『モンスターハンター』プレイまんが“モンでき。” 『MH4』第77回
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『モンでき。』の『MH4』第77回更新です。
いやー、長かったですねえ、ここまで。
『MH4』が発売されてから9ヵ月半あまり。
やっと、HR解放クエスト“千の剣”に辿りつきました。
江野本にとっては、これまた思い出深いクエストです。
て、最近そんなんばっか言ってる気がするけど、でも事実だからしょうがない。
『MH4』におけるシングルプレイでの思い出の中では、もしかしたらいちばん強烈な印象があるかもしれません。
プライベートキャラのほうではHR解放するまで基本的な進行は“シングルプレイ”、“狩猟笛オンリー”でやっていましたが、これに関してはさらに“一切の事前情報なし”という条件が加わっていたんです。
おもしろくないわけがないでしょう!
江野本はふだんから攻略情報の類は見ないようにしていて、とくにHR解放までは基本シングルプレイなので友だちにもネタバレしないようお願いしてるくらい。
キークエストも知らないし、モンスターの弱点属性も武器や防具の派生もどんな素材があるのかだって知らない。
そうやってまっさらなところからひとつひとつ進めていったほうが、自分自身の体験として驚きも喜びも感動も挫折も何もかも、強烈に感じることができると思うのです。
でも、残念ながら、と言うべきなのか、職業柄もあって完全に情報遮断することは不可能。
『MH4』が発売される前から、新モンスターの名前や姿形はひと通り頭に入っていたし、クエストに出発してから「なんじゃこりゃああああ!」とビックリするようなことってそうそうなかったんです。
“千の剣”を除いては――。
これまでの経験からなんとなく、「おっきそうだな」くらいの予想はしてましたよ?
それが蓋を開けてみたら、大きい以上に長いんですもん!
とりあえず全体像を把握しようと思ってぐるり見回してみましたが、長ーい胴体があって、大地を抱きかかえているらしい、ってことしかわからない。
江野本のダラ・アマデュラに対するファーストインプレッション、それは「世界を股にかけてるー!」でした。
いま考えると、蛇に股はあるのかとかいろいろ疑問ですけどね。
それから、ニンテンドー3DSの下画面にはターゲットカメラ設定できるアイコンがふたつ表示されていたので、「もしや真っ二つに切って、ふたつとも討伐する必要があるのでは!?」てなことも考えました。
「あるいは、下半身を仮死状態にしないと上半身にダメージが入らない的なギミックが!?」とも邪推して、こりゃ攻略しがいがあるわーと喜びに打ち震えたもんです。
て、念のため言っておくと、そんなギミックは存在しませんので誤解なきよう。
そんなとっちらかった頭で最初に何をしたかというと、
テッペン目指してみた!
そうなんです、ダラの全体像がよくわからなかったので地形の全体像だけでも掴んでおこうと思って、ダラの身体や崖、岩石など登れそうなものはすべてよじ登り、頂上を目指したのでした。
じつは、チャレンジ1回目に意識してやったことと言えばほぼコレだけ。
それと、攻撃できそうなときだけ攻撃していたら、胸部の黒いトゲをパッキャンと破壊することができました。
クエストの結果はもちろん、時間切れ。
ダラ・アマデュラ挑戦はTwitterで経過メモしていたのですが、1回目について書かれているのはこんな言葉です。
「緊急1回目、時間切れ。アマツ以来の何していいかわからなさ。とりあえず頂上を目指してみた。」
50分もあったらもっといろいろ気づけるだろ! と、いまなら思いますけど、当時は必死だったんでしょうねえ。
でももちろん、1回目のチャレンジから掴んだこともあります。
まず、どうやら明らかなテッペンは存在しない、ってこと。
じつはここで「むやみやたらと山登りすんのはもうやめよう!」と思ったことが裏目に出て、高台から飛び降りて頭部を攻撃できることに気付くのは6回目チャレンジまで待たなくてはならなかったんですけどね。
それと、胸部を破壊できたことから、肉質のやわらかい黒いトゲ状の部位を片っ端から攻撃して破壊していこう、という指針を立てることができました。
2回目~5回目までは、おおよそその指針に則って立ち回りを詰めていった感じ。
ダラの移動ルートもわかってきて、それに合わせてどこを攻撃するのか脳内フローチャートができあがり、胸部に加えて、両前脚を破壊することもできるようになりました。
それでもやっぱり、時間切れ!
