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連載バックナンバー
ゲーム人生回顧録 - 乱舞吉田
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第38回 ファミコン:その23(『ハイパーオリンピック』後編)
第37回 ファミコン:その22(『ハイパーオリンピック』中編)
第36回 ファミコン:その21(『ハイパーオリンピック』前編)
第35回 ファミコン:その20(『スパルタンX』)
第34回 ファミコン:その19(『レッキングクルー』)
第33回 ファミコン:その18(『フラッピー』)
第32回 ファミコン:その17(『ディグダグ』ほか)
第31回 ファミコン:その16(『忍者くん 魔城の冒険』ほか)
第30回 ファミコン:その15(『イーアルカンフー』)
第29回 ファミコン:その14(『スペースインベーダー』ほか)

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第39回 ファミコン:その24(『スターフォース』前編)
ゲーム人生回顧録 - 乱舞吉田

 '84年発売のファミコンソフトの話の第24回目。このコラムで取り上げているファミコンソフトは、一応発売日順に紹介しているんですよ。『ハイパーオリンピック』の話が3回連続で続いたので、「展開をちょっと早めようかな?」と一瞬だけ思ったんですが、「えっと、つぎのタイトルは……」と調べたところ、先ほどの思いつきは速攻で却下されました。今回のお題は『スターフォース』!! ありゃりゃ、このソフトについても書きたいことが山ほどあるぞ。ファミコン初期のユーザーにとっては、絶対にハズせないタイトルだしね。ん〜、また何回か続きそうな予感です(笑)。

 

 『スターフォース』はハドソンから発売されたシューティングゲームで、アーケードからの移植作。アーケード版は、テーカン(現在のテクモ)から'84年にリリースされた作品です。アーケード版もそこそこヒットしていましたが、ハドソンがファミコン版を発売してから、一気にその名がメジャーになりました。過去のコラムで書いたとおり、僕は『ゼビウス』に出会ってからシューティングゲームというジャンルにハマっていたので、この『スターフォース』はゲームセンターに登場してすぐに飛びつきました。自機を操作して、敵の弾を避け、敵を撃ち落とす。この部分では『ゼビウス』で培ったシューティングの基本アビリティーがそのまま使えたので、すぐに夢中になったんです。そんなわけで、まずはアーケード版についての話から……。

 

▲シューティングゲームの歴史を語るうえでハズせない、名作『スターフォース』。

 

 『スターフォース』は、『ゼビウス』と同じ強制縦スクロールのシューティングゲーム。プレイヤーは、自機"ファイナルスター"を操作し、暗黒の宇宙を殺戮と略奪をくり返しながら進む浮游大陸"ゴーデス"の打倒を目指すのだ。システム的に『ゼビウス』と大きく異なっていたのは、敵を攻撃するときに使用するボタンがひとつだけだということ。『ゼビウス』は、空中の敵用の弾と地上の敵用の弾のふたつのボタンを、使い分けて攻略していくゲームでした。『スターフォース』では、空中の敵も地上の敵も、同じショットで倒せてしまうんですね。一見、こちらのほうが簡単と思いがち。実際に使い分けが必要ないという部分ではそうなんですけれども、意外なワナがあったりします。それは、地上物が弾を遮断する存在となって、空中の敵に弾が届かない場合が出てくること。空中の敵の多くは自機の弾1発で破壊できるんですが、地上物は耐久力が高い。固いんです。弾を複数打ち込まないと破壊できないものが多いので、地上物の向こう側に空中の敵がいた場合、地上物を壊さないと弾が届かないんですよ。こう、言葉で書いてみると「そんなのあたりまえじゃん」と思いますが、このゲームは空中の敵の移動スピードがかなり速いゲーム。もう、つぎからつぎへとさまざまな空中の敵が登場し、それぞれ特徴的な移動ルートを描きながら弾をバラ巻いていくわけです。プレイヤーは、慣れないうちはそのす速い敵の動きに翻弄されがちで、なかなか思いどおりに自機の弾を当てることができないんですね。なので、壊せるものの壁となる地上物の存在は、けっこうやっかいなものだったりするんです。でも、「地上物はただイヤなだけの存在なのか?」というと、それは違います。地上物の中には、撃ち逃さずにステージクリアーするとボーナス点が入る"B"や"b"マークの"ボーナス・ターゲット"、自機を1機増やす(エクステンド)が隠された"?"マークの"マジッカ"、特定の場所で"←→"マークの"ジムダ"を連続撃破すると高得点のボーナスがもらえる"ジムダ・ステギ"などの要素が盛り込まれていたんですね。だからイメージ的に「イヤなもの」という思いはなく、むしろハイスコアを目指すためポイントとなっていました。

 

