酒缶さん
ゲームコレクターの酒缶が、大好きなゲームを世の中に紹介するために、ゲームを作っている人、ゲームを集めている人、何かしらゲームに関わって生活している人に、ゲームの話を訊きにいくブログです。
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【酒缶のゲーム通信】



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【星野光弘氏】8.ずっと常に付き合っていく

 今回のゲスト:星野光弘氏 
ランカース代表取締役。制作に関わったタイトルは『BUBBLE BOBBLE DOUBLE』(iPhone)、『ワイズマンズワールド』、『ジュエルペット』シリーズなど多数

 

酒缶 もしもゲームが1つしか存在しない世界だとしたら、星野さんはどのゲームがあるといいですか?

星野 『エイジオブエンパイア』(※1)ですね。飽きないゲームを選びました。なんで飽きないかというと、毎回ランダム生成され、自分が選択できる選択肢がいっぱいあるし、毎回違うプレイができるんですよ。どのプレイをやってもそれなりに面白いので、飽きないんです。

(※1) 『エイジオブエンパイア』 1997年にマイクロソフトがパソコン向けに発売したリアルタイムストラテジー。現在、シリーズは3作目まで発売されている。『Age of Empires III』公式サイト http://www.microsoft.com/japan/games/age3/

酒缶 『シムシティー』(※2)なんかも飽きずにできると思うんですけど、何か違うんですか?

(※2) 『シムシティー』 1989年にマクシス社がパソコン向けに発売したリアルタイムシミュレーションゲーム。数々のゲーム機に移植や続編が発売されていて、1作目はスーパーファミコンにも移植されている。バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_sc/

星野 『シムシティー』は結局、プレイの仕方は変わらなくて、地形が違えば戦略は変わるんですけど、やることは同じですよ。……まぁ、『エイジオブエンパイア』もやることは同じなんですけど、当然、選ぶ相手の国によって戦略が変わるというところで広がりが全然違います。育てるバランスというか、配分が楽しいんですよね。


 

酒缶 自分で作りたいと思うゲームと遊びたいゲームは違うんですか?

星野 『ディアブロ』みたいなゲームは作りたいです。ああいうのは憧れで、いつか作りたい。『エイジオブエンパイア』は普通にゲーマーとして楽しんでいるので、作りたいとは思わないですね。

酒缶 アドベンチャーゲームを作る人には、本当は遊びたいけど、完成した時にはシナリオを完全にわかっているというジレンマがあるって言いますよね。あと、「仕事で役立ったゲーム」という問いに対しては、これまでに遊んだ全部のゲーム?

星野 そうですね。数えきれないですね。例えば、ファミマガとか当時からずっと揃えて持っているんです。僕もそれなりのコレクターになっていて、資料は割と豊富なんです。昔のゲームの移植や、続編とか、あのテイストと言われた時に、資料がある、という点で活きてますね。「やっと活きたぞ、このコレクションが!」って。

酒缶 そういう情報が大事なんですね。ネットじゃなくて、昔のモノを持っているということが。

星野 大事ですね。こないだも、とあるゲームを作っているときに、当時、ゲーメストさんから出た「ザ・ベストゲーム」(※3)というマニアックな本が活きましたね。凄く役立ちました。

(※3) 「ザ・ベストゲーム」 1991年に新声社が発売したアーケードゲームをテーマにしたムック。アーケードゲームの資料として重宝され、プレミアが付いている。

酒缶 持っているだけじゃなくて、どこに載っていたか覚えていることがすごいですね。

星野 ちゃんと記憶してますから。

酒缶 データじゃなくて、データベースが頭にあるのがすごいですよね。

星野 あと、ゲームショップの店員をやっていた時に、コンシューマの中古の値段付け担当だったんです。だから、相場をすべてわかっていたし、どれにプレミアが付いているかわかっていたので、「これはこの値段では絶対に売れちゃう」とか……。

酒缶 だから、押さえちゃうんですね。

星野 「『ファイナルファイト タフ』(※4)来た!」とか、「『マジカルチェイス』(※5)来た!」とか。「この値段で売るなら僕が買うわ!」となりますよね。

(※4) 『ファイナルファイト タフ』 1995年にカプコンがスーパーファミコン向けに発売したベルトスクロールアクションゲーム。スーファミ後期に発売されたため、出荷本数が少なく、プレミアが付いている。バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_fit/
(※5) 『マジカルチェイス』 1991年にパルソフトがPCエンジン向けに発売した横スクロールシューティングゲーム。このソフトも出荷本数が少なく、プレミアになっている。

酒缶 まぁ、コレクションが増えますよね(笑)。

星野 僕がいた店は結構掘り出し物があったんですよ。あとは田舎に行くとたまに面白いモノが出てきましたよね。ああいう掘り出し物を探すのも楽しかったな。また、地方を巡って集めたいですね。これは買っておかないと、保守しておかないとって(笑)。

酒缶 でも、色々持ってますよね。今度は、星野さんの家に行きたいです。

星野 結構、変なものもありますよ。まあ、おそらく持っていると思いますけど、『ぽっくんモグラー』(※6)とか。

(※6) 『ぽっくんモグラー』 正式名称は『スーパーモグラたたき!!ぽっくんモグラー』。1989年にアイ・ジー・エスがファミリーコンピュータ向けに発売したモグラ叩き。マットとピコピコハンマーが同梱されていて、ハンマーでマットを叩いてモグラを倒す。

酒缶 持ってますよ。あれは、ハンマーじゃなくて手で遊んだほうが点を取れますよね(笑)。そろそろ締めに入らせていただこうかと思うんですけど、今後のゲームとの付き合い方はどう考えていますか?