ちなみに、2回目チャレンジで3オチした以外は最後まで、時間切れでのクエスト失敗です。
もちろん、ダラの攻撃をほとんど食らわなかったとかじゃなく、一撃が重い分、こまめに回復してムリをしないようにしていたから。
“初見殺し”とも言われる“なぎ払いブレス”については、なんと初登場時から緊急回避で避けています。
じつはですねえ、江野本は唯一の小さな自慢なんですけども、コレ系のブレスはすべて初見で見切っているんですよね、ムフフ!
『MH3(トライ)』の時代、オンラインで友だちにアグナコトル狩猟に連れていってもらったときも、そうでした。
じつはアグナについては名前も姿形も知らず、見るものすべてが新鮮だったんですが(友だちには「PVに出てたから絶対見たことありますよ!」と突っ込まれた)、なぎ払いブレスだけはきっちり緊急回避。
ニヤニヤしながら江野本が1オチするのを待ち構えていた友だち連中に、「ここにいる全員、初見はアレでオチてるのに!!」と驚かれたのはいい思い出です。
そんなこんなで、わかったつもりで何もわかっていなかった5回目までのチャレンジですが、これが心底楽しかった!
お恥ずかしながら、自分のツイートをいま読み返してみてちょっとまぶしく思ってしまうくらいです。
「緊急2回目、3オチ。なんかちょっとだけわかってきた。ような気がするけど、じつは見当違いのことしてんちゃうかとか思って笑けるw あれのときにあそこ攻撃してていいのかとか、あとで友だちに正解聞くのが楽しみ!!!」
「緊急3回目、時間切れ。なんかどうにもならない気がしてきた…。とりあえず5回目から鬼人薬使う!次の1回でちゃんとやるべきこと、やっちゃいけないことを体に叩き込むのだ!」
「緊急4回目、時間切れ。ほんとにこのやりかたでいいのか、もっとうまい方法はあるんじゃないかと甚だ不安。でもとりあえず、自分なりにやりたいことはこなれてきた気がするので、鬼人薬いってみよう。これでダメだったらまたイチから考えればいいだけのこと!」
そして、転機となった6回目のツイートが、こちらです。
「緊急6回目、時間切れ。ビックリ仰天なことに今更気づくの巻。まだやれることあるんちゃうのん、これ!」
鬼人薬を使っても、黒いトゲ状の部位を破壊して回るだけでは時間切れにしかならない。
ならば、ほかに肉質のやわらかい、攻撃すべき場所はないものか、と考えたのがきっかけでした。
おじいさんが山へ芝刈りに行くように、江野本ぎずもも攻撃すべき場所を探して再び山に登ったのです(自然の摂理)。
で、いままでは崖を登りきったら右に進み、左前脚のツメを攻撃していたものが、左に行けばダラの脳天を直撃できることに気づいた、ってわけ。
しかも、この頭部へのジャンプ攻撃は、ほぼ確実に頭ダウンを取ることができました。
もうね、これを青天の霹靂と言わずに何と言うのか!
