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第12回 古龍が街にやってきた
『モンスターハンター2(ドス)』プレイ日記

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Today’s Text:大塚角満 


 オンラインで『モンハン2』をプレイしている人はご存じかと思うが、4月9日から11日のあいだ、ドンドルマの街に古龍が襲来した。やってきたのは"クシャルダオラ"で、『モンスターハンター2』の新しい象徴的なモンスターである。
 

 古龍が街に襲来すると、ドンドルマの街は非常に物々しい雰囲気に包まれる。街中を重装備の守備兵団がかけずり回り、住人のNPCがしゃべる内容も古龍襲来のことばかり。なんとか撃退しないとドンドルマが崩壊してしまう! という緊張感に満ちている。
 

 古龍がやってくると、我々ハンターは"迎撃戦"に出撃できるようになる。特殊マップ"戦闘街"で、襲い来る古龍とガチンコ勝負をするのだ。戦闘街は、通常の街の広場からつながっているレイアウトになっていて、本当に街を守るために出撃するような、ある種の高揚感をハンターに植え付けてくれる。俺たちがやらなければ街がメチャメチャにされる! そんな責任感を背負わせてくれるのだ。
 

 さっそく、この迎撃戦に出向くことになった。メンバーは俺、女尻笠井、そしてアカレンジャこと中目黒目黒の3名である。3人ともファミ通のニュース班に所属するチームメイトである。仕事におけるチームワークはバツグンであると自負している。しかし『モンスターハンター』シリーズをいっしょにプレイすることにおいては、はっきり言ってこれほど不安なメンバー構成はない。どう贔屓目に想像しても、俺たちがクシャルダオラ相手に勝利の雄叫びをあげている姿が見えてこないのだ。俺は言った。
 

 「ハンターランクが低くても迎撃戦に行けるみたいだけど、3人で行ってみる……?」
 

 俺の向かいの席で目黒は喜々として「行きましょう行きましょう! 迎撃してやりましょう!」と言った。そして「まあ3人なら余裕っすよね」と付け加えた。そういう目黒が、じつはいちばん危ないのだ。この3人の中で彼だけが唯一、クシャルダオラと戦ったことがないのである。その証拠に「くしゃるだおらって、どんなヤツでしたっけ?」なんて言っている。「なんか風がビュービュー吹いてて空飛んでるヤツ」と教えてあげても「……ふうん」と曖昧に頷くばかり。(……こりゃエライことになりそうだ)と思いながらも、俺たち3人はダオラ撃退を夢見て元気よく戦闘街に出かけていった。
 

 戦闘街に降り立つと、いましたいましたクシャルダオラ。猛烈な風を纏って、バサリバサリと空を飛んでいる。戦闘街は広いグラウンドと城塞で構成された特殊なマップで、基本的にはグラウンドのほうでモンスターと戦うことになる。見るとクシャルダオラのほかにも、空には忌々しいガブラス(上空から毒をペッペと吐きかけてくる酔っぱらい顔負けのムカつくモンスター)が、地上にはイーオス(びょんびょん飛び跳ねながら毒を吐きかけてくるドクガエル真っ青のイラつくモンスター)がたくさんいて、我々ハンターが来るのを待ちかまえている。目黒はガブラスを見るのも初めてなので「なんか空にいっぱいいる!」と言って驚いている。しかし、ガブラスごときに驚いている場合ではないのだ。我々はクシャルダオラを撃退しなければいけないのである。
 

 地上に降りてきたクシャルダオラに、猛然と斬りかかる俺と笠井。ダオラのまわりに風が吹いているときは攻撃が跳ね返されてしまうので、なかなか思うようにダメージが与えられない。そのうち、いつのまにかノコノコと戦場に降りてきた目黒がダオラのブレス攻撃をまともに食らい、一撃で死亡した。「わあ!! 一発でちんだ!!」と目黒が叫んだ。彼の装備は初期中の初期のものなので、古龍の攻撃にさらされれば、それはひとたまりもないだろう。俺と笠井はゲラゲラと笑いながら、「どんまいw」と言った。この迎撃戦は例の1死クエではないので、まだまだ余裕だ。
 

 しかしこれで、目黒がまったく戦力にならないことが判明した。こうなったら俺と笠井のふたりでなんとかするしかない。そこで俺は、拾い集めた支給用大タル爆弾を設置して、ダオラに大ダメージを与えることを思いついた。ちょうどいい具合に、笠井が閃光玉でダオラをピヨらせる。さっそく支給用大タル爆弾を……。
 

 ボボボボボンッ!!
 

