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ゲーム人生回顧録 - 乱舞吉田
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第40回 ファミコン:その25(『スターフォース』中編)
第39回 ファミコン:その24(『スターフォース』前編)
第38回 ファミコン:その23(『ハイパーオリンピック』後編)
第37回 ファミコン:その22(『ハイパーオリンピック』中編)
第36回 ファミコン:その21(『ハイパーオリンピック』前編)
第35回 ファミコン:その20(『スパルタンX』)
第34回 ファミコン:その19(『レッキングクルー』)
第33回 ファミコン:その18(『フラッピー』)
第32回 ファミコン:その17(『ディグダグ』ほか)
第31回 ファミコン:その16(『忍者くん 魔城の冒険』ほか)

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第41回 ファミコン:その26(『スターフォース』後編)
ゲーム人生回顧録 - 乱舞吉田

 前々回、前回と、アーケード版『スターフォース』の話が続きましたが、今回はファミコン版の『スターフォース』について書きたいと思います。僕は、ファミコン版のソフトは発売日に購入しました。『スターフォース』がおもしろいゲームだということは、アーケード版で十分わかっていたし、アーケード版で断念した"100万点ボーナス"のゲットを、今度こそ実現するために!!

 

▲ファミコン版『スターフォース』の画面写真。思わず「懐かしい!」と叫んじゃう人も多いでしょう?

 

 さて、ファミコン版をプレイしての第一印象は、「あれ!? アーケード版とは、何か違うぞ」と。やはり、当時はアーケードからファミコンへの完全移植はムリということは、画面比やハードのスペック、カセットの容量などの問題で、しかたのない部分でした。それを重々承知のうえでも、アーケード版を体験していると、どうしても比べてしまうんですね。まず気になったのがグラフィック面。"金色"の再現についてです。ファミコン版『スターフォース』はハドソンから発売されましたが、オリジナルのアーケード版はテーカン(現在のテクモ)が制作していました。当時のテーカンのアーケード用基盤の有名なウリ文句が、"金色が出せる"というものだったのです。シルバー系のメタリックな色合いはアーケード版の『ゼビウス』でナムコが実現済みでしたが、ゴールド系のメタリックな色合いを画面上で再現していたのは、当時はテーカンだけだったのです。『スターフォース』でも、その特徴を最大限に活かし、敵キャラクターのほとんどがゴールド系のグラデーションで統一されていました。しかし、ファミコン版はというと……黄土色! ファミコンで金色の発色はもとから無理なわけで、白系→黄色系→茶色系といった色を組み合わせて、金色に近い黄土色で敵キャラクターの色味を出していたわけです。苦肉の作ですね。ま、これはしかたない。つぎに気になったのが、敵キャラクターや背景グラフィックの一部が削除されていることについて。なんと、前回書いた"100万点ボーナス"のヒントとなる謎の象形文字自体が、ファミコン版には存在しないのです。それに加えて、"100万点ボーナス"の出現場所の目印となるシーラカンスの化石のグラフィックも、きれいさっぱりと削除されていました。これには正直ガッカリ。そして、ボスキャラクターである"アルファ・ターゲット"も、かなりパーツが簡略化され、ショボ目の印象を与える存在に成り下がっていたのです。この時点で、僕はかなり引いてしまいました。頭ではわかっているんですよ。あの『ゼビウス』だって、ファミコンに移植されるさいに、カセットの容量の関係でナスカの地上絵が削除され、ボスキャラクターの"アンドア・ジェネシス"も空中物から背景キャラクターと化していたので。しかし『スターフォース』は『ゼビウス』以上に、アーケード版体験者の視点から見ると「ショボくなった」感がぬぐえなかったのです。グラフィック以外の部分でも、ゲームバランスの違いもありました。たしかにゲームをプレイしたときの感覚はけっこう近いものがあり、雰囲気はしっかりと『スターフォース』していました。敵キャラクタ−も同じ順番で登場します。でも、ゲームの難易度が、アーケード版とは場面場面で微妙に違っていたんですね。ファミコン版は、アーケード版の完全移植ではなくて、ファミコン用アレンジバージョンとも言うべき内容だったのです。まぁ、アーケード版は縦画面、ファミコン版のテレビは横画面と、画面比率からして違うわけで、これまた、しかたのないところなんですけれど……。そんなわけで、ソフトを数時間プレイしての僕の感想は、「なんだよファミコン版は……」という、かなりガッカリ気味なものだったのです。

 

▲アーケード版で謎の象形文字があった場所は、このような背景になっていました。"王"ような漢字に似た模様の右に、"B"のカタチをしたボーナス・ターゲットがあります。

 

 ところが、ですよ。遊び続けていると、ファミコン版がおもしろくなってくるから不思議です。遊べば、遊ぶほどに。「こりゃもう、アーケード版と比較するのではなく、ファミコン版としてある意味割りきって楽しんだほうが絶対にいい!」と。頭の中でスイッチを切り替えたら、おもしろい、おもしろい。アーケード版で達成できなかった100万点ボーナスを獲得できたときなんかは、もちろん興奮&感動しました! 結局、ファミコン版の『スターフォース』は、アーケード版と比べると気になる部分は多々あるけれども、ほかのファミコンのゲームと比べると、かなりデキのよい、おもしろいソフトだったわけです。当然のように、ファミコン版の『スターフォース』は大ヒットしました。また、ソフトが発売されたタイミングもよかったのだと思います。『スターフォース』が発売されたころは、ファミコンというものが家庭に普及し始めた、ちょうどそのときだったんですね。『スターフォース』以前では、まわりの友だちのだれかがファミコンを持っていて、その友だちの家に行って遊ぶというパターンが多かったように思います。それから、ファミコンを体験したユーザーがファミコンを購入して、ファミコンの所有者が少しずつ増えいったわけです。そして、ファミコン所有者が増えるにつれて、ユーザーの、とくに子供たちの"遊び"の選択肢として、"テレビゲーム"が大きなポジションを占めていった、と。ファミコン版の『スターフォース』は、ファミコンが広まり始めたそんなときにタイミングよく発売されたわけです。ゲームというものに免疫のない、そういった新規のファミコンユーザーにとっては、『スターフォース』はさぞや刺激的なソフトだったことでしょう。ある意味、僕のようにゲームセンターに通ってアーケード版をプレイしてた人よりも、初めてファミコン版で『スターフォース』を体験した人のほうが、アーケード版との比較という色眼鏡で見ないぶん、むしろ純粋にシューティングゲームとして『スターフォース』を楽しむことができたのかもしれませんね。

