酒缶さん
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【星野光弘氏】2.リベンジしたいタイトル

 今回のゲスト:星野光弘氏 
ランカース代表取締役。制作に関わったタイトルは『BUBBLE BOBBLE DOUBLE』(iPhone)、『ワイズマンズワールド』、『ジュエルペット』シリーズなど多数

 

酒缶 『まわしてコロン』(※1)ですが、わりとDSの初期ですよね。

(※1) 『まわしてコロン』 2005年にタイトーがニンテンドーDS向けに発売したアクションゲーム。

星野 それは、『パズルボブルDS』のすぐ後ですね。

酒缶 タイトーさんのタイトルだと『キャメルトライ』(※2)のイメージがだいぶ強いんですけど、『キャメルトライ』との関連はあるんですか?

(※2) 『キャメルトライ』 1989年にタイトーがアーケード向けに発売したアクションゲーム。画面をくるくるとまわして、ボールをゴールへと導く。2005年に発売された『タイトーメモリーズ上巻』に収録されている。

星野 そうですね。コンセプトは「DSで『キャメルトライ』」です。最終的に『まわしてコロン』というタイトルになっています。

酒缶 昔からゲームをやっているユーザーだったら、『キャメルトライ』と書いてある方が食いつきそうじゃないですか。代わりにパッケージに描かれているコロンというキャラがなくなっちゃうかもしれませんけど。でも、この当時に1枚のカードで4人対戦とか実現できているんですよね。

星野 はい。わりと短期間の開発というのもあり、通信は苦労しましたね。

 

 

酒缶 簡単に遊べて、しかもDSのタッチをちゃんと使っていて、DSらしいタイトルですよね。でも、ボクの中で御社はやっぱり『ワイズマンズワールド』(※3)のイメージが強いんですけど、よろしいでしょうか?

(※3) 『ワイズマンズワールド』 2010年にジャレコがニンテンドーDS向けに発売したRPG。公式サイト http://www.jalecogames.co.jp/rebirth/wizmans/

星野 これはWebではいろいろとあったので、今となっては思い入れがありますよね。

酒缶 『ワイズマンズワールド』のキャッチ「あの頃のRPGをもう一度?。」は元々のコンセプトだったんですか?

星野 難しいところを突きますね。それは秘密です(笑)。

酒缶 元々『ワイズマンズワールド』が話題になった時って、ジャレコの加藤社長が色々と募集(※4)をしてましたよね。あの募集は御社の開発と連動していたんですか?

(※4) 色々と募集 敵モンスター募集、タイトルロゴデザイン募集、主人公の名前募集、トップページイラスト募集など。

星野 いや(笑)。知らないところで勝手に動いていたっていう感じで。

酒缶 元々、そういうのって、開発が始まる段階から打合せがあるような気がするんですけど……。

星野 普通はあるような気がしますけど、なかったですね。突然「こういうのをやるよ」と言われて、「えーーー!」ってなるんです。

酒缶 はぁ。開発者ブログ(※5)を見たんですけど、開発者ブログって大変ですよね。星野さんって結構ユーザーとコミュニケーションを取りたがっているイメージがあるんですけど。

(※5) 開発者ブログ http://blog.livedoor.jp/jaleco2/

星野 やっぱり、「もうちょっとユーザーと近い距離にいられたらな」と常に思っていて、僕はそういうスタンスですね。

酒缶 開発者ブログというカテゴリーって、開発をしているときが一番書き時だと思うんですけど、契約とか色々あるから書けないじゃないですか?

星野 そうですね。みんなが知りたいところがもっとあることは自分自身わかっているのですが、言えないです。

酒缶 逆に、言えるタイミングになると、次の仕事に入られていますよね。

星野 そうですね。あと、あんまり言いすぎちゃっても、ゲームの内容だと面白味が減っていっちゃうので。でも僕は昔から一ユーザーとして「開発がどういう風になっているんだろう」とか興味があったので、なるべく裏話的な情報を出したいなとは思っているんです。

酒缶 それが11人もブログに名前が出てきたこと何ですか?

