【任天堂ラウンドテーブル】宮本茂氏、『スーパーマリオギャラクシー』を語り尽くす!
E3 Media & Business Summit
●『スーパーマリオギャラクシー』は誰でもすぐに遊べるソフト!
『ゼルダ』の青沼氏に続いて登場したのがテレビゲームの象徴・宮本茂氏だ。先のプレスカンファレンスで健康をテーマにしたWii用ソフト『Wii Fit』をお披露目した宮本氏だが、「昨日は『Wii Fit』中心のプレゼンテーションになりましたが、今日はこれまでのコアなゲームが好きな人たちが集まっている機会(ゲーム好きのメディアが参加している会合)なので、『スーパーマリオギャラクシー』を詳しく解説したいと思います」と切り出し、Wiiに導入される本格的な『マリオ』作品、『スーパーマリオギャラクシー』を詳しく語った。
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▲ウィットに富んだ語り口調で『スーパーマリオギャラクシー』を解説した宮本茂氏。 |
宮本氏はまず、「作り手が何に興味を持っているか、ということは非常に大事」と切り出し、自身がここ3年にわたり毎日体重を計っていることをカミングアウト。この"毎日続けること"が"楽しさ"に直結することをしみじみと語り、「ゲームも攻略だけじゃなく、毎日貯めてきたものを眺めるだけでも楽しいでしょう」とにっこり。そのうえで、「『スーパーマリオギャラクシー』は従来のゲームらしく、『Wii Fit』は誰でも楽しめるものと目指す場所は違う。でも唯一共通しているのが”初めて触る人でも楽しく遊べる”という部分なんです」と語り、ターゲット層は違うソフトながらとっつきやすさ、敷居の低さは両ソフトとも同様であることを力説した。そして宮本氏のまえにラウンドテーブルに登場した青沼氏の作品『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』を指して「『夢幻の砂時計』は日本での販売動向を見ると両方の層を引きつけていますが、『スーパーマリオギャラクシー』には(『ゼルダ』と同じように両方の層に訴えかける要素として)”アシストモード”があります。これについてはあとでゆっくり語りましょう」と語り、にっこりと笑った。
『スーパーマリオギャラクシー』は”重力”がテーマのゲームで、縦横無尽に惑星を走り回り、壁という壁に引っ付いて自由に駆け巡ることができるゲームだ。このシステムについて宮本氏は「ニンテンドウ64の『スーパーマリオ64』や、そのあとにデモを公開した『マリオ128』といったものを作っていたときから、ずっと研究していたんです。それがやっと、実を結びました」と感無量の様子。重力システムは初めてプレイする人でもそれを意識せずに触れることを力説し、「『スーパーマリオ64』のときから3Dゲームのテーマだったのがカメラ(視点)だったんですけど、『スーパーマリオギャラクシー』ではそれをあまり意識しなくても楽しく遊べるんです」と自信の表情を見せた。そして「『マリオ』って自分だけの技や攻略方法を見つけるのが醍醐味じゃないですか。この重力システムはこれに輪をかけて、思わぬところでそういう発見があります。僕らもデバッグできないくらいいろいろ飛び出してきているので、皆さんがどれだけ発見できるか楽しみです(笑)」とした。
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このあと、宮本氏は『スーパーマリオギャラクシー』のシステムについて言及。スターピースを集めることで新しい星が生まれ、6つのステージに120の星が存在することを語った。さらに宮本氏自らがデモプレイを披露したのだが、何度も失敗して「あれ。ここ、どうしたらいいの?(苦笑)」と笑いを誘う場面も。ゲームの神様、宮本氏のおちゃめな姿に、来場した各国のマスコミ陣は大喜びだった。
このあと、冒頭で宮本氏が注目ポイントとして挙げた”アシストモード”を実演。このモードはいわゆるふたりプレイモードなのだが、たとえば一方のプレイヤーが空中にブロックを積んでマリオの足場を作って誘導し、もう一方がマリオを操作して足場を通過する……といった、従来のゲームのふたりプレイとはまったく違う連動が図れることを披露した。
そしてプレゼンテーションのあとには質疑応答を実施。要点をまとめよう。
−−『ギャラクシー』は『マリオサンシャイン』の続編? それとも『スーパーマリオ64』の続編?
