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津々巳あや
(漫画家)
フリー漫画家。少女漫画「花とゆめ」でデビューし、いろいろあって現在少年漫画や4コマ漫画など連載中。代表作はCR COMICS「あくまでモテる×××」、MFコミックス「女子大生の日常」。
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江野本ぎずも
(編集担当)
ファミ通BOOKSの編集者。『モンスターハンター』プレイ日記 本日も逆鱗日和シリーズなどを担当。プライベートキャラのメイン武器は狩猟笛。麻痺ラブ!

リョウコ
(アシスタント)
津々巳あやの漫画アシスタント。『モンでき。』の企画でハンターデビューを果たし、ちゃっかりレギュラーに。虫が苦手。津々巳センセイが大好き。




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『モンスターハンター』プレイまんが“モンでき。” 『MH3G』第80回

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『モンでき。』の『MH3G』第80回更新です。

 

さーて、っと。

いまからこの場で何を書こうかと考えをめぐらせているのですが、なんだか緊張して胸が高鳴ってまいりました。

うまく皆さんにお伝えすることができるんでしょうか……?

きっとムリだろうなあ。

思っていることの半分も表現できずに、あとで落ち込むんだろうなあ……。

このブログの文章はすんなりと流して書けることもあれば、うまく書けずに悩み抜くこともあって、今回は間違いなく後者。

なんでかって、いまから書くことはちょっとした愛の告白のようなものだからです。

 

前回のプレイでリョウコちゃんのハンターランクがめでたく4に上がり、さっそく港☆4のクエストに出向くことになりました(リョウコちゃん自身はクエストを受注することなく参加だけなので、すでに☆4以上のクエストにも行ったことはあったけど)。

クエスト一覧を見て真っ先に目に飛び込んできたのが、“縄張りに侵入するべからず”!

リョウコちゃんにジンオウガを見せてあげたい、と思ったのです。

その思いを伝えると、リョウコちゃんは過去の『モンでき。』で見知っていたらしく、「あ、あのかっこいいヤツですよね?!」と目を輝かせて言い、江野本は実物もとんでもなくかっこいいのだと力説。

初めて実物ジンオウガ(というのも変な言いかただけど)を見たリョウコちゃんの反応は、期待していた通りのものでした。

超帯電状態になると「わ?、キレイですね?!」と思わず見惚れてしまい、真っ向から雷光虫弾を食らってしまうほどの入れ込みよう。

江野本も共感してくれるのがうれしくて、ついつい「帯電している最中もかっこいいから要注目だよ!」と狩りとは関係のないアドバイスをしていました。

サマーソルト攻撃を食らって一瞬で力尽きてしまったリョウコちゃんには「ドンマイ」より先に「いまの見た!? かっこいいっしょー!!」と興奮してまくしたて、「何が起きたのかわからなかったです?」という正直な感想には「なんで見てないの! サマソルがいちばんかっこいいのに!!」とムチャを言ったり……。

リョウコちゃんの反応を見て改めて、ジンオウガはかっこよくて好きだなあ、としみじみと思ったのでした。

 

“いちばん好きなモンスターは?”という狩人の必修項目のような問いに対して、じつはこれまで明確に答えることができずにいました。

『モンハン』シリーズの永遠の象徴であり、いかにも“竜”然としたリオレウスはやっぱりその存在感がずば抜けているし、リオレウスより先に出会ったリオレイアの衝撃も忘れ難い。