 また『スターフォース』は、『ゼビウス』よりも連射が可能なデームだったのも特徴のひとつです。1画面に最大3発までしか撃てないのは『ゼビウス』と同じですが、自機の弾のスピードが速いために、ボタンの連打スピードが『ゼビウス』よりも必要でした。さらに、"カルデロン"という捕虜護送艦がたまに登場し、それを撃ち落とすと"パーサー"という友軍機が解放され、自機がパーサーに接触すると合体となります!! 自機ファイナルスターがパワーアップするんですよ。もう合体したその瞬間から、BGMが軽快なものへと変化。それまではちょっとおどろおどろしい不安げなBGMだったのに、合体した瞬間から「♪タンタンタン、タラッタ、ランラン!」なんていう、ハイテンンポな曲調に一転するんです。そして、自機の上下の移動スピードと弾のスピードが1.5倍にパワーアップ。さらに、ボタン押しっぱなしでもある程度の速い連射ができるようになるんです。軽快なBGMへの切り替わりは聴覚の面で、自機の移動速度と弾のスピードアップは視覚的な面で、とてもうまい具合にプレイヤーへのアピールに成功していました。だって、実際には1.5倍の強化なんですけれども、プレイヤーには「よっしゃ、一気に10倍は強くなったんじゃない?」というくらいに感じられるんですよ。「もう、俺、最強!!」って感じなんです(笑)。これは、シンプルながらも非常にわかりやすくて、高揚感と壮快感がアップ。ある意味、錯覚なんですけれどね。この演出は、いまでも見事だったと思います。

 

 そのころのテーカン(現テクモ)についても書いておきたいなぁ。当時のゲームセンターは、現在のようなカップルがデートの合間に遊ぶアミューズメントスペースなんてオシャレなものでは決してなく、どちらかというと悪いイメージの強い場所。ゲームを開発、販売しているメーカー自体も、積極的に健全さをアピールしているところは少なかったんです。ゲームの新作が出たら、壁にポスターが貼られ、客は新しいゲームをプレイ。客に飽きられてインカムが下がったら、お店は新しいゲームに入れ変える。客層も、店側も、メーカー側もそんなスタンスでした。メーカーは、ユーザーに対してではなく、商売としてショップに対してのみアピールしていた時代です。それを変えようとしていたのがナムコで、第12回で書いたように、明るいイメージでメンテナンスの行き届いた直営店を経営し、ファンとのコミュニティー雑誌"NG"を配布、発売していたわけです。で、今回のお題は『スターフォ−ス』。テーカンは、ユーザーに向けて、ある試みをしていたようです。それは、ゲームの魅力をユーザーに伝える小冊子の配布。あるとき、僕が『スターフォース』を遊びに常連となったゲームセンターに行ったときのこと。そのお店は1プレイ50円だったので、まず100円玉を50円玉に両替しようと両替機へ。両替機はお店の奥、店員のいるカウンターの隣にありました。で、両替しようとしたときに、カウンターの上に何かが積んであるのに気づきました。興味を持った僕は、「コレって何?」と店員さんに聞いてみたんです。「あ、それ、自由に持っていっていいよ」との返事。そんじゃ遠慮なく、と手に取ると、それは『スターフォース』の小冊子だったのです。

 

▲これが、その小冊子。僕は、『スターフォース』と『アルゴスの戦士』のそれを持っています。で、今回コラムを書くにあたって、『スターフォース』の小冊子の裏を見ると、30円と書いてあった! 30円? いや、店員はタダでくれたぞ。たぶんテーカンが基盤購入者向けに配ったものなのでしょう。僕はタダでもらいましたが、ショップによっては売っていたのかもしれません。ちなみに『アルゴスの戦士』のほうには、値段は書いてありませんでした。

 

 実際には小冊子というほど仰々しいものではなく、たった8ページのホッチキス閉じのものでしたが。それでも、ゲームにおこずかいをつぎ込む学生にとって、タダなのは最高にウレシかったわけです。表紙には"スター・フォース攻略マニュアル"とあり、敵キャラクターの紹介や、ストーリー、そしてテクニック集が書いてありました。知らなかった情報もたくさん記載されていて、僕の中で『スターフォース』に対する気持ちが急速に強くなっていきました。さらに、その小冊子の最後には、"地上絵図の象形文字の謎を解読せよ!!"と、非常に気になることが書いてあったのです!

 

▲ページ数は少ないながらも、非常に濃い内容。とくに気になることが書いてあったのが、このページの右下のところです。

 

 そこには、"エリアが進むと地上に謎の象形文字が見えてくる。これにはゴーデスの真の正体が何であるか記してあると古い言い伝えは語っている。しかも、それは下の写真のようなターゲットを出現させる方法にもなっていて、これを撃つと何と、 100万点獲得できるという。これはテーカン内部でもトップシークレットになっており、制作者ひとりしか知らない。どうかきみ自身が、ファイナルスターに乗り込み、地上絵図を解明してくれることを期待する!"とありました。「!? なんだそりゃ。いったいどこに隠しターゲーットが潜んでいるんだ?」。僕は、さっそくアーケード版『スターフォース』をプレイするべく、コインを投入! 次回へ続く……。

 


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