宮本 自由に3D空間を走り回ってほしいと思って作ったのが『スーパーマリオ64』。『ギャラクシー』はそれに加えて重力システムが加わりました。それでも、『スーパーマリオ64』に比べて『ギャラクシー』は操作がシンプルです。ボタンを全部使うことは使いますけど、複雑ではなく、自然に扱うことができると思います。そういう意味では、『スーパーマリオ64』の正当進化版ですね。
−−『Wii Fit』で使う”バランスボード(仮称)”の可能性を教えてください。
宮本 単純に思いつくのがスノーボード。『Wii Fit』にもスキーを模したミニゲームが入っていますけど、早い段階でサードパーティーさんからもいろいろなアイデアが出てくるでしょう。
−−いろいろなアイデアが詰め込まれている『ギャラクシー』ですが、導入をあきらめたアイデアもあるんですか?
宮本 たくさんありますよ、ゲームを作るときはいつでも(笑)。いま『ギャラクシー』ではクッパが登場するところを作っていますけど、そこでどれだけアイデアを使い切ることができるか……。でも今回のように新しいシステムを組み込むと、いろいろなアイデアがたくさん出てきますね。
−−『ギャラクシー』と『Wii Fit』、どちらが奥さんに評判がいい?
宮本 (笑)。僕は制作中のゲームを社外に持ち出すことってしないんですよ。なのでどちらも、まだ試していないんです。もうすぐ答えがでますね(笑)。
−−『Wii Fit』のバランスボードについて、サードパーティーにも情報をシェアしてるの?
宮本 昨日公開したので、いろいろなメーカーさんから問い合わせが殺到しています。ゲームメーカーさん以外でも、じつはバランスボードは大学の医療機関と協力して作っていますので、医学的にも応用されると思いますよ。
−−バランスボード、Zapper以外にも周辺機器が発売される?
宮本 それはゲームデザインしだいです。Wiiを設計したとき、いろいろな周辺機器をつけたいと思いましたけど、その機器を買わないとゲームを堪能できない、ということは避けたいと思っています。
−−『ギャラクシー』にルイージは登場する?
宮本 ナイショです(笑)。
−−バランスボードのアイデアはどこから来たの? また世界各国向けにバランスボードのサイズはどうするの?
宮本 まずサイズですが、日本でモニタリングして、つぎはアメリカンなスーパーサイズも必要かなと(来場者大爆笑)。いま、いろんなところからサンプルを採っているんですよ、レジーさんとか(前日の発表会で米国任天堂社長、レジー・フィザメイ氏のBMI値が計測された)ね(さらに来場者爆笑)。アイデアはどこから……ということですが、ウチの家族でも、スポーツジムに通うものもいたりして、すごく健康について興味があるんですね。なのでお父さんの体重を家族で眺めるだけでもすごくおもしろくなる。でも計っただけじゃダメなので、いろいろなゲーム的な要素も盛り込んで初めて、”これはいける!”となりました。
−−『ギャラクシー』における宮本さんの役割は?
宮本 『スーパーマリオ64』のときはメインでディレクションをしましたけど、今回の『ギャラクシー』もメインのゲームデザインは私がやっています。そういう意味では『スーパーマリオ64』以来の深い関わりかたですね。『ギャラクシー』は東京で作っているんですが、僕の京都の机とテレビ電話でつねにつながっているので、すぐにプログラムも飛んでくるんですね。便利になりましたよね(笑)。
−−『サンシャイン』はすごく難しかったが、『ギャラクシー』の難易度はどうなるの?
宮本 じつはいちばん議論したのが難易度について。『サンシャイン』のときに”これは難しすぎるのではないか”というお便りをたくさんいただいてましたので、非常に慎重に対応しました。でもじつは、半年まえまではもっと簡単だったんです。僕が適度な難易度と思ったところに修正してあります。
こんな感じで、かなり核心に迫ったやりとりも多かった今回のイベント。発売日が楽しみになってくるね。
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