![]() |
![]() |
|
|
#01 映画とゲーム
|
世界のエンターテイメントビジネスの中で、最も大きな可能性を秘めるビデオゲーム業界。実際、身をおかないとなかなか理解できない“ゲーム開発プロセス”や、昨今注目されている“開発ツール”にハイライトを当てた情報が英国から発信されている。季刊誌「gameSTATE」がそれだ。 これは、英国に本社をおくクライテリオン・ソフトウエアと、英国で人気の総合ゲーム誌「Edge」制作チーム“Future Publishing”によって、ゲームデベロッパー、パブリッシャー向けの情報誌として発行されているもの。創刊第1号は、2003年3月に開催された「Game Developers Conference 2003」などにおいて、全世界で約50,000部配布された実績を持つ。 いまやゲーム開発には欠かせないものとなったミドルウェアに関する情報など、ゲーム開発者、ゲーム業界へ関心のある未来のクリエーターにとって興味深い内容となっている同誌。今回、ファミ通デベロッパーズフォーラムでは特別企画として、「gameSTATE」の和訳トピックスを数回にわたって公開していく。 |
■ hollywood or bust / ゲーム開発、のるか、そるか。
ゲーム業界は今、技術先行だった時代に戻り、プロジェクト毎に資金を割り当てる習慣に制限されてはいないでしょうか? あるいは、私たちはハリウッドの精巧なフィルム制作手法に学ぶべきなのでしょうか?
ゲームビジネスの将来を推測する試みは、どれも似たり寄ったりのところから始まります。業界に詳しい人に話を聞けばきっと、ゲーム産業はマンガ産業の浮き沈みから貴重な教訓を得られるという、説得力ある議論を聞くでしょう。
つい先ごろ、ドットコムスタイルのベンチャーキャピタルはゲーム開発への参入という夢を持っていました。ところが、彼らの掲げた最も一般的なビジョンは、ゲーム開発は映画作りにとてもよく似ていて、とるべき方針は、ハリウッドの人々を見習う必要があるというものでした。
この2つの産業には多くの著しい共通点があるので、そのように考えてしまうのでしょう。しかしビデオゲームと映画の交差は、無数の相乗効果と抱き合わせ販売の失敗がつもりつもって、いまいましい破滅にとってかわるでしょう。映画に基づいたゲーム、ゲームに準拠した映画が、ゲームを映画のように感じさせ、時にはゲームの中に映画スターがひょっこりと現れたりさえします。ごく稀な例外を除いては、結果は悲惨でした。ビデオゲームと映画はどちらも現代のエンターテインメント産業の中で数10億ドルのマーケットとして位置する中、それぞれの基本構造は類似性よりは、多くの違いを明らかにします。
1895年、ルミエール兄弟のポータブルカメラの発明により映画が誕生しました。12ポンドにも満たない重量のルミエールのシネマトグラフは、さらにフィルムを開発し、プロジェクターの役割を果たしました。兄弟は1450以上の映画の生産にそれを使用しました。ほとんどは芸術のレベルに達しませんでした。そのうちの多くは、新しい技術の可能性が、多くの聴衆を驚かせるだけでした。しかし機械おたくや発明者である彼らが、芸術家にとってかわるのに、さほど時間はかかりませんでした。1903年には「月世界旅行(原題:Le Voyage Dans La Lune)」、1915年には「大列車強盗(現代:The Great Train Robbery)」が発表され、ルミエールの作品が初めて有料で公開された20年後には、「国民の創生(現代:Birth of a Nation)」が制作されました。人種的偏見により爪弾きにされましたが、DW グリフィスの革新的なフィルムは、現在でも偉大な芸術として賞賛を浴びています。
■同じ、だけど違う
ゲーム産業の始まりも同じような様相でした。一握りの革新的なエンジニアとプログラマが気難しいものをなだめるように、うまく動かない機械を調整していくことから始まりました。ところが30年後、ゲーム産業は技術の世界に堅固に根ざし、時によって、アートの世界への進出を果たします。ゲームスタジオの構造はゲーム創世記から、それほど変化することのないままに、単により大きくなりました。典型的にはコアテクノロジチームを中心に構築され、明日のエンターテインメントを生み出す会社は、ハリウッドの実力者よりも多くのことを、データベースの改訂を量産するような従来型のソフトウェア開発者と共通して持っています。
■ハリウッドモデル
こうしてゲーム開発チームがより大きくなり、その役割はもっと特殊なものになると、標準的なゲームスタジオモデルは、ますます非効率で、維持することがとても高価に見え始めています。もしも、もっと安価でフレキシブルなモデルが求められるのならば、映画プロダクション会社の構造は価値あるお手本となるでしょう。映画は大きな会社では作られません。その代わりに彼らは、個々のネットワークでプロジェクトの制作期間になるとそれぞれが集まり、グループでプロデュース作業をすすめ、制作が終わると解散し、次のプロジェクトになるとまた別の組み合わせで再び召集されました。映画業界では10人、あるいは2〜3人の小さな会社がおよそ85%を占めています。
ゲーム産業は映画業界と同じような多くの問題にぶつかります。高騰する固定費、低い可変費用、そして時間の制限に追われる専門的(かつ多くの場合には不足する)才能の必要性。ゲーム開発は開発のどのステージもこなせるメンバーはごく少数です。しかしほとんどのゲームスタジオは大人数のスタッフをかかえ、全スタッフを常に働かせておくために、個人の専門分野以外の仕事をしばしば割り当て、仕事から仕事へ従業員を移動させます。そう、このスタイルがハリウッドの作業モデルとは異なる点なのです。
(この続きは2004年1月上旬を予定しています。)
関連リンク
|
|インフォメーション|プライバシーポリシー(別窓)|利用条件・免責|
|