プロフィール
中村彰憲

立命館大学映像学部 教授 ・学術博士。名古屋大学国際開発研究科後期課程修了 早稲田大学アジア太平洋研究センター、立命館大学政策科学部を経て現職。 日本デジタルゲーム学会(DiGRAJapan)副会長、太秦戦国祭り実行委員長 東京ゲームショウ2010アジアビジネスフォーラムアドバイザー。 主な著作に『中国ゲームビジネス徹底研究』『グローバルゲームビジネス徹底研究』『テンセントVS. Facebook世界SNS市場最新レポート』。エンターブレインの ゲームマーケティング総合サイトf-ismにも海外ゲーム情報を中心に連載中。

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【China Joy】チャイナモバイルが解く中国モバイルゲームビジネスの可能性

【China Joy】チャイナモバイルが解く中国モバイルゲームビジネスの可能性

 

 China Joyの会場である上海新国際展示中心に隣接するケリーホテルにおいて7月25日、ワールドモバイルゲームカンファレンスが開際された。同カンファレンスでは、中国内外で成功を収めるモバイルゲーム開発スタジオやパブリッシャーがその企業規模の大小に関わらず一堂に会し、正にワールドカンファレンスという体で会議が進んだ。その中でも本稿は、中国モバイルゲーム市場の概観が掴めたチャイナモバイルのゲームセンター副総経理の端木文琳氏の発表内容を見ていこう。

 

 

2013年の上半期は、12年度1年分の全体の収益水準を達成

 チャイナモバイルは2003年から、ゲームポータル業務「百宝箱」を進めてきたが、2013年度上半期は、収益において既に12年度一年分の収益を達成したとのこと。これは正に奇跡だと副総経理は結論づけた。月ごとの増加率は、150%。具体的な内訳では、『フィッシャーマンマスター2(原題:捕鱼达人2)』に代表されるアンドロイド向けゲームからの収益が2億元だ。具体的には、2013年1月で既に1000万元以上の収益をあげたものが、3月までの総額で1億元を突破。さらに『キャロットを守れ(原題:保卫萝卜)』などは、3ヶ月の収益が300万元程度だったものが1000万元レベルに伸びている。2013年の6ヶ月で、月100万元の収益をあげているのが51タイトル(そのうち、シングルプレイのものが26タイトル、オンラインタイトルが26タイトル)、500万元以上だったものが9タイトル。1000万元以上だったものが4タイトルも出ているのだ。

 

 

チャイナモバイルが提示するスマホコンテンツプラットフォーム戦略


 現在、チャイナモバイルのプラットフォームでは、中国将棋やパズルといったライトなゲームが中心だが、よりコアゲーマー向けの作品を展開する余地があるという。これは端末スペックや、流通状況と関係している。同時にチャイナモバイルではキャリアとしてiPhoneをいままで使用対応端末としていないため、アンドロイド系列のコンテンツの強化を図ってきたという。 それでも、チャイナモバイルにおけるスマートフォン使用者は、13年5月の段階で2億7000万人。ユーザー分布は、広東、江蘇、浙江地域が多い。なお、北京、上海、海南地区はユーザー数では前述の地域程ではないものの浸透率は高いとのことだ。スマホユーザーのゲームプレイ動向だが、プラットフォームの特性上ライトユーザーが多数を占めているものの課金率は高いという。

 

 一方、ハードウェア動向については、サムスンのミドルからハイエンド機のユーザー層が最も多い。その結果、ゲームについては5-20MB程度の作品がユーザーにとって最も受け入れられやすいだろうと推測した。従って、大容量のゲームを提供する場合は、分断型ダウンロードなどを考慮していく必要があると端木氏は分析する。

 

 

 一般的な課金額は、月4元程度。自主的に支払うのであれば、10元程度が限度のようだ。ゲームプレイなどにおける送信確率は99%を誇り、安定したゲームプレイを約束できるのがキャリアとしてのチャイナモバイルの強みだ。売上については、遊戯基地をプラットフォームとして活用する際は、開発スタジオは、販売金額の30%を得ることができる。最後に、端木氏は2013年度も後半戦に突入したが、産業内のエコシステムを支援しさらなる専門的な発展を進めたいと、スマホ向けゲームの需要拡大に期待を示した。さらに、各種ゲーム企業とともに護送船団方式で海外展開することや、家庭用ゲーム機への進出についても意欲を見せた。総じて広大なユーザー層を背景に、モバイルゲームの展望を極めて楽観的に示したセッションと言えよう。

 

2013年8月6日 15:55