 という大音響とともに、俺と笠井のキャラが爆風で吹っ飛んだ。そしてあえなく、笠井のキャラが死亡した。
 

 「なんだなんだ! 爆風で昇天したんですけど!」
 

 と笠井が絶叫した。どうやら俺が爆弾を設置したことを知らずに(何も言わずに置いたのであたりまえ)、太刀の気刃斬りで誤爆してしまったらしい。支給用大タル爆弾の破壊力は凄まじいので、ちょっと体力が減っていた彼のキャラはひとたまりもなかったようだ。「テロだテロだ!」と笠井はわめいた。「ごめんごめんw 爆弾おいちゃった♪」と俺は言った。
 

 けっきょく、復帰した目黒が再びダオラに殺されて、そのクエストは失敗となった。うーん、やっぱり勝てる気がしない。でもおもしろいので、再度チャレンジすることになった。目黒は何を勘違いしたのか「どうやら武器が悪かったらしい」とか言って、片手剣から狩猟笛に武器をチェンジしている。いまや希少と言っても過言ではない狩猟笛だが、俺と笠井は何も言わず、再び戦闘街へ降り立った。
 

 今回は事前から"ダメージを与えられることはなんでもしよう"という、作戦というにはあまりにも脆弱な作戦を立てた。「隙があったら爆弾置きますから」と笠井。どうやら俺の置いた爆弾で死亡したことを根に持っているらしい。「おっけーおっけー。俺もそうするよ」と言って、俺は笠井をにらみ返す。やるかやられるかだ! と、いったい何を迎撃にいくのかわからなくなりながらも、俺たちはクシャルダオラと相まみえた。
 

 戦場につくと、目黒がフルフルホルン(狩猟笛のひとつ)の不気味な音色を奏で始めた。この男は何事もテキトーなので、いったいどんな効果がある音色なのかわからないままに吹いているから恐ろしい。画面に音色の効果が表示された。
 

 雷耐性アップ
 

 クシャルダオラは、氷系のモンスターである。再びフルフルホルンの、やる気を削ぐメロディーが響き渡る。
 

 火耐性アップ
 

 何度も言うが、クシャルダオラは氷系のモンスターである。そしてやめときゃいいのに、みたび、フルフルホルンが絶望的な声をあげた。
 

 水耐性アップ……。
 

 「ダオラは氷のモンスターだよ!!」
 

 と俺は叫んだ。目黒は「おっかしいなあ」と首を傾げている。そのうち、適当に笛を吹いている隙を突いてクシャルダオラが目黒に突進。またまた彼は一撃のもとに屠り去られてしまった。それを見て笠井は、
 

 「あー腹いてえ」
 

 と言って笑い転げている。しかし笑ってばかりもいられない。なんとか迎撃しなければ!
 

 もう目黒の笛には期待しないことにして、俺たちは闇雲にダオラを斬りつけていった。なかなか順調に攻撃が当たる。おお、これは撃退できるかも! そこで俺たちはダメ押しとばかりに、笠井の閃光玉でピヨったダオラの周囲に爆弾を設置していった。再び爆風に巻き込まれてはかわいそうなので、起爆は笠井にまかせよう。そう思って、俺と目黒が爆弾から離れた瞬間に、近くにいたイーオスが大ジャンプ! 起爆のために爆弾の近くにいた笠井もろとも吹っ飛んでしまった。当然、笠井は即死である。
 

 「わー! また爆弾だ!!」
 

 と、笠井は泣きわめいた。でも今回は俺じゃなく、悪いのはイーオスである。俺と目黒は「あーハラいてえ」と大笑いした。
 

 あまりにも呼吸があわない俺たち3人はけっきょく、そのクエストも失敗した。思ったとおりである。俺たちはお互いに言いしれぬ不信感を抱きながら、静かに街を出た。
 

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