第7回 イャンクック
『モンスターハンター2(ドス)』プレイ日記
2006/3/2
Today’s Text:大塚角満
●誇り高き飛竜
イャンクックを初めて見たときの衝撃が、いまだに忘れられない。シリーズ1作目での話だが、裸同然で街に行き、仲のいい友だちに連れていってもらったクエストで、初めて俺はクックに遭遇した。雑誌で読んだ情報で、草食竜やランポスなどの小型モンスターとは別に、なにやらでっかい怪物がいるということだけは知っていた。しかしあくまでもゲームの中のことなので、どれほど強烈なキャラクターに出会っても本気でビビったりはするまいと、俺は密かな確信を持っていたのである。
マップ"森と丘"の3の地点でウロウロしていたとき、そいつはやってきた。何の前触れもなく、いきなり俺のキャラクターがビクっと肩をすくめる。「え!?」とコントローラーを握る手に力を入れる俺。ナンダナンダ。何が起こるんだ? グルリとカメラを回して付近を眺めると、彼方から翼を広げた巨大なモンスターがバサバサと飛んでくるではないか! なんだコイツ! でかいよ! いっしょにクエストに来ていた友だちが「逃げろ逃げろ!」とチャットで助言する。それを見て、(逃げなきゃヤバいような強大な相手なんだ!)と逆にビビりまくる俺。そうこうしているうちに着地したモンスターは、俺のキャラクター目がけて猛然とダッシュ! わけのわからぬまま凄まじい体当たりを食らい、我が分身はあえなく昇天したのであった……。これが、俺とイャンクックの邂逅の瞬間である。
あれからずいぶんと時が経ち、俺とクックの立場はすっかり逆転した。ある程度このゲームをプレイした人から見たクックは、完全に"お金儲け用のキャラ"である。俺もご多分に漏れずそれなりに武器を使いこなせるようになり、最初に出会ったころに抱いていた"畏怖"の気持ちなどすっかり忘れて、クックを狩りまくるようになった。クックは、勇猛果敢だけどどこか愛嬌があり、体力もそれほど多くなく、毒や麻痺などのイヤラシ系の攻撃をしてこないことから、格好の"スパーリングパートナー"でもあるのだ。「新しい武器を作ったから試し斬りに」とか言って、せっせとクック狩りに行くこともしばしば。そんなクックと、『モンスターハンター2(ドス)』の世界で初めて相まみえる。このときの理由も(新しいガンランスができたから試しに)という、相手をナメきったうえでの選択だった。
結論から言うと、『2』になってもクックはやはり、クックだった。新しい攻撃パターンもそこかしこに見られるが、大きな変更はない。エリアチェンジをくり返しながら逃げまくる点は前作より多くなったような気がするが(まあこれはモンスター全般に言えることではある)、戦闘時のアクションはシリーズを通して変わらないのでそれほど警戒する相手ではなかった。ガンランスならば踏み込み突きから上突き、砲撃と繋げて、倒れたら竜撃砲で追い打ちをかける。攻撃がさらに見えてくれば、足を目がけて竜撃砲をぶっ放して転倒させることも余裕でできるだろう。与し易し。『2』でも"もっとも多く狩る飛竜"になりそうだ。
しかしいくら弱っちい存在になってしまっても、俺の中のナンバーワン飛竜はいつまで経っても"イャンクック"なのだ。シリーズのどの作品でも、最初にプレイヤーの前に立ちふさがる誇り高きモンスター。無駄なこと、そして矛盾していることだとはわかりつつ、俺は今日も言いたい。
「クック、がんばれヨ」
と。