第17回 ガンランスvsグラビモス亜種
『モンスターハンター2(ドス)』プレイ日記
Text by 大塚角満
前回のコラムを読んだ河合リエが、「言い訳コラムだ言い訳コラムだ」と非難してきた。ふつうだったら、「言い訳なんかじゃねえ! 俺は生粋のガンランサーだ! ガンランス最強!!」と鼻息荒く反論したいところなのだが、じつはそうできない理由がある。
この際だから白状してしまうと、じつはオフラインモードを進めるにあたって、ガンランスで戦うことを避けたモンスターがいるのである。それも複数……。これが負い目となり、ついつい小声で「使ってますヨ、がんらんす。ええ、使ってます使ってます。がんらんすがんらんす……」とうわ言のように言うに止まり、編集部の隅っこでいじける日々が続いているのだ。これはエライことである。早いところ、これらのトラウマモンスターをガンランスで叩きのめし、ガンランサーの誇りを取り戻さなければならぬ! そこで決意が揺らがぬうちに、さっそくハンティングに出かけることにした。最初の相手はいきなりの大物"グラビモス亜種"である。
グラビモス亜種との戦いを避けてきた理由はただひとつ。"堅いから"である。そう言ってしまうと身も蓋もないのだが、どう考えてもコイツはガンランスとの相性が悪い。逆にグラビモス亜種から見たら、ガンランスを抱えたハンターはネギを背負ったカモも同然。ヤツらはガンランサーを見て「またチョロいヤツがやってきた」と言ってニヤニヤ笑っているに決まっているのである。どのくらい堅いのか、ということを文字にするのは難しいのだが、とにかく徹底的に堅い。顔面、足、翼、尻尾、そして腹部と、どこをどう突っついてもガンランスは弾かれてしまうのだ。もしかすると、もっと斬れ味がいいガンランスなら突き刺さるのかもしれないが、あいにく俺は、そんなすばらしいものは持っていない。ついでに書くと、切れ味に影響を及ぼすようなスキルも持ってない。しかし、俺も成長した。武器も防具もそれなりのものが揃い、いろんなモンスターと戦って経験値を得ている。もしかすると意外なほど簡単に、グラビモス亜種ごときはノせるかもしれない。そうだそうだ、そうに違いない! と単純に納得して、俺はクエストに出発した。今回の討伐戦に持っていったものは以下のとおり。
ガンランスvsグラビモス亜種 |
|
クエスト詳細 |
マップ……沼地 |
武器 |
ホワイトキャノン(放射型ガンランス) |
防具 |
なんか青い装備 |
持参アイテム |
回復薬(10個) |
閃光玉や落とし穴といった、非常に有効な戦術アイテムを持っていかなかったのは、(そういうものを使わなくても勝てるだろう)という、まったく根拠のない自信のためである。クーラードリンクが入っているのは、単純にマップを火山と勘違いしていたから……。まあこれらの持参品に加えて支給品の応急薬も手にして、俺は沼地マップの"8"の地点までダッシュしていった。
8に行くと、いましたいましたグラビモス亜種。それといっしょに忌々しいファンゴがウロついている。ファンゴは初代『モンスターハンター』からいる嫌われモンスターで、その嫌われ度は大相撲に例えると堂々の"大関"クラスである。むやみやたらとハンターに突っ込んで来る様は哀れみすら覚えるほど偏執的で、ついつい(誰かこの人を止めてあげてよ……)と思ってしまう。この頭のおかしいイノシシに加えて、この時期の8の地点にはメラルーまで生息している。メラルーは、以前ここで書いていた"モンスターハンタープレイ日記"でも紹介したことのあるネコ型モンスターで、簡単に言ってしまえば泥棒ネコである。しかし幸いなことに俺が装備している青い武具には"盗み無効"のスキルが付いている。なので俺は真っ先にファンゴを倒し、メラルーはシカトしてグラビモス亜種に襲いかかった。
しかし、まったく歯が立たない。いやこの場合は"刃が立たない"と言うべきか。想像通りすぎて悔しくもなんともないくらい、思いっきり通用しないのである。
しばらくのあいだ、むなしい突っつきをくり返した。そのたびにガキーンと跳ね返され、返す刀でタックルや熱線ビーム(でいいのか?)を食らう。ダメージを与えている気がまったくしない。そうこうするうちにグラビモス亜種は、スタコラサッサとマップ4の地点にエリアチェンジしてしまった。その姿からは「なんかうっさい蚊がいるから、べつのところに移動すべ」というオーラが出まくりであった。
それでも俺はめげずに、グラビモス亜種を追いかけた。たとえ切っ先が刺さらなくても、ガンランスにはほかの攻撃方法があるのだ。そう、砲撃と竜撃砲である!
