしまったのかもしれませんね。

 

酒缶 わりとこう、現場口出し型のプロデューサーということで。

 

和田 そういうとすごくイヤなヤツな感じですけど。そうですね(笑)。

 

次回の更新は、6月3日(金)の予定です。

 

2011年5月31日 14:32