フルフル亜種はあの赤い体色がキレイで、さらに部位破壊をすることで体に浮かび上がる傷がなんともいじましくて胸キュン。

狩るのが楽しいってことなら、『MH3(トライ)』で出会ったころには手も足も出ず、それを克服した思い入れのあるボルボロス。

ティガレックスとナルガクルガにも個人的な思い出と思い入れたっぷり、それぞれBGMもお気に入りで、好きなモンスターとしては外せない。

これまでの『モンハン』ライフを思い返すと、とてもじゃないけどひとつに絞ることなんてできないんですよね。

一方でジンオウガは、狩猟自体も最初からそれほど苦労したわけでなく、じつはそんなに深い思い出のあるモンスターではないんです。

最初に見たときは、雷を帯びて光る姿をメカメカしく感じてしまったし、なによりも肩幅の広さと胸板の厚さにドン引きでした。

江野本はお恥ずかしながら、いわゆるマッチョというものがどうにも苦手でして……。

そういうのがタマランって人がいるのはもちろんわかっているんですけど、どちらかというと色白で細くて不健康そうな文学青年のほうが好きです。

て、男子の趣味はどうでもいいですね。

とにかく、ジンオウガのファーストインプレッションは、「なにその肩パット……」だった、ってことです。

実際に狩ってみても、まず鼻についた(失礼)のが、あの厚い胸板で押してくる攻撃。

あれ、これまでに出会ったモンスターの攻撃の中でも1、2を争うほどキライです。

炎に焼かれるとか噛みつかれるとか尻尾でビンタされるとかはいいんだけど、胸で押されるってなんか屈辱的な感じがしませんか?

だってさ、通りすがりの見知らぬ男性に突然、胸板で押されるところを想像してみてごらんなさいよ!

“両腕でぐわしと掴まれる”、“喉元に噛みつかれる”、“足払いをかけられる”は痛そうだけどなんか「やられた」って気がして納得できるのに対して、“胸板で押される”って意味がわかんない!

しかも、狩猟笛を使ってジンオウガの頭付近に陣取っているとこの攻撃を食らうことが多いので、最初のうちはそりゃあ「ぐぬぬ……!」なもんでした。

それがこの胸板攻撃を少しずつ避けられるようになって、つまりジンオウガの攻撃モーションをひとつひとつ冷静に見られるようになって、だんだんと魅せられるようになっていった気がするのです。

 

ジンオウガのどこが好きって、その動き。

アクロバティックだけどただトリッキーなだけじゃない、“重さ”と“軽さ”の共存した動きをするでしょう。

ハンターとして見たときにもジンオウガとの攻防は“読み合い”の要素が強い気がして心から楽しいんだけれど、ただ見ているだけでも惚れ惚れします。

その重くて軽い動きは、まさに江野本の苦手なマッチョから生み出されているのだと思うと、いまではあの筋肉すらも美しいと思う。

そして、なによりも魅力なのは、“雷狼竜”の名前の通り、ジンオウガの動きのもとになっていると思われる“狼”っぽさです。

江野本はモンスターについては答えられなくても、“いちばん好きな動物は?”の問いには心が決まっていて、竜などの架空の生物を含めてもダントツぶっちぎりで狼。

ペットとしてもニャンコよりワンコ派ですけど、それもこれも狼っぽさに魅かれるからなんですよね。

ジンオウガにいちばん狼を感じるのは、帯電中の動き。

うなり声を上げながら天を仰ぐ姿が、なんだか遠吠えっぽいでしょう?

ハンターにとっては攻撃チャンスであり、帯電を食い止められなければピンチに陥ってしまう楽しい駆け引きタイムでもありますが、江野本はあのジンオウガの姿に狼を感じて無意識に胸を高鳴らせているのでありました。

 

リョウコちゃんがジンオウガのどこにかっこよさを見出していたのかはわかりませんが、クエスト終了後にちょっと気になるひと言。

「かっこよかったですね?。背中に乗れたらいいのに」と。

この「背中に乗る」は、『モンスターハンター4』で新たに導入される予定のジャンプ攻撃からの“乗り”とはもちろん違います。

馬に乗るように、ジンオウガを乗りこなすことができればいいのに、と言っているわけですね。

これを聞いた江野本、自分でも驚くほどショックを受けてちょっと脳内パニックを起こしました。

『モンハン』の世界観とは離れますが、大好きなジンオウガに乗る、つまり飼い慣らすことができたらどんなにかすばらしいかと心からトキメクのと同時に、「ジンオウガはそんな安っぽい生き物じゃない!」っていう反発の気持ちも芽生えて……。

動物園の動物を見るのと同じジレンマですよね。

野生の動物を間近で見られるのはうれしいけど、人間の身勝手さや堕落した(と思える)動物に対する憐れみを感じずにはいられない、あの感じ。

たかがゲーム中のモンスターなのに、自分でも不思議な感覚です。

ちょっと、のめり込みすぎでしょうか……?

 

 

やっぱり、思っていることの半分も表現できなかったな。

今晩はめいいっぱい落ち込もうと思います。

 

 

2012年10月27日 02:06