鼻息荒く4の地点に行くと、あろうことかグラビモス亜種のほかに、イーオスとゲネポスがうじゃうじゃいるではないか。手強い飛竜と戦っているときに、彼らほど邪魔な存在はなかなかいない。……まあファンゴのところでも同じように書いたがね。とにかく俺は、嬉しそうにビョンビョンと飛び跳ねているイーオスとゲネポスを見て涙が出るほどげんなりしてしまったのだ。
そして思った通り、4の地点での戦闘は苦戦を極めた。苦戦どころか、戦いにならないのである。俺は砲撃にすべてを賭けてグラビモス亜種に接近しようとするのだが、イーオスとゲネポスがニコニコしながらドロップキックをかましてきて邪魔をする。なんとか砲撃をグラビモス亜種の顔面にぶっ放しても、効果があるのかどうかもよくわからない。いたずらに体力ばかり削られ、グラビモス亜種が再びエリアチェンジしたころには、俺は回復薬グレートを5個、回復薬を3個、応急薬を2個も消費していた。
完全に俺は後手にまわった。最後の切り札である竜撃砲は、使うタイミングがまったくつかめずに不発(炎の煙を頻繁に吐き出すため、なかなか懐に入れないのだ)。それでもけなげにエリアチェンジをくり返す巨体を追いかけてみるも、じりじりと体力を削られるばかりである。そのうちこっちの集中力が切れてきて、開始23分で1回死亡。ファンゴに転ばされたところに熱線ビームを食らい、なんとか耐えたものの見事にピヨって、2発目の熱線ビームで壮絶に散ってしまったのである。復帰後、すぐに戦場に駆けつけたが再びファンゴに吹っ飛ばされて、我が分身は毒沼にドボン。「コノヤロウ!!」とキレてファンゴを追いかけていたら、背後からまたまた熱線ビーム。瀕死状態で立ち上がったが、やたらと怒れる動く活火山に追撃ビームを放たれて2度目の戦死と相成った。
もうここまでくると、すっかりいじけモードである。「ったく、大人げねえなぁ……」と、自身のふがいなさを棚に上げてグラビモス亜種を逆恨み。よたよたと戦場に行ってボコンボコンとグラビモス亜種の顔面に砲撃するも、逆に彼を怒らせて猛攻撃にさらされるきっかけを作っただけ。結局、クエスト開始から32分、またまた熱線ビームをまともに食らいジ・エンド。3回目の死亡となって、クエストは終了となった。残されたのは我が分身の亡骸と、熱線にさらされて黒こげになった、無数のブタの丸焼き(繁殖期はモスがたくさんいるからね……)だけだった……。
でもまあ、負け惜しみを言うわけじゃないけど、ガンランスでもグラビモス亜種に勝てることはよくわかった。「どのへんを読めばそれがわかるのか?」という懐疑の熱線ビームが飛んできそうだが、わかったものはわかった。
「うんまあ、けっこうヤツも強いけど、勝てる勝てる……」
俺は寂しく呟いて、戦場を後にした。もうしばらく、グラビモス亜種はいいや……。
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