星野 ゲーム業界が今、縮小傾向とかよく言われるじゃないですか。仕事仲間とも当然、スマホでSNSだなんだという話になったりもしますが、絶対にコンシューマは続けていきます。これがなくなったらやる意味がない。

酒缶 コンシューマとずっと常に付き合っていく……という感じですね。開発として付き合っていく。

星野 もちろん、開発が大前提ではあります。仕事として取り組んでいますし。

酒缶 でも、厳しい話は本当にいろんなところで訊きますね。

星野 もう数字で出ちゃってますからね。

酒缶 ソーシャルもそうだし、オンラインゲームもそうだし、必ず何かが出てくるとゲームの市場は広がっているはずなんですけどね。

星野 実際は広がってますよ。ゲーム市場は。「僕らが好きだったところ」が減っているだけです。


酒缶 難しいですね。では、もう一つの難しい質問にも答えてもらいましょう。星野さんにとってゲームとは何ですか?

星野 それは簡単で、もうライフワークですよ。だって、それを取ると何もないんだもん(笑)。親にも申し訳ないですし。こういう風にずっとゲームをやってきちゃって、親は辛かったと思うんですよね。でも、こういう立場になったので、今は何も言わないですけど(笑)。むしろ、良かったね、と。まぁ、人生そのものですよね。他のことをやれと言われてもできないですから。

酒缶 星野さんなら何でもできる気がしますけど。

星野 それなら僕、ライターになりたいですよ。ゲームのマニアックなヤツの。

酒缶 ライターはやらない方がいい(※7)ですよ。

(※7) ライターはやらない方がいい 全くお勧めできません。仕事は不規則だし、あんまり稼げないし、今回最終回だし……。

星野 あと、ちょっと憧れているのは、喫茶店をやって、そこにゲームを置いて、ゲーム好きな人が集まって話せたら面白いですよね。

酒缶 ゲームバーではなく、ゲーム喫茶?

星野 なんか、アルコールよりもコーヒーくらいがいいかな。

酒缶 なるほど。でも、昔、テーブル筺体のゲーム機がある喫茶店がありましたよね。ゲームをやっているのに、お店の人が画面の上に食べ物を置いちゃったり、急いでどかして画面にコーヒーをこぼしちゃったり。

星野 昔、田舎の方に行くとあったのでやりました。でも、ずっと眠っているゲーム達はどこかで日の目を見ないといけなくて。そういう場があれば活きてくるんじゃないかなと思ってしまいます。基板を持っているんですけど、通電しないとROMが消えちゃうんですよね。そういうのも定期的にメンテできるし。あと、雑誌がやばいですね。捨てれないから、場所がどんどんなくなる……。

酒缶 デジタル化するとかどうでしょう?

星野 いや、ダメですよ。本物志向なので、モノがないとダメなんですよ。ダウンロードとか無理ですから。

酒缶 コレクターはモノにこだわりますからね。

星野 全てのコレクションに対して愛がありますから。うちの佐々木なんか説明書がよれているだけで……(※8)

(※8) うちの佐々木なんか説明書がよれているだけで…… ランカースの佐々木さんは未開封のPSPのソフトを上から覗き込み、取扱説明書がパッケージにぶつかって少しでも折れていると買わない、かなりのこだわり派。

酒缶 あれ、意味がわからないですよね。

星野 あれは末期ですね(笑)。


酒缶 今日はたくさん楽しいお話を訊けたので、ランカースの魅力が世の中に伝わるはずです。

星野 これ、プラスになるのかな? マニアックな会社という印象しか……。

酒缶 (笑)ありがとうございました。

星野 ありがとうございます。

酒缶 また、遊んでください。

星野 (笑)。

 

 

                  訪 問 後 記                  

ただゲームが好きなだけではゲームの開発者にはなれないけど、ものすごくゲームが好きであればゲームの開発者になって成功できる。星野さんはゲーム好きな子どもが夢見る未来を実践している人でした。大人になるとゲームのプレイから遠ざかる人が多い中、今でも激しくプレイしているのが大変頼もしい。やっぱり、ゲームを愛している人が作ったゲームで遊びたいですよね。


                  ファミ友00005人目達成!                

 

次回の更新は、10月24日(月)の予定です。

 

2011年10月21日 18:32