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#03 ローカルヒーロー
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世界のエンターテイメントビジネスの中で、最も大きな可能性を秘めるビデオゲーム業界。実際、身をおかないとなかなか理解できない“ゲーム開発プロセス”や、昨今注目されている“開発ツール”にハイライトを当てた情報が英国から発信されている。季刊誌「gameSTATE」がそれだ。 これは、英国に本社をおくクライテリオン・ソフトウエアと、英国で人気の総合ゲーム誌「Edge」制作チーム“Future Publishing”によって、ゲームデベロッパー、パブリッシャー向けの情報誌として発行されているもの。創刊第1号は、2003年3月に開催された「Game Developers Conference 2003」などにおいて、全世界で約50,000部配布された実績を持つ。 いまやゲーム開発には欠かせないものとなったミドルウェアに関する情報など、ゲーム開発者、ゲーム業界へ関心のある未来のクリエーターにとって興味深い内容となっている同誌。今回、ファミ通デベロッパーズフォーラムでは特別企画として、「gameSTATE」の和訳トピックスを数回にわたって公開していく。 |
■ Local heroes / ローカルヒーロー
技術の問題に関わらず、ゲーム制作が始まった時にチームをまとめる手腕は、大部分は(理想的には近くにある)才能をすぐ活用できるかによるところが大きいでしょう。映画産業は、ごく少数の映画制作センターによって担われています。ロサンジェルス、バンクーバー、ニューヨークあるいはロンドンで映画プロジェクトを始めれば、誰でも必要とされる才能やマテリアルをすぐに利用可能であると確信することができます。
合併と縮小の波は、ゲーム産業にも同様の影響がありました。かつてゲームスタジオは多数の都市に見られましたが、今ではほとんどの開発活動が一握りの地域に集中しています。例えばあなたが、サンフランシスコ、バンクーバー、ローリー・ダーラム、モントリオールあるいはロサンジェルスにいるならば、ゲーム開発チームを編成するために必要な才能を見つけることは比較的容易でしょう。これは、ゲーム開発の世界では重要なことです。ゲーム開発の世界では、ハリウッドのような組合もなく資格認定制度もないため、地方のゲームデベロッパー同士の競争により、どのデベロッパーが仕事を獲得できるかがきまるのです。
確かにハリウッドスタイルの開発チームが増えていくかもしれません。しかし、これがゲーム開発者の望む仕事環境でしょうか?「利点は、自分の経歴を自由に導いていくことができることです。」とランダー氏は言います。「私の場合、自分にとって実際に関連性のある仕事を選んでいます。そうすれば終わりまで自分が燃え尽きてしまうようなくともなくなるでしょう。一方欠点は、その4〜12ヶ月の開発期間が来る度、忙しい日々が続くということです。ちょうど映画会社のように、今街では誰がどんな物を買っているのかを市場調査します。あなたもまた、大規模なゲームプロジェクトのまったく最初から最後まで付き合う羽目にはなりたくないでしょう。そのためにはインフラへの莫大な投資と、多くの人との長期間にわたる関係を持続させなくてはならなくなります。もっと現実的に言うと、何かパニックが起きた後になって、移植やトラブル対応の問題に巻き込まれるということです。さらに、ビジュアル化される前のコマーシャルや、ゲームに関係ない仕事までするはめになるのです。」
■ Film finance / フィルム・ファイナンス
恐らく、ハリウッドスタイルの生産構造をゲーム開発に取りいれるにあたってもっとも魅力的なのは、映画産業のような支払協定制度が採用される可能性があることでしょう。自己資金によるゲーム制作の実施例もありますが、ほとんどのタイトルはロイヤリティ制度によってまかなわれています。パブリッシャーは、取り決められた目標の達成度に基づき、開発スタジオへの資金提供に合意します。融資の程度は多くの場合、ゲームの売り上げから予想されるロイヤルティに依存します。このビジネスモデル故に、パブリッシャーへのデベロッパーの依存度が極めて高いのです。
そこで、映画産業スタイルの融資がデベロッパーにはある意味魅力的です。なぜなら、映画産業スタイルの融資は、柔軟性を提示し、創造の自由を約束するからです。市場状況にフレキシブルなパブリッシャーに束縛されることがなくなれば、ゲームスタジオはどんなゲームも願えば作り出すことができると思えるようになります。現実的には、パブリッシャーなしでは、その他の代替融資には手は届きません。 「お金はそこにあるのです。」American McGeeのクリエイティブ・ディレクター カーボン・シックス氏は説明します。「でも販売数の保証か、または担保がなければ、銀行はお金を貸してはくれません。小さい会社やチームにとっては、映画産業のスタイルなんて手の届かないものなのです。」
もっとも一般的に議論される変化は、映画ビジネスにおけるネガティブなピックアップ・ディール(回収契約)と、より広く知られているその付帯品「完成保証証券」と呼ばれるものです。オスカーのノミネート作品、例えば「リービング・ラスベガス」「ダンス・ウィズ・ウルブス」「イングリッシュ・ペイシェント」は、完成保証証券なくしては、完成されることはなかったでしょう。この制度に基づき、パブリッシャーは完成したゲームの配給を契約します。この契約を担保として、デベロッパーは会社や個人の投資家から開発資金を借りるのです。契約の条件に基づき、ゲームが完成し、実際に市場に出ることを保証するため、銀行あるいは投資家は、完成保証証券の発行を主張するのです。この契約は、プロジェクトが指定された期間内に完成され、そのコストが当初投資額を超えない場合なら誰にでも役立ちます。
ゲームスタジオにとっては、その利点はとても魅力的です。目標達成ごとではなく、開発費全てを前もって受け取ることで、大幅に開発プロセスを柔軟にすることもできます。より重要なのは、パブリッシャーが現在背負っているリスクを取り除くことで、完成保証証券による資金は、開発者が最終的にパブリッシャーからたくさんの、または高いロイヤリティレートを得る手段となるのです。
(この続きは2004年1月21日を予定しています。)
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