ぽっきーよ
インタビューや設定集、用語辞典等、読み物ページ専門のゲームライター。引きが強く運頼みのプレイを好み、努力と頭を使ったプレイが苦手。なのにカードゲームとシミュレーションRPGが大好き。美味しい物を食べることに執念を燃やす。



校長
突き詰め抜いた極限攻略を得意とする、超技巧派ゲームライター。必要以上に喋らない無口キャラだが、いざ口を開くと「もうこのゲームでできることはありません」「やれることはやりつくしました」等の台詞で周囲をキュンとさせる。



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第28回/ぽっきーよ「第三の男現わる」

 どもこんにちは、ぽっきーよです。

 少しだけ昔話など。


 僕が初代プレイステーション版『俺の屍を越えてゆけ』(以下『俺屍』)の攻略本に携わったことは何回か書きました。

 今回はあの本が発売される前日のお話です。
 
 攻略本の発売を待つばかりとなった僕と同僚、そしてあの本の担当編集者は、長く続いた作業から解放されて、じゃあみんなで遊びに行こうという話になりました。

 行く先は映画館。

 当時話題の超大作が、深夜に先行上映を行っていたのです。

 しかしそこは超大作、4時間ほど前から並んでいないと、入場すらままなりません。

 僕らは長い行列の中程で、あーだこーだと話しながら時間を潰していました。

 と、僕らの5人くらい前に並んでいた若い男性が、鞄からおもむろに一冊の本を取り出し、読み始めました。

 それはおそらく早売りで前日に手に入れたのであろう、『俺屍』の攻略本でした。

 僕らはそれに気付くと、自然と黙ってしまいました。

 男性の反応が気になってしかたなかったのです。

 男性は熱心に攻略本を読み、ところどころで「へえ!」という顔をしたり、クスっと笑ったりしていました。

 それを盗み見ていた僕らはすごく嬉しくて、ああこの本を作ってよかったな、喜んでもらえているようで本当によかったなと思いました。

 そのあとの長い時間がなんだか楽しいもの、ちょっと幸せなものになったことをいまでもよく覚えています。

 ああ、あれは早売りに寛容な時代じゃった……などと思い出し、没落した非力一族の現状から逃避していると、僕の斜め後ろに立つ、不吉な人影に気付きました。

 「ぽっきーよさん、ちょっといいすか?」

 振り向くとそこには校長……じゃない!


 

 

ポニ村のダメ出し?


 僕の後ろには、横方向にだけ無駄にがっちりした男が立ちはだかっていました。

 この男の名前は、ポニ村。

 リメイク版『俺屍』攻略本のシステムパート担当であり、いつも不機嫌な猫みたいに目が据わっている、横方向だけ大男です。

 正直、見慣れているハズの僕でも怖い!

 そもそも自分の分の原稿を書き溜めてある校長は、未だ優雅に旅行中でありました。

 「ぽっきーよさんのプレイ日記?(笑) 読んだんですけど、アレはないっすよー(笑)」

 

 

 オマエモカー!!

 

 

 「で? なにさ? ダメ出しか? 校長みたいにダメ出ししに来たんだな!?」

 「いやいやいや(笑)。そもそもどうして鬼朱点討伐前に奉納点を稼いでなかったんすか? 常識じゃないっすかー」

 「わかってる! 鬼朱点を倒したら雑魚敵が総入れ替えになるって忘れてたんだよ! で、一族が絶好調だから調子に乗っちゃったのっ!」

 「あはは、ダメな人っすねー(笑)。ぽっきーよさん本当に、これまで何回も『俺屍』をクリアーしてるんすか?」

 「してるよ! PS版もアーカイブス版も何度もクリアーしてるよ!」

 「じゃあなんでそこまでいろいろ分かってないんすか? 忘れる秘訣とかあるんすか?(笑)」

 「何年かに一度遊んでるから、毎回いい感じに忘れちゃうんだよっ!」

 「いいっすねー、毎回楽しめて(笑)。で、第20回に書いてましたけど、太鼓持ちで稼いだ奉納点を、おぼろ幻八との交神でほとんど使っちゃったんでしたっけ?」

 「うん」

 「太鼓持ちを倒してれば奉納点は余ってるでしょー? ほかにも交神に使ったんじゃないすか? どんな神様と交神したんすか?」

 「あ、よくわかるね! そうなんだよ、このゲームは代を重ねるごとに子供が強くなるからさ、それを目的に、奉納点が安い神様を渡り歩いて交神を重ねてみたよ!」

 「どっぷりモードで?」

 「うん!」

 「あはは、本物のアホですね。本当にダメな人っすねー、マジで(笑)」

 「えええっ?」

 「遺伝の仕組みも知らないのに世代ボーナスを狙うとか(笑)、しかもどっぷりモードで(笑)、非力一族は壮大な罰ゲーム中かと(笑)」

 「いやでも、世代ボーナス狙うでしょ!

 「まあ世代ボーナスを狙うのはいいっちゃあいいんですけどね。でもぽっきーよさんの方法は、どっぷりモードでやることじゃないっすよ」

 「つまり……どゆこと?」

 「どっぷりモードは世代ボーナスが初期値に上乗せされる数値が少ない。その一方で、能力値が低い遺伝子を引きやすい。奉納点が低い神様は遺伝情報も低いことを考慮すると、つまりぽっきーよさんは、ほんのわずかな世代ボーナスと引きかえに、非力一族に弱い遺伝子を組み込むことに励んでいたってトコっすねー」

 「ひどい! あんまりだよ!」

 「いやいやいや、全部自分の責任だし。きっとあれっすよね? 最近産まれた子は最初は期待できそうだけど、ほとんど成長しませんでした! って感じなんじゃないっすか?」

 「あー……うん、その通りかも」

 「まあわかってないのと、運が悪いのが重なってますね」

 「運……が……悪……い?」

 「いや、悪いでしょー。それだけ当たりを引いてないんすから」

 「じゃあどうしたらいいのよっ!?」

 「逆ギレ勘弁(笑)。とりあえず紅蓮の祠で、象花火を倒せるようにがんばれって感じっすねー」

 「象花火ね? あとは? あとは?」

 「いやもうあとは自分で考えてくださいよ。面倒臭いんで。じゃあこれで言われた通り、ちゃんと伝えたっすよ」

 「言われた? 誰に?」

 「あー、校長っすよ」

 「校長? 何で?」

 「そろそろぽっきーよさんの一族がマジで滅ぶかもしれないから、自分が旅行行ってるあいだ、様子を見てやってくれって」

 

 

 「校長????!!」

 

 

 「まあそんなわけなんで、またどうしようもない感じになったら、俺も聞いてあげないこともないすよ? 校長に面倒見るよう頼まれてるんで」

 「ポニ村???!!」

 ああなんだろう、この気持ち。

 去っていくポニ村の無駄に横幅が広い背中が、頼もしい感じ。

 遠い空の下にいる、旅行中でも変わらず無表情な校長の眼差しが、クールな感じ。


 

 

 ポッ。


 

 まあこんな感じで周囲の人に教えられ、少しずつ賢くなっていく僕ですよ。

 さあ教えられたことはこの先活かされるのか!?

 次回、復活を賭けて! お楽しみに!

 

 

 

 

 

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このブログは、毎週火、水、木、金曜に更新しています。

 

 

 

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メーカー ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売日 2011年11月10日
UMD版 4980円[税込] ダウンロード版 3800円[税込]
ジャンル 世代交代RPG
発売記念キャンペーンサイト俺のつぶやきを越えてゆけ

 

(C)1999-2011 Sony Computer Entertainment Inc.

 

 

2012年1月26日 18:57