頭だったんじゃーん、って感じですよね。
“黒いトゲ”の時代は終わりを告げました。
新たに指針として掲げられたのは、“頭を攻撃してダウンを取って、ダウン中の頭を攻撃する”。
いつどこでなら頭に攻撃を入れられるのか、今更ながらの試行錯誤が始まりました。
そもそも、このクエストのサブターゲットは頭部破壊なので、もっと早く気付けよ、っちゅー話ですけどね。
そのサブターゲットを初めて達成したのは、7回目。
「緊急7回目、残り2分でサブターゲット達成帰還。これは戦略的撤退である。と思ったけど、防具リスト出ないし、意味なかったYO\(^o^)/ トチ狂って1回目くらいウロウロしてたけど、初めてサブターゲット達成したのでよしとする><」
そうなんです、「頭だったんじゃーん」と思ったはいいものの、結局50分まるまるかかってやっと頭部破壊ができるくらいの攻撃チャンス、攻撃力しか江野本は持ち合わせてなかったんですよね。
でも、ここから急速に立ち回りが詰められていったのも確かです。
最初は、頭部を高台から飛び降りながら攻撃するのみだったものが、頭部を1段階破壊すればそこに飛び乗れることを発見し、頭部狙いを突き詰められるように。
さらに、頭部を攻撃できない時間帯も、どのタイミングでどの黒いツメを壊して回るべきか、徹底的に効率化を図っていきました。
ダラがフィールド内を移動中、メテオの被弾がもっとも少なく、最大限に攻撃できる立ち位置を自分なりに見つけましたし、狩猟笛の演奏についても、いつどこで何を吹くのか完璧な楽譜ができあがりました。
いつから作戦に組みこんだのかは忘れちゃいましたけど、このころには背中の黒いトゲも破壊するようになっていて、「背中を1段階破壊してひるませたときの落下でキャンプに戻り、対巨龍爆弾を取ってくる」というモドリ玉温存作戦も確立。
対巨龍爆弾は、最初はダラの胴体を駆け登りながら点々と置いていたのですが(江野本はこれを“ヘンゼルとグレーテル方式”と名づけました)、頭部狙いに切り替えてからは、頭部を1段階破壊して乗れるようになったらまとめて置くことに。
だいたいこれでサブターゲット達成できるので、今度こそモドリ玉を使ってキャンプに帰還し、サブターゲット達成祝いの(?)支給品から対巨龍爆弾を取って、再度頭部に設置していたのでした。
そこまでしてもなお、クエストは時間切れです。
「緊急10回目、時間切れ。鬼人薬グレート使って支給大タルも全部当てたけど無理。打つ手なしすぎて楽しくなってきた。」
「緊急11回目、時間切れ。でも、初めて30分針でサブターゲット達成!後半10分くらい本気で打つ手なしになるのはなんなのか…。ひとつだけやれそうなこと発見したので試してみて、無理ならもっかいシンキングタイム!」
この11回目で気付いた「ひとつだけやれそうなこと」というのが何だったのか、いまではまったく思い出せません。
なんの効果もなかったんでしょう、たぶん……。
でも、いまだからはっきり言えることがひとつ、あります。
「後半10分くらい本気で打つ手なしになるのはなんなのか…」
ダラに慣れている方なら、もうおわかりですよね?
このモンスターは体力が一定以下になると、ある場所に落ち着いて動かなくなり、天から絶え間なく降り注ぐメテオを含めて、超攻撃的になります。
でも、江野本がこれまでに練りに練って作り上げたフローチャートによれば、ダラがこの位置にいるときにすべきことは高台に乗せた左前脚の攻撃、破壊で、本命である頭には狩猟笛の攻撃が届かない。
まさか、ダラが最後の力を振り絞って攻撃を激化させているとも思わなかったので、本当に文字通り「打つ手なし」とあきらめ、「早く高台に巻きついてくんないかなーぶうぶう」と頬を膨らませて事態を静観してしまっていたのです。
たとえばダレン・モーランの場合は、ゲームシステムが「決戦ステージ」と教えてくれるので「ここでやり切るしかないんだな!」とわかりますけど、ダラはいままでもちょいちょいいた場所なだけに、最終局面にきているという認識がなかったんですよね。
その前に“エリア破壊”というターニングポイントもあったので、これ以上ダラの動きが変わるとは思ってなかった、というのもあります。
エリア破壊についてはツイートでも触れていないので、おぼろげな記憶しかありませんが、チャレンジが10回に到達するころには20分か25分針安定だったはず。
ある程度の体力を削った証だと思われるエリア破壊をクエスト半ばには達成できていたのでなおさら、あと何をすればいいのかわからず戸惑っていたのかもしれません。
もちろん、この“後半10分”も何度も経験すれば、これ以上ダラが移動してくれない可能性を考え、ここでできることを模索し始めます。