星野 あれは、「もういいから、責任持って出ろ!」って指示したんです。

酒缶 プロデューサーやディレクターレベルの人が出てくるブログは沢山ありますけど、あれだけ大人数の人の名前が出てくる開発者ブログは他ではあんまりないですよね。

星野 そこは生の声の方が面白いと思いましたし、テキストレベルだからいいかと思ったんです。プログラマーやサウンドにも書かせました。

 

 

酒缶 ゲームの中で3人の妖精、というかホムンクルス(※6)が出てきて主人公と一緒に冒険しますけど、女の子と冒険をしたいとか、そういう意味合いがあるんですか? 勝手に想像したんですけど。

(※6) ホムンクルス 『ワイズマンズワールド』には、主人公と一緒に冒険する人工生命体のホムンクルスが3体登場する。3体とも女性。

星野 いや、特にはないですよ。元々、何か妖精みたいなものを一緒に付けて旅をさせようということが前提にあって、主人公は最初男と女の二種類いたんです。だから、女であれば妖精も女である必要がなかったんですけど、ある時、主人公が男だけで固定になったんです。そしたら、お伴はせめて花を添えようということで女性になったんです。

酒缶 ハーレム状態で遊びたいと言う男の心理を突いたのかと勝手に想像してました。

星野 そのホムンクルスがモンスターと合体して全然違う形になる(※7)というのをやりたいという話になってきて、そうすると、「この女の子たちがどういう風になっちゃうの?」という楽しみもあるので。

(※7) ホムンクルスがモンスターと合体して全然違う形になる ホムンクルスにモンスターの魂を融合して、ホムンクルスを強化することができる。このとき、ホムンクルスはモンスターの特徴を捉えた姿に変化していく。

酒缶 あれ、すごいですよね。初期の『FF』のバトルって、右側に可愛い味方キャラが立っていて、左側にリアルなモンスターが現れて、戦っていたじゃないですか? 今回、それと逆で、敵が可愛いキャラで、ホムンクルスが合成した方がリアルなキャラになって戦っているから、それだけで面白いと思ったんです。これまでのゲームって、味方の方に可愛いイメージのキャラが多かったので、新鮮でした。画面にちゃんとホムンクルスの女性の顔が出ているから、一応、女の子だと思いながらプレイはできますけど……特に狙ったわけではないんですね。

星野 もちろん、開発の中盤以降は狙っていましたよ。最初の頃はまだなかったんですけどね。とにかくアニメーションさせたいというデザイナーの要望が強くて、それで無茶だとわかりつつも、敵も動くしプレイヤーも動くドットアニメでやろう、と。

酒缶 歩いていると、草がほわんほわんと動いていますね。

星野 あの辺は、僕も結構指示しましたね。だって、背景が動いていないと寂しいので。

酒缶 まあ、そうなんですけど。歩いていて花がほわんほわんなっているだけで、特に何もないんですけど、恐く感じたんですよ。あと、新鮮だったのが、戦闘が終わると体力が戻るじゃないですか? あれは英断だったと思うんですけど。

星野 チャレンジしましたね。

酒缶 ロープレやっていると、魔法を使わないことが多いんですよ。どうしても力押しで経験値を稼いじゃうんですけど、『ワイズマンズワールド』では、少なくとも自分のMPは戦闘が終わるとMAXに戻るので、ガシガシと魔法を使えて気持ちいですよね。ホムンクルスのMPは減ったままですけど。

星野 その辺も全部システムの都合上、狙ってやってはいるんです。ただ一つ、僕の想定外のことがありまして……『FINAL FANTASY XIII』(※8)が直前に発売されていて、戦闘後、HPが全快なんですよ。HP全快のゲームって久しく出てなくて、僕らでやろうと思っていたんですけど、先にやられてしまいました。

(※8) 『FINAL FANTASY XIII』 2009年にスクウェア・エニックスがプレイステーション3向けに発売したRPG。公式サイト(サイト内は音が出るので注意!) http://www.square-enix.co.jp/fabula/ff13/

酒缶 なるほど。

 

 

星野 もう一個、面白い試みがあって、ダンジョンの中からいつでも街に帰ってくることができます。戻る時に関してはどこからでも瞬時に戻れます。普通ならHPがなくなって傷ついて「もう街に帰れないどうしよう」ということがあると思うんですけど、それがないんです。

酒缶 安心して戦えますよね。あとはマップが変わっていく(※9)んですか?

(※9) マップが変わっていく 特定のイベントに達するとマップが変化する。

星野 変わっていきますね。

酒缶 でも、自動生成のダンジョンRPGのイメージとは違うじゃないですか?

星野 はい。全部1個1個作ってますね。崩壊と再生がテーマなので、マップの一部を崩壊させると、あるイベントが起こり、再生すると別の場所で何か起こる、というくらいすごいことをやろうとしていたんですけど、力尽きて無理でした。

 

酒缶 いやー、でも。でも、色々と挑戦はされているじゃないですか?

星野 しているんですけど、これもリベンジしたいタイトルです。リベンジしたいことが山積みですね。

酒缶 続編はないんですか?

星野 話が来たら喜んでやるんですけどね。

 

次回の更新は、10月4日(火)の予定です。

2011年9月30日 17:48