 

▲ラリオスと言えば、このポジション取り。コアの右ではなく、なぜ左下か? それは、僕の記憶が確かならば、コロコロコミックに"左下"と書かれていたからです(笑)。

 

 また、『スターフォース』には、前々回や前回に紹介したものと一部内容が被りますが、さまざまなテクニックやボーナス、隠しネタの存在がありました。"パーサー"との合体でパワーアップ、逃さず撃つと高得点の"ボーナス・ターゲット"、なにもない場所にショット撃ち込むと出現する"ヒドン"、片側だけ15個連続撃破すると80000点ボーナスの"ジムダ・ステギ"、ニコニコ顔の"ケラ"が出現すると自機が1upとなる"マジッカ"、合体まえに倒すと50000点ボーナスとなる"ラリオス"、そしてこのゲーム最大の秘密である"100万点ボーナス"などなど……。なかでも、多くのファミコンユーザーを熱狂させたのが、ラリオスでしょう。ここで、ラリオスについて詳しく書いておきます。ゲームを進めていると、突然BGMがちょっとオドロドロしい感じのものに変化し、空中の敵が出現しなくなるんですよ。そしてしばらくすると、まずラリオスの"コア"が出現し、画面上部で停止します。続いて、コアの上下左右に4ヵ所から合体パーツが出現し、コアが点滅を始めるのです。その瞬間、合体パーツがコアに引き寄せられるように移動して、ラリオスは合体完了。自機の4倍の大きさのラリオスとなるのです。この合体後のラリオスは、自機のショットを8発撃ち込むことで倒すことができます。得点は1000点。しかし、ある倒しかたをすると、これが50000点のボーナスになるんですよ。50倍ですよ、50倍! で、そのやりかたですが、"ラリオスのコアが点滅し始めてから、合体するまでにコアに8発撃ち込む"というものです。このように文章で書くと簡単そうに思えますが、実際にやってみると、慣れるまではけっこう難しいんですね。その理由は、まずコアが光ってから合体が終了するまでの時間が短いということ。これは、一瞬のできごとです。そのわずかな時間内に、コアにショットを撃ち込まなければなりません。そして、コアに8発撃ち込むためには、自機をコアと密着させてボタンをかなりの速さで連射しなければならないのです。さらに、コアが光るまえに撃ってしまうと、それが規定の8発に加算されてしまい、撃破するために必要なショット数が増加してしまうのです。光ったのを確認してから猛連射するか、光タイミングを体で覚えて連射するか。そうでないと、ラリオスを合体まえに倒すことはできません。さらにさらに、合体まえの撃破を狙うには、コアに自機を近づかせる必要があるため、合体の直前までにコアを倒せないと、自機がラリオスの合体パーツの体当たりを受けて爆発しまうんですよ。どう? 補足文を読むと難しそうでしょう? でも、おもしろそうでしょう? 自機の消失を賭けてでも狙う価値があるほどの高得点ボーナス。挑戦する行為自体が刺激的だったわけです。まぁ、慣れちゃえば、けっこうラクに倒せるようになるんですけどね。というか、当時はみんな、できるようになるまで挑戦していたのではないでしょうか。慣れた人は、ラリオスのBGMが流れ出したら、条件反射で自機を定位置へ移動させちゃうハズ(笑)。コアが出現するより早く、あらかじめ自機を固定させておくわけですな。画面上部中央、コアが停止する予定の斜め左下のポジション取りです。このラリオスを合体まえに撃破できるか否かは、『スターフォース』において、初心者から中級者への判断基準でもありました。では、中級者と上級者の判断基準はというと、それは100万点ボーナスを取れるか否かです。100万点ボーナスは、当然のことながら、ラリオス以上にユーザーの関心を集めました。それは、僕がアーケード版で熱中したときのように……。

 

▲何もない場所を連射すると、ツタンカーメンのような顔をした隠しキャラクターのクレオパトラが出現。そう、ここが例の100万点ボーナスの出現ポイント。象形文字の代わりのファミコン版の背景は、この場所を示していたのです。

 

 これらの『スターフォース』の数々の魅力を、ハドソンとコロコロコミックが、これまたうまいタイミングで露出させていったわけです。それはもう、煽りと言ってもいいくらいのレベルで(笑)。ファミコンユーザーのほとんどは、当時みんな『スターフォース』夢中になったハズです。これは断言できますね。ファミコンユーザー(とくに子供たち)の興味は『スターフォース』に集中。『スターフォース』をやっていないと、毎日の話題についていけない状態でしたから。そんな人気ソフトの『スターフォース』ですが、そのあとさらに大きな盛り上がりを見せていきます。その様子は、次号の特別編にて……。

 

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