被弾が多く、なかなか攻撃チャンスがない“ダラのターン”であることを逆手に取って、モドリ玉調合分を使って次々と支給用大タル爆弾を持ってきて胸部に当てることもしましたし、左前脚の置かれている高台の上ではメテオなどの攻撃を最奥に向かって緊急回避すれば高台から下に落ちないことも突き止めました。
蒼い酸の溜まっている地下(江野本はこれを“奈落”と名づけました)に落とされると、復帰に時間がかかってタイムロスになる上、追撃を食らうリスクも高いので、できるだけ避けたかったんですよね。
でも、最終的に“後半10分”を乗り越えるきっかけになったのは、スキルでした。
「緊急12回目、時間切れ。前半ミス多すぎて笑っちった!しかし、こうなったら奥の手である。人様の前では絶対着られない見た目度外視スキル重視の装備にするしかない。ハンターにはなりふりかまってられない時があるのだ!」
これはもう、本当に奥の手でした。
最後の最後の、最終手段。
これまではリオソウルにアシラグリーヴを組み合わせた装備(火竜の紅玉が出ないのでリオソウルグリーヴは作れなかったのです)を着ていましたが、アシラグリーヴの“胴系統倍加”を使ってリオソウル一式とほぼ同等のスキルが発動していましたし、もちろん見た目もちゃーんと考慮したカッコでした。
それを、恥ずかしいので詳しくは言わないけれども、色味もテイストも素材もまったく異なる装備を織り交ぜて、“耳栓”と“業物”を消す代わりに“攻撃力UP【小】”を発動させたのです。
攻撃力UP【小】なんて、なんの足しにもならん! と思うなかれ。
このスキルそのものの効果というよりも、攻撃力が上がったのだから一撃でも多くの攻撃を試みようとする気持ちが、事態を大きく変えました。
実際、“後半10分”までは持ち込めていたわけで、そこでどうしても被弾がこわくて攻撃的になれず、爆弾に頼ったり被弾しないことを優先してしまっていたわけで……。
一転、攻撃に転じた13回目のチャレンジ、結果はこうなりました。
「緊急13回目、これまでクエスト開始のムービーでテンション上げてたのに、そこに映っていたのはあられもない姿の我が身!超げんなり!やる気なくすわ!! でも、それと引き換えに発動させたスキル攻撃力UP【小】のおかげでクリアーできました。バカにしててごめん、ありがとう、攻撃力UP【小】!」
何も知らないところから始めて、少しずつ自分なりの立ち回りを構築していき、ついにダラ・アマデュラを討伐することができたのです。
この期間は、ほんっっとおおおおおおに、幸せでした。
もちろん、自分が不甲斐なくて悔しくて悲しくてつらかったけど、それ以上に楽しすぎた!
何よりも、すべてが終わった後にほかのハンターさんたちがどうダラを狩っているか聞くのが、心の底から楽しみだったんですよね。
自分のやりかたはみんなと同じなのか、まったく違うのか、何か見落としていることはあるのか、それとも自分だけの力できちんとダラを分解することができたのか……。
“千の剣”チャレンジを終えてすぐ、会社の隣の席のおっさんに聞いてみました。
この人は江野本と同じように、シングルプレイオンリーで何も事前情報を入れずに遊んでいて、進行スピードも詰まるクエストもほぼ同じ。
『MHP 3rd』でも『MH3G』でも、集会所クエストの終盤でつまづき、お互いに励まし合ったり意見交換したりしてきた仲なのです。
そのくせ、どちらかが「もう自分にはムリかも」と弱音を吐いても、じゃあ協力プレイでいっしょに壁を乗り越えようかなんて話には絶対ならない、ドライな関係(?)だったりもします。
江野本と同じように試行錯誤を重ね、数日前にハンマーでダラを討伐したばかりの隣の席のおっさん。
何回目で頭部破壊できると気付いたのか、サブターゲットは何分針で達成していたのか、対巨龍爆弾はヘンゼルとグレーテル方式か頭狙いか、部位破壊は黒いツメのある部位だけでいいのか……聞きたいことは山ほどあります。
しかし、返ってきた言葉は完全に江野本の度肝を抜くものでした。
「え、頭とか乗れんの? 俺、奈落の底でずっと胴体殴ってたわ」
同じような力量を持つふたりが、同じクエストに、同じ打撃武器で挑み、それぞれ何度も失敗を重ねてついに辿りついた答えが、まったくちがーう!!
つーか、ふたりの見てきた景色の違いときたら!
おじいさんは山へ芝刈りに行くんじゃないのかよ!
この衝撃を味わえただけでも、13回×50分(1回は3オチしているので50分かかってないけど)、クエスト準備や装備強化にかけた時間も含めれば15時間以上をひとりで戦い抜いた元が取れた、と思いました。
“千の剣”、おもしろすぎるぜ!!!
2014年7月4日 21:08